2017年10月25日水曜日

台風21号で彦根城天守の多門櫓の漆喰壁はがれる、修理は来年夏以降

 22日から翌日にかけての台風21号の影響で、彦根城天守の多門櫓の漆喰(しっくい)壁がはがれているのが23日朝わかった。玄宮園からもはがれた様子がわかり、早急な改修が必要だ。
 天守の多門櫓は天守の整備後に増築された。壁は平成5年から同8年までに行われた大修理で塗り替えられた。漆喰がはがれた場所は現在、出入り口として使っている多門櫓の玄宮園側の壁の高さ約3。7㍍×幅16・6㍍分。漆喰がはがれた側の天守は玄宮園内の武蔵野(広場)から一望できる絶好のロケーションとして、時代劇や映画、ドラマでも頻繁に登場している。
 市教委文化財課は「場所が場所だけにそのままにはしておけない。文化庁や県と相談しながら、修理したい」としている。
 台風21号ではほかに、彦根市内の芹川の一部ではん濫危険水位を超えたため、22日午後9時50分に、芹川沿岸の城東小や城西小、佐和山小などの学区を対象に避難指示(緊急)が発令。また23日午前0時15分には土砂災害警戒区域などを対象にした避難指示(緊急)が発令された。発令を受けて、指定の緊急避難場所も各小学校など15カ所に開設され、58世帯122人が避難した。
 鳥居本町の国道8号線では22日午後10時半ごろ、約100㍍にわたって深さ約30㌢㍍冠水し、古沢交差点から北側方面で迂回措置がとられた。迂回措置は23日午前2時5分に解除された。
漆喰修理は来年夏以降に
 台風21号の影響で、彦根城天守の多門櫓の漆喰(しっくい)壁がはがれたことを受け、彦根市教委文化財課は25日、修理が来年夏以降になる方針を示した。
 はがれた場所は、出入り口として使っている多門櫓の玄宮園側の壁高さ約3・7㍍×幅16・6㍍分。
 文化財課によると、雨や雪が多い時期に修繕すると、漆喰に湿気がこもって壁本体にまで影響が出るため、乾いた時期しか修繕できないという。また修繕には足場を設ける必要があり、文化庁との調整にも時間がかかるという。
 文化財課主任の下高大輔さんは「なるべく早く修理したいが、手続きや時期の都合で、早くても来年7月ごろの着手になるだろう」と話している。

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