2013年2月28日木曜日

ユネスコスクールに城西小が認定、小学校は県内最初

 地球規模の問題に対処できるような人材を育てる「ユネスコスクール」に彦根市立城西小学校が認定され、21日にプレート(60㌢×19㌢)の贈呈式が同校で開かれた。
 同スクールの基本分野としては、▽貧困や飢餓、エイズなど▽人種差別や民主主義など人権▽異文化理解▽環境教育―の4つがあり、参加校にはそれらに関する積極的な学習が求められる。
 城西小はユネスコのパリ本部で昨年12月21日に、ほかの30校と共に承認された。世界180カ国で約9000校が登録されており、滋賀県内では東近江市立五個荘中学校と立命館守山中学高校で、小学校では県内最初。
 贈呈式では前川恒廣市教育長から同校の大澤厚美校長に、青い文字でユネスコ協会とユネスコスクールのマークが記されたステンレス製のプレートが贈られた。児童代表で6年生の大村実乃梨さん(12)は「世界の人たちに彦根やお城の良さを伝えたいと思う」と話していた。

2013年2月27日水曜日

ねこカフェ 彦根の四番町にオープン

 猫と触れ合うことができる「ねこカフェ・にゃんこっこ」が、22日に彦根市の四番町スクエア内にオープンした。県内で「ねこカフェ」は1軒だけだという。
 店主は野良田町の山口大幸(たいこう)さん(49)。子どものころからずっと近くに猫がいる生活だったといい、自宅でも猫好きの妻・直子さん(42)と一緒に3匹の猫を飼っている。草津市にあった「ねこカフェ」に通っていたが、今月17日で閉店したため、同店からと知人から譲り受けた12匹で出店することにした。
 店舗は2階建てで延べ約55平方㍍。5カ月から7歳までの雄5匹と雌7匹が1階と2階に6匹ずつ分かれている。入場料はフリードリンク制で30分630円。猫の持ち込みや引き取りは不可。不定休。午前10時~午後8時。
 山口さんは「捨てられている猫が多く、人間と同じように動物の命も大切にしてほしい。猫好きの方のほか、そうでない人にも来ていただいて、猫好きになってもらえれば」と話している。問い合わせは同店☎(26)8366。

2013年2月25日月曜日

認知症対応の施設・すみよしクリニックデイサービスセンター、オープンへ

 彦根市竹ケ鼻町に3月1日、認知症対応の通所施設「すみよしクリニックデイサービスセンター」がオープンする。23日と25、26日には内覧会がある。
 対象は若年性を含めて認知症と診断された市民。通所者の自主性を尊重しながら、生活機能の維持のために体操や料理、趣味などをしてもらう。
 木造2階建てで延べ約211平方㍍。開放的な造りで、書道や絵画など向けの工房、茶道ができる座敷、障害者用の風呂などを備えているほか、施設内には畑や花壇も整備している。
 職員は認知症介護実践研修を受けた介護福祉士4人や医師、看護師ら計10人。開館は午前9時~午後4時半。休みは日曜と年末年始。
 所長の野村武司さん(47)は「職員一同、すべてのことに対して丁寧に接していきたい」と話していた。
 内覧会の時間は3日間とも午前10時~午後3時半、参加自由。問い合わせは同センター☎(26)2468へ。

2013年2月22日金曜日

ひこにゃんの今後の役割は?彦根翔陽高生が研究発表

 滋賀県立彦根翔陽高校は15日、生徒たちによる研究成果の発表会をひこね燦ぱれすで開き、生徒約400人と保護者ら約20人が参加した。
 総合学科では問題解決能力やプレゼンテーション力の育成を目的に毎年、生徒たちによる実行委員会が発表会を実施。この日は校内での予選を勝ち抜いたチーム・個人が学年ごとに発表した。
 1年生の小西果鈴さんら5人のグループは「ひこにゃんが彦根に与えた影響」をテーマに設定。ひこにゃんによる彦根の観光客数や経済効果が増えているとした上で、ひこにゃんの人気の理由について▽着ぐるみがかわいい▽インターネットでの情報発信▽スタッフの集客への工夫▽イベントとの相乗効果▽出し惜しみをする―と解説。
 ひこにゃんの今後の役割については、市の知名度を高めること、市民の地域への誇りを醸成すること、集客による地域経済の活性化をあげた。

