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2016年3月28日月曜日

彦根城に花見ぼんぼり設置、旧木俣家屋敷前の桜開花4月1日から彦根城桜まつり

 彦根城の内堀沿いに花見ぼんぼりが設置された24日、旧木俣家屋敷前の桜(ソメイヨシノ)が開花した=写真。4月1日からは彦根城桜まつりが始まる。
 城内の桜の開花は暖冬の影響で例年よりも早い。桜まつりは毎年、花見のシーズンに開催されており、玄宮園前から大手門橋、京橋一帯で夜間(午後6時~同9時)に桜がライトアップされる。20日までの予定だが、桜の開花状況によって変更される。
 24日に設置されたぼんぼりは、高さ約2・8㍍の20本が表門橋から金亀児童公園前まで設置。高さ60㌢の10本が金亀児童公園の桜の木につるされた。桜まつり期間中に点灯する。

佐和山城本丸跡の発掘でかんぷなきまでに破壊された一端確認

 彦根市教委文化財課は23日、佐和山城本丸跡の発掘調査の現場をマスコミに公開。彦根城築城のためにかんぷなきまでに破城された一端が明らかになった。27日午前に現地説明会がある。
 文化財課は佐和山城跡の国指定の史跡を目指し、平成23年度から佐和山城跡の発掘調査を実施しており、これまでに城下や西の丸を調査。今年度は破城された状況を確認するため、初めて本丸の石垣部分を発掘した。
 発掘により、石垣は上部(約幅1・5㍍×長さ6~7㍍)と下部(幅約1・5㍍×長さ約3・8㍍)の2段構造だったことが判明。また▽石垣の裏込め部分とみられる大量の石▽本丸跡の直下で削られた岩盤▽石垣を崩した後に本丸部分にあった土砂を使って石垣があった部分を埋めた形跡―が確認された。土砂の堆積状況は最も深い部分で約2・8㍍にも達しており、徹底的に破城する意図があったとみられる。
 滋賀県立大学人間文化学部の中井均教授は「九州・四国地方で寛永時代の城割りで徹底的に破壊された事例はあるが、関西で、しかも慶長・元和年間でこれほど徹底した事例はない」とした上で「彦根城築城で石材などが運び出された後、それまでの象徴だった佐和山城が崩され、政権が豊臣(石田)から徳川(井伊)に代わった見せしめだったのであろう」とコメントしている。
 現地説明会は午前10時~正午に本丸跡で順次行われる。雨天決行。山登りのできる服装で。問い合わせは文化財課☎(26)5833。

2016年3月25日金曜日

夢京橋キャッスルロードのゆるキャラを城西小児童が考案、キャッスルンかキャペロンか、夢京橋あかり館で投票受け付け

 夢京橋キャッスルロードのゆるキャラのデザイン=写真=を市立城西小学校の3年生が考案し、22日に発表した。名称も「キャッスルン」と「キャペロン」の2案を公表し、どちらが良いか夢京橋あかり館で25日から投票を受け付ける。
 3年生68人は総合的な学習の時間を利用し、1月21日に「こんなキャッスルロードになったらいいな」をテーマに活性化策の発表会を実施。児童の活性化策から、彦根夢京橋商店街振興組合との協議で「ゆるキャラプロジェクト」を進めることになり、児童が1作品ずつゆるキャラのデザインと名称を考案した。
 児童の代表13人による実行委員会では、デザインを合体させてゆるキャラを作り、名称を2案に絞った。ゆるキャラは、キャッスルロードの名物を冠に、彦根かるたの「キヤツスルロト」の札をネックレスに、石垣をズボンにしていることなどが特徴で、竹を支えに「キャッスルロードへようこそ」と書かれた旗を手に持ち、外国人向けに首には「Welcome」と記されている。
 名称はキャッスルンが「訪れる人がるんるんになる」、キャペロンが「名物の食べ物をペロリと食べてもらおう」との意図が込められている。児童代表からデザイン画を受け取った同組合の谷口典隆理事長は「素敵なキャラクターを考えて頂き、うれしい限り。キャッスルロードのことを大変よく勉強してもらったことがキャラクターをみればわかります」と話していた。
 名称の投票はあかり館で4月10日まで受付。どちらかを選択し、好きな方にシールを貼る。決定後はキャッスルロードのキャラクターとして活用される。

