2017年10月30日月曜日

近江高校の新聞部局が創立記念祭に向け新聞作り開始、本紙記者アドバイザーに

 彦愛犬と米原地区の高校では彦根東高校の新聞部が有名だが、ほかはほとんど活動していない。そんな中、近江高校の生徒会内の新聞部局が来月の創立記念祭に向けた新聞作りを開始。本紙記者もアドバイザーとして加わり、新聞作りを支援している。(山田貴之)
 近江高には「桜美(おうみ)新聞」という名称の新聞があるが、東高新聞部のような活動実績はほとんどない。
 今年度は近江高の進学クラスのアカデミーコース1年生の後藤カオル君(15)=古沢町=と丸山理音さん(15)=守山市=が新聞部局に入部。
 後藤君は「新聞には色んなことが書かれており、どのメディアよりも正確なのがいい」と新聞の魅力を説明。丸山さんは「文章を書くのが好きで、新聞作りに関心を持った」と話していた。顧問の向田直人さん(53)は「これまでも新聞作りの動きが出ては消えていたが、2人は意欲的で今年はできそうだ」と期待を込めている。
 2人は近江高で8月31日、9月1日に開かれた文化祭「青海(おうみ)祭」の様子をまとめた新聞作りを今月13日から開始。本紙記者もアドバイザーとして入り、記事の書き方、写真の選び方、編集の仕方などを教えた。また記者からの新聞の役割についての質問に、2人は「情報を伝える」「世間が知らないことを考えることができる」と回答。これに対し記者は「新聞には世の中をリードしていくという大きな役割もある」と教えた。
 2人が作成する新聞は11月5日に開かれる創立記念祭で掲示される予定。記者の指導後には「なかなか動き出せなかったけれど、完成に向けて現実味が出てきた」と話していた。
 今後も新聞を作成する計画で、丸山さんは「東高の新聞部と交流できるようになって、新聞部の大会にも出場したい」と意欲を示していた。 

2017年10月25日水曜日

台風21号で彦根城天守の多門櫓の漆喰壁はがれる、修理は来年夏以降

 22日から翌日にかけての台風21号の影響で、彦根城天守の多門櫓の漆喰(しっくい)壁がはがれているのが23日朝わかった。玄宮園からもはがれた様子がわかり、早急な改修が必要だ。
 天守の多門櫓は天守の整備後に増築された。壁は平成5年から同8年までに行われた大修理で塗り替えられた。漆喰がはがれた場所は現在、出入り口として使っている多門櫓の玄宮園側の壁の高さ約3。7㍍×幅16・6㍍分。漆喰がはがれた側の天守は玄宮園内の武蔵野(広場)から一望できる絶好のロケーションとして、時代劇や映画、ドラマでも頻繁に登場している。
 市教委文化財課は「場所が場所だけにそのままにはしておけない。文化庁や県と相談しながら、修理したい」としている。
 台風21号ではほかに、彦根市内の芹川の一部ではん濫危険水位を超えたため、22日午後9時50分に、芹川沿岸の城東小や城西小、佐和山小などの学区を対象に避難指示(緊急)が発令。また23日午前0時15分には土砂災害警戒区域などを対象にした避難指示(緊急)が発令された。発令を受けて、指定の緊急避難場所も各小学校など15カ所に開設され、58世帯122人が避難した。
 鳥居本町の国道8号線では22日午後10時半ごろ、約100㍍にわたって深さ約30㌢㍍冠水し、古沢交差点から北側方面で迂回措置がとられた。迂回措置は23日午前2時5分に解除された。
漆喰修理は来年夏以降に
 台風21号の影響で、彦根城天守の多門櫓の漆喰(しっくい)壁がはがれたことを受け、彦根市教委文化財課は25日、修理が来年夏以降になる方針を示した。
 はがれた場所は、出入り口として使っている多門櫓の玄宮園側の壁高さ約3・7㍍×幅16・6㍍分。
 文化財課によると、雨や雪が多い時期に修繕すると、漆喰に湿気がこもって壁本体にまで影響が出るため、乾いた時期しか修繕できないという。また修繕には足場を設ける必要があり、文化庁との調整にも時間がかかるという。
 文化財課主任の下高大輔さんは「なるべく早く修理したいが、手続きや時期の都合で、早くても来年7月ごろの着手になるだろう」と話している。

