2013年4月30日火曜日

コケを建物屋上に設置で温暖化防止 ヨシ採用のパネルも、モスグリーンEco

 温暖化防止のため建物の屋上にコケを植える活動をしているNPO法人モスグリーンEco(本部・多賀町)は、コケの下に敷くパネルに琵琶湖で育ったヨシを採用。コケとヨシのダブルの作用で温暖化防止に貢献できるとして、設置できる場所の提供を求めている。
 同団体は、彦根市民や多賀町民、大学教員らによって平成19年10月に設立。多賀で育てたコケを建物の屋上に整備する活動をしており、これまでに滋賀県立大学や名神高速道路多賀サービスエリア、京都市内のマンションなど、県内外の計8カ所に設置した。
 滋賀県立大学との実験によると、コケで屋上を緑化することで、コンクリートの屋根の場合、室内が6℃低下、屋上の外気が20℃低下したという。平成23年には県立大学などと連携し、コケを植えるパネルにヨシを採用。琵琶湖のヨシは高さ3㍍に成長する過程で窒素やリンなどを吸収して水の浄化に役立つほか、湖魚や水鳥の生息場所でもある。護岸開発などで衰退しているが、産業などに有効活用し需要を拡大することで、群落地域を増やすことができるという。
 同団体は3月に多賀町のささゆり保育園の屋根にコケを設置写真。その時に使ったヨシのパネルは地元の福祉施設・杉の子作業場の障害者によって作られた。同団体理事長の大辻誠男さん(71)は「温暖化防止のほか、高齢者や障害者の雇用にも役立つことができる。緑化の推進へ設置場所を募集している」と話している。問い合わせは同団体の事務局☎とファクス0774(72)7697。

地中熱採用の省エネ住宅 県内初めて彦根に、フィアスホーム

 彦根市松原町で建設中の「地中熱」と太陽光発電を活用した省エネ住宅が24日、マスコミに公開された=写真は採掘工事の様子。地中熱を導入した住宅は県内初だという。
 フィアスホームカンパニー(東京都江東区)のフランチャイズに加盟するフィアスホーム彦根店が建築しているモデルハウス。地下約100㍍・直径約15㌢で掘削した穴にU字型のチューブを設置し、そこからの地中熱をエアコンに活用しているのが特徴。
 地下5㍍以下は約15℃で1年中変わらないため、外気を使った通常のエアコンと比べて、冷暖房費が3分の1程度に収まるという。また室外機にファンが無いため、騒音や冷房時の熱風によるヒートアイランド現象の防止にも役立つ。
 採掘工事は約200万円の経費がかかるが、10年ほどで原資は回収できるとしている。フィアス社は地中熱を活用した住宅を東北や北陸を中心に23軒建設しており、今後は滋賀県内など近畿や東海地方でも展開していく考え。
 モデルハウスは木造2階建て、延べ約164平方㍍。地中熱の空調システムと太陽光発電のほか、繰り返しの揺れに耐えることができる断熱材一体型パネルも採用。「アリエッタ」という商品名で6月1日にオープンする予定。5月25・26日にはプレの見学会も。問い合わせは同店☎0120(26)1611

2013年4月28日日曜日

新彦根市長の大久保氏に聞く「産科医確保に全力」「副市長=女性的判断必要」

 彦根市長に就任する大久保貴氏(49)=三津屋町=が24日、滋賀彦根新聞のインタビューに応じ、抱負を述べた。
 選挙戦中に訴えた「強い彦根」と「和」の具体的な意味について、大久保氏は「住民サービスを向上させて、各政策において見劣りがしないまちにし、都市間競争を勝ち抜いていきたい」「立場の違いがあっても、話し合ってみんなで進んでいくという一体感を大切にしたい」と説明した。
 対立候補を支援した自民党系会派が多数を占める市議会や、現職と嘉田知事との対立が目立った滋賀県との関係については「地方議会では与党や野党関係なく、話し合いを進めて市の利益を共に追求していきたい」「県とは対話を深めて、共に利益を見出していく作業が必要だ」と語った。
 全国一の福祉モデル都市の実現のため民間から女性の副市長を就任させる構想に対しては「市幹部のほとんどは男性が占めており、福祉にかかわらず、道路やインフラ整備などを含めたすべての政策において女性的な判断が必要。副市長にふさわしい『りっぱな方』を選びたい」と、あくまで女性にこだわった。
 市政課題の一つの彦根市立病院の産科医確保については「確保できない原因が何なのかを把握し、ステップを踏んでいきたい。最優先の課題として、産科医確保に全力を尽くす」と話した。

「開運」かたりブレスレットなど買わす、彦根の女性ら被害

 滋賀県警生活環境課や彦根署などは24日、「開運ブレスレット」などの販売を装った詐欺と特定商取引法違反の疑いで、いずれも東京都内在住の20歳代の男6人を逮捕した。25日には彦根署で押収物の一部が公開された。
 6人は昨年7月下旬、彦根市内の65歳と81歳の女性、東近江市の54歳の女性の自宅に、開運ブレスレットのパンフレットを送りつけ、その後、3人から現金約67万円を振り込ませた疑い。
 6人は「浄福郷(じょうふくきょう)」という団体名を使って、「願いがかなってからお支払いください」などと記載されたパンフレット入りのダイレクトメールを送付。通信販売を申し込んだ女性らに電話をかけ、「除霊が必要で、そのための石代として97万円がいる」「これを買うと必ず宝くじが当たる。当選番号が見える」などとうそを言って、8月24日までに現金を振り込ませたという。
 全国で約1500人が同様の被害にあっており、被害総額は約3億2000万円に上るという。押収品はブレスレットや水晶玉など158品目・200点。

