2021年9月26日日曜日

仏生寺みそ鳥居本地区公民館で販売

 彦根市鳥居本地区の住民手作りの「仏生寺みそ」が今年も製造を終え、10月3日に鳥居本地区公民館の駐車場で販売される。
 仏生寺町の信行寺で坊守を務める佐々木広子さん(80)が考案した商品。仏生寺みそと命名し、地元住民の団体・鳥居本お宝発見隊が2008年から開催している「とりいもと宿場まつり」の開催会場で、翌年の2回目から販売してきた。
 代表の小野隆さん(74)=仏生寺町=が育てる米のキヌヒカリ、佐々木さんが摘んだ山椒(さんしょう)、彦根市内で収穫された大豆を使って、2月から5月にかけて製造し8月末に完成させている。きび砂糖を加えているため、ピリ辛の山椒に甘さが感じる味が特徴だ。ごはんや野菜、コンニャクなどにつけるとおいしい。
 例年は毎年10月に開くとりいもと宿場まつりの会場のみで販売し、発売直後に売り切れる人気商品になっている。新型コロナの影響で昨年に続き、今年も中止を決めたが、仏生寺みそのみ販売することにした。
 小野さんは「鳥居本の名物を多くの市民の皆さんにも知ってほしい。色んな食材に合うので味わってもらいたい」と話している。100㌘の小瓶が500円、160㌘の大瓶が800円。計2000個用意。10月3日午後1時~同4時。事前予約制だが、余れば当日や10月のひこねで朝市でも販売。問い合わせは副代表の高橋邦男さん(70)☎090(4303)1429。

立花町の空き店舗にテイクアウトのピザ店・湖cоm.オープン

 彦根市立花町の空き店舗に18日、テイクアウトのピザ店「湖cоm.(ココム)」がオープンした。
 店主は市内在住の宮下美奈子さん。小麦アレルギーのある子どもたちにも食べてもらおうと、小麦の代わりに米粉を使ったグルテンフリーのピザを提供する。店名の「cоm」には共に、一緒にという意味があることから、宮下さんは「地元の皆さんと一緒にがんばっていこうとの思いを込めた。あっさりとした味わいのため子どもから高齢者まで食べやすい味だと思う」と来店を呼びかけていた。
 直径20㌢。ツナコーン、マルゲリータ、シーフードなど6種、税込み680円~1000円。営業日は木曜~日曜と祝日の午前11時~午後5時。問い合わせは同店☎080(6183)4687。

2021年9月22日水曜日

須山裕子さんの作品パリのアートフェアへ出展

 彦根市立花町を拠点に創作活動をしている画家の須山裕子さん(43)=神奈川県川崎市=の作品が、10月にフランスのパリで開催されるアートフェアに出展される。
 須山さんは神話や伝説上の生き物などを濃淡さまざまな色彩のアクリル絵の具で抽象画を描くアーティスト。
 パリのアートフェアはルーブル美術館から地下通路で直結する大型商業施設で1022日から24日まで開催される「Salon Art Shopping Paris」。世界中のさまざまな分野のアーティストが出展する国際色豊かな芸術展で、ルーブル美術館の学芸員、学術機関の教員、マスコミ、出版関係者らが観覧する。国内外の展覧会運営を行っている一般社団法人ジャパンプロモーション(東京都渋谷区)が須山さんら国内の芸術家を選出した。
 須山さんは「王神と馬」「最後の審判」「地水火風空と色」など5点を出展する。本紙の取材に「出展できることは、自分の心の色で『見るすべてが変わること』を海外の方にも伝えていくチャンスだと思っています。多くの方の心の彩りが見られることを楽しみにしています」とコメントした。