彦根商工会議所・北村昌造会頭の旭日小綬章受章祝う

 彦根商工会議所の北村昌造会頭の旭日小綬章受章祝賀会が16日、彦根ビューホテルで開かれ、県内の経済人や国会・県会議員、マスコミ関係者ら約340人が来場した。
 彦根商工会議所副会頭ら6人が発起人となり開催。獅山市長ら来賓祝辞、記念品や花束、手作りケーキの贈呈の後、北村会頭は「皆さんのお陰で受章できた。お礼したい」と謝辞を述べた。
 式典後は、平和堂の夏原平和社長の乾杯のあいさつで祝宴となり、村山たか女をえがいた本「奸婦にあらず」の作者・諸田玲子さんのあいさつや、井伊亮子さんらの演奏なども行われ、北村会頭の受章を祝った。

2013年2月21日木曜日

県内市長選 現職相次ぐ敗北、彦根市長選は?

 先月の高島市長選に続き、17日投開票の米原市長選、東近江市長選も現職が共に敗れる結果に終わった。他市の市民が「新しい風」を求める中、彦根市長選も投票(4月21日)まで残り約2カ月となり、市内は選挙モードが高まりつつある。
 彦根市長選にはこれまでのところ、現職の獅山向洋氏(72)=城町、いずれも新人で会社員の有村国知氏(38)=外町、元県議の大久保貴氏(49)=三津屋=が出馬を表明している。
 現職が任期中の実績をPRする中、有村氏は「県内でも彦根は埋没している」、大久保氏は「市に活力が無い」と、新人2人とも市政の「停滞感」を指摘している。
 この停滞感の打開策として、有村氏は「犬上郡のほか、将来的には愛荘町、米原市との合併」をあげている。大久保氏は「市職員が市長の顔色を見ながら仕事をするのではなく、市長自らが職員に顔を向けないと」と市内部からの刷新を求める。
 現市政の課題としては彦根城の世界遺産、市庁舎耐震化策、ごみ処理施設、南部振興などがあげられる。現職は来週発表の来年度予算を含めこれまでの市政の継続を訴える。新人の2人は具体的な政策を近く発表する。

大久保貴氏が彦根市長選出馬表明、4度目

 元県議の大久保貴氏(49)が15日、彦根市長選への出馬を正式に表明した。平成13年、17年、21年に続く4回目の挑戦となる。
 大久保氏は、現市政について「長期政権によりマンネリ化しており、組織の活力が沈滞している」「市職員は市長の顔を見て仕事をしているようで、組織の体を成していない」と批判。現職が嘉田知事と対立していることにもふれ「県との協力体制がとれておらず、実にもったいない。彦根の潜在力を生かす体制にない」と指摘した。
 荒神山など歴史的遺産を外部に発信していくべきだとの考えも示しながら「(北部だけではない)均衡ある発展を目指すべき。ハード面だけでなく、生活や文化的な遺産を発信していくことで、観光・文化面の厚みが増す」と述べた。
 大久保氏は平成3年に27歳の若さで県議となり、2期目途中の同10年の参院選に出馬したが、落選。彦根市長選ではこれまで3度とも落選しているが、前回は39票差での惜敗だった。

2013年2月19日火曜日

切手・日本の山岳シリーズ第2集、中村憲一さん撮影の伊吹山も

 日本郵便が22日に発売する日本の名山を題材にした切手セット「日本の山岳シリーズ・第2集」(80円切手10枚)には、彦根市野田山町の中村憲一さん(65)が撮影した伊吹山の作品も入っている。
 同シリーズは平成23年9月発売の第1集「秋景色」に続くセットで、第2集は「春の山」がテーマ。
 中村さんは全日本山岳写真協会会員で、昨年3月に知人を通じて撮影依頼があり、4月8日に米原市内から伊吹山を撮影。戻り寒波の影響で、雪で真っ白になっていた光景を撮った。中村さん撮影の伊吹山のほか、富士山、筑波山、蔵王連峰など国内10府県の山々が写った切手10枚セットで、縦8・4㌢×横約21・2㌢。800円。全国の郵便局またはホームページで。