希望敗北・立憲躍進の原因と憲法改正への道

 衆院選は自公で定数の3分の2を維持し、有権者は安倍政権の継続を選択した。森友・加計問題や閣僚らの不祥事で反安倍政権のマスコミから批判されていた中での選挙であったが、有権者は日本の将来を見据え冷静な判断をしたと言える。
 選挙を振り返ると、やはり民進党を事実上解党させ、希望の党と立憲民主党を誕生させた小池百合子都知事が注目された。民進党を解党し、保守とリベラルに分けるべきだと主張していた小生も小池知事の手腕には舌を巻いた。
 だが、ふたを開けると保守派の小池新党(希望の党)は低迷し、逆にリベラル色が強い立憲民主党が躍進した。一部では小池知事の「排除」発言が原因と言われているが、小生はそれよりも、希望の党の候補者たちが自身の政治的信念やイデオロギーより、自己保身のために(吹くと期待した)小池旋風に乗っかるという見え透いた欲に対し、有権者は見抜いていたのだと確信している。そういった視点からみれば、立憲民主党が躍進した要因はただ単に反安倍政権の受け皿になったというよりも、政治的信念を貫徹した姿勢を有権者は無意識的を含めて評価したと言える。
 滋賀の4選挙区だけを見ても事実上、自民、希望系(1区は無所属)、共産系の戦いだったが、もし希望系の候補者が立憲民主として立候補していれば、共産系との野党共闘が実現し、自民候補を破る区も出たのは間違いない。希望の候補者にとっては「風」を見誤り、「欲」だけに飛びつけば、痛い目に遭うと良き教訓になったであろう。
 さて、国政は北朝鮮問題、大手企業の不祥事続きなど国内外で不安要素が多々あるが、安倍首相は自身の悲願でもある憲法改正を本格的に進めるに違いない。自公だけで改正発議に必要な3分の2を超え、そこに改正に前向きな希望や日本維新の会を加えると、改正論議は加速度的に進むだろう。小生としても時代や国際情勢に合った憲法を新たに創設するべきだと考えているが、いまだに「憲法を改正すれば、戦争をする国になる」と誤解している国民も少なくない。新たな船出となる政権には、憲法の改正に向けて、国民の理解が成熟するよう丁寧な議論を願いたい。【山田貴之】

衆院選滋賀2区は自民上野が勝利、投票率彦根は県下最下位

 衆院選は22日投開票され、滋賀2区では自民党前職の上野賢一郎氏(52)が7万3694票を獲得し4回目の当選を果たした。希望の党前職の田島一成氏(55)が5万8718票、市民団体事務局長の対月慈照氏(64)が1万1073票、幸福実現党新人の荒川雅司氏(42)が2576票だった。
 選挙戦中、上野氏はアベノミクスの成果や滋賀2区でのインフラ整備の実績などを中心に訴え、自民、公明支持層のほか、無党派層からも支持を得て、彦根以外の全市町で勝利した。
 当確後の午後9時過ぎに平田町の彦根事務所に上野氏が現れると、待ち構えた支持者から拍手と歓声が沸き起こり、上野氏は一人ずつと握手した後、「選挙戦では経済の成果、中小企業への支援、農業振興、教育の負担軽減などを訴えてきた」と振り返り「北朝鮮問題など安全保障の面で難しい課題があるが、与党全体で解決したい」と述べた。
 国道8号線バイパスや多賀のスマートインターチェンジに触れながら「取り組む課題は山積しており、県、市町と協力して国からも働きかけていきたい」と地元を重視していく姿勢を示した。最後には8年前の民主党に政権を奪われた選挙をあげ「民意は変わることがあるため、謙虚にまじめに取り組みたい。選挙は今回で4勝4敗になった。新しいスタート地点に立った気持ちでがんばっていきたい」と抱負を語った。
 一方で、田島氏は彦根市議から27年間の政治家としての実績をPRしながら、森友・加計問題などを取り上げ「安倍政治を終わらせる」と訴えたが、希望の党支持層や無党派層以外の広まりがなかった。敗北を受け、田島氏はテレビのインタビューに「安倍政治を終わらせることを訴えたが、有権者に伝わらなかったことが何よりも悔しい」と話していた。
 対月氏は共産や社民、一部の立憲民主党の支持者から支援を受けたが、伸びなかった。
上野、彦根では敗れる
 滋賀2区での市町ごとの得票数を見ると、上野氏が出身の長浜で田島氏に1万1840票差を付けるなど彦根以外の市町で勝利した。一方で、上野陣営が前回の選挙でも敗れ「今回こそ勝利を」と、重視していた彦根では上野氏が2万0635票、田島氏が2万1174票と539票差で再び敗北した。
投票率また県下最下位
 投票率は滋賀県全体で56・32%、滋賀2区で55・8%と、いずれも前回の53・79%と51・71%を上回った。一方で彦根市では当日有権者数9万1488人のうち投票者が4万6373人の50・69%と、前回の50・73%を下回ったほか、県内の市町でも最低の投票率だった。彦根市内の期日前投票は台風21号の影響もあって過去最多の1万6740人で、前回の1万0893人を大幅に上回った。