平和堂、一般家庭向けの電力の小売り事業を4月1日から開始

 平和堂は15日、一般家庭向けの電力の小売り事業を4月1日から開始すると発表した。近畿地区に本社があるスーパーが電力の小売り事業を展開するのは初めてだという。
 平和堂は「平和の緑づくり」や「お買い物袋持参運動」、牛乳パック・トレイの店頭回収など環境保全活動を展開している。平和堂と提携し電力を提供する洸陽電気(神戸市)は地熱・水力・太陽光のクリーンエネルギーの開発に乗り出しており、両社は環境に配慮したエネルギーの推進という考え方で合致した。
 平和堂は電気の販売の代行契約を行う。契約の条件はHOPカードの会員、関西電力管内で従量電灯A相当・中部電力管内で従量電灯B相当の使用者、支払いが口座振替かクレジットカードの指定ができること。
 契約者には毎月の電気使用料に応じて1%のHOPカードポイントの付与の特典があり、来年3月31日までなら途中の解約金や事務手数料が不要。今月24日から平和堂のホームページでウェブ受付を始め、滋賀・京都・大阪・兵庫の計40店では4月1日から店頭受付を始める。中部電力管内でも4月下旬から受付を開始する。
 平和堂は滋賀県内での初年度の目標として、県内世帯の1割を占める約3万5000世帯での契約を目指すとしている。営業統括副本部長の夏原陽平氏は「再生可能エネルギーが増えていく動きに少しでも貢献できればと思い、電力の小売り事業を行うことにした」と話していた。
 問い合わせは24日以降に平和堂のホームページから。

2016年3月22日火曜日

彦根市役所本庁舎の耐震工事時の仮設庁舎、彦根駅東口建設案とは別に駅前の既存のテナントビル活用

 彦根市役所本庁舎の耐震工事の期間中に使われる仮設庁舎について、これまでの彦根駅東口に建設する案とは別に、駅前の既存のビルを活用する案が浮上していることがわかった。
 これまで市は、駅東口の市有地約4500平方㍍に軽量鉄骨3階建て延べ床面積約4000平方㍍で仮設庁舎を建設する意向だった。しかし、建設費約3億3942万円とネットワーク整備費約2821万円(昨年6月議会時)かかることなどから、経費の削減や耐震工事の短縮などの利点から既存のビルを活用する案が出てきた。また市議会の中にも駅東口への仮設庁舎の新築に慎重姿勢を示す議員もいる。市と既存ビルの運営会社はすでに交渉を進めている模様だ。
 開会中の2月議会に提案されている平成28年度一般会計予算案には、増築分の実施設計委託や県有地の取得、書庫設置のための別館1階改修のほか、仮設庁舎への移動支援業務委託を含んだ本庁舎耐震化整備費(2億4834万円)が盛り込まれている。
 最近までの計画として市は、平成29年度(一部来年3月)から立体駐車場建設と仮設庁舎建設、移転先へのじゅう器設置を行い、来年9月から平成30年3月にかけて庁舎の補強と増築を行う予定としていた。しかし、仮設庁舎が既存のビルに入る場合は計画が早まる可能性も出てくる。

2016年3月19日土曜日

彦根城の梅が見ごろ

 彦根城の梅が開花し始めており、11日に見ごろを迎えた。
 大手門入り口付近の約8000平方㍍には紅梅と白梅の計約400本が植えられている。
 梅林となっている場所は江戸時代には米蔵が建っていたが、明治時代に入って取り壊された。その後、昭和25年に彦根城が新日本観光地百選に選ばれたのを記念して、梅が植えられた。
 例年は3月下旬に見ごろを迎えるが、今年は暖冬の影響で開花が早まったとみられる。
 なおウェザーマップの予想によると、彦根の桜の開花時期は3月28日となっている。