2013年2月16日土曜日

ひこにゃんモテモテ過去最多のプレゼント

 バレンタインデーに合わせて、ひこにゃんへのチョコレートなどが14日までに過去最多の228個届き、ひこにゃんは山積みのプレゼントを前に大喜びだった。
 都道府県別では、東京の23個を筆頭に、大阪22、兵庫と神奈川16、滋賀15などと続き、海外はドイツからの1個。サンマやウナギ型のチョコのほか、ハートのシール付きのザボン・晩白柚(ばんべいゆ)やひこにゃんを描いた油絵もあった。
 大半が手紙付きで、中には「チョコを食べ過ぎてメタボにならないで」などとひこにゃんを気づかう内容もあった。
 14日時点のひこにゃんへのプレゼントは、最初の平成20年が43個、21年が196、22年が224、23年が201、24年が167で、公表された21年以降で今年は最多。返事は昨年から始めており、市は「今年もひこにゃんのメッセージ付きのポストカードを送るよう検討したい」としている。

体罰を再び考える

 小生はこれまでにも何度か体罰についてのコラムを書いてきたが、報道機関を中心に「体罰」という言葉だけが一人歩きしているので、改めて体罰について考えたい。
 体罰に関して、自民党の伊吹文明衆院議長は9日、「体罰を全く否定して教育なんかはできない」「何のために体罰を加えるのかという原点がしっかりしていない。立派な人になってほしいという愛情をもって体罰を加えているのか、判然としない人が多い」などと述べた。
 体罰を全否定する論理への忠告と、体罰の域を超えた暴力におよぶ指導者を批判したと見られる意見であり、小生は共に賛意を示したい。
 桜宮高や女子柔道などの事案は、指導者自身の感情的抑制のために密室で相手に肉体的、精神的苦痛を与え続けたという理由から、暴行または虐待だと言え、論ずるに値しない。
 体罰について、日経は10日付の「反体罰」のコラムで、「体罰の社会史」(江森一郎著)という本を活用しながら、江戸時代の藩校や寺子屋は体罰に抑制的で、儒学者が体罰の有害無益さを説いていたとし、明治政府も戦後の教育基本法と同様、体罰を禁止する法令を定めていたことを紹介した。
 現代の体罰は戦中の軍隊で生まれた名残だと予想できる。もちろん体罰を撲滅できれば、それに越したことはないが、学級崩壊や核家族化、モンスターペアレントなど子どもたちを巡る環境が社会問題化している中で、はたして体罰を全否定して子どもたちを健全に育てていくことはできようか。
 スポーツや学校生活において指導者または教職員はなぜ、体罰を加えるのか。スポーツの場ではミスや怠慢さ、悪ふざけ、個人プレーなど、学校生活では授業妨害やいじめ、危険行為などが、その理由にあげられよう。すべてが体罰の対象にはならないが、例えば、他者の命に関わるような悪質ないじめや危険行為などには、その最終的な手段として体罰は必要である。
 それでも「体罰を無くせ」というのなら、まずは保護者が教職員に体罰をさせないように子どもを厳しく教育しなければならない。それさえも出来ぬのに、体罰撲滅だけを声高に主張するのは無責任極まりない。
 体罰を撲滅させる前に、すべての子どもたちが健全に育つための指導方法や教育カリキュラムを構築することが大前提であり、保護者や体罰全否定派もその運動をまずは展開していくべきである。【山田貴之】

2013年2月15日金曜日

有村国知氏 彦根市長選出馬へ「輝いていた時代に」

 4月21日投票の彦根市長選へ、自民党の有村治子参院議員の元秘書で弟の会社員・有村国知氏(38)=彦根市外町=が出馬の意向を示した。有村氏は本紙に出馬を決意した理由などを述べた。
 有村氏は旧・愛知川町出身。青山学院大学卒業後、会社勤務を経て有村参院議員の秘書などを務め、昨年10月に彦根へ移住。長浜市内の製造業に務めている。
 子どものころは電車に乗って彦根を訪れ、アルプラザ彦根駅前店のほか、いずれも閉鎖したスケートリングやボウリング場などで遊んでいたといい、「彦根が県内でも輝いていた時代を知る人間から見ると、今の彦根は『本来の彦根の姿』ではないように思う」と指摘。「輝いていたころのような彦根にしたい」と出馬理由を語った。
 犬上郡と頓挫した合併にもふれ、「彦根が埋没することがないよう、犬上3町のほか、愛荘町や米原市を視野に入れた合併も考えたい」と話した。具体的な政策については改めて公表するという。
 自民党からの推薦を得たい考えを示しているが、すでに同党内では現職の獅山向洋氏(72)を推す方向で調整が進んでいたため、今後の同党内の行方も注目される。市長選にはほかに元県議の大久保貴氏(49)が明日にも出馬を表明する。