2017年10月24日火曜日

彦根高等商業学校の研究をしている滋賀大大学院の今井綾乃さんに研究の経緯や新聞の面白さ聞く

 新聞週間(15日~21日)に合わせて滋賀彦根新聞は2回に分けて特集記事を掲載。初回は、昭和初期の新聞を参考に滋賀大学経済学部の前身、彦根高等商業学校に関する研究をしている滋賀大大学院経済学研究科3年の今井綾乃さん(29)=愛知県一宮市=に、研究の経緯や新聞の面白さなどを聞いた。
(聞き手・山田貴之)
 今井さんは中学、高校の時に愛知県内の新聞社で仕事体験をしていたといい、「子どもの時から新聞に関心があった。自分の書いた記事が載った時はうれしかった」と当時を振り返った。
 大学に入ってからも新聞を読んでいたが、彦根高商に関する研究を始めると同時に「1、2ページしか読んでいなかったが、ほかのページも読むようになった」「特にインターネット上では取り上げられない地域面がおもしろい。無名の人たちが日本の社会の一部を作っていることもわかった」と新聞の魅力について解説した。
 彦根高商の研究を始めた理由として今井さんは「誰も研究していないことをしたかった。また滋賀大への恩返しという気持ちを込めて、その原点について研究しようと思った」と説明。「私に与えられた役割だと思って、使命感を持って研究したい。ゴールを決めずに大学院修了後も彦根高商について調べていきたい」と抱負を語った。
 今井さんは研究の中で、昭和3年から同12年にかけての大阪朝日新聞と大阪毎日新聞に掲載されている彦根高商についての記事を抜粋。昔と現在との新聞の違いについては「昔は個人的な(スキャンダル的な)記事が多かったが、現在の新聞は難しいことをわかりやすく書いてある。新聞を読まない人が多いが、新聞でしかわからないこともあるので、読んでもらった方が良いと思う」と話していた。
 今井さんは「彦根高商のカリキュラムの変遷について」をテーマに研究しており、現在、滋賀大総合研究棟1階で昭和3年4月から翌年12月までの彦根高商に関する掲載紙を展示中。今月27日まで第1期展をしており、19日午後0時10分~はギャラリートークも行う。第2期は11月6日~来年1月26日、第3期は来年2月1日~3月30日。開館は平日の午前9時午後5時。入館無料。
 ※【彦根高商】大正11年(1922)10月20日に誕生し、翌年に最初の入学式が挙行。同14年には校舎や図書館などが完成し、開校式が開かれた。昭和19年(1944)4月に彦根経済専門学校と改名、5月には彦根工業専門学校へと変更。終戦後の同21年4月に再び彦根経済専門学校となり、同24年5月に滋賀師範学校・青年師範学校(大津の教育学部)と合併して滋賀大学となった。