ホワイトアスパラガスの生産に薩摩町の福原勉さんが新技術で成功

 昭和20年代から40年代にかけて、彦根市新海町など市南部で作られていたホワイトアスパラガスの生産に薩摩町の農家・福原勉さん(56)が成功。新海町の直売所「あすぱらだいす しんがい」や四番町ダイニングで販売している。
 市南部はかつて、ホワイトアスパラガスの一大生産地として知られ、最盛期には25㌶の敷地で「缶詰加工用」が生産されていた。海外産の大量輸入などの影響で姿を消していたが、市は今年度、特産品になる農作物の生産者に研究を委託する地域振興作物研究開発事業を実施。昨年7月18日に公募し、4件の応募から福原さんのホワイトアスパラガス復活プロジェクトを採択した。
 かつての生産法は露地で土をかぶせて光を遮る「土盛り」が主流だったが、労力がかかる、味が均一でなくなる、収穫量が少ないなどのマイナス面があるという理由から、福原さんはビニールハウスの中に遮光シートで更にハウスを作る「遮光栽培技術」を採用。
 約600平方㍍の敷地の半分のエリアで実証実験を行い、生産に成功した。「生食用」として3月から出荷されており、4月末まで販売される。福原さんは次年度も、残り半分の敷地を使って栽培を行う予定で「滋賀といえば、ホワイトアスパラガスと言われるように復活させたい。桜のシーズンに観光客に買ってもらえるようになれば」と話していた。

2016年3月18日金曜日

忍者姿変身とカロム玉並べでギネス記録挑戦へ、寺村邦子さん参加募集

 ギネス記録の挑戦者として全国的に知られる寺村邦子さん(60)=彦根市尾末町=が、今度は4月17日正午~市立城西小学校体育館で2つの記録に挑む。
 1つ目はこれまでに2回挑戦したものの、失敗に終わった「忍者で世界一」。250人以上の参加者が黒外衣、黒帯、黒ズボン、目以外を隠す黒い頭巾、手の甲を覆う黒い布、黒い足袋姿で、武器を持って集合する。平成24年11月14日に二の丸駐車場で開催した1回目は服装の不十分な参加者が多く、翌年2月11日にひこね燦ぱれすで行った2回目は参加者不足で、いずれもギネス記録にはならなかった。
 2つ目はカロムの玉を1000個以上並べるという、ギネス界で初めての挑戦になる。忍者イベントの受付終了後に忍者姿のままでカロムを並べるという。忍者の衣装は貸し出ししている。
 寺村さんはこれまでに市内で13回のギネス記録に挑戦し9回成功。「現在は9勝4敗だけど、今回の2回のギネス挑戦を達成させて二けたに乗せたい。協力お願いします」と参加者を募っている。問い合わせは寺村さん☎090(5152)3918。
 ギネス挑戦を控え、平成19年3月に最初のギネス挑戦イベントをした彦根市の鳥居本駅舎で27日午後1時半~「ありがとうコンサート」が催される。東日本大震災時、岩手県石巻市で津波に流されて海に沈んだピアノが再生され、現在は寺村さん宅にある「復興ピアノ」を使ったコンサート。夕方まで。参加自由。
 寺村さんのピアノ教室に通う生徒やOB、保護者による「夢いっぱいピアノだ~いすきコンサート」が20、21日の両日、文化プラザエコーホールで開かれる。総勢約80人が出演し演奏を披露する。午前10時半~夕方。入場無料。入退場自由。

石田三成発信プロジェクトのCM動画 全国放送のテレビ番組が取り上げ話題沸騰中

 滋賀県が石田三成発信プロジェクトの一環で制作したCM動画=写真=をインターネットで公開したところ、全国放送のテレビ番組が取り上げるなど話題沸騰中だ。
 同プロジェクトでは三成の人物像と魅力を広く発信し、滋賀の認知度や好感度の向上を目指しており、CMは県広報課が電通に制作を依頼。「おそらく世界初!?武将本人を広告する動画」と銘打って、今月5日に同プロジェクトのホームページで発表した。
 昭和のローカルCM風の作りで、腕組みの男児が「武将なんてどれも同じでしょう?」と語ると、「武将といえば、三成~」と三成の肖像画がクローズアップ。エプロン姿の主婦が困り顔で「配下に寝首をかかれないか心配で」と話すと、「配下にするなら、三成~」と再び肖像画。さらに「イチ、ゴー、ロク、ゼロ、滋賀県生まれ」と三成が滋賀出身であることをアピール。続いて三成に扮した男性が「忠義心ナンバー1宣言」とPRすると、隣の秀吉役が「さすがー」と嬉しそう。「故人の感想です」との但し書きや「三献の茶」の宣伝場面も見られる。
 自治体の公式とは思えない奇をてらった独特の世界観に、ツイッター上では「石田三成と滋賀県がコラボして変なCM作っとる」「破壊力凄い」「腹筋崩壊する人続出」と話題に。ヤフーニュースのトップページも飾り、9日以降、TBSの「あさチャン」「新・情報7daysニュースキャスター」「サンデー・ジャポン」、日本テレビの「スッキリ」などが報じており、中には彦根市の花しょうぶ通り商店街を取材した番組もあった。17日にはフジテレビの「めざましテレビ」が紹介する予定で、以降も取材依頼があるという。
 県広報課は「これをきっかけに、三成や滋賀に興味を持ってもらえれば」と話している。なお、県ではさらに3本のCM動画を制作し、今月27日に第2弾を発表予定。

