厚生労働省は昨年末、県の医療再生計画に対し、50億円を交付すると内示した。湖東・湖北圏域にはその半分の25億円が交付される予定。県は平成25年度までに、圏域内の市町や医療機関などと連携しながら、医師不足で出産ができない彦根市立病院の産科の再開など、圏域内が抱える医療問題の改善を目指す。
救急医療体制の構築や医師不足の解消など地方病院が抱える医療問題を改善させるため、厚労省は昨年6月、各都道府県に医療再生計画の策定を要請。
滋賀県は東近江と、湖東・湖北の各圏域に25億円ずつの交付を受けるための計画を作成し11月4日に申請。厚労省は昨年12月18日、総額約2349億円の地域医療再生臨時特例交付金を内示した。
豊郷病院にリハビリ病床
彦根・長浜との連携強化も
湖東・湖北圏域の整備内容は、▽脳血管疾患や頸部骨折などの患者の家庭復帰を目的とした「回復期リハビリテーション病床」がないため、市立長浜病院に回復期リハビリテーション病棟を、豊郷病院に同病棟30床を整備(5億3000万円)▽休日急病診療所や訪問看護ステーションなどを連携させるための施設「地域医療支援センター」を湖東・湖北にそれぞれ設置(6億1000万円)▽病院、診療所、訪問看護ステーション、薬局間の情報共有のための地域医療連携ネットワークを構築(2億3000万円)―することなど。
交付金50億円の中には県の取り組みとして約14億7000万円も盛り込まれており、そのうち約7億円が医師確保対策。県は滋賀医科大学に協力を要請しながら、彦根市立病院の産科などの再開を目指す。
また湖東・湖北圏域では、彦根市立病院と市立長浜病院による二次救急医療の連携強化、長浜日赤病院の三次救急体制の構築も要請する。
県は今後、市町や医療機関、医師会などに「推進協議会」の設立を依頼。来年度から平成25年度まで順次協議が行われ、再生計画を実現していく。
早く前みたいに彦根市立病院でお産できるよう願っています。
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