 電撃的な出馬表明であった。彦根の自民党員でさえ寝耳に水で、幹部がその意向を聞いたのも記者会見前日の7日だったという。一部では参院選滋賀選挙区への出馬の可能性が取りざたされていただけに、マスコミ各社もまったくのノーマークだった。
 小生は、新顔には厳しい排他的な土地柄で、世代交代が進まぬ保守的過ぎるまち・彦根の市長選に、彦根とはあまり関連のない、若手の有村さんが挑戦する勇気は評価したい。政治経験はなく、その能力も未知数ではあるが、有村参院議員という「女性首相候補」にも名前が挙がるほど有能な政治家の側近として働いてきたのだから、期待できる。
 有村氏の表明で、立候補予定者は3人になった。ほかにも2、3人が意欲を示している。市長選まで残り2カ月ほどとなり、彦根もいよいよ選挙モードが高まりつつある。(山田)

建国記念の日 記念講演、日本会議の田尾憲男さん「憲法改正し独立国家へ」

 建国記念の日に合わせて多賀大社は11日、記念講演会を開き、日本会議常任理事の田尾憲男さんが「自主独立の国家をめざして」をテーマに話した=写真
 田尾さんは神話と神武天皇以来続く天皇制のすばらしさを説いた上で「先の敗戦でGHQは最初に日本の歴史を抹殺し、建国記念日も無くした」と説明。「建国記念の日が復活した昭和41年が戦後の自主独立国家としての第一歩の成果」「他国のように革命・独立記念日と違い、建国記念日をもてるのは日本ぐらいだ」と解説した。
 今の日本については「まっとうな独立国家ではない体制のままにある。例えば、憲法は米国人が英文で作り、それを日本語に翻訳しただけ」と話しながら、第二次安倍内閣が掲げる「日本を取り戻す」に期待感を示した。
 天皇制については、「脈々と続いてきた男系の皇位継承を我々の世代で女系に変えることはできない」「女性宮家の創設は歴史への冒とくであり、11の旧宮家を復活させるべきだ」と述べた。
 憲法改正については、尖閣諸島を巡って中国軍がレーザー照射をしても自衛隊が反撃できないことをあげ、「すべては憲法9条第2項の交戦権を認めないにある」と指摘。「自己防衛もできずに国家がつぶれて良いはずがない。(9条を含む憲法は)先の大戦の懲罰として米国が押し付けたもの」「早く改正して、自主独立の憲法をつくることが現政権の最大の使命だ」と訴えた。

2013年2月13日水曜日

バルブ生産高 微増 新政権と円安で今年も増の見込み、滋賀バルブ

 滋賀バルブ協同組合(本部・彦根市岡町)は、昨年のバルブ生産高を発表。加盟34社のうち、製造業24社の合計は前年比1・1%増の214億5800万円と微増した。
 業種別には、産業用弁が前年比6・1%増の99億3300万円と3年連続で増加。前半の6月ごろまでは震災復興関連や海外の需要が好調に推移したが、8月以降は長引く円高と欧州危機、中国など新興国の経済減速などの影響で減少した。
 水道用弁は同0・2%減の83億2100万円。船用弁は造船業の落ち込みで同9・8%減の23億2100万円。鋳物素材も造船業の低迷で同7・9%減の8億4700万円だった。
 今年の見通しとして同組合は、新政権による経済再生への積極的な取り組み、震災復興の加速化、上下水道部門のインフラ整備などで、水道用弁や産業用弁の需要増が期待され、円安による造船業界の回復傾向を含めて、生産高は増加すると予想している。