2017年10月21日土曜日

衆院選22日投開票 滋賀2区は4氏

 衆院選は22日、投開票を迎える。滋賀2区には、希望前職の元環境副大臣・田島一成氏(55)、自民前職の財務副大臣・上野賢一郎氏(52)、幸福実現党新人・荒川雅司氏(42)、市民団体事務局長・対月慈照氏(63)の4人が出馬。21日、最後の訴えを行う。
 田島氏は選挙戦中、「安倍政権、一強体制、権力の私物化を終わらせる」と現政権を批判。アベノミクスについては「大企業、富裕層だけがおいしい思いをしている」と指摘してきた。事務局長の江畑弥八郎元県議は「有権者からは安倍政権への厳しい声も多く、感触は悪くない」と話している。21日は選挙区内をくまなく回り、夜には選挙事務所で集会を行う。
 上野氏は、「GDP(国内総生産)が過去最高、80万人の正規雇用増、有効求人倍率1・5超、学生の就職率98%」などアベノミクスの成果をアピール。消費税増税分を教育費などに回すとして理解を求めた。彦根事務所長の長崎任男市議は「新聞報道の通り激戦で、最後まで緩めることなく戦い抜きたい。彦根で何とか勝ちたい」と語っている。21日午後7時半~彦根ビューホテルで総決起集会を開く。
 荒川氏は、消費税の5%への減税のほか、集団的自衛権の全面的な行使、国防軍の創設、憲法9条の改正など保守的な主張を訴えてきた。選挙事務所のスタッフは「現政権に不信感を抱く有権者の皆さんから温かい応援を頂いており、その声が日に日に増していると感じる」としている。21日は選挙区内全域を街宣車で回る。
 対月氏は、安保法制や森友・加計問題などに触れ「国会を私物化しており、安倍政権の打倒を目指す」と与党を批判する一方、希望の党に対しても「本当に市民が主人公なのか」と指摘してきた。選対本部長の杉原秀典さんは「名前と政策が日に日に浸透してきたと実感しており、上野、田島の両候補に追いつくよう最後まで戦い抜きたい」と述べている。21日には長浜市内を重点的に回る。

ご当地キャラ博in彦根 台風で22日中止、ひこにゃんを探せイベント21日開始

 ご当地キャラ博in彦根が21日に開幕。夢京橋キャッスルロードなどで22日まで開催される予定だったが、台風で22日は中止になった。今年は10周年記念で、また彦根城築城410年祭が開催中のため、天守前にキャラたちが登場するほか、城内に隠されたひこにゃんを探し出すイベントも21日から始まる。
 10回目を迎える今年はこれまでにキャラ博に参加してきたキャラを中心に参加数を制限したほか、くまモンやふなっしーなど人気者も登場する。
 参加数は衆院選の影響で当初の172体から減少し、163体(21日が152体、22日が127体)となっている。彦根のゆるキャラはひこにゃんを含め14体が参加する。
 会場は京橋口駐車場、キャッスルロード、四番町スクエアに設置され、PRステージは京橋口駐車場と四番町スクエアに1カ所ずつ設けられ、キャッスルロードには曳山を模したステージも設置。会場内のブースでは地元の特産品やキャラクターグッズが販売。両日午前9時半~はひこにゃんが曳山に乗ってキャッスルロードを巡行する。
 開催時間は両日とも午前9時午後3時。21日午前9時~の開幕式には10回すべてに参加しているゆるキャラ5体に登壇してもらい、感謝を伝えるセレモニーがある。
 各キャラの登場日時と場所は、ご当地キャラ博in彦根のホームページに。雨天決行だが、荒天時は中止になる。
天守前にキャラ登場
 ご当地キャラ博に合わせて、21、22日の両日、天守前にキャラたちが登場する。また21日からは体験型フォトラリーキャンペーン「隠れひこにゃんを探せ!」が始まる。
 天守前にはキャラ博に10回連続の参加となる、むすび丸、いが☆グリオ、くもっくる、はばタン、さばトラななちゃんが21日午前10時半~、浜松市の出世大名家康くんと出世法師直虎ちゃんが22日午前10時半~登場。いずれもひこにゃんとの記念撮影もあり。ほかに両日午後1時~と午後4時~は希望のキャラ5体も登場する。
彦根城でひこにゃん探そう
 「ひこにゃんを探せ」は築城410年祭のパンフレットを見ながら、城内の3カ所に隠されたひこにゃんのパネル(高さ40㌢㍍)を探し、各所でスマートフォンなどで写真撮影。二の丸の案内所で撮った写真画像を提示すれば、特製のひこにゃんステッカーがプレゼントされる。ステッカーは4100枚限定。12月10日まで。
 これらのほか、21、22日の両日はご当地キャラ博の特別デザインの彦根城観覧券が、城内の券売所とイベント会場で販売される。
近江鉄道乗り降り自由
 ご当地キャラ博に合わせて、近江鉄道の電車全線が乗り降り自由の「1デイスマイルチケット」が21、22日の両日、近江鉄道の彦根駅などで発売される。滋賀県、彦愛犬、米原市、近江八幡市などで組織するびわこ京阪奈線(仮称)鉄道建設期成同盟会が公共交通の利用促進を目的に企画。チケットは10周年を記念したオリジナルのデザインで、中学生以上880円、小学生440円。発売場所は彦根駅、米原駅、近江八幡駅、八日市駅、貴生川駅。
バス小学以下無料
 ご当地キャラ博が開催される21、22日の両日、彦根駅発着の路線バス(滋賀大学用除く)の小学生以下の運賃が無料になる。
 彦愛犬で組織する湖東圏域公共交通活性化協議会が観光客の公共交通の利用促進を目的に企画。キャラ博の会場の最寄りのバス停は「京橋口」と「四番町スクエア」など。

