2016年6月30日木曜日

企業による空き家や空き店舗を活用した新ビジネス促進、滋賀中央信用金庫が7月1日からビジネスローン「Re:タウン」運用開始

 企業による空き家や空き店舗を活用した新たなビジネスを促進しようと、滋賀中央信用金庫は7月1日からビジネスローン「Re:(リ)タウン」の運用を開始する。
 総務省統計局の平成25年の調査では滋賀県内に7万7800軒の空き家があり、そのうち彦根市内は1万0440軒だという。滋賀県内では空き家情報のサイト「空き家バンク」を運営している自治体があり、市内でも彦根商工会議所を事務局に「小江戸ひこね町屋情報バンク」のサイト設置や「チャレンジショップ」で空き家と空き店舗の有効活用を進めている。
 滋賀中信では新ビジネスの展開と新たな雇用の創出を目的に、彦根商議所と近江八幡商議所に加盟する企業を対象に、空き家などを活用してビジネス展開する際に金融支援を行うことにした。
 対象は滋賀中信の営業エリアの企業で、今後は稲枝や犬上郡の商工会の会員、または商議所・商工会の支援が受けられる事業者にも広げていく。空き家などの購入・改修資金(設備資金)と事業の運営資金(運転資金)について、2000万円以内(運転資金は1000万円以内)の借り入れ限度額を設定。補助金の受けられる案件、事業開始後1年目に計画の売上高60%以上達成、2年目に同80%以上達成、3年目に同100%達成に応じて、0・10%ずつ最大0・40%の金利を優遇していく。問い合わせは滋賀中信営業推進部☎0748(34)7812。

自民党の谷垣禎一幹事長と民進党の山尾志桜里政調会長が両党候補の応援に

 参院選の公示日には自民党の谷垣禎一幹事長と民進党の山尾志桜里政調会長が両党候補の応援に駆けつけた。
 谷垣氏は「リーマンショックで失った富の損失がアベノミクスにより戻りつつある。有効求人倍率は全国47都道府県で1を上回っている」とアピールする一方、「ただ個人消費がうまくいっていないため、消費増税を2年半先に延ばし、その間に皆さんが安心して生活できるように地方経済を良くしていく」と説明。「観光や農業のほか、人工知能(AI)を生かした新産業などで経済を成長させていく。その人材として小鑓さんが必要だ」と支持を求めた。
 共産党と連携している民進党に対しては「共産党と組むのは政権交代をあきらめたということ。そのような志の小さな政治家たちに任せるわけにはいかない」と批判した。
 山尾氏は「アベノミクスはお金持ちを大金持ちにしただけで、普通の人は豊かになっていない。安倍首相は自分に都合の良い言葉を並べているだけだ」と指摘。「アベノミクスの失敗は年金制度につけを回す」「待機児童の解消など子どもたちへの投資を進めていくべきだ」と話した。
 憲法については「自民党は憲法改正を目指しており、この選挙では押し入れにしまっているようだが、選挙が終われば必ず表に出てくる」「戦後71年間、平和の形が守られてきたが、安倍首相の頭には9条改正がある」と解説した。
 野党共闘については「与党が批判を強めるということは恐れの表れ。安倍政権の暴走を止めるために共に戦いましょう」と支援を呼びかけた。

2016年6月26日日曜日

参院選公示 滋賀選挙区は幸福実現党新人の荒川雅司候補、民進党現職の林久美子候補、自民党新人の小鑓隆史候補が出馬

 参院選は22日公示し、滋賀選挙区(定数1)には幸福実現党新人の荒川雅司候補(41)、民進党現職の林久美子候補(43)=共産・社民推薦、自民党新人の小鑓隆史候補(49)=公明推薦=が出馬した。7月10日の投票に向けた選挙戦が始まった。
 荒川候補は大津市内などで「参院選の争点は大増税か、大減税かの選択。増税はこの国の借金の解消や社会保障制度の充実にはやむを得ないという考え方からだが、減税することで経済を再生させることができる。与野党とも増税してばらまくというやり方だが、幸福実現党だけが大減税。大減税で景気回復を最優先させる」と述べた。
 林候補はパリヤ前の出発式で第一声。アベノミクスに対して「景気が回復しないのは世界経済が低迷しているからではない。個人消費が伸びないのは今の生活や将来に不安を感じているから。アベノミクスは失敗した」と主張。
 経済成長に向けては「最低保障年金制度を作る」「将来設計ができる安定した労働環境を作る」「待機児童の解消や給付型奨学金制度を創設する」ことをあげ「子どもたちがわくわくできる社会作りを全力でやらせて頂く」と支持を求めた。
 安全保障法制については「私たちは戦争を知らないが、戦後ずっと平和を守り抜いてきた。何としても次の世代も平和な国であってほしい」と訴えた。
 小鑓候補はパリヤ前での出陣式で第一声。「国際社会の景気が低迷する中で日本はアベノミクスで経済成長を遂げてきた。これからもアベノミクスを進める必要がある」と実績と継続の必要性を示した。
 野党の「アベノミクスは失敗した」との主張に対しては「薄っぺらい勢力がある」と指摘した上で「みんなが3年半前の民主党政権に戻りたくないと思っている。重箱の隅を突っついているだけの政治は許せない」と批判。「私は経済再生を前に進める。地方創生を進め、経済再生を進める」と繰り返し力説した。
 社会保障制度については「経済を再生させることで、少子高齢化や人口減少などの解決に繋がる。そのためにも経済を後退させてはならない」と訴えた。