2013年4月25日木曜日

大久保貴・新彦根市長へ

 彦根市の新しい市長に大久保貴氏が当選した。4度目の挑戦ということもあり、「1回させてやろう」という同情票を投じた市民も少なくないだろう。つまり裏を返せば、必ずしも大久保氏が選挙戦中に掲げた政策を判断材料にしたわけではないということだ。
 大久保氏は選挙戦中、自身が施設長を務めてきた経験から、高齢者および障害者福祉を第一番目に掲げ、「彦根を全国一の福祉モデル都市に」と訴えた。政策ビラでは▽彦根市立病院の空きベッドで在宅支援を▽ショートステイの待ちの解消を▽託老所の増設・拡大への助成強化を▽高齢者・障害者への虐待防止のため人権教育の強化を▽介護・障害・難病の方への移動手段の充実を―などを列記。福祉モデル都市に向けて「民間から女性の副市長を登用する」と主張した。
 高齢化が進む中や障害者支援のために、「福祉」が重要な政策の一つであることは言うまでも無く、大久保氏の専門分野であるため、これまでの経験を存分に生かしていただきたいが、手厚い福祉には財源が必要となる。
 その財源の一つが彦根の場合は「観光」であり、小生は福祉モデル都市と共に、観光先進都市も並行(本音は最優先)して進めるべきだと考える。さらには「企業誘致」や「商店街の再生」「駅前開発」「南部振興」など市の財源につながる政策にも力点を置くべきである。
 そのためには大久保氏が主張する福祉専門の女性副市長よりも、それら財源につながる例えば国や県とのパイプがある人材を副市長に登用するべきではなかろうか。福祉の専門家が市長と副市長では市民にとっては心許(こころもと)なかろうに。
 ほかにもこの選挙戦中、本紙に最も多く寄せられた新市長への要望として「彦根市立病院の産科医不足」問題がある。平成19年4月から分べんの受付を中止して以降、再開のめどさえ立っていないのは異常というか、異様としか言いようが無い。これだけの異状が続くと、地方病院の産科医不足という理由以外があるとしか思えない。市長や院長を筆頭に市担当者は産科医をはじめとした医師を招くため、これまで以上に死力を尽くすべきである。
 大久保氏に求められる政策はほかにもあろう。福祉モデル都市や幼小中へのクーラー設置も良いが、最優先すべき課題を見誤ってもらっては困る・・・。【山田貴之】

和の輪・文化発表会 滋賀県内で初開催、日本の伝統芸能を披露

 日本舞踊や琴など日本の伝統芸能を披露する「『和の輪』文化発表会」が、28日午後1時~文化プラザで開かれる。
 彦根市内の呉服店などで組織の「和の文化を守る会」彦根支部(会員8人)が、日本の伝統文化の継承と地域の活性化を目的に企画。守る会は京都市を本部に平成元年11月11日に結成され、奈良県や石川県など各地に支部が設立されている。
 滋賀県内では初の開催となる今回は、第1部で太鼓・詩吟・大正琴・尺八・琴・三味線・日本舞踊・琵琶・民謡・江州音頭の演奏と演舞、第2部で着物作家の横山優さんによる語り、第3部で着物ショーがある。
 入場料1500円。ロビーでは石州流大老派・西郷社中の茶席も。当日券あり。問い合わせはきものの京美(彦根市中央町)☎(23)8265。

2013年4月24日水曜日

市長選初当選の大久保氏「『和』を大切に」

 彦根市長選は21日、投開票され、元県議の大久保貴氏(49)が1万6903票を獲得。現職の獅山向洋氏(72)、国会議員元秘書の有村国知氏(38)を大きく引き離し、4度目の挑戦で初当選を果たした。当選後、選挙事務所で大久保氏は「強い彦根をつくるためにがんばっていきたい」と話していた。当日の有権者数は8万6819人。大久保氏は5月10日から登庁する予定。
選挙戦は序盤から大久保氏が優勢に立ち、獅山氏と有村氏が追う展開だった。大久保陣営は選対幹部を一市民に任せ、党派色をできる限り無くした「市民党」で戦った。稲枝地区の市議の支援を得ながら別働隊を置き、稲枝での個人演説会では約150人の来場があった。このほか各地でも連日、個人演説会を開き、市南部を中心に着実に支持を広げた。
 獅山陣営は政策ビラの新聞折り込みや支持を受けた市議を総動員させて、インフラ整備や行財政改革などの実績をPRしたが、72歳という高齢と、ひこにゃん訴訟や嘉田知事との対立への市民の嫌悪感から、票を伸ばすことができなかった。
 有村陣営は「滋賀の彦根から日本の彦根へ」などキャッチコピーを前面に打ち出す戦略で、若さと情熱、行動力をアピールしたが、具体的な政策を打ち出すことができなかった。また彦根出身ではなかったため、排他的な彦根の市民性に浸透が図れなかった。
 午後10時15分ごろに当確の知らせを受け、長曽根南町の選挙事務所に顔を見せた大久保氏は支援者の握手を受けながら登壇。「ようやくスタートラインに立った。緊張感を持っている」「『和』を大切にしながら、強い彦根をつくるために市民の皆さんと共に目的の達成のためにがんばっていきたい」と語った。
 一方で、獅山氏は本町の事務所で「不徳の致すところと言わなければならないが、政治や行政をしっかりやってきたので不徳とは言わない。やはり年齢には勝てない。日本には若さを大切にする考えがある。残念だが」と話していた。
 ※(解説)=今回の市長選を分析すると、まず当選した大久保氏が打ち出した主な政策は「民間から女性副市長」「幼小中へクーラー設置」「巡回市長室の実施」などであるが、市民はそのような票目当てと見られる政策よりも、「彦根の閉塞感の打破」を求めたと思われる。
 現職の獅山氏は失政が少なく、財政改革や観光面などを評価する声は多いが、ひこにゃん訴訟や嘉田知事との対決姿勢などへの嫌悪感を抱いていた市民も少なくない。市民が獅山氏に厳しい審判を下した背景には高齢のほかに、嫌悪感や疎外感から波及した閉塞感があったためではなかろうか。
 その閉塞感の打破を求めた象徴が有村氏の健闘からもわかる。彦根出身では無い有村氏に現職とほぼ同数の票が入ったことは、排他的な土地柄の彦根では画期的である。彦根をまったく新しいまちにして欲しいという市民の表れであり、今回の選挙で最も注目すべきだと言えよう。
 ただ閉塞感の打破を求める市民は、有村氏という未知への冒険よりも、安全パイ的な顔なじみの大久保氏を選んだ。つまり、どのように変わるか先が見えない道よりも、先がある程度見通せる道を選択したわけだ。閉塞感をいかに打破するのか、大久保氏の手腕にかかっている。(山田)
投票率、実質過去最低
 彦根市長選の当選証書付与式が22日、市役所で行われ、市選挙管理員会の小川良紘委員長から大久保氏に当選証書が手渡された。
 彦根市長選の投票率は戦後の混乱期を除き、事実上の過去最低だった前回(平成21年4月26日)の44・89%から3・07ポイント下回る41・82%だった。市選管では「争点が無かったほか、他市の市長選でも下回る傾向がある」としているが、低下傾向に歯止めがかかっていないため、根本的な市民性の改革が求められる。