2016年3月15日火曜日

彦根市の人事異動「パワハラでは」、市は否定

 滋賀彦根新聞が昨年4月5日付で掲載した投書「彦根の人事異動に苦言」に対して、彦根市の一職員と名乗る読者が市の人事課長とマスコミ各社、市議に「パワハラではないか」と指摘した投書を出した件について、北川元気議員が大久保市長らに真意を質した。
 本紙掲載の投書では、昨年の人事異動に関し文化財部の部長、次長、課長、課長補佐が総入れ替え(部長は早期退職)になったことにふれ、「市長の考える文化財部の将来像や、副市長の世界遺産登録の進め方に異を唱えたことが大きく影響しているようです」と解説。また一昨年4月に世界遺産の専門枠で採用された専門家が世界遺産準備室から文化財課に異動したことや、一昨年の人事異動でも世界遺産を担ってきた2人が兼務を外されている―とも指摘していた。
 その後、本紙の投書を受けて一職員と名乗る読者が今年1月に人事課長宛てに、2月末にマスコミ・市議宛てに投書を1通ずつ提出。人事課長宛ての投書では「(本紙への)投書内容は市長・副市長によるパワハラではないか」と指摘し調査を依頼した。またマスコミ・市議宛ての投書では「世界遺産に関してはゼロベースでスタートしたものの、未だにコンセプトすら明確にし得ないでいます。専門家から意見を聞く委員会も未開催、市民への啓発活動もほとんどなくなりました」などと批判していた。
 この問題に対して、一般質問で市は昨年4月下旬と今年1月5日に人事課宛てに投書があったことを明かし「パワハラと明記されていたことから、一応の情報とみなし、1月29日にハラスメント苦情処理委員会を開催。投書が匿名で伝聞形式、この人事異動が合理的に業務の必要性を鑑みて行われたことから、パワハラに該当しないと判断された」と述べた。
 大久保市長は「人事に関しては合理的に業務の必要性を根拠として行っている」、山根副市長は「苦情処理委員会の結論通り」と答えた。

北陸新幹線の敦賀以西ルートの「米原ルート」実現を目指し、彦根市が懸垂幕設置

 北陸新幹線の敦賀以西ルートの「米原ルート」実現を目指し、彦根市は10日、市役所正面に懸垂幕(縦15㍍×横1・5㍍)=写真=を設置した。
 敦賀から大阪への延伸ルートについては米原ルートのほか、小浜ルート、小浜・京都ルートなどがあがっており、与党の検討委員会が5月末までに絞り込む予定。JR西日本が1月26日に小浜・京都ルートを提示し有力候補になったため、米原ルートを推す滋賀県や県内自治体が危機感を募らせている。
 市役所に設置された懸垂幕には「未来のために『北陸新幹線米原ルート』を実現しよう!」と書かれている。大久保市長は「米原ルートについて継続して検討されるよう、滋賀県などと共に働きかけたい」と話している。
 なお彦根商工会議所にも7日に同様の懸垂幕が設置された。