2016年6月23日木曜日

井上仏壇が仏壇七職採用した商品開発「INOUE」のブランド名で国内外で販売

 彦根市芹中町の井上仏壇が仏壇七職の技術を採用した商品を開発し、「INOUE」のブランド名で国内外での販売に乗り出した。
 仏壇業界は住宅環境の変化などで厳しい状況が続いており、伝統技術の継承や後継者の育成が課題になっている。 
 井上仏壇は仏壇の技術を生かした新たな商品作りをしており、これまでにカフェ関連の商品「chanto」(シャント)を国内外で展開している。しかし採用された技術が漆塗りのみだったこともあり、仏壇七職すべてを使った高付加価値のある国内外の富裕層向けの商品開発を企画。平成25年からシンガポールで市場調査を行い、高級ブランドの腕時計の入れ物に着目して、昨年10月までに試作品を完成させた。
 腕時計を入れる14・5㌢四方の立方体形と収納箱には木地師や漆塗師など五職が採用されており、彦根城天守の破風部分をイメージした金の意匠も取り入れられている。16個を収納できる高さ1・7㍍×横70㌢×奥行き45㌢の仏壇形は残り2つの技を取り入れた七職すべてが使われており、そのうち六職が彦根仏壇の職人によって作られている。
 昨年12月に東京都内の高級ホテルのギャラリーで試作品を展示した際、来場者から好評だったことから本格的な販売を開始。商品の完成は受注から約半年かかるという。井上昌一社長は「新商品INOUEが仏壇技術の伝承や後継者の育成に役立つことができればと思う」と話している。問い合わせは同社☎(22)1587。
「はばたく300社」に選定
 井上仏壇はこのほど、「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定された。滋賀県内では同社含め2社のみ。「chanto」(シャント)の開発や職人のインターンシップ、若手職人グループ「柒m+(ナナプラス)」による新商品開発、海外の観光客への工芸体験が評価された。

2016年6月22日水曜日

参院選公示 滋賀は3氏出馬へ

 参院選がきょう22日公示される。滋賀選挙区(定数1)には自民党新人の小鑓隆史氏(49)=公明推薦、民進党現職の林久美子氏(43)=共産・社民推薦、幸福実現党新人の荒川雅司氏(41)が出馬する。7月10日の投票に向け、選挙戦ではアベノミクスの是非や社会保障制度などを訴える。
 今回の参院選では定数242の半分にあたる選挙区73、比例代表48の計121議席を争う。安倍首相は与党で過半数(61議席)を目標に掲げているが、近年では自公両党で平成22年に60議席(うち公明9)、同25年に76議席(同11)を獲得している。滋賀を含め、与党と野党共闘が対決する14の1人区が勝敗の分かれ目とみられ、安倍首相は先週17日に早くも湖国入りし、アベノミクスの実績をアピールした。
 民進党は「アベノミクスは失敗」「現政権下での憲法改正反対」「立憲主義を無視した安保法案破棄」などを主張。安倍政権を倒すために共産党、社民党との野党共闘を1人区で実施する。
 投票権が18歳以上に変更したため、各党とも若者向けの施策もPRしていく。
 期日前投票が23日から7月9日まで市役所と稲枝支所で実施。ほかに滋賀県立大学で28日から30日まで、ビバシティで7月2日から9日まで行われる。

安倍首相と野田前首相が滋賀で演説

アベノミクス実績PR
「彦根城登りたい」とも
 自民党の安倍晋三首相が17日、滋賀県入りし、県内4カ所で街頭演説を行った。彦根市内のパリヤ前では約800人の聴衆を前にアベノミクスの効果などを訴えた。
 安倍首相はアベノミクスにより、雇用環境や有効求人倍率、株価、賃金、学生の就職率などが民主党政権時代より伸びている状況を数値で示した上で「景気は回復しており、経済は確実に成長している」と話した。
 一方で「アベノミクスはまだ道半ばだ」とし「デフレから脱却し日本経済を更に豊かにしていくには地方創生しかない」と解説。滋賀の例として観光をあげ「海外からの観光客は昨年度2000万人で、滋賀は4倍になった。琵琶湖や延暦寺などすばらしい文化や施設がある。彦根には彦根城や佐和山城跡がある」「来年の大河ドラマは『井伊直虎』が主役。このチャンスを生かして頂きたい。私も(参院選に出馬する)小鑓さんの案内で彦根城に登りたい」と語った。
 聴衆に女性が多かったため、「家庭でも職場でも女性の皆さんの力を生かせる社会を作っていきたい」「高齢者から若者までが活躍できる社会を作るために、税収を子育てや介護のために使っていきたい」と説明。「安定した社会基盤の上での成長、果実をしっかりと分配するという成長と分配の好循環で地方を豊かにする」と述べた。
 日米同盟についてはオバマ大統領が広島を訪問したことに触れながら「平和安全法制は日米が互いに助け合うことができ、北朝鮮の弾道ミサイルに対してもしっかりと対応することができた」と理解を求めた。
 最後に安倍首相は「共産党と民進党に日本の未来を託すわけにはいかない。今回の参院選は(民主党政権時代の)3年半前に戻すか、戻さないかを選ぶ選挙。彦根を日本の真ん中で活躍できるまちにしたい」と支持を求めた。
 出馬を予定している小鑓氏は「アベノミクスは発展途上。年金、介護、子育ての環境を良くするためにアベノミクスを更に進めていかないとならない」と訴えた。