2013年4月23日火曜日

自転車店の侍サイクルとカフェ オープン、五環生活のビル「.5」に

 NPO法人五環生活(彦根市中央町)のテナントビル1階に12日、自転車メンテナンスなどを行う店(店名・侍サイクル)とカフェが一帯型になった店舗がオープン。ビル内に入るデザイン事務所などと合わせて、1・2階全体で「.5(ドットファイブ)」と名付けられた。
 侍サイクルは、1階スペース約220平方㍍の約20平方㍍分の一角に設けられた。自転車整備士でもある目片貞明さん(38)がメンテナンスのほか、付属品や自転車の販売、自転車全般に関する相談を受け付ける。営業時間は金土日祝の午後3時~同9時。
 残りのカフェスペースでは、相澤由依さん(23)が中心となり、東ティモールのコーヒーなど飲み物や、滋賀県産の食材を使った「菜ばカリー」など食べ物を提供する。土日・祝日の午前11時~午後5時だが、飲み物のみ平日も提供可。
 自転車の店内への持ち込み可。今後は自転車に関してや、食と農についてのイベントも開催していく。問い合わせは☎(26)1463。

2013年4月20日土曜日

過半数の彦根市民よ 投票へ行こう

 彦根市長選挙はあす投票日を迎えるが、投票率は各陣営とも「過去最低」ラインを予想。市選管でも最低だけは避けたい考えで、啓発活動を強化しているが、さていかに・・・。
 過去の市長選の投票率は官選から選挙制に移行した昭和22年4月5日が最初の選挙で72・38%。その時の市長が公職選挙法違反で直後に辞職し、その4カ月後に行われた選挙が29・76%で、これが過去最低となっているが、当時は戦後の混乱期であり、実質の最低は前回(平成21年4月26日)の44・89%。現職・新人5人による乱立選挙だったにもかかわらず、最低を更新してしまった。今回も目立った争点がなく、3人という顔ぶれのため投票率の低くなることが憂慮される。
 彦根の場合は市長選のみならず、国政や知事選においても県内で最下位を争う投票率の低さで、近々では昨年末の衆院選が全市町で愛荘町に次いで2番目の低さだった。
 投票率が低い原因としては、これまでに本紙がコラムや座談会で指摘している通り、自己以外の他や公に関心が無い「殿様文化」の市民性があげられるが、特に流入人口の大半を占める20代、30代の若手世代の政治への無関心も原因の一つである。
 国民は政治家に対して悪い評判を抱き、苦言を呈する一方で、要求だけする傾向があるが、苦言や要望は投票行動を終えた市民の権利ともいえるし、投票しない者は政治的発言の機会を自ら放棄したともいえるのではないか。
 若者らに投票所に行かない理由を聞くと、「投票日は用事があり忙しい」「入れる人がいない」「私の1票で何も変わらない」などという屁理屈としか言いようがない答えが返ってくる。
 投票については、期日前投票の制度があるし、投票行動にかかる10~20分の時間が無いはずがない。また各候補とも政策や個性が異なっており、入れる候補は必ずいるはずだ。さらに、入れたい候補の政策を知って他人に賛同を呼びかければ、1票がどんどん広がることにもなる。
 投票所に行くか迷っている若者を中心にした過半数の彦根市民の皆さん。さぁ、投票所へ行きましょう。明日の彦根を良くするために・・・。【山田貴之】

彦根市長選 立候補者の本日の行動予定


 彦根市長選の立候補者の行動日程(予定)=20日(土)。
 【有村国知候補】終日、市内を街宣活動、午後3時〜パリヤ前で街頭演説会。
 【大久保貴候補】終日、市内を街宣活動。
 【獅山向洋候補】終日、市内を街宣活動。

彦根市長選 あす21日投票へ3候補最後の戦い

 彦根市長選挙は21日の投票を前に、きょうが最後の戦いになる。立候補しているのは国会議員元秘書の有村国知候補(38)=外町、元県議の大久保貴候補(49)=三津屋、現職の獅山向洋候補(72)=城町。選挙戦を振り返りながら、各候補が訴えた内容、陣営幹部の言葉、最終日の戦い方を紹介する。
 有村候補は、子ども時代に通った彦根のまちが今よりも輝いていたとし「こんなもんじゃない彦根」「滋賀の彦根から、日本の彦根へ」をキャッチコピーに掲げた選挙戦を展開。全国から修学旅行生を招く、彦根城周辺等の歩行者天国を実施する、彦根市教育会議を設置するなどの政策を訴えた。西村久子選対本部長は「彦根を変えたいという思いで戦ってきた。政策集を見てもらって、彦根を変えたいという人は是非、投票所へ」と話している。19日にはみずほ文化センターで決起集会を開催。20日は終日、街頭演説を行うほか、午後3時~パリヤ前に応援弁士が来るという。
 大久保候補は、介護、医療、子育て支援など、得意分野の福祉を重要政策に置き、「全国一の福祉モデル都市にする」とPR。また県との連携姿勢を強調し、彦根城の世界遺産や企業誘致などを目指す考えを示した。支持者には民主党系の議員がついたが、「党派にはこだわらない『市民党』」と、政党色を無くすことにも努めた。植田洋一選対本部長は「厳しい選挙戦の中、地道に訴えを広めてきた。危機意識をもって最後までやり抜きたい」と語っていた。20日は全域に街宣カーを走
らせるほか、重点地域を絞って回る。
 獅山候補は告示前後に、対立候補批判、政策集、4年間の実績の3枚のビラを配布または新聞折り込みし、市民に支持を呼びかけた。政策では「健康」を最初に掲げ、ラジオ体操、健康マージャンなどを並べた。72歳という高齢に対しては「体年齢はまだ50歳代後半だ」と健康をアピールしている。小林武後援会長は「支持してくれている市議11人を中心に各地域を回っており、基礎票や獅山ファンの票は固めることができた」と述べていた。19日に彦根商工会議所で決起集会を開催。20日は街宣を中心に活動する。
投票率は過去最低か
 今回の市長選の投票率は、戦後の混乱期を除き、事実上の過去最低だった前回(平成21年4月26日)の44・89%を下回る可能性がある。今月13日時点の有権者数が8万8515人。
 ただ、期日前投票は17日時点で1165人と、前回(734人)を上回っている。
ひこにゃんも啓発
 市長選の街頭啓発が17日に市内5カ所の大型量販店で行われ、彦根市明るい選挙推進協議会のメンバーや市職員ら25人が各所に分かれて、ポケットティッシュや折り紙を配った。アルプラザ彦根前には、ひこにゃんも参加し、一緒に配布した。
のぼり旗 折られる
 彦根市役所の玄関前通路にあった市長選の啓発用ののぼり旗が折り曲げられているのを、18日午前7時20分ごろ、出勤してきた警備員が発見。彦根署では器物損壊の疑いで調べている。
 同署や市によると、同所に設置されている8本ののぼり旗のうち3本のポール部分(600円相当)が抜き取られ、くの字に折り曲げられて放置されていたという。前日午後9時半ごろは異常なかったという。