2017年10月19日木曜日

衆院選終盤 滋賀2区の4人の主張内容

 22日投開票の衆院選は終盤戦に入る。滋賀2区には希望前職の元環境副大臣・田島一成氏(55)、自民前職の財務副大臣・上野賢一郎氏(52)、幸福実現党新人・荒川雅司氏(42)、市民団体事務局長・対月慈照氏(63)の4人が出馬。滋賀彦根新聞が公示前にインタビューした際の回答や各候補の演説などでの内容を主な政策ごとに紹介する(順不同)。
 【アベノミクス】
 上野氏「企業の経常利益が過去最高水準、GDP(国民総生産)が過去最高のほか、この5年間で200万人近くの新規雇用を生み出した。人口減少で消費が伸びない中、今後は生産性を上げることが大切」と解説。田島氏「大企業が内部留保としてため込んでいるのが問題。大企業への課税を引き上げ、内部留保を世間に放出していく仕組み作りが必要」と唱える。対月氏「所得税、法人税、資産課税の見直し」、荒川氏「減税や規制緩和」をあげている。
 【消費税の増税】
 上野氏「増税分の半分で3歳~5歳の教育費を無償化し、0歳~2歳については親の所得に応じて無償化する。大学など高等教育の負担軽減も拡充し、消費税を教育や介護に充当する」と説明。田島氏「3党合意の中で10%に上げる方向性は示したが、大企業の内部留保の問題を解決した上で増税するべきだ」と凍結の考え。対月氏「10%への増税反対」、荒川氏「5%への引き下げ」を訴える。
 【安全保障法制】
 田島氏「現政権は憲法違反の疑いが濃厚だった安保法制を丁寧な議論がないまま成立させた。北朝鮮の脅威がある中、現実的な安保法制は必要だが、憲法違反のため適切な見直しが必要」と説明。対月氏「安保法制を廃止し、自衛隊の海外派兵は認めない」と主張。一方で上野氏「安保法制に対し一夜にして賛成に回った」と希望の党に移った後に考えを変えたことを疑問視した上で「北朝鮮など国際問題に対応するには自公政権しかない」とし、荒川氏「集団的自衛権の全面的な行使に向けた法整備」を唱える。
 【憲法改正】
 上野氏「国民的議論を踏まえて改正していく。9条を全面的に変えるのは慎重だが、自衛隊を憲法に位置づけるのは必要」とし、荒川氏は「防衛軍の創設を」と訴える。田島氏「集団的自衛権を認めるために憲法を改正するという安倍首相のやり方は乱暴」と指摘するが、希望の党としては憲法9条を含めた改正論議を進める考え。対月氏は改憲に反対の立場。
 【滋賀2区の振興】
 上野氏「インフラ整備や観光振興、ジェトロ滋賀やブルーインパルスの誘致など」実績をアピール。田島氏は新幹線の米原ルートへの見直しの必要性などを唱える。対月氏は「琵琶湖を守るため、原発のない社会を作る」としている。