子ども、若者の育ち応援
 民進党の野田前首相は17日、湖北での街頭演説後、長浜市の臨湖で開かれた党政策フォーラムに出席。「子どもの育ち、若者の学びをもっと社会で支えよう」と呼びかけた。
 貧困の連鎖を例にあげて「1人親の家庭、極貧の家庭に生まれた子どもの育ちを社会が後押ししているでしょうか、若者の育ちを応援しているでしょうか」と疑問を投げかけ、「異次元の金融緩和なんて意味がない。異次元の子どもへの投資、若者への投資は日本の底力として返ってくる。そういう政策を推し進めよう」と訴えた。
 また、少子高齢化にも触れ、「いずれ1人の現役世代が1人のお年寄りを支える時代が来る」「下で踏ん張る世代のことを考え、学ぼうと思えば学べる、働こうと思えば正規雇用で働ける、家庭を持てば保育所が整っていて子ども達を育てられる。そういった人生前半の社会保障を厚くしなければならない」と語りかけ、「人生の先輩世代にも理解して欲しい。子どもの育ちと若者の支援はこの国の建て直しに一番必要なテーマだ」と呼びかけた。
 立候補を予定している林氏は「この3年半で、滋賀県内の企業は15%が廃業・倒産に追い込まれている。滋賀で働く方の4割は非正規。アベノミクスの恩恵は滋賀に及んでいない。資産を持った一部が豊かになっただけ」と指摘。「景気が回復しないのはGDPの6割を占める個人消費が増えないからだ。働くことの不安、老後の不安、子どもを育てる不安がある。今すべきはアベノミクスではなく、皆さんの暮らしの不安を解消すること」と訴えた。
 また、「今回の選挙はアベノミクスの是非を問うと言われているが、同時に憲法改正がその先に見えている。平和を問う選挙でもある」と支持を呼びかけた。

2016年6月21日火曜日

大久保市長は責任転嫁するな

 新たな市民体育センターの建設を巡って、市議会内で慎重意見が出始めており、市役所本庁舎の耐震化に続く市政混乱の可能性もある。
 建設予定地になっている燦ぱれす周辺は元々、市立図書館の整備が有力視されており、小生も市民体育センターの整備検討委員会から最初に報告を受けた際は降って湧いた思いだった。均衡ある発展や武道場などの整備を願っていた市体育協会の会員、誘致活動をしていた稲枝などの住民の思いをくみ取ると、その無念さが伝わってくる。6月議会では案の定、稲枝地区の選出の議員を中心に複数から反対意見が出ていた。
 大久保市長はこの問題に対して6月議会で「検討委員会の報告をもとに決めた」「県に要望している」などと、市長就任以来のこの3年間に幾度となく聞いた答弁を繰り返していた。小生はこれまでに何度か、市の将来に関わる重要案件については検討委員会や協議会などに任せる「責任転嫁」型ではなく、市長自らが基盤となる方針を決めた後に、委員会などに諮るべきだと提言してきた。市議会でも安居正倫議員が同様の指摘をした上で「委員会に任せる手法は以前から苦々しく思っていた」と語っていたが、その通りである。
 確かに庁舎耐震については市長が「リーダーシップ」を発揮し、前市長の方針を撤回した上で新たなプランを提示したが、上滑りに終わり、市政を混乱させたのはつい最近のことである。そのため政治的決断には先見性や実行力も伴わなければならない。
 新しい市民体育センターを巡っては今後、7月中旬に検討委員会を開催し、市としての整備基本計画案を示して、地元への住民説明会とパブリックコメントを経て、8月ごろに基本計画を策定。9月議会にも設計費を上程する運びだ。
 しかし、そうは問屋が卸さないであろう。6月議会の慎重派議員の質問を聞くと、「火種」は既にくすぶり始めており、9月議会に向けて広がる可能性がある。
 庁舎耐震化のように再び市政を停滞させることがなきよう、大久保市長は責任転嫁をせず、現行のままで進めるのか、改めて候補地を選定し直すのか、市民や市議会に理解される政治的決断を表明するべきである。 【山田貴之】