彦根市長選 候補者へアンケート(第2弾)

③広域ごみ処理施設の建設問題
【有村候補】
候補地の選定のための視点は
・用地取得が確実に見込めること。
・面積や敷地形状による制約がないこと。
・施設の24時間運転による周囲への影響が少ないこと。
・地盤状況など施設維持に関する影響が少ないこと。
・アクセスが良く、ごみの収集運搬効率が良いこと。
 を基本として、検討すべきと考えます。
【大久保候補】
〇老朽化により広域ゴミ処理施設の建設の必要が生じているが、未だ、広域ゴミ処理施設の建設候補地等が決定されずに先延ばしになっている。熱エネルギーを生かした循環型の広域ゴミ処理場の在り方、地理的条件、交通アセスメントの整備、環境緑地化など総合的に勘案して施設の建設にあたることが重要と考える。候補地については地域住民の理解を得るなど十分連携して進めていきたい。
【獅山候補】
 新しいごみ処理施設は、国の方針により、彦根愛知犬上広域行政組合が一市四町で広域的に建設する予定であり、発電が補助金交付の要件になっている。石寺町の非農用地は地盤が軟弱で施設に不適格であることが判明したので中止した。また、三津・海瀬地区については、両地区の開発委員会から建設の要請があったので初期的な調査に入ったが、建設予定地の一部の買収が困難なことが明らかになり、両地区開発委員会から要請を取り下げるとの申し入れがあったので調査を打ち切った。今後については、地元関係者からの要請による候補地が2ヶ所あるので、これらの候補地の適格性や財政的な検討に入っている。
④最重視したい政策
【有村候補】
「彦根がいいね 実現プラン10」をたしかなものとして進めるには、市民のみなさんの様々な意見やアイデアが活かされなければいけないと考えています。そこで、当選後は「滋賀の彦根から日本の彦根になろう」をテーマにして、若者からシニアまでの各階層や経済団体、地域づくり団体などの市民の皆さんとの対話、意見交換を進めたい。
 また、国宝彦根城を有する町として、市全体の元気が出し切れていないと思います。そこで、彦根城周辺での歩行者天国の実施や、音楽・文化のフェスティバルの誘致、修学旅行誘致、彦根の魅力を強力に詰め込んだ道の駅の設置を目指します。
【大久保候補】
 〇巡回市長室で対話を深め、地域の課題に向き合い、現場で解決する体制を取る。
 〇国や県との連携を密にして、事業が円滑に推進できる体制を取る。
 民間から女性副市長を登用し、子育て・介護など施策推進に努める。
【獅山候補】
 本市は、現在、多くの継続事業を抱えている。例えば、彦根駅東土地区画整理事業、JR稲枝駅改築・周辺整備事業、地域医療支援センター建設事業、湖東地域学校給食センター建設事業、市役所本庁舎耐震補強・増築事業、都市計画道路事業、上下水道事業など。これらの事業は、現に進行中であり、短期間とは云え、市長選挙で行政の執行が遅延したので、一日も早く進行状況を確認し指示する必要があり、優先的に取り扱いたい。また、公約の最初に掲げた「健康」をテーマにした政策について、遅くとも本年9月議会に何らかの予算案を提案したいと考えている。

2013年4月18日木曜日

彦根市長選 候補者へアンケート(第1弾)

 滋賀彦根新聞は彦根市長選に立候補した3候補にアンケート調査を実施した。以下、各候補の回答。
▽彦根城の世界遺産登録について
【有村候補】
 文化庁から指摘された3つの課題、①姫路城との差異を明確にし、姫路城とは異なった顕著な普遍的価値を有していることを立証すること。 
 ②彦根城の石垣や楽々園建造物の保存修理、玄宮園魚躍沼の浄化や護岸・園路等の保存整備。彦根城跡の保存整備をさらに進展させること。
 ③文化財保護体制の整備を図ることについて、県とも連携して取り組みます。また登録を目指すに際しては市民世論、市民の支持がしっかりとあるかどうかも非常に重要なポイントとの認識を持っております。
【大久保候補】
〇国宝彦根城の世界遺産登録に向けて努力する。
 歴史建造物を有する彦根市は情緒や風情、風格漂う、魅力あるまちであり、後世に守り伝えていきたい。
 ①歴史的建物・町なみ等の文化財の保存に努める、②情報やPRを全国・世界に発信する。③民間と協働してサミットやイベント等を開催する。
 県の世界遺産登録推進室設置を強く要請し、県と市が協働で積極的な推進となるようにしていきたい。
【獅山候補】
 私が市長だった平成4年に彦根城が世界遺産の暫定リストに登載された。その後、12年間、登録の努力が全く行われなかったため、彦根城は完全に出遅れてしまった。再び市長に就任して以来、楽々園大書院の改修、辻番所等の改修、お浜御殿の公有地化、旧井伊神社の受贈など文化財整備を着々と進めて来た。文化庁との密接な関係も重要であり、本年4月に文化庁から市文化財部長として職員を派遣していただいた。また、2年前から同庁記念物課(世界遺産担当課)に市職員1名を派遣し、今年も交代職員1名を派遣した。今後は彦根ユネスコ協会を通じて市民の関心をさらに高め、世界遺産登録を目指す決意である。
▽彦根市南部の振興策
【有村候補】
 ようやく稲枝駅の改築橋上化が実現し、県道や駅東西の駅前広場の整備も進みます。
 これを機会に、河瀬駅、新海浜、荒神山を含むエリアの発展ビジョンを市民参加の委員会を設置して検討し、今の魅力を高めることや、いわゆる6次産業など新たな産業振興について具体的な取り組みを進めます。
 なお、荒神山はより市民が憩える場に、新海浜は湖を舞台とするイベント誘致などが考えられます。
【大久保候補
 〇南部地域の特性を生かした農産物の振興を図かり、農工商の連携による第6次産業・第7次産業化を推進していきたい。
 〇稲枝駅舎の改築及び駅西口周辺の整備及び周辺の道路の整備を進めて、稲枝地域の発展・活性化に努めたい。
 〇荒神山の周辺は自然・文化・スポーツの公園等民間活力を導入して整備を図る
 〇彦根市工場等設置条例に基づき企業・工場の誘致を推進し、南部地域の活性化及び市全体の雇用の促進に努めたい。
 ○三津・海瀬地域及び石寺非農用地の活用問題について民間と共同で利用の目処をつけたい。
【獅山候補】
 JR稲枝駅の改修は、JR西日本との間で自由通路等に関し基本協定締結済みであり、本年度は実施設計に入り、平成28年には完成させる見込みであり、稲枝駅周辺整備の用地買収も順調に進んでいる。
 荒神山の開発は、国の史跡指定を受けた荒神山古墳、荒神山公園、子どもセンター、荒神山自然の家、石寺の広大な非農用地などについて総合的に計画を立案し整備する。中南部地域には社会教育施設が不足しているので、財政的事情を勘案しながら地域図書館の整備を行いたい。農業施設の長寿命化を図り、TPPに関する政府の政策を注視しながら彦根米の香港などへの輸出の可能性を関係者と検討したい。

