2010年1月27日水曜日

路地を生かした街づくりを 安易な道路拡幅反対も、東大・西村幸夫教授

 江戸時代の旧家が残る彦根市芹橋2丁目のまちづくりの方向性を探るセミナーが24日、四番町ダイニングで開かれ、都市計画専門の東大教授・西村幸夫氏が「これからのまちづくりには路地を生かすことが大事」と訴えた。
 西村教授は「路地からのまちづくり」と題して講演。芹橋地区は道幅2・7㍍で車が通りにくいため、新しい住民が住まず、町の高齢化が進んでいる。西村教授は「狭い路地が本来、人間の体の寸法に合っている」とし、路地が生活に馴染んでいる例として、岡山の倉敷、神奈川の葉山などをスライドで紹介。また、東京・お台場にも横丁のような商店街ができ路地がクローズアップされていることをあげ、「歩く事、脱車社会へと、生活様式が見直されている」と話した。
 建築基準法が防災面から4㍍道路を義務付けている点については、路地でも防災面が考慮されれば、大阪・法善寺横町など火事後の再建で路地の維持を認められた例があると解説。「画一的な道路拡幅は生活感覚を削ぎ、人と人とを遠ざけてしまう」と解説した。

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