2017年10月18日水曜日

パーク・アンド・バスライド社会実験が開始

 自家用車からシャトルバスに乗り換えて彦根城まで向かうパーク・アンド・バスライドの社会実験が14日から始まった。
 パーク・アンド・バスライドは、渋滞緩和と観光客の周遊の促進を目的に全国各地で導入されている。彦根市は平成31年度からの実施を目指し、今年度と来年度に社会実験を実施。彦根インターチェンジ近くの原町の敷地約9800平方㍍に自家用車150台分の駐車場を整備しており、今年度は11月5日までの土日祝日の計9回、50人乗りのバス3台で1日21便ずつ運行する。
 ルートは彦根署前、旧彦根港湾前から、いろは松駐車場(11月3日のみ市役所前)に向かい、戻りはイベント無し時が彦根城内、イベント有り時が彦根市役所前を通る。途中停車はない。
 社会実験後は利用状況など実態調査をするほか、利用者やドライバー、城内駐車場の観光客、市内商店の店主らにアンケートを実施し、来年度に向けた対応策やスケジュールを決める。来年度は秋と春に期間を延ばして社会実験する予定。
 14日朝に行われた出発式で、大久保貴市長は「彦根市を訪れて頂く方に快適に観光して頂けると願っています」とあいさつ。利用者らはひこにゃんが見守る中、乗車し出発していった=写真。

2017年10月12日木曜日

衆院選公示 滋賀2区は4氏の戦い

 衆議院選挙が10日公示され、彦根、長浜、米原の3市などを選挙区とする滋賀2区には、希望前職の元環境副大臣・田島一成氏(55)、自民前職の財務副大臣・上野賢一郎氏(52)、幸福実現党新人・荒川雅司氏(42)、市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民の会しが」事務局長・対月慈照氏(63)の4人が立候補の届出を済ませ、舌戦を開始(届出順)。5年間の安倍政権の是非をはじめ、経済政策、憲法改正、安全保障、消費増税、原発政策などをテーマに、公約を訴えている。
 投開票は22日。2区の有権者数は26万6879人。


 田島候補はJR彦根駅前で第一声。「安倍政権を終わらせるため、自民一強体制を終わらせるため、権力の私物化を最後にさせるため、希望の党から出馬することにした」と決意を表明。
 アベノミクスについては「安倍政権は大企業だけ、富裕層だけがおいしい思いをした5年間。暮らしが良くなったかと問われて、首を縦に振る市民はほとんどいない。みんなが一緒に豊かさを感じる社会をつくっていきましょう」と経済政策の転換を訴えた。
 川端達夫前衆院議員が政界を引退したことにもふれた上で「滋賀の野党の国会議員では最も経験があるトップバッターになった。緊張感を持ってこれまでの経験を国会で発揮できるよう、政治生命をかけて戦い抜きたい」と力説。「相手(自民党)は巨大な軍艦で、我が党は新しく作ったばかりの船。大きな軍艦に立ち向かう力を有権者の皆さんが寄せてくれると信じている」と支援を求めた。
 応援演説では選対本部長の大橋通伸県議(長浜)が「力を合わせて、政治の流れを変えよう」と話し、連合滋賀第2区地域協議会の清水雅仁議長は「一歩一歩前へ進んでいきましょう」と述べた。
 上野候補は長浜市の商業施設駐車場で出陣式。これまでの経済政策について「GDPは過去最高の540兆円。200万人の雇用、80万人の正規雇用が増えた。有効求人倍率は1・5を超え、高度成長時代の水準。学生の就職率は98%。外国人観光客は3倍の2400万人に増え、農林水産食品関連の輸出額も1兆円に迫る勢い」と解説し、「この流れを決して止めてはいけない」と訴えた。
 また幼児教育の無償化や介護の受け皿づくりを掲げ、「現役世代が直面している教育と介護の問題にしっかりとした答えを出したい」と語った。
 野党の再編については「今、政界が混乱しているとよく言われるが、混乱しているのは野党だけ。安保法制反対が一夜にして容認に変わり、政権選択と言われながら誰が次の総理か示すことができない。そのような状況を見ていると、北朝鮮問題をはじめ国際社会と連携した政治を担えるのは自公連立政権しかない」と支持を呼びかけた。
 上野候補の後援会長の河本英典・元参院議員は「国政で一番大切なのは国防」として、森友・加計問題を国会議論の核とすることに「勘違いしている」と野党やメディアを批判。一方、藤井勇治長浜市長は森友・加計問題について、小泉進次郎氏が安倍総理に「しっかり向き合って頂きたい」と求めていることを取り上げ「上野さんも総理にモノを申す政治家になってほしい」とエールを送った。
 荒川候補はJR長浜駅東口で第一声。「政治に対してはっきり申し上げたいのは、明確な国家ビジョンを持ってこの国の舵取りをして頂きたいということ」と切り出した。
 野党に対して「いろんな政策を掲げているが、例えば安倍政権を倒した後にどんな日本が来るのか。それこそを明確にして頂きたい」と指摘し、与党に対しても「今のこの危機的な状況を理解しているのか。北朝鮮からいつミサイルが飛んできてもおかしくない状況の中で、解散総選挙に打って出るとはいったいどういうことなのか」と批判した。
 自民党の掲げる消費税増税による教育無償化について「目先のバラマキに飛びついてはならない」と警鐘を鳴らし、「この国は放っておけば、同じ顔ぶれが重税国家をつくろうとする。どんどん税金が上がる」と指摘。「景気が良くなったという実感がないのに、消費税が上がればどうなるのか」と語り、消費税の5%への減税を訴えた。
 対月候補はJR長浜駅東口で出発式。突然の立候補の動機を「安倍政権に我慢できなかったから」と語り、「国会を私物化」する安倍政権の打倒を強く訴えた。
 安全保障政策について「国民が圧倒的に『戦争をしない国』を支持する中、安保法制を強行採決し、日本を再び悲惨な戦争へと導いている」と批判した。森友・加計学園問題についても「逃げまくりで、政治を私物化している。臨時国会を開いたら、疑惑を解明しないまま、冒頭解散。国民をないがしろにしている」と怒りをぶちまけた。
 また、「希望の党にも不信感を持っている。本当に市民が主人公なのか」と指摘し、「今は歴史的な分岐点。国会を変え、政治を変えたい」と訴えた。
 市民の会しが檜山真理事務局次長は「今、日本の方向性を決める大きな選択肢が問われている。安倍政権の暴走を止めて、子どもたちが安心して暮せる未来をつくるための世直し選挙。堂々と自信を持ってほしい」と候補にエールを送っていた。
 福井原発訴訟(滋賀)原告の辻義則団長は「5年間行われてきた安部暴走政治をストップさせよう。憲法改悪は断じて許してはならない。9条をしっかり守ろう。憲法を守る候補者で平和主義、日本を守ろう」と呼びかけた。

