滋賀県立大学(彦根市八坂町)の鵜飼修准教授と学生グループらが、東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町の田の浦地区を復興させるプロジェクトを進めている。
まちづくりを担う人材を育成する県立大のプログラム「近江環人」のOBで今年1月に結成したNPO法人環人ネットと、学生による地域貢献活動「近江楽座」の木興(もっこう)プロジェクトによる共同の取り組み。
田の浦地区は震災で14人が死亡、3人が行方不明になっており、現在は99世帯・354人が暮らしている。半数ほどの家が流されたほか、漁師たちの作業場も壊された。
学生約30人と鵜飼准教授を含む環人ネットの4人は8月8日から18日まで被災地を訪れ、学生たちが作業場に漁師たちの休憩・集会のための番屋(木造1階建て約20平方㍍)を、鵜飼准教授らがソーラーパネル付きのトイレ(高さ2㍍)を建設した。
田の浦地区は震災後の約2カ月間、支援者が訪れることがなかったという。そのため鵜飼准教授は「外とのつながりを担うグループの創設」を地元住民に提案。「田の浦ファンクラブ」を結成し、▽まちづくり支援のための寄付金の収集▽漁業体験クルージング▽環境学習の受け入れ▽婚活支援などを行うことを示した。来年春にはNPO法人化も目指す。
鵜飼准教授は「外とのつながりを持つことで、田の浦の魅力や海に育まれた生活文化を多くの人に伝えてほしい」と話している。3年間ぐらいは月1回のペースで現地を訪れ、地元住民と一緒にまちづくりを進めるという=写真は環人ネット提供。
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