2016年3月14日月曜日

ミス・ユニバース・ジャパン日本代表の中沢沙理さんが世界大会へ抱負

 ミス・ユニバース・ジャパンの日本代表に選ばれた滋賀県代表の中沢沙理さん(22)=大津市=が8日、彦根市役所を表敬訪問した。
 中沢さんは昨年11月25日にマリアージュ彦根で開催された滋賀大会で優勝し、今年3月1日にホテル椿山荘東京で開かれた最終選考会で、約5000人の応募者の中から日本代表に選ばれた。滋賀代表が日本代表になるのは初めてだという。
 彦根市が滋賀大会の後援をしていたため市への訪問が実現した。大久保市長との対談の中で中沢さんは「多くの方からの応援で日本代表に選ばれた。今後も感謝することを忘れることなく、がんばっていきたい」と述べた。今夏の世界大会への出場に向けては「英語の勉強をしながら、一日一日を大切にして、進んでいきたい」と抱負を語っていた。
 中沢さんは18歳まで滋賀県で過ごし、現在は大学4年生で歯科の分野を学んだという。

江戸時代後期の町屋を改装した旅館「本町宿」完成、18日開業式と内覧会

 彦根市本町3丁目の江戸時代後期の町屋を改装した旅館「本町宿」が完成した。18日午前11時~開業式と内覧会がある。
 城下町に残る文化遺産を活用しながら地域経済の活性化を図ろうと、NPO法人ひこね文化デザインフォーラムが企画した「まちやプロジェクト」の第1弾。総事業費約2200万円のうち、総務省の地域経済循環創造事業交付金を活用し、約150年前の町屋を昨年10月から改装してきた。
 木造2階建て延べ床面積約198平方㍍の建物の1階には食事用のカウンター、宿泊用の和室3部屋、交流用の和室1部屋、風呂とシャワー、トイレがあり、2階にはいずれも宿泊用の和室と洋室が2部屋ずつとトイレが整備。約100平方㍍の庭園からは隣接する明性寺の山門などが観覧できる。定員24人。1人の料金は1泊朝食付き5400円、素泊まり4320円。
 また「彦根のよさと日本のこころ」を感じてもらうため、交流用の和室では日本や彦根の伝統文化の体験、歴史学習などの場としても使われる。サブマネージャーの水谷晴亮さんは「市民の皆さまには気楽に寄ってもらえる場に、宿泊客には彦根の歴史を学んでもらう場にもなれば」と話していた。正式オープンは24日。予約受付は10日~。問い合わせは9日以降に本町宿☎(30)9932。

2016年3月11日金曜日

小説「石田三成の青春」が発刊、著者は大津市の松本匡代さん

 戦国武将・石田三成の若き日々を描いた小説「石田三成の青春」が発刊された。
 著者は大津市の作家・松本匡代さん(58)。本では、三成と大谷吉継が米原市の観音寺で修行中、立ち寄ってきた羽柴秀吉に3杯の茶を振る舞い、それに感心した秀吉が三成を召し抱えたという逸話の第1章から始まる。以降、軍師の竹中半兵衛との関わり、本能寺の変の裏側、賤ヶ岳の戦いの諜報活動、加藤清正らによる三成襲撃事件などを紹介。彦根の佐和山城で吉継と関ヶ原の戦いを決意する様子、NHK大河ドラマ「真田丸」の幸村(信繁)や父・昌幸、兄・信幸との関係も描いている。
 松本さんは平成24年12月に幕末小説「新撰組 試衛館の青春」、同26年3月に「独白新撰組 隊士たちのつぶやき」を発刊し話題を集めた。その年と翌年には滋賀県文学祭に「思惑 石田三成襲撃事件」と「清濁 本能寺の変異聞」で応募し共に特選となった。
 そのうち「思惑・・・」はツイッターにも投稿し、閲覧者からの続編を求める意見に応じる形で、昨年2月から今年1月まで三成の少年時代から関ヶ原の戦いを決意するまでを「石田三成の青春」と題して計75回連載。今回の出版に至った。
 松本さんは「『私の三成像』が完成しました。今までにない、かわいげのある人間・石田三成が描けたかな、描けていればいいなと思っています」と話していた。佐和山城研究会代表の田附清子さん(54)=彦根市河原=は「三成についての本は男性の著者が多いが、三成の恋人や妻子も描かれており、女性目線でよくぞ書いて下さった」とコメントしていた。
 本は512ページ、1836円。発行はサンライズ出版(鳥居本町)。

