2018年2月9日金曜日

市役所耐震化の裏取引9億4200万円分の内訳公表、百条委員会設置へ

 彦根市は2日、本庁舎の耐震化を巡って記者会見を行い、施工業者との交渉で取りやめた工事など9億4200万円分の内訳を公表。大久保貴市長は市議会から同日付であった百条委員会設置のための臨時会招集の請求に対し「速やかに開く」と述べた。
 市によると、市の予定価格と施工業者が示した額とに大きな差があったため、前副市長の川嶋恒紹(ひさつぐ)氏=引責辞任=が、外構や空調などを本体価格に含まない別途工事とするよう市都市建設部長に指示。担当職員が施工業者の支店長と協議して、一部工事の取りやめなど裏取引をし、29億3500万円で合意したという。公表された裏取引の内訳は、別途工事が外構やガス空調など2億8917万円、取りやめが既存建物の改修や昇降機リニューアルなど4億7647万円、屋上緑化や床タイルなどを簡易な材料にする仕様変更が7152万円、今後の更なる仕様変更などが1億0484万円。
 しかし、耐震補強工事と既存建物の1階、4階、5階の一部改修を求める市側と、耐震補強工事のみしか実施しないとする施工業者側との認識のずれが表面化。市長には10月3日に「このままでは当初の仕様通りに完成しない」との報告があり、その後、弁護士が地方自治法施行令違反の可能性が高いと指摘。市内部や施工業者との協議が行われたが、解決できず、先月24日に発表した。
 また2日の会見では、市長が昨年6月定例会開会日の6月5日に、川嶋氏から「外構工事は元々、分離発注をする予定だった」と聞いていたことが明らかになったが、市長は「詳細については理解していなかった」と釈明。別途工事などの新たな予算措置については「どこまでやるのかは業者と協議する」と述べるに止めた。
臨時会招集へ
 彦根市議会は2日、100条委員会の設置を求めるための臨時会招集請求書を全議員24人の署名入りで市長あてに提出。市長は会見で「速やかに招集する」と述べた。
 臨時会は14日開会で、百条委員会の委員は12人で調整している。

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