2016年6月20日月曜日

参院選前に、自民党の石破茂・地方創生担当相と民進党の岡田克也代表が滋賀入り

 22日の参院選公示を前に、自民党の石破茂・地方創生担当相と民進党の岡田克也代表が11日、滋賀入りし、党支持者や有権者に立候補予定者への支持や党の政策を訴えた。
石破大臣「地方で新産業を」
 石破大臣は11日、滋賀県立大学で地方創生をテーマに講演した。
 石破大臣は若者の東京一極集中と地方の人口減少が続いていることに触れ「今後、東京では直下型の大地震が起こると言われている。また東京は世界が体験したことがない規模とスピードで超高齢化が始まる」と、その危険性を指摘した。
 一方で地方について、昭和40年代から同50年代にかけては地方での公共事業などが国を支える時代だったとした上で「今の時代に同じことはできない。生かせていない産業がいっぱいある」とし「例えば、農業においては米、麦、乳製品などに高い関税がかけられているが、それで強くなるとは思わない。日本の米は一度食べるとやめられないため、アジアでは『麻薬だ』と言われているらしい。ほかの産業を含めて海外に展開することができる」と、TPPへの理解を求めた。
 1人当たりの県民所得で滋賀が常に上位5番以内に入っていることを紹介しながら「自動車や電化製品が壊れなくなり、高齢者が増える中で、いかに個人消費を伸ばすかが課題になる」「それには新しい産業を滋賀で、彦根で確立するしかない。国を変えるのは地方の智恵であり、地方の力で新しい日本を創って頂きたい」と述べた。
 参院選に出馬する小鑓隆史氏(49)は「私の古里の滋賀を元気にするため、(県知事選以来)再び出馬することを決めた」と決意を述べていた。彦根・犬上郡選出の大野和三郎県議を支援する団体が主催し、県内の自民党の国会議員や知事、首長、支援者約1200人が来場した。
岡田代表「政治の流れ変える」
 岡田代表は、米原市長岡で行われた参院議員・林久美子氏の事務所開きに出席。経済政策の転換と憲法9条の堅守を呼びかけ、「安倍さんの暴走を止め、政治の流れを変える大事な選挙」と党員や支持者に奮起を促した。
 消費増税を延期した安倍首相について「消費税を増税できる経済環境を作りだせなかった」と批判し、「金融と財政出動に頼り続けた3年半。これは限界に近づいている」「国民の8割が景気回復を実感していない」と指摘。構造改革の徹底、人への投資、格差の是正などで「成長と分配を両立させる戦略が求められている」と訴えた。
 憲法改正については、安倍首相が3年前の参院選後に特定機密保護法案を、一昨年の衆院選後に安全保障法案を取り上げたことから「改憲勢力が3分の2をとれば9条改正は間違いない」と指摘し、「70年間歩んできた平和国家としての道が問われている」とした。
 林氏は「老後の安心をつくる」「働くことを大事にする」「子ども達が希望を持てる地域をつくる」と語り、「今の政権の暴走をストップし、平和を取り戻す。過去は変えられないが、未来は変えられる」と呼びかけた。
 事務所開きには民進党の田島一成衆院議員、平尾道雄米原市長、地元選出の県議、市議、支持者ら約50人が出席した。この日は彦根、長浜でも事務所開きが行われた。

映画「マザーレイク」初日舞台あいさつビバシティシネマで、大津出身の女優・高橋メアリージュンさんら出席

 琵琶湖を舞台にした映画「マザーレイク」の初日舞台あいさつが11日にビバシティシネマであり、出演する大津出身の女優・高橋メアリージュンさんらが出席した。
 映画は小学5年生の少年が同級生らと沖島を訪れた際、恐竜らしき生き物を見つけ、「ビワッシー」と名付けて、その謎を探る物語。鶴田真由さん、別所哲也さん、内田朝陽さんらが出演する。監督は瀬木直貴さん。滋賀などでこの日から先行上映され、夏以降に全国放映される予定。
 舞台あいさつには高橋さん、瀬木監督、BOSS戸田さん、田中咲彩さんが登壇。高橋さんは「撮影現場はジブリの世界にいるようだった。この映画を通して、琵琶湖は生きているのだと改めて思った。滋賀県は人が温かく、誇りに感じています」と笑顔で語っていた。

