川は同館と隣接する滋賀県立大学の境目にあり、幅約3㍍、水深は深い時で2㍍以上に達するという。柵は地上からの高さが1㍍14㌢で、一区画に横に延びる4本のポールが付いており、ポールとポールには23㌢ほどのすき間がある。
1月の落下事故は、母親がもう一人の子どもの世話をするため、目を離したすきに起こり、転落を偶然に目撃した県立大の職員が救助したため、大事には至らなかったという。
市民代表や市職員によるふれあいの館運営委員会は、市道路河川課に柵の間への手すりの増設を求めたが、同館隣りの多景公園まで柵が数百㍍続いていることなどから、設置には至らなかった。そのため同館を管理する市子ども未来室では、駐車場の途中から遊具がある約50㍍の区間の柵にネットを今年7月に応急的に設置した。
道路河川課は本紙の取材に「転落防止のために基準通りに設置した柵であり、対策はなかなか難しい」としている。しかし、遊具の隣りにあるプールやグラウンド(いずれも市都市計画課が管理)でも、子どもたちが遊ぶ姿が見られ、ネットが設置されていない柵の間から川をのぞいて魚やカモを眺めているという。
同館の田中亮一館長(61)は「館を最も多く利用する2、3歳児はなかなか危険予知ができない。多景公園に遊びに来る子どもたちにとっても危険で、柵の間から川に落ちないような対策をしてほしい」と話している。
なお同館には昨年度、延べ1万2930人(うち幼児5993人)が訪れている。