2013年4月17日水曜日

彦根市長選 三つどもえで中盤戦へ

 彦根市長選が14日告示され、国会議員元秘書の有村国知候補(38)=写真上、元県議の大久保貴候補(49)=写真中、現職の獅山向洋候補(72)=写真下=が出馬した。選挙戦は早くも中盤戦に入っており、三つどもえの激しい戦いを繰り広げている。以下は告示日の出陣式の様子。
 有村候補は外町の事務所で県内の自民党の県議や市議ら約300人を前に、「彦根のまちはこんなもんじゃない。もっと輝けるまちになるはずだ。滋賀県下、日本全国に発信していきたい。滋賀の彦根から、日本の彦根にしていかなければ」と第一声。若手世代が彦根のまちづくりを進めていることにふれ「全力で皆さんと共に、彦根のまちの発展のため誠実にまた力強くがんばっていきたい」と述べた。応援として上野賢一郎衆院議員は「(今回の市長選は)これまでの市政の継続か、刷新し新しい彦根を進めるかが問われている。有村候補は若さとやる気と爆発力を備えている」と支持を求めた。
 大久保候補は長曽根南の事務所で民主党の県議、市議(一部自民系)、同級生ら約150人を前に出陣式。「過去3回の選挙で積み重なってきたさまざまな思いの実現に向けて進めていきたい。(キャッチフレーズ)の強い彦根をつくることは、強い滋賀、強い日本をつくることにもつながる」と第一声。聖徳太子の「和を以て貴しとなす」をあげ「立場や党派の違いがあっても話し合って、その中で見いだすのが道理だ」と、柔軟な市政運営を強調した。応援として田島一成前衆院議員は「悔しい思いはもうしたくない。彦根のまちを一緒につくっていこうではないか」と支援を呼びかけた。
 獅山候補は本町の事務所で自民党の県議、市議ら約200人を前に、自身が作った対立候補を批判したピンク色のビラについて「(対立候補が)なぜ彦根の市長選に出馬されるのか理解できない。井伊直弼公は彦根を全国に知らしていただいた方。直弼公に代わってこの選挙を戦っていきたい」と主張。「市民が元気でないとならないと考え『健康第一』を政策の柱にした。彦根をラジオ体操のまちに、また認知症予防に健康マージャンの普及などを進めていきたい」と語った。応援として上野賢一郎衆院議員は「ひこにゃんを全国的に有名にしたのは獅山候補の力。もう一度彦根のトップになって、次のまちづくりを進めてほしい」と話した(人数はいずれも陣営発表)。

2013年4月16日火曜日

彦根市政の課題追う—産科医確保どうなった?—彦根市立病院再開のめど立たず

 彦根市立病院の産科での分べんが平成19年4月に休止(現在は院内助産所のみ)して以降、再開のめどが立たないままになっている。市は「全国的に産科医などが不足している。医師確保に努めている」と繰り返すが、努力不足を指摘する市民は少なくない。産科医をはじめ、不足する医師をどのような手法で確保するのか。最後の「市政課題を追う」では産科医など医師の確保について取り上げる(裏面に関連の投書)。
 彦根市立病院が産科での分べんの受付を中止すると発表して以降、市内での分べんは民間の一部診療所のみとなり、長浜市や東近江市などの病院に通う妊婦もいる。同20年2月に院内助産所を設置したが、35歳未満の初産婦、今までの妊娠・分べんに異常がない―などの条件がある。
 国の指針により平成22年1月に策定された滋賀県地域医療再生計画では、彦根市立病院など湖東・湖北の病院へ産科医を派遣するため、滋賀医科大学で医師を育成することなどを盛り込み、大学での寄付講座費として1億6600万円を計上。平成25年度中に市立病院の産科での分べんを再開させるとしていた。
 しかし、東近江市が同22年6月に滋賀医科大学らと寄付講座について協定を結び、今年4月に新病棟が開設した東近江総合医療センター(旧滋賀病院)に大学から医師10人が派遣されている一方、彦根市は大学側と寄付講座についての協定を結んでおらず、産科医などが派遣されるめどさえ立っていない。
 彦根市立病院の産科が「通常」に戻るためには、現在の医師1人から4人になることが必要なため、今年度中での再開はほぼ不可能と言える。市立病院の事務局では「寄付講座は医師確保のための強力な施策の一つ。あらゆる方面にお願いしていかなければならない」とし、ほかの総合内科、眼科、神経内科など不足する医師と共にその確保に尽力するとしている。
 滋賀医科大学をはじめ、全国の医科大学をかけずり回れる市長の営業力と行動力が求められる。【山田貴之】