2021年9月17日金曜日

彦根地域の企業の景気状況・彦根企業景況等調査、多業種が新型コロナの影響受ける

彦根商工会議所は今年4月から6月まで(第1四半期)の彦根地域にある企業の景気状況を把握するため「彦根企業景況等調査」を実施し、その結果を公表。新型コロナの感染拡大の影響がさまざまな業種で出ていることがわかった。
 コロナ禍による地域経済への影響を数値で示そうと、稲枝商工会管内を除く彦根商議所会員の建設業、製造業、卸小売業、飲食業、サービス業の計242社を対象に調査票をメールまたはファクスで配布。
 「売上高」「採算」「仕入単価」「販売単価」「従業員」「業況」「資金繰り」の7項目について、今期の状況として①前年同期と②前期(今年1月~3月)とを、次期(今年7月~9月)の見通しとして③前年同期と④今期とを―比較しての回答を求めた。ほかに▽原材料価格の上昇▽事業資金の借入難▽従業員の確保難▽需要の停滞など「経営上の問題」や、▽後継者の確保・事業承継▽資金繰り改善▽感染防止対策▽新商品・新製品の開発▽新分野・異業種への進出▽自社ブランドの強化PRなど「支援を求めたいこと」などもたずねた。
 
景況DI値マイナス
「需要停滞で売上減」
 
 7割にあたる171社から回答があり、各質問に対して増加・好転・上昇・過剰と回答した企業数の構成割合から、減少・悪化・低下・不足と回答した企業数の構成割合を差し引いた値「DI」(ディフュージョン・インデックス)で報告した。
 その結果、市内企業の今期のDIは前年同期と比べてマイナス16・3ポイントと悪化しているが、次期についてはマイナス10・6ポイントと少し良くなる見通し。業種別のDIはサービス業が3・2ポイントと好調、製造業が0ポイント、建設業・卸小売業・飲食業がいずれもマイナス20ポイント以上だったが、業種別の次期のDIはサービス業が同マイナス6・7ポイントと悪化し、製造業が5・4ポイント好転、建設業・卸小売業・飲食業は同3~18ポイントマイナス幅が縮小する見通しだ。
 「経営上の問題点」としては、最多が「需要の停滞」でコロナ禍による売上減を問題とする企業が多かった。次に「原材料価格の上昇」「従業員の確保難」が続いた。「支援を求めたいこと」としては「自社ブランドの強化・PR」が全体の40%と全業種で多く、「新商品・新製品の開発」と「新分野・異業種への進出」が全体の27%だった。
 彦根商議所は今回の調査結果を県や彦根市、ハローワークなどに報告し「企業の経営環境の改善に向けた政策に反映してほしい」としている。今後も四半期ごとに報告する。

2021年9月13日月曜日

ひこね燦ぱれす図書館として活用で市長「概算として数十億円のコスト削減」

 彦根市は8月30日の定例会見で、小泉町のひこね燦ぱれすを解体せずに図書館として活用する意向を正式に発表した。和田裕行市長は図書館を新築した場合と比べて「感覚的な概算として数十億円のコスト削減が見込める」と述べた(本紙8月21日付参照)。
 市は図書館整備基本計画で、現在の図書館を北部館、河瀬・亀山地区に中央館、稲枝地区に南部館、燦ぱれすを含むエリアに建設中の市スポーツ・文化交流センター内のまちなか交流棟に図書コーナーを整備。蔵書数を北部館が現在の12万冊、中央館が15万冊、南部館が5万冊の計画だった。まちなか交流棟には児童書や雑誌、漫画など約1万5000冊を収める計画だったが、燦ぱれすの図書館化計画により、今後はまちなか交流棟の図書コーナーを無くし、冊数も少なくする予定。燦ぱれす内の蔵書数について、市は「未定」としている。
 前市長時代には中央館を亀山学区の清崎町に整備する方針が決まったが、和田市長は当選後の本紙のインタビューや市議会で白紙または延伸を表明していた。清崎町への図書館整備に関し、和田市長は会見で「中央館という呼称(位置づけ)は変わるかもしれないが、市の財政が改善した時には再び整備向けて進めたい。3館体制か4館体制かを含めて検討していく」と語った。燦ぱれすに図書館を整備する方針が示されたことで、市は今後、市図書館整備基本計画を見直す。
 