彦根えきまえ赤おにバル 彦根駅前 飲み歩こう

 彦根駅前の飲食店街を飲み・食べ歩こうー。駅前や周辺の店舗を対象にしたイベント「彦根えきまえ赤おにバル」が今月21日に行われる。
 バルはワンドリンク・ワンフードをキャッチフレーズにした飲み歩き・食べ歩きのスペインの食文化イベント。国内のほか、世界各国でもブームになっている。
 彦根駅前の店舗有志らによる実行委員会は駅前バージョンのバルを企画。旭町、佐和町、大東町、京町にある飲食店を中心にした24店舗で使用できる4枚つづりのチケットを購入し、1枚でドリンク1杯と各店自慢の一品を味わうことができる。チケットが余った場合は22日から28日まで各店の飲食代に利用できる。
 チケットは19日までの前売り2500円。彦根駅前観光案内所、アルプラザ彦根、半月舎、バル参加店の一部で販売している。チケットが余れば、当日3000円で販売も。問い合わせは木・日曜以外の正午~午後7時に半月舎内の事務局☎0749(26)1201へ。

2013年2月10日日曜日

夏原美智子さん 「UNITE TOGETHER」で被災地支援、ハトムネでCD販売

 「UNITE TOGETHER」をキャッチコピーに東日本大震災の被災地の支援活動をしている夏原美智子さん(64)=彦根市後三条町=は、被災地への思いを歌にしたCDを制作。自身のブログ「ハトムネ」で販売している。
 夏原さんは平成23年2月28日にブログを立ち上げたが、その直後の3月11日に震災が発生。それ以降はブログを活用しながら、3人の子どもを亡くした宮城県石巻市の夫妻やその仲間を支援する活動を展開している。その年の10月には「UNITE TOGETHER」のロゴと手を握り合ったハート型のマーク入りのTシャツを発売。昨年6月には石巻の夫妻の自宅跡に地域交流の場用のコンテナハウスを提供した。
 節電の必要性が全国的に呼びかけられた昨夏にうちわを製作した際には、片面に夏原さんが被災地への思いをつづった詩を記した。さらに夏原さんの詩と、京都を中心に活躍するユニット「SANISAI」の作曲で、被災地復興を願った歌「風に乗って伝えたい」が完成。文化プラザで録音された声楽家バージョンとクラシックアレンジを含む4パターンを収めたCDを昨年末から販売している。購入方法は「ハトムネ」からファクス(27)4511で。「ハトムネ」で試聴もできる。一枚1200円。
 夏原さんは「被災地の皆さんは決して一人ではなく、気持ちでは私たちとつながっている。手を取り合って一歩ずつ前に歩むことができるよう、小さな支援であっても続けていきたい」と、歌に込めた思いを語った。
 「ハトムネ」ではCDやTシャツのほか、エコバッグ、キーホルダーウォッチなども販売している。すべての製品の収益金は被災地の復興支援に活用される。問い合わせはブログ「ハトムネ」から。

2013年2月9日土曜日

勝手広告 辻中輝さん「滋賀のため」平和堂や近江鉄道、ヤンマーなど

 個人が勝手に作った広告「勝手広告」の滋賀県版を滋賀県立大学(彦根市八坂町)の学生が作り、6日から学内の交流センターで始まった卒業制作展で展示している。プロ顔負けの作品が揃う中で、入り口の特設コーナーに展示の勝手広告はそのレベルの高さに来場者を驚かせている。
 勝手広告を製作したのは人間文化学部生活デザイン学科4年生の辻中輝さん(22)。県立大学のほか、近江鉄道、平和堂、CLUB・HARIE、ヤンマー、びわ湖放送、近江兄弟社、久田工芸の県内8社の勝手広告を作った。動画、写真、ドキュメンタリーの3パターンのいずれかで企業・団体ごとにWeb上にアップ。
 そのうち、近江鉄道の作品は尼子駅近くの田園地帯を走る電車が新幹線に抜かれる15秒の映像に、「君がロックで僕がワルツ」とのキャッチコピーを入れ、「スローライフの素晴らしさ」を訴えている。また平和堂の作品は、カレー、水炊き、酒とおつまみ向けの食材を用いて3種類の「平和」の文字を描いている。
 CLUB・HARIEでは発泡スチロールなどで作った実物より10倍大きい直径1・5㍍のバームクーヘンを、「勝手に」店前において来店客や店員の反応を撮影した映像をまとめている。
 辻中さんは広告代理店への就職が決まっており、「お世話になった滋賀県のために何かできないかと思い、勝手広告を作った。より多くの人に見てもらい、興味をもってもらえるよう、できる限り抽象的に仕上げた」と話していた。
 作品は「滋賀を勝手に広告」で検索か(http://kattenikoukoku.businesscatalyst.com/index.html)で閲覧可。
荒川希美さんは彦根の景色を「模様」に
 滋賀県立大学の交流センターでは10日まで、人間文化学部生活デザイン学科の卒業制作展が開かれている。学生31人の作品のうち、荒川希美さん(22)は彦根のまちをイメージした「模様」を展示している。
 テーマは「hikone 模様―まちの景色を伝える模様のデザイン―」。井伊家のかぶと、ベルロード、多景島、近江牛、近江鉄道、花しょうぶ、金亀、ラーメン店など、彦根に関する25種類の模様をさまざまな色を使って表現している。
 模様を彩ったネクタイやブラジャー、ハンカチ、紙袋、風呂敷も制作した。荒川さんは「まちの形式が統一化される中、まち独自の景色を残してほしいという思いを込めた。模様という抽象的な形で、より意識し易くしていただけるのでは」と話していた。
 卒業作品展ではほかに、野菜ごとに違う子ども用の皮むき器、アニメーション、発砲スチロール製の遊び場、軽トラックに載せる建築空間など、子どもから大人までが楽しめる作品が並んでいる。開館は午前10時~午後6時。入場無料。