2016年3月10日木曜日

里根町の東山会館が(仮称)彦根市市民交流センターに

 彦根市里根町の公共施設、東山会館が平成28年度に「(仮称)彦根市市民交流センター」に生まれ変わる。同時にこれまでの地域総合センターとしての機能が広野町の人権・福祉交流会館に集約される。
 東山会館は人権問題の啓発拠点として昭和54年に設置されたが、東山児童館が併設することもあり、子どもや母親ら地域の交流の場としても利用されてきた。施設の周辺には大型の量販店や団地が建設され、彦根駅東口の開発も進んでいるため、地元住民の要請を受ける形で、市は地域総合センターを移すことにした。
 施設名も変更され、今年10月に再オープンする予定。市は条例の素案を作成しており、素案に対する意見を今月31日まで募集している。素案は東山会館、市のホームページ、支所・各出張所、市役所1階の情報公開コーナーで公開している。

2016年3月7日月曜日

保存修理中の名勝・胡宮神社の社務所と庭園など公開、神饌所は江戸中期建設

  保存修理中の名勝・胡宮(このみや)神社=多賀町敏満寺=の社務所と庭園などがマスコミに公開され、修理に合わせて実施されている発掘調査の結果も公表された。
 胡宮神社で保存修理が行われているのは、神饌(しんせん)所約20平方㍍、茶の間約16平方㍍、庭園約680平方㍍、社務所約180平方㍍で、名勝には神饌所や茶の間、社務所の一部も含まれている。近年は庭園が石組の傾きや池の枯渇など劣化し、建物も荒廃するなど修復が必要な状況だったため、多賀町教委は平成26年度に保存管理計画書を策定し、今年度は昨年10月から社務所・神饌所・茶の間の解体・修理工事、庭園のせん定を行っている。
 解体作業に伴う調査では、神饌所の天井裏に寶(宝)暦10年卯月(1760年2月)と文政10年子月(1827年11月)の棟札、茶の間の天井裏には嘉永7年(1854年)の札が見つかった。また、建物下には十字型に掘られた開渠(かいきょ)があり、周辺には織豊期以降に設置されたとみられる礎石や鎌倉・室町時代の土師器の破片なども発見。社務所が建つ前には、同神社の別当だった福寿院が建っていたとも伝えられており、最も栄えていた鎌倉時代には最重要の場所だったとされている。
 建物の建立時期が江戸中期だと確認されたため、多賀町教委は「庭園だけでなく、建物も歴史的価値があることが判明した」としている。平成28年度は社務所の屋根のふき替えなど、同29年度は神饌所の再建と社務所の仕上げ工事、同30年度から建物の残り部分の工事と庭園整備を行い、一般公開を再開。以降、同41年度ごろまで庭園部分を修理する。
 【胡宮神社】
 イザナギノミコト、イザナミノミコト、コトカツクニカツナガサノミコトを祭神に、敏満寺が建立された奈良時代に、多賀町桜町(門前町近く)から現在の地に移されたとされる。文献に登場するのは元徳3年(1329)に書かれた「敏満寺事書」の目録。織田信長により焼き討ちに合うが、豊臣秀吉時代に再建され、徳川時代には多賀大社と共に造営された。寛永15年(1638)9月14日に遷座祭が行われ、同神社本殿の擬宝珠には当時の年月が刻まれている。
 その後、元治元年(1864)に大修理、慶応元年(1865)には落雷で破損した屋根のふき替えが実施。明治時代の廃仏毀釈により、同神社では大日堂と観音堂が分離され、別当の福寿院が廃され、福寿院にあった仏像などは大日堂に移された。昭和9年(1934)12月28日に庭園などが国の名勝に指定。同36年(1961)ごろの名神高速道路の整備に伴い、工事区内だった末社の熊野神社と、仁王門跡に大正11年(1922)に建てられた大鳥居は現在の地に移動。3年後の同39年には旧拝殿が取り壊され、翌年に大鳥居も再建された。

