東日本大震災で被災した後に復活した「復興ピアノ」を使っての連弾と、靴下でモザイクアートを作るダブルでのギネス挑戦が、22日に滋賀大学講堂であり、2つともギネス記録に認められた。挑戦イベントには市内外から約250人が参加し、被災地の宮城県石巻市からも3人の子どもを亡くした遠藤伸一さん(43)・綾子さん(43)夫妻が訪れた。
復興ピアノはギネス挑戦を企画したピアノ教室講師の寺村邦子さん(56)=尾末町=宅から会場に持ち込まれ、子どもから高齢者までの103人が順番にヴェートベンの歓喜の歌を演奏。いしだみつにゃんや千葉県の獣兵衛くんらゆるキャラも参加し、これまでのフランスの記録・15人を大幅に更新した。
モザイクアート作りは、石巻を中心に支援するボランティアグループ「UNITE TOGETHER」が考案した海と大地が手を結んだハート形の図柄を、白や黒、緑などさまざまな色の靴下4278枚を使って縦7・62㍍×横6・99㍍で製作。
同グループとの縁で石巻から参加した遠藤さんは津波で小学生から中学生の息子1人と娘2人を亡くした。木工作家として、津波で亡くなった英語指導助手のティラー・アンダーソンさんをしのんで石巻市内の小中学校に本箱も寄贈。ティラーさんがいた小学校には遠藤さんの亡くなった子ども2人も通っていたという。
ギネス達成後、遠藤さんは「ギネス挑戦のイベントは予想していた以上の規模で、感動と感謝の気持ちでいっぱい」「震災で亡くなられた方々の思いを心に刻んで、前を向いて一歩ずつ前進していきたい」と涙ながらに語っていた。靴下と、当日会場で販売された靴下の売上・19万5000円は遠藤さんが持ち帰り、石巻の被災者のために使われる。
9・10回目のギネス記録を達成した寺村さんは「欲張って2つ一緒の挑戦だったので、不安だったけれど、達成できて本当に良かった」と話していた。
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