代替駐車場 民有地購入で確保
清崎の調査費減額や設計変更 提案へ
 前市長時代は燦ぱれすを解体し、約130台分の駐車場を整備する計画だった。その代替として市は燦ぱれす北側の民有地(田畑)を今後、購入する案を示した。市スポーツ・文化交流センターの総事業費は87億6000万円。そのうち燦ぱれすの解体と駐車場への造成、外構工事が約2億円だが、解体しなかった場合は用地買収と造成、外構工事で約2億円と変わらない見込みだという。
 また燦ぱれすに図書館を整備した場合、国の補助金が2分の1活用できる。図書館を新築した場合と比べて、和田市長は他市の事例を参考にした概算として、新築だと25億円~30億円かかるため、「ゼロから建設した場合よりも、最大で数十億円程度の削減が見込める」と話している。
 市は、設計の修正費用(1509万円)、清崎町に予定していた図書館の調査委託業務の減額補正(マイナス1127万円)、今年度以降の債務負担行為補正として、図書館整備のための調査検討業務の追加(1245万円)、解体しないことに伴う債務負担行為の廃止(1億0324万円)などを盛り込んだ補正予算案を9月議会に提案する。

鈴木はなさんキャラクター展パリヤで ポップコーンちゃんなど

 彦根市立旭森小学校の特別支援学級に通う5年生の鈴木はなさん(11)=正法寺町=考案のキャラクター展が、4日からパリヤで開かれている。
 はなさんは幼稚園児の時からイラストを描くのが好きで、小学生になってからは食べ物や生き物を擬人化したキャラクターも描いてきた。今年5月には母親の鈴木裕子さん(49)が勤務する福祉施設「NPОぽぽハウス」(彦根市平田町)が、はなさん考案の「ポップコーンちゃん」を使ったTシャツを愛荘町の障害者施設と共同で開発。本紙など新聞各紙が取り上げて人気商品になった。
 パリヤは7月10日からポイントに応じてポップコーンちゃんTシャツを提供する取り組みを開始。反響が大きかったため、はなさんの作品展を企画した。
 
はなさん 好物を擬人化
母「娘の思い感じてほしい」
 
 展示作品ははなさんが園児の時から昨年末まで描いた、ポップコーンちゃんなどの原画のコピー10点。そのうち「カエルちゃん」はさまざまな表情や動作をする16匹のカエルを描いている。「やきいも」は遊んでいた公園前を通った焼きいも屋から購入してほおばるまでのストーリーを自身に似せた女の子で表現。「マリオ」にはマリオのゲームに登場する約80体のキャラクターが登場している。
 ほかに「ケチャップちゃん」「ホットケーキちゃん」「イチゴケーキちゃん」など、はなさんが好きな食べ物のキャラクターも見られる。裕子さんは「言葉で表現しにくい娘が何を考え、思っているのか、この絵を見て感じてもらえたらうれしい」、父親の邦雄さん(49)は「来店者の皆さんが楽しんでもらえたら、娘も喜ぶと思う」と話していた。展示場所はエスカレーター横の通路沿い。

山田貴之 記者が滋賀大学で講義、取材・インタビューの仕方と記事の書き方を教える

 彦根商工会議所青年部は、大学生たちがSDGsに関する取り組みを進める企業に出向くインターンシップの事業を企画。7月6日には滋賀大学彦根キャンパスでインターンシップにのぞむ学生たち向けの取材およびインタビュー講義があり、小生はその講師として学生たちにアドバイスした(写真は青年部提供)。
 学生は滋賀大生22人、聖泉大生3人、流通科学大生1人の1~4回生。小生はまずインタビューの「心得」として▽謙虚な姿勢▽聞き上手で▽知ったかぶりをしない▽(学生・新人のうちは)的外れを恐れるな―などと助言。そしてインタビューの「手順」として、事前準備の大切さや質問の具体的な仕方などを解説し、ロールプレイングの体験の時間も設けた。
 学生たちからは「記者がほかの記者をすごいと思う時は?」「緊張しないために心がけることは何か」などさまざまな質問もあった。最後にまとめとして「インタビューや取材は先方のためだけでなく、新たに知識を得るという点で自分自身のためにもなる」などとアドバイスした。
 今後、学生たちは今月下旬から10月初旬にかけてインターンシップにのぞみ、各企業のSDGsを見つけていき、10月中旬に最終成果を報告。最終的には図鑑にまとめて公表する予定だ。このすばらしい取り組みに小生として今後も引き続き協力していきたい。

