2012年9月16日日曜日

なぜ日本維新の会を選ぶのか

 産経新聞が今月初めに行った世論調査で、次期衆院選での比例代表の投票先をたずねたところ、橋下徹・大阪市長率いる日本維新の会(以下、維新の会)が23・8%で首位となった。次点は自民21・7で、民主17・4、国民の生活4・4、みんなと公明3・3、共産3・2などと続き、わからない20・3―となっている。
 今、なぜ維新の会なのか。正式にはまだ政党ではなく、「維新八策」たる公約の具体的な工程表も示されていないにもかかわらず、多数の国民は維新の会、いな橋下徹という男に惹かれている。
 これは国民による一種の冒険であり、賭けでもあるが、裏を返せば、それほどまでに明治時代から続いてきた官僚支配による日本の中央集権体制が、根源まで腐りきっているということである。その老朽化したボロボロの腐敗構造を既に大多数の国民は諦観しており、その構造を打破できない政治に、もう匙を投げている。
 維新八策では、首相公選制、道州制、消費税の地方税化、衆議院の定数半減(240に)、公務員の身分保障の廃止、教育委員会制度の廃止、TPP参加、主権と領土を自力で守る防衛力の整備、憲法改正など、画期的な政策が並んでいる。
 以上の政策を一言で要約するならば、「自立」という言葉を当てはめることができよう。中央集権からの地方の自立であり、それは国民の自立にもつながる。また米国の属国からの自立をも訴えており、真の民主主義国家を目指しているともいえよう。
 確かに、維新の会の擁立予定の候補者は多くが素人であり、そのような集団が国政のキーマンになることは危惧される。にもかかわらず、なぜ多数の国民が維新八策に近い政策「アジェンダ」を掲げる既成政党のみんなの党ではなく、維新の会を支持するのか。それは大阪を舞台にあらゆる改革を断行し、国をも動かしている橋下徹という男の爆発的な発信力と突破力、そしてそのカリスマ性に魅了されているからに他ならない。
 経済の低迷、政治の混迷・・・、衰退の途をたどる我が国が目指すべき国家像とは何か。「近いうち」にある総選挙で、我々はこれまでのように、甘い蜜のみに食いつくのではなく、国全体の将来を考えた上で真剣に選択する時節にあることを肝に銘じなければならぬ。その最たる対象が維新の会であることに間違いはない。【山田貴之】

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