滋賀彦根新聞は彦根市長選に立候補した3候補にアンケート調査を実施した。以下、各候補の回答。
▽彦根城の世界遺産登録について
【有村候補】
文化庁から指摘された3つの課題、①姫路城との差異を明確にし、姫路城とは異なった顕著な普遍的価値を有していることを立証すること。
②彦根城の石垣や楽々園建造物の保存修理、玄宮園魚躍沼の浄化や護岸・園路等の保存整備。彦根城跡の保存整備をさらに進展させること。
③文化財保護体制の整備を図ることについて、県とも連携して取り組みます。また登録を目指すに際しては市民世論、市民の支持がしっかりとあるかどうかも非常に重要なポイントとの認識を持っております。
【大久保候補】
〇国宝彦根城の世界遺産登録に向けて努力する。
歴史建造物を有する彦根市は情緒や風情、風格漂う、魅力あるまちであり、後世に守り伝えていきたい。
①歴史的建物・町なみ等の文化財の保存に努める、②情報やPRを全国・世界に発信する。③民間と協働してサミットやイベント等を開催する。
県の世界遺産登録推進室設置を強く要請し、県と市が協働で積極的な推進となるようにしていきたい。
【獅山候補】
私が市長だった平成4年に彦根城が世界遺産の暫定リストに登載された。その後、12年間、登録の努力が全く行われなかったため、彦根城は完全に出遅れてしまった。再び市長に就任して以来、楽々園大書院の改修、辻番所等の改修、お浜御殿の公有地化、旧井伊神社の受贈など文化財整備を着々と進めて来た。文化庁との密接な関係も重要であり、本年4月に文化庁から市文化財部長として職員を派遣していただいた。また、2年前から同庁記念物課(世界遺産担当課)に市職員1名を派遣し、今年も交代職員1名を派遣した。今後は彦根ユネスコ協会を通じて市民の関心をさらに高め、世界遺産登録を目指す決意である。
▽彦根市南部の振興策
【有村候補】
ようやく稲枝駅の改築橋上化が実現し、県道や駅東西の駅前広場の整備も進みます。
これを機会に、河瀬駅、新海浜、荒神山を含むエリアの発展ビジョンを市民参加の委員会を設置して検討し、今の魅力を高めることや、いわゆる6次産業など新たな産業振興について具体的な取り組みを進めます。
なお、荒神山はより市民が憩える場に、新海浜は湖を舞台とするイベント誘致などが考えられます。
【大久保候補】
〇南部地域の特性を生かした農産物の振興を図かり、農工商の連携による第6次産業・第7次産業化を推進していきたい。
〇稲枝駅舎の改築及び駅西口周辺の整備及び周辺の道路の整備を進めて、稲枝地域の発展・活性化に努めたい。
〇荒神山の周辺は自然・文化・スポーツの公園等民間活力を導入して整備を図る
〇彦根市工場等設置条例に基づき企業・工場の誘致を推進し、南部地域の活性化及び市全体の雇用の促進に努めたい。
○三津・海瀬地域及び石寺非農用地の活用問題について民間と共同で利用の目処をつけたい。
【獅山候補】
JR稲枝駅の改修は、JR西日本との間で自由通路等に関し基本協定締結済みであり、本年度は実施設計に入り、平成28年には完成させる見込みであり、稲枝駅周辺整備の用地買収も順調に進んでいる。
荒神山の開発は、国の史跡指定を受けた荒神山古墳、荒神山公園、子どもセンター、荒神山自然の家、石寺の広大な非農用地などについて総合的に計画を立案し整備する。中南部地域には社会教育施設が不足しているので、財政的事情を勘案しながら地域図書館の整備を行いたい。農業施設の長寿命化を図り、TPPに関する政府の政策を注視しながら彦根米の香港などへの輸出の可能性を関係者と検討したい。