渡辺貞夫さんジャズライブ、彦根で80歳祝う

 サックス奏者・渡辺貞夫さん(80)らを招いたジャズライブが2日、彦根市京町の夏川記念会館で開かれ、県内外から多くのジャズファンが詰めかけた。
 窯元・泰窯(高宮町)が今月1日に80歳になった渡辺さんへのお祝いを兼ねて企画。渡辺さんが会場入りする際には、サプライズ企画として近江高吹奏楽部の部員45人たちによる誕生日を祝う演奏があり、渡辺さんも喜んでいた。
 ライブでは、ピアノ、ベース、ドラム、パーカッションの奏者4人と共に曲が演奏され、会場内は曲ごとに声援や大きな拍手が沸き起こり、終始、盛り上がっていた。ライブ後には渡辺さんのサイン会も開かれ、長い列を作っていた。

2013年2月8日金曜日

八重の桜 時代考証・大石学教授「会津藩主は井伊直弼に賛同」

 NHKで放映中の大河ドラマ「八重の桜」をテーマにした歴史手習塾が1日から文化プラザで始まり、初回は時代考証役を務める大石学・東京学芸大学教授が「なぜ会津は最後まで戦ったのか」について講演した。
 井伊直弼との関係について大石教授は、後に会津藩主になる松平容保らに直弼が親近感をもっていたとされる文書を解説した上で「2人は、開国は当然との方針をしっかりともっており、容保は直弼が進めた政策には終始、賛同していたと思う」と説明した。
 桜田門外の変を経た幕末期の会津藩については、藩主の容保が文久2年(1862)に京都守護職に就く際、京都で暮らす藩主側近らによる中央志向派と、地元や江戸に住む西郷頼母(たのも)ら家老の会津第一主義派で対立していたことを紹介。「容保も喜んで京都守護職に就いたわけではなかったろうが、『幕府への忠誠が第一』という家訓(会津では「かきん」)に従った」「一方で、国元は京都守護職になれば、薩長の敵になることはわかっていた。結局これが後に京都で戦うことになった」と述べた。
2回目講座「なぜ『八重の桜』か」
 今月22日に開かれる2回目の講座のテーマは「なぜ今『八重の桜』なのか」。大石教授と制作統括の内藤慎介さんを講師に招く。参加費は1200円(会員700円)。問い合わせは文化プラザ(27)5200へ。