 小生は9月3日、滋賀大学彦根キャンパスで「記事の書き方」をテーマに講義をした。7月6日の「取材の仕方」に続く2回目の講義だったが、学生たちの熱心にメモをとる姿が印象に残った(写真は提供)。
 学生たちは、彦根商工会議所青年部が企画したインターンシップ事業に参加している滋賀大学などの約25人。7月の1回目の講義後、各企業に分かれてSDGsの取り組みを取材し、記事(原稿)を完成させるため、この日の講義にオンラインと学内に分かれて出席した。
 小生はまず「記事の役割」について解説した後、「リード文の重要性と書き方」「読者に読んでもらうためのコツ」「見出しのつけ方」などをアドバイス。学生からは「主観的な考えを記事の中に入れるコツはあるのか」などの鋭い質問もあった。
 学生たちが仕上げる原稿は企業ごとに掲載され、今年度中に図鑑(冊子)として発表される予定である。学生たちがどのような記事に仕上げてくるのか、楽しみにしている。【山田貴之】



2021年9月10日金曜日

小泉町でサトイモに花咲く

 彦根市小泉町の畑で地元住民たちが育てているサトイモに花が咲いた。サトイモに花が咲くのは珍しいらしく、住民たちからは「何か良いことがあるかも」との声があがっている。
 小泉町の65歳以上の約100人が所属している団体「小泉町安心・安全・助け合いパートナー」(通称・SSP)は一昨年11月、約100㍑の大きな釜を使って、町内の子どもたちを招いての「芋煮会」を開催。多世代が参加し、大盛況だったという。
 そのため自前の材料で芋煮を作ろうと、昨年春に約9平方㍍の不耕作地を借りてサトイモ作りを開始。老人会の老泉クラブと小泉紅かぶらの保存活動などをしている八王子クラブを加えた3団体で、サトイモを作ってきた。昨年の芋煮会は新型コロナの影響で中止だったが、今年も春に子イモを植え、住民16人がローテーションで水やりなど「人海戦術」で世話をしてきた。
 中心になって世話をしてきた北川章さん(76)が8月27日に、1株の中央部に長さ約30㌢の先のとがった黄色い花が咲いているのを発見。その後、つぼみを含め4本が開花し、別の1株もつぼみが育った。
 SSP会長の川嶌順次郎さん(86)は「私も長年、個人的にサトイモを作っているが、花は咲くことはなく、びっくり驚いている。とても珍しいことなので、感服している」と話していた。
 JA東びわこによると、サトイモに花が咲くのは小規模な家庭菜園で10年に1度ほどのペースであるといい、東南アジアが原産のため、日照時間が長かったことも要因にあるのでは、としている。

にじのはしスペイクリニック多賀診療所が開院

 猫の繁殖を制限する手術を専用車内で行う「スペイクリニック」が8月28日に多賀町に開院し、彦根市内などの野良猫の手術が行われた。
 地域での野良猫の増加に伴い、さまざまなトラブルに巻き込まれたり、施設に収容されて殺処分されたりする猫もいる。
 彦愛犬で猫の避妊手術の活動をしている団体・多賀にゃんと、人と猫犬とが寄り添う生活の実現を目指している団体・びわ湖わんにゃんマルシェ実行委員会は、野良猫の生息数を抑制して殺処分ゼロを目指そうと「びわ湖ハッピーにゃんずプロジェクト」と題して、繁殖制限の手術を進めている。今年2月14日には彦根城内や市立図書館の周辺で捕獲した野良猫15匹を対象に、岐阜市の動物病院から獣医師らが専用車で文化プラザに訪れ、車内で順番に不妊、去勢手術を行った。
 
彦根など野良20
多賀にゃんが実施
 多賀にゃん代表の西崎美樹さん(56)は多賀の自宅の一角に3年前、里親を待つ猫を預かる店舗をオープン。そして、繁殖制限の手術を定期的に行うため、自宅の敷地内にストックヤードと駐車スペースを新設。岐阜の動物病院名にちなみ「にじのはしスペイクリニック多賀診療所」と名付けた。
 この日は事前に捕獲した仏生寺町など彦根市内の18匹と犬上郡内の2匹を対象に順番に手術が行われた。資金は「どうぶつ基金」を活用。原則、県内の野良猫が対象で、毎月第4日曜日に開院する。
 西崎さんは「何年後かには飼い主不明の猫、殺処分される猫たちが減少し、同時に人も猫もハッピーに暮らせるまちづくりを目指したい」と話していた。問い合わせは多賀にゃん☎090(5240)7675。