近江鉄道で昭和38年から約20年間走っていた「赤電」創立120周年を記念し復刻され、彦根駅で出発式

 近江鉄道で昭和38年から約20年間走っていた赤色を基調にした電車「赤電」が、創立120周年を記念し復刻され、16日に彦根駅で出発式があった。
 赤電は赤色とべージュに塗り分けられた電車モハ1形の通称で、親会社の西武鉄道では昭和35年ごろから約30年間走っていた。近江鉄道でも長年活躍し、当時は赤色がイメージカラーだった。しかし昭和58年に橙(だいだい)色の車両モハ500形が登場して以降、廃車が進んでいった。
 平成12年に鉄道愛好家が集い、最後のモハ1形の「モハ2」と「クハ1222」の2両編成に塗装を行い、翌年10月のガチャコンまつりに「赤電」としてお披露目されたが、同14年3月31日に除籍となり、全廃した。
 近江鉄道は創立120周年の記念企画として、既存の車両をツートンカラー塗装し「赤電」に復刻。16日から約1年間運行することにした。
 出発式にはJRの社員時代に車掌でもあった三日月大造知事のほか、鉄道愛好家や近江鉄道の社員ら計約100人が参加。喜多村樹美男社長は「復刻された電車を見ると感無量。地域の皆さんのご愛顧のお陰です」と述べた。三日月知事は「厳しい環境の中で120年間続けてこられたことに敬意を表したい」とあいさつした。
 その後、喜多村社長と三日月知事によるテープカット、近江鉄道のほほえみ園の園児2人のくす玉割りが行われ、三日月知事の「出発進行」の合図で赤電は米原方面に出発していった。赤電の運行状況の問い合わせは同社鉄道部☎(22)3303。

2016年6月17日金曜日

滋賀大学経済学部と彦根仏壇事業協同組合は人材育成などを目的に包括連携協定を締結

 滋賀大学経済学部と彦根仏壇事業協同組合は人材育成などを目的に包括連携協定を締結。8日に滋賀大で調印式があった。滋賀大は文科省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」として、地域活性化につながる取り組みを進めており、その一環として同組合と協定を締結。滋賀大と同組合は今後、七曲りフェスタの企画・運営、七職の技の体験と工房見学、新たな商品開発などで連携を深めていく。
 調印式では同組合の宮川孝昭理事長と小倉明浩学部長が協定書にサイン。宮川理事長は「仏壇業界は厳しい経営環境に置かれているが、協定の締結により、新たな風を送り込むことができる。また人材の育成に貢献できることを願っている」と述べ、小倉学部長は「大学の一つの柱に地域経済、地域社会への貢献を掲げている。彦根仏壇は伝統的な生産工程でオーガナイズ(組織化)されており、学生の学習機会、教員の研究に大きなプラスになると思う」と語った。

ミシガン州立大学連合日本センターで「鼓童」のメンバー演舞

 彦根市松原町のミシガン州立大学連合日本センターで8日、太鼓芸能集団「鼓童」のメンバーによるコンサートが開かれた。
 この日に田原町のみずほ文化センターで公演があり、主催の文化プラザが公演前にミシガン大でのコンサートを企画。鼓童からはメンバー6人が訪れ、外国人の留学生ら約100人が見守る中、平胴やデカ桶など5種類の太鼓と篠笛、打楽器のチャッパを演奏して伝統の曲を披露した。
 留学生のカムラー・アーブラーさん(22)は「太鼓の演奏を聞いたのは初めてで、心臓に響く、とても大きな音だった。楽しい時間でした」と話していた。
 鼓童はメンバー35人が新潟県の佐渡島を拠点に活動している団体。昭和56年のベルリンを皮切りに3分の1が海外公演で、これまでに47カ国で5600回を超える公演をしている。異ジャンルのアーティストとの共演や国際芸術祭への参加もしており、平成24年からは歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんを監督に招いている。
 次回、彦根での鼓童のコンサートは10月15日午後6時~文化プラザで開催。坂東さんが演出を務める。問い合わせは文化プラザまで。

2016年6月14日火曜日

彦根梨を使った土産品と料理の企画の募集、スタンプラリー「ひこね梨さんぽ」も

 彦根梨を使った特産品を目指し、土産品と料理の企画の募集が1日から始まった。8月20日からは審査を通過した店舗を回るスタンプラリー「ひこね梨さんぽ」も行われる。
 彦根梨は荒神山のふもとの曽根沼干拓地で農家20軒が栽培しており、毎年8月中旬から9月下旬にかけて収穫。幸水、豊水、筑水、なつのしずくの種類があり、平成27年度の生産量は約58万個だったが、傷がつくなどで出荷されなかった加工用の彦根梨が全体の15%を占める約9万個あった。加工されずに処分される梨もあるため、市や民間企業などによる農林水産物開発実行委員会は彦根梨の有効利用と特産品の開発を目的に土産品と料理の企画を募る。品種は幸水=写真=を使用する。
 募集する部門は彦根梨を使って、新たな商品を作る「お土産品加工開発」、料理やスイーツにする「飲食店等メニュー開発」、2部門の参加事業者のうち7月19日午前10時~の研修を受講する「ひこね梨コンシェルジュ」。商品、料理にする際、カットのみは不可で、細かく切る、すりつぶす、煮るなどの加工が必要。各部門に応募要件がある。彦根市外の店舗でも応募可。応募は7月1日まで。
 スタンプラリーは9月4日までの期間中に数店舗を巡って、土産品を購入するか料理を食べるかで応募すると、彦根梨の土産品の詰め合わせがもらえる。問い合わせは実行委事務局の市農林水産課☎(30)6118。