2013年2月5日火曜日

旧豊郷小学校 解体阻止した本田清春さん「許し難かった」

 旧豊郷小学校の解体阻止の運動をした「豊郷小学校の歴史と未来を考える会」代表の本田清春さん(61)=豊郷町安食南=が30日、滋賀県立大学で講演。映像を流しながら、当時の町長や建設会社との闘争を振り返った。
 本田さんは保存活動に加わろうとした理由について、寺や神社を撮影する友人の写真家の写真を見た時に建物がもつ文化性や歴史にひかれたことなどをあげ「文化的、歴史的な施設が壊されることは許し難かった。参加にちゅうちょはなかった」と述べた。
 保存活動の内容については映像や年表を使いながら、小学生も座り込んでいたことや、建設委員会の取材に来ていた新聞記者が脅されていたことなどを紹介。保存運動に加わった人たちの共通の思いとして▽歴史的建造物だった▽ヴォーリズ建築として文化・宗教的価値があった▽住民の精神的なシンボルだった―ことなどをあげた。
 講演後には県大生から「今の旧豊郷小学校がアニメ『けいおん』の聖地になっていることに対しては」「今後のビジョンとしては」などの質問があり、本田さんは「(聖地化への)抗議の声はあるが、一つの文化として温かく見守ることが大事」「豊郷には町内全体に歴史的建造物が多くあり、それらをもっと生かしていかないと」と述べた。

2013年2月4日月曜日

山田周生さん 豊郷の日栄小学校で授業、児童はバイオディーゼル入れ体験

 バイオディーゼル(廃食油を精製させた燃料)を使った車で旅をしながら地球環境保全を呼びかけているフォトジャーナリスト・山田周生さん(55)=東京都練馬区=を招いた授業が30日、豊郷町の日栄小学校で開かれた。
 山田さんは25歳の時にバイクでサハラ砂漠を縦断したのを皮切りに、これまでに100カ国以上を訪れ、走行距離延べ約200万㌔㍍・地球50周分ほどを旅しているという。平成21年4月からは日本一周の旅に出たが、ちょうど岩手県にいた一昨年の3月11日に東日本大震災にあった。以降、被災者の支援活動をしながら、釜石市内で菜の花を植える活動を展開するなど、エネルギーと食の自給自足を目指す取り組みを進めている。
 日栄小の5年生33人を前に行われた授業で山田さんは、平成19年12月から約1年間かけて旅をした世界一周時の各国での写真を紹介しながら、ヨーロッパで貸し自転車が流行していることや、中東のカザフスタンとウズベキスタンにまたがる湖・アラル海が干上がっていることなどを説明。
 「1000年も2000年も使えるものか、地球を汚すものか、エネルギーは選択の時代にある。大震災をきっかけにしてみんなも考えてほしい」と述べた。
 授業の後半では山田さんが乗って来たバイオディーゼルカーの見学会もあり、子どもたちは車を見ながら、車内に積まれた燃料精製機に一人ずつバイオディーゼルを入れていた。
 児童の青山慶太朗君(10)は「ヨーロッパで自転車がはやっていることや、外国でも廃食油で車が走っていることなど、世界の色々なことが勉強になった」と話していた。

2013年2月3日日曜日

「日本維新の会のキーマンは浅田均、橋下徹は看板」、辛坊治郎さん彦根で

 元読売テレビアナウンサーの辛坊治郎さんが30日、彦根ビューホテルで「どうなる 日本の政治経済」をテーマに講演し、政治の裏話などを披露した。
 辛坊さんは日本経済について、いわゆるアベノミクスの最大の不安として日本の国債の金利が上がることをあげ「金利が上がると、日本はいったんクラッシュの方向へいくことになる。日本銀行が国債を買っている間は政府も借金できるが、金利が3%にもなれば、もたなくなる」と指摘した。
 日本維新の会の橋下徹氏については、大阪府知事時代に10年ぶりに黒字に転換させて現在まで5年連続で黒字化になっていることをあげ、「めちゃくちゃなことをしたから、彼を恨んでいる人はかなりいる。彼の周囲にいる警備も増えてきた」と心配した。
 政治の裏話としては、維新の会と太陽の党が合流する前にインタビューをした石原慎太郎氏から、維新の会との合流の仕方について相談を受けたことをあげ「橋下徹は看板で、キーマンとなる決定権はすべて浅田均・大阪府議にあることを教え、その後、合流は成功した」と、合流までの舞台裏を明かした。
 情報の見方については「政治家は世論ばかり気にしており、大事な問題は先延ばしになっている。だから世論が賢くなるしかない」「目の前にある情報はうそが多い。自分の立ち位置をしっかりと決めて、情報を見極めないと」とアドバイスした。辛坊さんの講演会は彦根商工会議所主催で、約500人が来場した。