彦根西高校の校舎で最後の卒業式

 4月に統合される彦根西高校(池州町)の校舎で最後の卒業式が1日開かれ、普通科と家庭科学科の3年生141人が卒業した。
 式では卒業証書の授与が行われた後、猪田章嗣校長が西高の歴史を紹介した上で「過去から繋がり今がある。未来の自分へと繋げていってほしい。常に挑戦する心を持って、やってみたい、やってみようの心が大切。夢を持ち、挑戦し続けていってほしい」と卒業生に述べた。
 2年生の石橋彗美理さんの送辞後、卒業生を代表して寺田彩乃さんが「西高の良さは、友だちとの絆、クラス・学年の絆、生徒同士の絆が深いこと。優しく、時には厳しい先生方も大好きでした」と答辞を述べた。この後、卒業生たちが在校生や保護者に向かって、川島あいの「旅立ちの日に・・・」を合唱。卒業生や保護者の中には涙をぬぐう姿も見られた。
 なお、彦根翔陽高との統合で誕生する彦根翔西館高校では、新入学生と翔陽高・西高の1・2年生が新校舎に通うことになる。

彦根市議会2月定例会一般質問・会派代表に2人、個人質問に19人登壇

 彦根市議会の定例会では7日から9日まで一般質問が行われ、会派代表に2人の議員、個人質問に19人の議員が登壇。慣例で質問ができない正副議長と監査委員を除いた議員全員が平成28年度一般会計予算案などについて質問する。各日午前9時~インターネット中継される。
 【会派代表】
 ▽公政会(安澤勝議員)=新年度予算案、創生総合戦略、公共施設等総合管理計画、国体、低炭素・循環型社会、中心市街地活性化、観光行政、市立病院、消防団員確保と救急医療
 ▽夢みらい(安藤博議員)=新年度予算案、本庁舎耐震化、創生総合戦略、選挙の投票率、国体、インバウンド戦略、教育行政、学力向上、世界遺産、市立病院新改革プラン
 【個人】
 ▽赤井康彦議員=新年度予算から(プレミアム商品券、チャレンジショップ、除雪など)、魅力ある図書館
 ▽杉原祥浩議員=武道・ダンス必修化、幼稚園・保育所施設整備、国体
 ▽北川元気議員=教育大綱、地方創生、パワハラ問題
 ▽上杉正敏議員=国土強靱化、庁舎耐震
 ▽谷口典隆議員=強盗未遂を受けて緊急時の安全確保、彦根屏風の「彦根ブランド」化、彦根幼稚園池洲分園
 ▽獅山向洋議員=市長の選挙公約、市長の履歴書、世界遺産、新市民体育センター、教育大綱、庁舎耐震、新ごみ処理施設
 ▽中野正剛議員=標識に観光地名を、介助士の職員配置を、子育てと介護、空き家の活用
 ▽小川喜三郎議員=廃棄物処理行政、障害者対策
 ▽長﨑任男議員=意見公募・パブリックコメント、道の駅
 ▽野村郁雄議員=防災体制、発達支援センター、ホッケー場整備
 ▽小菅雅至議員=高齢福祉施設の地域格差、国際化、IT戦略
 ▽奥野嘉己議員=琵琶湖の保全・再生法、施策の選択と集中
 ▽山田多津子議員=全国一の福祉モデル都市に、荒神山のイノシシ対策
 ▽和田一繁議員=小中学校教育、日本一の映画ロケ地に、世界遺産
 ▽辻真里子議員=火災の罹災現場を通じて、神宮踏切の工事
 ▽山内善男議員=荒神山の森林伐採、はり・灸・マッサージ施術費給付、窓口業務の改善を、市役所の非正規労働者の処遇改善
 ▽夏川嘉一郎議員=未婚率改善、高浜原発再稼働に対し、荒神山の森林伐採
 ▽安居正倫議員=議会報告会で提案の意見、100歳大学の実施
 ▽八木嘉之議員=新市民体育センターと金亀公園再整備、不法投棄廃棄物の実情。