2016年6月9日木曜日

彦根市広報係の吉井光さん、ギター片手に歌を披露する歌手「吉井ヒカル」の芸名を持つ異色の公務員

 彦根市秘書政策課広報係の吉井光さん(28)は、ギター片手に歌を披露する歌手「吉井ヒカル」の芸名を持つ異色の公務員だ。花しょうぶ通り商店街で開催されるアートフェスタ勝負市のステージにも吉井ヒカルとして登場する。
 吉井さんは京都市生まれ。子どものころから歌や音楽に興味があり、小学生のころには歌のコンクールで全国大会出場を果たすこともあった。
 進学した府立嵯峨野高校では軽音楽部に所属。同級生の女子5人でバンドを結成し、エレキギターを片手に活動した。その頃には「歌手のオーディションを受けたい」との気持ちがあり、音楽専門の大学への進学を考える時期もあった。
 しかし音楽専門の大学は学費が高く、また受験を控えた時期に彦根を訪れた際、琵琶湖や田園風景を見て「京都と比べて空が広く感じ、モンゴルかと思った」との理由から、滋賀県立大学人間文化学部へ入学。県大では市内のリバーサイド橋本通りの空き店舗対策など「商店街活性化プロジェクト」に取り組んだ。
 県大ではアコースティックサウンドクラブに所属し、ボーカルとして活躍。3年生の時には同級生の女性5人(現在3人)とバンドを結成し、社会人になった今も「グラスホッパー」というバンド名で活動を続けている。
 一時は音楽の道に進むことも考えていたが、彦根市職員になった理由について吉井さんは、学生の頃に市内のイベントを手伝う機会があったことに触れながら「地域の中で生きることがおもしろく、学生時代の4年間で彦根というまちが好きになった。この地域のために少しでも役に立てればと思った」と話していた。
 今後については「市外の人から『彦根はそんなことをやっているのか、マジか』と思われるまちにしたい」「彦根の文化的な部分を盛り上げていけるよう、市職員として、吉井ヒカルとして、一市民として、その一角になりたい」と抱負を語っていた。
   (聞き手・文=山田貴之)

熊本地震の被災地支援、彦根銀座街商業協同組合が「夏のゑびすくんまつり」に合わせ くまモン募金箱

 熊本地震の被災地支援のために、彦根銀座街商業協同組合は10、11日の両日行う「夏のゑびすくんまつり」に合わせ、各店舗にくまモンをイメージした募金箱を置いた。
 募金箱は縦36㌢×横26㌢、奥行き10㌢で、段ボールアーティストとして知られる十八番フルーツの店主・田中和之さん(63)が制作。段ボールに黒いペンキを塗ってくまモンの顔を描いて約30個仕上げ、銀座街の各店舗に配布した。
 募金はえびす講が終わる11月20日まで。集まった義援金は日本赤十字社を通じて被災地に送られる。
 なお、ゑびすくんまつりでは、じゃんけん大会、ガラポン抽選会が行われる。

2016年6月8日水曜日

国宝・彦根城築城410年祭 来年3月18日~12月10日開催

 来年開催される国宝・彦根城築城410年祭の推進委員会の設立総会が5月30日、市役所で開かれ、事業計画などが示された。
 冒頭で大久保貴市長は、来年のNHK大河ドラマの主役・井伊直虎にふれ、「410年祭と合わせて、絶好の機会を生かして彦根の観光振興につなげていきたい」とあいさつ。会長には小出英樹・彦根商工会議所会頭が選任された。小出会長は「築城400年祭で多くのものを生み出したように、410年祭でも新しいものを生み出していきたい」と抱負を述べた。
 事業計画としては、事業名が「国宝・彦根城築城410年祭~直虎、直政からの継承、そして未来へ」で、来年3月18日~12月10日に、彦根城一帯や市内各地で主催事業、市民提案事業、後援事業が開催される。
 目標としては平成29年度の彦根城入山者数を90万人と設定。これは井伊直弼公生誕200年祭が開かれた平成27年度の82万人を上回る数だ。設立総会では委員から「(直虎の出身地の)浜松市と連携しては」などの意見が出ていた。

2016年6月6日月曜日

ひこにゃん地震が起こった熊本を5、6日訪問

 彦根市は2日、ひこにゃんが地震が起こった熊本県を5、6日の2日間訪れると発表した。
 訪問するのはひこにゃんと市職員3人。5日に熊本県庁を訪れ、彦根市と彦根市職員互助会からの災害見舞金100万円ずつの目録を渡した後、熊本市内で最多の約200人が避難している熊本市総合体育館・青年会館を訪問。市営住宅の無償提供の案内チラシを配布したり、熊本市のキャラクター・ひごまると交流したりする。
 6日は午前中に被害の大きかった益城町の町立保育所2園を訪れ、子どもたちと触れ合った後、午後には熊本市内のくまモンスクエアでひこにゃんとくまモンが対面する。