ウェルネスサワ目と脳に良いとされるビルベリーとDHA含まれた商品販売

 目の愛護デー(10日)に合わせて、滋賀彦根新聞はビバシティ彦根内のウェルネスサワのオーナー・澤富太郎さん(66)に目に良い素材などについて聞いた。
 物が見えるとは、物に反射した光が目の角膜、水晶体、硝子体を通過し、網膜にその像を映し出し、視神経を通じて大脳の視覚中枢に運ばれることを言う。つまり目がカメラ、脳が現像所だといえ、両方がしっかりしていないと見えにくくなる。
 ウェルネスサワでは目と脳に良いとされるビルベリーとDHAなどが含まれた商品「ビルベリー&DHA」(120錠で5800円)を販売。ビルベリーは北欧産のブルーベリーの一種で、アントシアニンの含量が多いとされる。購入者からは「目の疲労感がなくなった」「目のかすみがましになった」「長時間のパソコンで疲れても回復が早くなった」などの声が出ているという。
 澤さんは「車を運転している、事務でコンピュータを操作しているなどの中高年の皆さんにおすすめの商品です。目の疲れを根本から取り除いてあげましょう」と話しており、試飲も受け付けている。ほかにも目に良いとされる成分を含んだ漢方の杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)も販売している。開店時間は午前10時~午後9時。不定休。問い合わせは同店☎(27)6137。

2017年10月6日金曜日

滋賀国体の陸上競技、ハンドボール、弓道、なぎなたとひこにゃんをコラボしたデザイン

 彦根市は27日、平成36年の滋賀国体で市内で開催される陸上競技、ハンドボール、弓道、なぎなたとひこにゃんをコラボしたデザイン=写真=を作成したと発表。
 今後はイベントや広報活動時でPRしていくほか、競技団体でも使用範囲を広げる。グッズへの使用許可については平成33年度に設置予定の滋賀国体に関する実行委員会で検討していく。
 彦根市共同募金委員会(市社協内)は10月1日からの赤い羽根共同募金運動に合わせて、500円以上の寄付者にひこにゃんと赤い羽根をデザインしたバッジ=写真=を進呈する。バッジは縦25㌢×横24㌢で、琵琶湖の青色をイメージカラーにしており、背景には彦根城天守もデザインしている。2800個用意し市福祉センター別館の同委員会窓口で寄付者に進呈する。1日午前11時~ビバシティ彦根1階で開催されるオープニングセレモニーでも寄付者に渡す。セレモニーでは啓発用の風船も配布。