2013年4月14日日曜日

彦根市長選 14日告示・21日投票、現新3人が出馬

 任期満了に伴う彦根市長選挙が14日に告示された。立候補をしたのは、国会議員元秘書の有村国知氏(38)=外町、元県議の大久保貴氏(49)=三津屋、現職の獅山向洋氏(72)=城町=の3人。21日の投票に向けて7日間の選挙戦に入った。
 獅山氏は昨年の12月議会で「出馬する決意をした」と述べ、自民党系の県議や市議らとあいさつ回りをしてきた。新年度予算で教育や福祉、公共事業など幅広い分野に手厚く配分し、人事異動では若手起用や民間からの受け入れなどを行い、「現職の強み」を生かしてアピールした。平成元年、17年、21年に続き通算4期目を目指す。
 大久保氏は昨年11月に本紙に出馬の意向を示したが、その後に衆院選があったため、正式な表明は今年2月までずれ込んだ。平成13年、17年、21年にも出馬したが、いずれも敗北。今回で4度目の挑戦となる。現市政を「一体感が無い」「県との連携がとれていない」などと批判し、巡回市長室の設置や県との連携強化などを訴えている。
 有村氏は今年2月に電撃的に出馬の意向を示し、その後に正式発表。「彦根はこんなもんじゃない!」をキャッチコピーに、駅立ちや街宣カーを走らせてきた。相手候補の批判ビラに対しては「小さいころから愛着がある彦根に活気を取り戻したいという考えから、市長を目指している」と一蹴。四つ折りはがきサイズの政策集を各地で配布している。
期日前投票15日〜
 彦根市長選の期日前投票が15日から市役所本庁舎(尾末町)1階ロビーと稲枝支所で始まる。受付時間は午前8時半~午後8時(稲枝支所は同5時)。投票日前日の20日まで。

2013年4月13日土曜日

出自より政策を吟味せよ

 彦根市長選の告示を前に恒例の中傷ビラがまかれてたが、国政を含めて政治に翻弄され続けてきた有権者は、そのような中傷を判断材料にするほどバカではなかろうに。
 中傷ビラはA2判のピンク色とA4判の白いペーパーもので、対立候補の出自を列挙している。現職の団体名で出しているピンク色のほか、もう一つのペーパーも現職派が作ったものと見られ、市民のひんしゅくを買っている。
 いずれの中傷ビラに書かれている同様の内容については、弊紙にも投書が何通か寄せられたが、公平性を欠くため「良識的な判断」から掲載していない。
 この中傷ビラを批判する投書が「一彦根市民」の名で弊社に届いたが、そこには先にまかれたビラが「余りにも悪質で中傷に満ちており、彦根の衰退に更なる拍車をかける選挙になることに心を痛めています」などと記されている。
 つまり、一彦根市民さんが言わんとすることは、我々市民がこの中傷ビラを真に受けて、各候補の政策を度外視したまま投票行動に移すような選挙であって良いのか、ということである。
 出自や出身というのは選挙にとっては所詮チンケな存在であり、有権者が何を見て判断すべきかは、言うに及ばない。
 まずは10年、20年先のビジョンであり、そしてそのための政策である。または現状の課題であり、そしてその解決策である。更に付け加えれば、我々のリーダーたる存在感、風貌、カリスマ性である。
 選挙では各候補のいわゆる「政治力」、「行動力」、「人格」を冷静に見極めなければならぬ。それでも選択が難しいというのなら、まずは「現市政の施策などを評価し、継続を求めるのか」、「現市政からの転換を希望するのか」の二者択一であろう。そして後者なら、残された2者の政策を見比べれば良いだけである。
 その選択期間がいわゆる選挙戦であり、明日14日からいよいよ始まるわけだ。市政継続か新市政を求めるのか、現状か新しい風か。21日投票まで選択の時間は存分にある。【山田貴之】

2013年4月12日金曜日

寺村邦子さん彦根で9つ目のギネス挑戦、「歌リレー」参加募集

 みんなでリレーしながら歌ってギネス記録に挑戦しよう―。彦根で8つのギネス記録を達成している彦根市尾末町の寺村邦子さん(57)は、6月23日に近江高校体育館で開く挑戦の参加者を募集している。
 ギネス社から条件に設定されたのは250人以上、3曲以上。今回の「歌のリレー」では参加者が順番にスタンドマイクの前に立ち、「ドレミのうた」や「手のひらを太陽に」、「幸せなら手をたたこう」、「上を向いて歩こう」の4曲をワンフレーズずつ歌う。
 午前9時~受付で2時間ほど練習した後、挑戦する。寺村さんは「みんなで楽しみながら歌でつながっていきましょう」と参加を呼びかけている。上履き持参で。
 問い合わせは寺村さん☎090(5152)3918。
 滋賀彦根新聞が作成し、彦根市尾末町の寺村邦子さんらによって平成23年6月に行われた「たくさんの楽器」でギネス挑戦の動画が、11日午前7時半ごろの日本テレビ系列「ZIP」で放送される。番組では「いまチューモクの人」として9つのギネスに挑戦した寺村さんを紹介する。