2013年2月2日土曜日

河原・芹町地区の住民が委員会設立、歴史的景観保存で

 歴史的景観の継承を目指し、彦根市の河原町と芹町の住民たちが「河原町・芹町 美しいまちづくり委員会」を設立。27日に芹町会館で最初の総会を開いた。
 花しょうぶ通り商店街がある河原1、河原2、河原3と芹町の通り沿いには、江戸時代などの歴史的建造物が多く残っており、市の伝統的建造物群保存地区(以下、伝建地区)の候補の一つになっている。
 一方で、歴史的建造物の建て替えや、居住者の高齢化による将来の維持の難しさなどの課題もある。このため、両地区の住民らは歴史的な町並みや文化を後世に残していこうと同委員会を設立。今後は伝建地区選定に向けたPR、勉強会、交流イベントなどを展開していく。
 総会では、花しょうぶ通りの街の駅 力石の所有者・力石寛治さん(75)=平田町=を会長にすることなどを決めた。力石さんは「彦根には伝建地区の候補がいくつかあるが、まだ一つも選定されていない。第一号になるためのまちづくりを進めたい」と話していた。
 市教委文化財課が伝建地区に想定しているエリアは、花しょうぶ・芹町のほか、本町、芹橋、七曲り通り、高宮、鳥居本の計6地区。将来的には国の重要伝統的建造物群保存地区の選定も目指しており、県内では大津・坂本、近江八幡、旧五個荘が国の指定になっている。

2013年2月1日金曜日

幕末・明治の彦根藩 直弼死後「地位捨てる」、ジュニア歴史塾

 ジュニア歴史テナライ塾が26日、文化プラザで開かれ、市教委市史編さん室の小林隆さんが「彦根藩士の幕末・明治維新」をテーマに話した。
 小林さんは江戸時代の彦根藩について、徳川家を支える譜代大名として①戦いでは真っ先に襲いかかる先手の家②天皇を守る京都守護③徳川将軍家跡継ぎの後見人④江戸幕府をまとめる大老―の重要な役割を果たしていたと説明。
 しかし、十三代・井伊直弼が暗殺された桜田門外の変と、薩摩藩が江戸幕府に政治改革を求めた文久2年(1862)の政変により、直弼の政治責任が問われたことで②~④の役割が解かれ、領地も30万石から20万石に減らされたことを紹介。その後の彦根藩は幕府の命で何度も出兵したが、慶応元年(1865)7月の幕府と長州による第二次幕長戦争で敗れたことで、「①もダメになり、彦根藩は西洋式の軍事改革を行った」と解説した。
 新政府軍と旧幕府軍とが戦った明治元年(1868)からの戊辰戦争で、彦根藩は旧幕府派の家老と新政府軍派の中下級藩士で意見が分かれた。小林さんは「結局、中下級藩士の意見で新政府軍についた彦根藩は譜代大名の地位を捨てるという政治改革をした」と述べた。
 明治維新以降の彦根については、人口が江戸時代に約3万6000人(うち武士が約2万人)いたが、明治前半には約2万2000人(うち士族が9500人)に減少したことで、「武家屋敷の取り壊しが進み、彦根のまちに活気がなくなった」と話した。まちの復興策としては、製糸業と人材育成をあげ、そのうち人材育成では彦根藩の中級藩士出身で、米国留学を経て、専修学校(後の専修大学)の創設、横浜正金銀行取締役、衆院議員などを務めた相馬永胤(ながたね)の功績を論じた。
 次回のジュニア歴史テナライ塾は2月9日午前10時~文化プラザで。テーマは「近江の産業革命」。受講料300円。対象は小中学生と保護者だが、定員未達時は以外も可。申し込みは文化プラザ(27)5200へ。
「八重の桜」で講座も
 NHK大河ドラマ「八重の桜」をテーマにしたひこね市民大学講座・歴史手習塾が2月1日~計3回、文化プラザで開かれる。
 題は▽1日=「なぜ会津は最後まで戦ったのか▽22日=「なぜ今『八重の桜』なのか▽3月23日=「なぜ『ハンサムウーマン』と呼ばれたのか」。講師は八重の桜で時代考証を担当している東京学芸大学の大石学教授=写真、22日のみNHK制作統括の内藤慎介さんも加わる。いずれも午後7時~。受講料3000円、会員のみ1800円。定員未達時は1回券(1200円)も。申し込みは文化プラザへ。