滋賀国体に向けて、彦根市とびわこ成蹊スポーツ大学「連携および協定に関する協定書」締結、嘉田由紀子学長ら調印式

 平成36年の滋賀国体に向けて、彦根市とびわこ成蹊スポーツ大学(大津市)は「連携および協定に関する協定書」を締結。2日に彦根市役所で、前知事で同大学の嘉田由紀子学長らが参加しての調印式が行われた。
 協定書によると、市と同大学は、市民のニーズに応じた競技や各種スポーツの普及・講座開講の際に協力する「スポーツ文化の普及・振興」、次世代アスリートの発掘育成やスポーツの専門知識・技術の習得など「競技力向上」、若者世代や女性をターゲットにした運動習慣の推進など「健康増進および体力向上」、市内幼保小中学校への学生サポーターを派遣する「子どもや青少年の教育・健全育成」、インターンシップの促進による地元就職率の向上など「地域活性化および若者定着」の5分野を主な取り組み事例にあげている。
 調印式で嘉田学長は「人々の内面を育てるためにはスポーツと文化の両方がいる。城がある彦根は文化の中心地であり、国体では主会場になる。地域社会の発展へ貢献していきたい」と話し、大久保貴市長は「(策定する)市スポーツ振興計画に大いに協力頂きたい。この協定を契機にスポーツと文化のまちづくりが進むことを願っている」と述べた。
 なお彦根市と大学との協定は、平成17年11月1日の滋賀大学を皮切りに、同18年3月2日に龍谷大学、同23年3月24日に滋賀県立大学と締結しており、びわこ成蹊スポーツ大学が4校目となった。

2016年6月2日木曜日

彦根観光協会の存在意義は?

 彦根観光協会の職員が専務理事をパワハラで訴えるという事態に陥った。本紙を含む一部のマスコミには4月末以降からその情報が伝えられていたが、裁判までには至らない円満解決を祈っていたのは小生だけではないだろう。ここまでこじれた最大の原因として、小生はこれまでにも何度か指摘しているが、同協会のあいまいな体制にあると考える。
 彦根観光協会は民間企業の社長らが役員を務めているほか、事務局内では専務理事を含む元市職員2人と若手の一般職員が働いている。かつては大手旅行会社出身の職員が自らでツアーを計画するなど民間流の手法を用いる動きも見せていたが、行政側の圧力に押されたのか途絶えて、その後職員の辞職が相次いだことは記憶に新しい。このことは本紙平成24年3月7日付の投書「病巣」でも紹介している。
 彦根観光協会は市の補助金で運営されており、市から天下った職員が監視的な役割を果たすという構図だが、はたして市の下請け的な存在のままで良いのか、疑問が残る。現在の彦根の観光施策は彦根市および彦根観光協会よりも、彦根商工会議所の方が目立っており、これは民間主体の同会議所が行政的な市および協会では前に進まないと見切っているからだと言えよう。
 パワハラに関しては、それに近い行いを含めて行政や民間などであり、小生も報告や相談を受ける場合がある。今回の彦根観光協会の事案は今後、司法の場で争うことになりそうであるため、詳細は記事の内容までにしておくが、休職中の男性職員がはたして「退職勧奨」されるほどの粗相をしたのだろうか。
 いずれにせよ、彦根観光協会は組織体制の改革が急務であり、その存在意義(あり方)を考える時期にもある。「観光」から撤退し「物産」のみにするのか、行政主導のまま宙ぶらりんの目立たぬ存在でいるのか、民間主導に切り替えて名実共に彦根の観光振興に貢献する団体になるのか、市の判断と一圓泰成会長をはじめとした協会役員の力量次第である。【山田貴之】

彦根観光協会の職員「専務のパワハラでうつ病」で提訴

 彦根観光協会の男性職員(40)が5月25日付けで、上司にあたる専務理事(69)からのパワハラでうつ病を発症したとして、専務理事と同協会を相手取り損害賠償など約883万円の支払いを求める訴訟を大津地裁彦根支部に起こしたことがわかった。
 訴状などによると、専務理事は市職員を退職後の平成20年に協会の理事に選任。着任後すぐに男性職員に対し「役所にいる時にも部下を何人も辞めさせた。わしの言うことを聞かなかったらそうなるぞ」と威迫。以降も「理不尽な内容で厳しく叱責することがあった」という。
 今年1月には男性職員に昇給しないことを告げ、3月4日には会長の名前入りの退職勧奨通知書を渡され、男性職員が断ると専務理事は「解雇ということを出されるかもわからん。降格があったり、人事異動があったり、色んなことが起こる」と話し、3月24日には「いててくれることが不利益」と発言し、翌日には始末書を提出するよう求めたという。
 男性職員はうつ病を発症し、3月29日から休職となった。訴状では「専務理事の行為は、職務上の地位を背景に精神的苦痛を与える、職場環境を悪化させる行為であり、パワーハラスメントに該当する」「彦根観光協会は安全な職場環境ではなかった」などとし、精神的苦痛による損害額や治療費などを求めている。
 男性職員は「17年間、彦根を良くしたいという思いでがんばってやってきた。とても悔しい思いだ」と話している。
 彦根観光協会は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

