月が太陽を隠す金環日食が21日朝に、滋賀県内でも見られる。彦根市や犬上郡で金環日食が観察できるのは実に932年ぶりとされ、次回は29年後の2041年に。なお、金環日食を見る際は日食サングラスが必要。
月はその直径が太陽の400分の1で、また地球からの距離も太陽までの400分の1しかない。そのため地球からは、太陽と月がほとんど同じ大きさに見える。
太陽と月、地球が一直線に並んで、太陽が月に隠れる現象を日食と呼び、太陽が月に完全に覆われることを皆既日食、完全には隠れずに月の周りがリング状に輝くことを金環日食という。
21日は東京や大阪、名古屋などの日本の人口の8割を占めるエリアで金環日食を楽しめ、滋賀県内では米原市に北限界線が通るため、米原より南では見ることができる。それ以外の場所でも太陽の8割以上が欠けた日食が観察できる。
湖東地域では21日午前6時18分ごろから日食が始まり、太陽の右上から少しずつ欠けていき、午前7時半ごろには金環日食になる。金環の状態は1分間ほどだが、大津市など南部では約2分間続く。午前8時56分には元の形になる。
なお日本気象協会は、21日の彦根など県北部の天気を「曇り時々晴れ」で、降水確率を30%と予報している。
鏡で投影や木漏れ日利用も
金環日食を観察する場合は、専用の日食サングラスがいる。
専門家によると、日食だからと安心して太陽の光を直接見た場合、「日食網膜症」と呼ばれる障害が起き、失明に至る場合もあるという。
日食サングラスは太陽の光を10万分の1に減らすことができるが、通常のサングラスでは10分の1~100分の1にしか減光できない。また色つきの下敷きや写真フィルムは赤外線やブルーライトという有害な光が透過する可能性がある。ろうそくのススが付いたガラスも危ないという。
日食サングラスは書店やカメラ店、文房具店、日曜大工店などで販売している。
観察の仕方としてはほかに、紙にあけたピンホールや鏡で反射させての投影、木陰の地面の木漏れ日がある。
天究館で観望会
多賀町のダイニックアストロパーク天究館は21日午前6時半~金環日食の特別観望会を開く。先着100人。無料。申し込みは同館☎(48)1820。留守電に参加者全員の名前を入れる。
登校時間ずらす学校も
金環日食に合わせて、全国的に児童・生徒の登校時間を遅らせる学校も出ている。彦根市教委では「各校の裁量に任せる」としているが、登校時の安全面や子どもたちに天文への関心を高めさせるために、遅らせる措置が求められる。