2017年10月2日月曜日

彦根の女性消防団ヒコネサンフラワーズ全国女性消防操法大会に滋賀県代表として初出場

 彦根市の女性消防団「ヒコネサンフラワーズ」が、9月30日に秋田市内で開催された全国女性消防操法大会に滋賀県代表として初出場。26日夜には消防署南分署(稲里町)で大会前の最後の練習が行われた。
 ヒコネサンフラワーズは市内の女性たちで昭和63年5月に結成。サンフラワーは日本語でヒマワリを意味し、地域や家庭の出火防止の「火廻り」もかけて命名された。主に火災予防の街頭啓発、災害現場での情報収集、初期消火や救命の訓練をしている。定員30人で現在は20歳から47歳までの13人が所属している。
 全国女性消防操法大会は消防庁などが女性消防隊の消防技術の向上などを目的に毎年行っており、23回目の今年は全都道府県の代表47団体が出場し秋田市の向浜運動広場駐車場で開催。各団体5人がスタート地点から約60㍍先の放水場所に向かい、標的に放水した後、スタート地点に戻るまでのポンプ操法の敏しょう性や器具の取り扱い、所用時間などを100点満点で競う。
 滋賀県からはこれまでほかの市町の団体が出場。初出場となるヒコネサンフラワーズは大会に向けて、今年7月4日から2日に1回ペースで毎回夜に南分署で練習をしてきた。入団23年目で隊長の川崎好美さん(45)=本庄町=は「練習前は和気あいあいとした雰囲気ですが、練習が始まると隊員全員が規律を正しく守ることを心がけています。全国大会に向けてほぼ完成してきました。優勝を狙いたい」と意気込みを語っていた。
 大会前の最後の練習を見学した彦根市消防団長の中村藤雄さん(72)=平田町=は「チームワーク良くできていました。本番でもうまくでき、良い成績が出ると思います」と話していた。なお入団の問い合わせは市消防本部☎(22)0314。

自公か希望か共産か

 10月22日の衆院選に向けて、政局がめまぐるしく変化している。特に民進党を事実上、解党させた小池百合子都知事による保守政党・希望の党の結成は衝撃だった。おそらく安倍首相も小池知事がここまでの策略家だったとは予想していなかったであろう。
 希望の党の結党に向けた動きは、彦根東高出身の細野豪志氏が先月10日に民進党を離党した頃から本格化したが、小生はその後に民進党の党首となった前原誠司氏も細野氏と「密約」していたのではないかと勘ぐっている。なぜなら細野氏と前原氏は民進党内屈指の保守の論客で、共に以前から野党再編を唱えていたからだ。
 小生はこれまでのコラム等で「民進党は解党するべきだ」と訴えてきたが、細野氏らを巻き込んだ小池知事の今回の策略には舌を巻かざるを得ない。希望の党としては民進党の全国組織と資金、連合票をそのまま活用できる魅力があり、選挙を戦いやすくなるメリットがある。
 だが、有権者が小池知事の思惑通りにはたしてなびくだろうか。民進党は保守からリベラルまで幅広いイデオロギーの議員で組織されていたが、希望の党は憲法改正など保守の政策を前面に掲げているため、リベラル派が追随するとは考えられない。また有権者にとっては民進党という負の影が根強く残るため、党名を変えただけの候補者をそう容易く支持しないだろう。
 このほか、来月の衆院選は保守派同士の政党が戦う構図となり、希望の党は原発ゼロ、消費増税反対など共産党に近い政策も打ち出していることから、共産党やリベラル派が蚊帳の外に埋没する可能性もある。
 いずれにしても、民進党の事実上の解党により、有権者にとっては自民・公明か、希望の党か、共産など他党か、を選択し易くなった。有権者の皆さんは新党が結成しては消滅している過去の教訓を踏まえた上で、一時期の潮流にだけ流されるのではなく、各党の政策を吟味した上で冷静に判断するべきである。【山田貴之】