2013年4月11日木曜日

彦根市長選立候補予定者インタビュー、市民団体は討論会も

 14日告示、21日投票の彦根市長選に向け、滋賀彦根新聞社とエフエムひこねコミュニティ放送は、立候補を予定している現職の獅山向洋氏(72)、元県議の大久保貴氏(49)、国会議員元秘書の有村国知氏(38)にインタビューを行った(以下、敬称略)。
 彦根城の世界遺産登録について、獅山「ある日、突然門が開く気持ちをもってやっていく。日本の国内情勢もあるが、努力したい」、大久保「滋賀県も琵琶湖の登録を目指しており、県と一緒に運動をしていきたい」、有村「県、国と協力していくほか、市民の皆さんの意見もうかがっていきたい」。
 河瀬・稲枝地区の南部振興策について、獅山「TPP問題と外して考えることはできない。近江米、彦根米を輸出することを考えたい」、大久保「三津・海瀬、石寺の非農用地の開発など、各エリアで核を作っていきたい」、有村「南部の住民からは何とかして欲しいとの声が多い。市街化として進めていけるのか検討したい」。
 原発について、獅山「エネルギー問題は国の責任だが、原発は断層帯の上にあってはならない」。大久保「とんでもないものを抱えているのは事実で、情報の開示を徹底させたい」。有村「国が方針を固めていく必要があるが、原子力を止めると経済が成り立たなくなる」。
 そのほかPRしたいことや政策として、獅山「(ここで市長を変えると)継続事業や人間関係の面で停滞してしまう。高齢は関係ない。彦根を良くしたいという気力、気概の問題」。大久保「市内各公民館を回る巡回市長室を設置する。校園へのクーラーや学校へ洋式トイレを整備したい」。有村「彦根城周辺等で歩行者天国を実施し、全国から修学旅行生を迎えられる街にしたい。教育会議を設置し、子どもが健やかに生き抜く力を養いたい」。
大久保「人権」有村「教育会議」
現職は欠席、120人が来場
 市民有志団体・彦根市長選を100倍盛り上げる会(柴田雅美代表)は7日、ビバシティ彦根で立候補予定者を招いた討論会を開催。約120人が来場した。
 参加した予定者は元県議の大久保貴氏、国会議員元秘書の有村国知氏。現職の獅山向洋氏は「別の用事」で欠席した。討論会では予定者が、防災、農業、子育て・教育、産業・雇用、原発について意見を述べた後、予定者同士で質疑応答。
 そのうち子育て・教育では、大久保氏が「外国人の価値観を認め合う人権感覚に優れた市民を育てたい。クーラー設置やトイレの洋式化も進めたい」。有村氏は「彦根市教育会議を設置し、保護者にも入ってもらって、子どもたちの生きる力、生き抜く力を養いたい」。

2013年4月10日水曜日

彦根市政の課題追う—観光先進地を目指せ—

 彦根市の観光に関する経済効果を調査した滋賀大学は、昨年の観光客数が前年から24万人減の204万人だったと発表。ここ5年で最少だが、いずれの年も200万~220万台で推移している。ひこにゃん人気が定着し、安定期に入っていると言えるが、全国的に競争力が激しい観光分野でいかに勝ち残り、「先進地」になるための策は何か。3回目の「市政課題を追う」では観光を取り上げる(数値はいずれも推計)。
 観光客数のうち、滋賀大の調査結果では宿泊客が30万人、日帰り客が174万人。宿泊客のうち、市内宿泊客の割合は前年比3・1ポイント減の38・5%だった。
 彦根城(内堀より内側)の入場者数は前年比13%減の72万人で、1月と4月を除いた月で前年を割り込んだ。観光客の立ち寄り先は彦根城44%、夢京橋キャッスルロード25%、四番町スクエア14%で、平均の立ち寄り地点数は2・1地点だった。彦根へ訪れた理由は、ひこにゃんが29%と最多で、観光周遊25%、戦国ゆかり18%と続いている。
 かつての彦根の観光資源は「彦根城」と「キャッスルロード」だったが、そこに「ひこにゃん」が加わった。市は今年度、ひこにゃんを彦根城に毎日登場させることにしたほか、7月にはフランスへ派遣し、国外にもPRするが、いつまでもひこにゃん頼りの政策では、以前の彦根城頼りと同様、観光先進地にはなれない。
 滋賀大は調査結果の中で、ひこにゃんに加える施策として駐車場問題をあげ、「渋滞により、悪い印象を与えると共に、駐車場までに時間をかけることはスムーズだった場合と比べて、市内での土産の購入や食事の時間を無くすことになり、リピーターの機会も逸する」と指摘。彦根駅前の民間駐車場の利用促進や湖岸にある大型量販店の駐車場の共同利用などの検討を求めるほか、駐車場料金のオフシーズン、平日、長時間の割引をすすめた。
 このほか、芹橋地区、花しょうぶ通り、七曲り通り、高宮・鳥居本の旧宿場町、佐和山など現存の歴史遺産を楽しんでもらい、また荒神山や稲枝地区、犬上各町、愛荘町など近隣市町にも足を運んでもらうための戦略が求められよう。
 さらに、成功例である「ゆるキャラまつり」のように、市民団体や企業ら民間の能力を大いに活用するべきであり、市長の柔軟な姿勢と発想の転換が必要不可欠である。【山田貴之】

2013年4月6日土曜日

彦根市政の課題追う—彦根市南部の開発を進めよ—

 彦根市内で中心地と言えば、彦根駅前や商店街一帯を指す市民がいまだに多くいるだろう。しかし、滋賀彦根新聞が芹川以北と以南の人口比率を独自に調べたところ、以南が8割近くを占めていたことがわかった。このことから中心地はすでに芹川以南に移っていると言えよう。2回目の「市政課題を追う」では河瀬、稲枝地区を中心にした市南部の振興策を探る。
 彦根市の最新(平24年10月1日時点)の人口統計表によると、総人口は11万2632人。この統計表を元に本紙が芹川以北の人口を推計(一部の町が以北と以南にまたがるため)したところ、約2万5000人となり、以北の人口比率は市全体の約22・2%となる。
 つまり、芹川以南の人口が8割近くいることから、以北はすでに中心地とは言えないだろう。以南の市民からは、観光客が訪れたり、文化財指定が進んでいる彦根城内や旧城下町、開発が進行中の彦根駅東口などに対して、「北部(芹川以北)重視の施策が多い」との醒めた声があり、今後はあらゆる機能や政策、施設を南部に移すことを考えなければならない。
 特に河瀬や稲枝地区の市民は市北部に訪れる際、いまだに「彦根に行く」と言う声も聞く。荒神山を生かした取り組みや稲枝駅とその周辺の整備が少しずつだが進んではいるが、南北で「一体感」が生まれていない原因の一つにはやはり、南部振興がまだまだ不足していることにあると考えられる。
 遊興施設や道の駅、自然エネルギー拠点、企業誘致などハード面を整備するのか、観光、農業、環境などソフト面でアピールするのか、河瀬・稲枝地区を中心にした市南部を今後どのように発展させるのか―。
 市長の創造力と実行力が問われている。【山田貴之】

2013年4月5日金曜日

彦根城の桜が満開、多賀大社のしだれ桜も

 彦根城の桜が4日、見ごろを迎え、城内は観光客らで賑わっている。ただ彦根地方気象台によると、この土日の天候は降雨の予想となっている。夜間の午後9時まではライトアップされる。
多賀大社で桜狂言
 しだれ桜が見ごろとなった多賀大社の太閤橋横の特設舞台で7日、桜狂言が披露される。
 巫女さんによる琴の演奏、滋賀雅楽会による雅楽の演奏、狂言の演舞などが行われる。時間は午後1時~と同5時半~で、15日までの夜間はライトアップされる。13日午後1時~能舞殿でもある。
 ほかに境内のそば処「むらさき」では限定メニューの桜そばと桜茶の販売も。