2016年3月5日土曜日

営繕社、「おいしくて安全な水」を作り出す浄水装置・ソリューヴの代理店

 彦根市日夏町のリフォーム業・営繕社(大森俊伸代表)は、「おいしくて安全な水」を作り出す浄水装置・ソリューヴの滋賀県内唯一の代理店だ。
 同社によると、公共の浄水場できれいになった水は、水道管の老朽化や農薬散布後の農業用水の混入などで、一般家庭に届く時には残留塩素やトリハロメタンなどの化学物質が含まれているという。
 ソリューヴは「活性化フィルター」と呼ばれる装置で化学物質を除去。水道管の元栓の内側に取り付けるため、飲み水のほか、洗面や洗濯、風呂など家中すべての場所で安全な水が提供できる。大きさも一升瓶ほどで、設置場所が小さくてすむ。
 メイプル・リンク(東京都文京区)が販売しており、県内では営繕社が昨年から代理販売を開始。これまでに湖東湖北を中心に県内で10台設置している。同社から導入した彦根市山之脇町の山本友香(ゆか)さん(39)は「ソリューヴを設置して、それまではペットボトルの水を買っていた主人が『家の水が一番おいしいな』と、つぶやいたことが一番嬉しかった。子どもたちと一緒に入る塩素なしのお風呂も、安全安心で、幸せなひと時です」と話していた。
 1台23万5000円(税別)プラス工事費。年に1回、フィルターを交換する。飲食店など企業向けもある。問い合わせは大森さん☎090(6602)1401。

2016年3月3日木曜日

亀山サッカースポーツ少年団が滋賀県大会・木下杯サッカー大会で優勝

 彦根市の亀山サッカースポーツ少年団が滋賀県大会(木下杯サッカー大会)で優勝。先月25日に市役所で優勝報告会があった。
 亀山サッカースポーツ少年団は亀山小や近隣小学校の5年生で組織のチーム。県大会には県内の小学5年生チーム約140団体が出場し、昨年10月から予選があり、先月21日に決勝が行われた。4位までが今月26、27日に大阪府堺市で開催の関西少年サッカー大会に出場できる。優勝報告会にはコーチと部員3人が参加。キャプテンでプロサッカー選手が夢だという田中拓海君(11)は「この大会の優勝を目標にしていました。まず一つの夢がかなって良かったです」と話していた。

自衛隊に入隊する彦根市民を迎えての激励会

 自衛隊に入隊する彦根市民を迎えての激励会が23日、市役所で開かれ、3人の若者が出席した。
 激励会に参加したのは、陸上自衛隊に入る彦根工業高校3年生の安居虎之介さん(18)=金沢町=と、コスタリカ人の母を持つ滋賀大学4年生の西川輝(ひかる)さん(24)=高宮町、航空自衛隊に入る社会人の中居直哉さん(25)=芹橋2丁目=の3人。
 3人を代表し、来日して9年だという西川さんは「9年間暮らした日本のために貢献したいと思っています」と抱負を述べた。
 市長は「近年の自衛隊は災害での救助活動や国外での任務も増え、活動に対する国民の期待は大きくなっている。心身を強く持ってがんばってください」と激励。安居さんは「多くの人たちの役に立ちたい」、中居さんは「体を壊すことがないよう努力していきたい」と話していた。
 自衛隊滋賀地方協力本部によると、彦根からはほか1人を含めた計4人、滋賀県内では約100人が新たに入隊する。

2016年3月1日火曜日

城陽小学校教頭で書家の堤豊宏さん作品集「『書』の世界 私の生き方修行」刊行。記念の作品展 味覚の宿 双葉荘で

 彦根市立城陽小学校教頭で書家の堤豊宏さん(60)=正法寺町=の2作目となる作品集「『書』の世界 私の生き方修行」が刊行。記念の作品展が21日から松原町の味覚の宿 双葉荘で始まった。
 堤さんは花園大学在学時に禅僧の墨跡にひかれ、卒業後は彦根や豊郷の小学校教諭として子どもたちに書道の指導を行いながら、各地で作品展などを開いてきた。中国湖南省での文化交流やドイツ・カールスルーエ大学でのワークショップなど海外でも活動している。
 1作目の作品集「私の生きた修業」は平成11年にモノクロで刊行。2作目は還暦を迎えたことや3月に教諭生活を終えることを踏まえ、これまでの作品から厳選した26点を収録。カラーで掲載しているため、筆の運びや墨の濃淡が楽しめるという。片岡鶴太郎さんらの講評も載せている。縦20・6㌢×横20・8㌢、48ページ。発行はサンライズ出版(鳥居本町)。
 2回目となる双葉荘での個展では作品集に載った「山」や「梅」、「佛心」など16点を展示。堤さんは「自身の生き方について作品を通して見つめ直そうと思って書いた作品を見てください」と話していた。3月13日まで、無休。作品集はカンパで提供している。