震災以降の北海道や青森などの家族を追ったドキュメンタリー映画「風のたより」の上映会が6月4日ひこね市文化プラザで

 東日本大震災以降の北海道や青森などの家族を追ったドキュメンタリー映画「風のたより」の上映会が6月4日午後0時半~文化プラザで開かれる。
 平成23年3月11日の震災後、田代陽子監督が北海道、青森、福島、東京、神奈川、滋賀などに住む120人の話を聞き回り、そのうちの3家族に焦点をあてて4月から2年間に渡って撮影した作品。
 北海道七飯(ななえ)町で山を開墾しチーズを作っている山田家、洞爺湖で古民家を直してパン屋と古物屋をしている今野家、青森県大間町で漁師をしている山本家などの暮らしぶりを紹介。原発の建設を反対する人々の姿を追ったシーンも登場する。
 田代監督は「一人一人は小さな粒かもしれないけれど、その小さな粒々が世界をつくり、生き生きと暮らしていくことで今よりいい世界になっていくのではないか」とコメントしている。上映時間は191分。
 7年前に田代監督の最初の作品「空想の森」を観賞して感動し、平成22年6月に彦根市内で自主上映会を開いた奥田好香さん(63)=平田町=が再び企画。当日は休憩をはさんで上映会があり、その後には田代監督のトーク会も。入場料は前売り1500円、当日1800円、中学生以下無料。申し込みは奥田さん☎090(7887)4637。

2016年6月1日水曜日

町の方向性示した芹橋二丁目 まちづくり憲章を作成

 辻番所や足軽屋敷が残る彦根市芹橋2丁目の住民たちが、町の方向性を示した「芹橋二丁目 まちづくり憲章」を作成した。自治会単位で「憲章」を作るのは珍しい。
 芹橋2丁目一帯は江戸時代、彦根藩の足軽・善利組の屋敷があり、幕末期に約700戸の屋敷があったが、現在は約40戸になっており、年々減少。また高齢化世帯や空き家も増えていることから「住民たちの意識が下向きにならないよう」、町の目指す姿を示すことにした。
 憲章の制作には市民有志の団体・辻番所の会が中心となり、昨年6月20日から勉強会を開催。昨年12月には芹橋2丁目の全戸249軒を対象にアンケートも行った。勉強会での内容やアンケート結果を元に、地元住民12人の団体「芹橋二丁目まちづくり懇話会」が憲章を作った。「芹橋二丁目 まち未来物語~まちづくり憲章提案」と題した6ページのA4判の冊子で、400部作成し、ほかの芹橋地区や関連団体に配布した。
 憲章では「歴史に学び現代の暮らしに生かすまち」「住民力を高め災害にも強い安心安全なまち」など5つをまちづくりのテーマに掲げ、これからの姿を目指す上で具体的な例として▽歴史案内板の設置▽芹川並木の保存と水辺の保全▽江戸期の1間半の町割りを生かした街並み整備▽住民による防災会活動の充実▽どんつきの二方向避難路の確保▽防災菜園作り▽空き家利用者とのマッチング▽足軽組屋敷の居住体験などをあげている。
 アンケート調査の結果も紹介しており、芹橋2丁目の特性と課題、まちの将来像などに対する住民の声をまとめている。懇話会事務局長の渡邊弘俊さん(78)は「まちの人が共有できる一つの目標ができたと満足している。これを機に、多くの地域住民の皆さんがまちづくりに協力してもらえれば」と話していた。

平田川で地元住民や滋賀大と滋賀県立大の学生たちが粗大ごみの回収作業

 15年以上前から自転車などの不法投棄物があった彦根市長曽根南町の平田川で22日、地元住民や滋賀大と滋賀県立大の学生たちがごみの回収作業を行った。
 彦根巡礼街道商店街(ベルロード)から琵琶湖までの平田川の川底や川沿いには以前から多くのごみが目立っていた。そのため長曽根南町の喜久川賢造さん(70)が奥さんと一緒に15年前から毎月2、3回のペースでごみ拾いをしてきた。昨年からは地元住民も加わり、清掃活動をしてきたが、ごみの量が減らなかったため、ボランティア団体・サラン彦根の十河勇一さん(53)に協力を依頼。
 快諾した十河さんは、これまでの琵琶湖や山林での清掃活動を一緒にしている滋賀大と県立大のウインドサーフィン部と滋賀大ヨット部に呼びかけ、この日は部員計46人と地元住民15人らが参加。
 ベルロード方面と琵琶湖方面の二手に分かれて、水深約1㍍の川に入りながら、自転車やバイク、電化製品、ペットボトルなどを回収した。大型を除いたごみの量は30㍑袋の50袋分ほどだった。
 喜久川さんは「ごみが無くなり、本当にうれしく思います。このままの状態が後世に残ってほしい」と話していた。