小説・偉大なる、しゅららぼん 映画ロケ開始へ、彦根城博物館で会見

 万城目学さんの小説「偉大なる、しゅららぼん」の映画化にともない、主演の濱田岳さんと岡田将生さん、水落豊監督が4日、彦根城博物館で会見を行った。
 主演2人は劇中衣装の赤い学生服姿で登場し、濱田さんは「万城目さんの世界観を壊すことなく、おもしろい作品にしたい」、岡田さんは「琵琶湖に本当にありそうと思えるくらいの作品になるよう、がんばりたい」と映画への思いを語った。
 会見には、嘉田知事、獅山市長、藤井勇治長浜市長、ひこにゃんも出席した。
 作品は高校生が特殊な能力を持つ「湖の民」の因縁の争いに巻き込まれる物語で、彦根城などが舞台になっている。映画はロケがすべて滋賀県内で行われる予定で、彦根城や八幡堀などが候補に上がっている。来年春公開。

2013年4月4日木曜日

彦根市長選 事実上の選挙戦へ 自民は獅山・有村、民主は大久保

 今月14日告示、21日投票の彦根市長選に向け、立候補を予定している3陣営が団体を立ち上げ、街宣カーを走らせるなど事実上の選挙戦を開始している。カッコ内は団体名とイメージカラー。
 現職の獅山向洋氏(72)は先月30日に本町で事務所開きを行い、自民党の衆院議員、県議、市議らが駆けつけた(「明るい彦根市民の会」・赤)。
 元県議の大久保貴氏(49)はベルロードの長曽根南町で事務所開き。民主党の国会議員(元を含む)の秘書、県議、市議らがあいさつ(「強い彦根を創る会」・黄)。
 国会議員元秘書の有村国知氏(38)は外町に事務所を設置、自民党の県議らから支援を受けて活動している(「明日の彦根を拓く会」・青)。
 政党別では自民党が獅山氏と有村氏に分かれているが、いずれも推薦などはしない意向。大久保氏には民主党の陣営がついているが、同党への逆風が続いているため、推薦までは受けない予定。共産党は自主投票で、公明党も自主投票の意向。
候補者招き討論会
 彦根市民団体「彦根市長選を100倍盛り上げる会」は7日午後1時半~ビバシティホールで公開討論会を開く。立候補予定者3人を招く予定だったが、現職は欠席する予定。滋賀県立大学の大橋松行教授をコーディネーターに、来場者に防災や原発、農業、雇用などについて聞いた後で、立候補予定者に一問一答形式で聞く。後半は討論会も。
 来場者にはビバシティの専門店街で特典が受けられるサービスも。当日の模様はUstream(http://www.ustream.tv/channel/hikone100bai)で生中継される。同会では店内で中継できる商店などの協力を求めている。問い合わせは代表の柴田さん☎090(2061)5135。
ポスター掲示板設置
 市長選に合わせて1日から市内各所にポスターの掲示板の設置が始まった。掲示板は横約4㍍・縦約1・3㍍(支え入れると約2㍍)。6人分のポスターのスペースがあるが、6人目には投票日が印刷。263カ所に5日までに設置される。

2013年4月2日火曜日

彦根市政の課題探る—取り残された彦根城、世界遺産登録いかに実現させるか—

 4月14日告示・21日投票の彦根市長選には、現職の獅山向洋氏(72)、元県議の大久保貴氏(49)、国会議員元秘書の有村国知氏(38)が出馬する予定。市長選に向けて、滋賀彦根新聞は彦根市が抱える主な課題をテーマごとに取り上げる。初回は「彦根城の世界遺産登録」。
 彦根城は平成4年に文化庁の世界遺産暫定一覧表に記載された。しかし翌年に姫路城が世界遺産に登録されたため、「唯一無二の価値」という基準により、現在まで登録されないままになっている。鎌倉が今年6月にも登録される可能性があるため、平成4年時に暫定リストに載った候補で、残っているのは彦根城のみとなる。
 一時期、姫路城との差別化をつけるため、旧城下町一帯を含めての登録を目指す動きもあったが、整備や住民への理解に時間がかかることから、市は中堀(一部除く)より天守側の特別史跡内とお浜御殿(松原下屋敷)、長寿院、彦根藩井伊家墓所をコアゾーンに、旧松原内湖や旧城下町をバッファゾーンに指定。
 まずはコアゾーンの登録を目指して、登録後にバッファゾーンの整備などを経て拡大登録をしたい意向だが、まだまだ説得力のある「姫路城との差別化」が示せない状況だ。
 今月5日に開かれた彦根城世界遺産登録推進委員会では、文化庁に提出する「推薦書」の作成に向けたコンセプトが協議。江戸時代を通して井伊家が支配した建造物が残るという「封建領主のあり方を示す顕著な物証」との案が示された。
 市は文化庁が暫定リストを整理する2、3年以内に推薦書を提出したい考えだが、彦根城の「普遍的価値の証明」の仕方が定まっているとは言えず、先行きは不透明なままだ。姫路、松本、犬山を含めた国宝四城案もあるが、ここ数年は協議されておらず、消えたに等しい。また、彦根市民の盛り上がりがあるとも言えない。いかに世界遺産を目指すのか―。市長の手腕にかかっている。(山田貴之)

2013年4月1日月曜日

大久保貴氏が政策 校園にクーラー、南部活性化など

 彦根市長選への立候補を表明している大久保貴氏は政策集を発表した。
 「いきいきした『強い彦根』をつくります」をコンセプトに、▽市民が笑顔で健康に過ごせる市政にする▽巡回市長室を設けて市民との対話で市政を変える▽県政との連携を強め、若さあふれる新鮮な市政を実現する―と設定。
 主な政策としては▽幼小中へのクーラー設置▽休日保育の拡充▽在宅介護支援▽医師・看護師の確保と医療充実で病院再生▽原発対応策と情報公開の徹底▽南部活性化のため事業創出▽自然・再生エネルギーの活用▽市長給与の削減▽県と連携して彦根城世界遺産登録を―などをあげている。