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2013年9月30日月曜日

彦根市立ふれあいの館沿いの川に幼児が転落 鉄柵の改善急務

 彦根市八坂町の市立ふれあいの館沿いにある川(今川の支流)に今年1月、2歳児(当時)が鉄製の柵の間から転落していたことがわかった。同館では再発防止のため、柵の一部にネットを張って「応急措置」をしているが、子どもがネットの無い柵の間から川をのぞく光景が見られるといい、対策が求められる。
 川は同館と隣接する滋賀県立大学の境目にあり、幅約3㍍、水深は深い時で2㍍以上に達するという。柵は地上からの高さが1㍍14㌢で、一区画に横に延びる4本のポールが付いており、ポールとポールには23㌢ほどのすき間がある。
 1月の落下事故は、母親がもう一人の子どもの世話をするため、目を離したすきに起こり、転落を偶然に目撃した県立大の職員が救助したため、大事には至らなかったという。
 市民代表や市職員によるふれあいの館運営委員会は、市道路河川課に柵の間への手すりの増設を求めたが、同館隣りの多景公園まで柵が数百㍍続いていることなどから、設置には至らなかった。そのため同館を管理する市子ども未来室では、駐車場の途中から遊具がある約50㍍の区間の柵にネットを今年7月に応急的に設置した。
 道路河川課は本紙の取材に「転落防止のために基準通りに設置した柵であり、対策はなかなか難しい」としている。しかし、遊具の隣りにあるプールやグラウンド(いずれも市都市計画課が管理)でも、子どもたちが遊ぶ姿が見られ、ネットが設置されていない柵の間から川をのぞいて魚やカモを眺めているという。
 同館の田中亮一館長(61)は「館を最も多く利用する2、3歳児はなかなか危険予知ができない。多景公園に遊びに来る子どもたちにとっても危険で、柵の間から川に落ちないような対策をしてほしい」と話している。
 なお同館には昨年度、延べ1万2930人(うち幼児5993人)が訪れている。

春風亭昇太さん彦根城の世界遺産で講演「世界に知ってほしい城」

 世界遺産登録に向けて彦根城の価値を市民に再認識してもらおうと、城好きで知られる落語家の春風亭昇太さんを招いた講演会が23日、文化プラザで開かれた。
 昇太さんの落語の後、「笑って学ぶ世界遺産」をテーマに滋賀県立大学の中井均教授との対談形式で行われ、昇太さんは彦根城内にある防御用の登り石垣や大堀切に触れながら「彦根城は世界の人に知ってもらいたい城。是非、世界遺産になって」と話した。
 また出身地・静岡市の三保の松原が有志によってきれいになり、世界遺産になったことを例にあげながら「地元の人がどういう気持ちでいるかが大事。彦根のまちの人がもっと彦根城のことを知ってもらうことが大切」とアドバイスした。
 講演会は市と彦根ユネスコ協会の共催で、約270人が来場した。

2013年9月27日金曜日

滋賀キッズスピーチコンテスト 県内小学生対象 ミシガン大と滋賀学園で練習会

 県内の小学生を対象にした「滋賀キッズスピーチコンテスト」が11月17日に滋賀県立大学(彦根市八坂町)で開催されるのを前に、練習会がミシガン州立大学連合日本センター(松原町)と滋賀学園高校(東近江市)で開かれている。今月14日には最初の練習会が同センターであった。
 子ども向けに国際教育の推進活動をしているボランティア団体・KENA(きいな)=事務局・彦根市西今町=が初めて企画したコンテストで、課題文を覚えて発表する「暗誦」、帰国子女または英検3級以上の所持者対象の「作文」、日本語を第一言語としない子ども向けの「日本語」の3コースを用意。
 最初の練習会の14日には県内の小学1年~6年生が暗誦に15人、作文に3人参加。1~4年生と5、6年生の2部屋に分かれ、同センターの学生8人から英語の発音の仕方や文法などを習っていた。
 暗誦コースに参加している城南小6年生の上田望愛さん(12)は「自分の思いを英語で正しく伝えたいという思いから参加した。コンテストの本番に向けてスラスラ言えるようにこれからも練習したい」と話していた。
 コンテストは11月17日午後1時半~スタート。練習会を含めて参加無料。初心者も可。練習会は同センターで今月28日、滋賀学園高で10月13日と27日に、いずれも午後2時~。コンテストの申し込み締め切りは10月27日。
 KENA代表の大江英美子さん(40)は「国際社会に羽ばたいていける人材育成を目指して企画した。練習会は何回でも参加できるので、気軽に来てほしい」と話している。問い合わせは大江さん☎(28)3734。

村井宏二さん・由美子さん夫妻の絵画展 ギャラリーコジマで

 彦根市銀座町のギャラリーコジマは29日まで、村井宏二さん(66)・由美子さん(66)夫妻=近江八幡市=の絵画展を開いている。
 村井夫妻は30年ほど前から一緒に仕事をしながら、洋画を描き始めた。宏二さんは油彩や岩絵の具などを混合させる技法で主に滋賀県内の風景を描き、由美子さんは6年前から鉛筆による制作をしてきた。
 ギャラリーコジマでは、宏二さんが描いた竹生島や八幡堀、醒井などの風景画20点と、由美子さんによる京都のヴォーリズ建築や静物など17点を展示。27、28、29日に在廊する。
 開館は午前10時半~午後6時。平和堂銀座店の駐車券あり。

2013年9月26日木曜日

台風18号被害の高島市支援のボランティア 彦根市社協が募集28・29日

 先日の台風18号で浸水などの被害が出た高島市内で支援活動をするため、彦根市社協(平田町)は28、29日の活動に参加できるボランティアを募集している。22、23日にも支援活動を行い、2日間で市民や高校・大学生ら計20人が参加した。
 作業内容は泥かき、清掃、家財の搬出など。対象は市内在住・在勤・在学者。両日とも午前6時半までに市社協に集合し、バスで高島市内へ向かい、活動後、午後6時ごろに戻る。
 持ち物は長靴、帽子、マスク、タオル、飲み物、弁当など。汚れても良い服装で。参加無料。ボランティア保険料は市社協が負担する。申し込みは27日午後5時15分までに市社協地域福祉課☎(22)2821。
市民団体も活動
 ボランティア団体・サラン彦根の十河勇一さんや油藤商事(豊郷町)の青山裕史さんのグループも22、23日に高島市内で支援活動をした。彦根市民のほか、滋賀大、県立大の学生も加わり、22日に23人、23日に12人が作業を行った。29日にも支援活動を予定している。問い合わせは十河さん☎090(1675)7839。

ひこにゃんがメディアジャック 大阪の女性専用車両で

 ひこにゃんの写真入りの中づり広告を電車内に埋め尽くした「メディアジャック」が、17日からJR西日本・大阪環状線の女性専用車両で行われている。
 彦愛犬1市4町によるびわこ湖東路観光協議会と小江戸彦根城まつり実行委員会との共同事業で、彦愛犬への観光客の誘致を目的に昨年度から実施。広告はひこにゃんと玄宮園の風景の面と、もう一面にひこにゃんと豊郷のよいとちゃん、彦根城天守、西明寺、胡宮神社などの名所を紅葉の風景と合わせて載せている。「湖東の秋色、乙女を染める。」のキャッチフレーズと共に、色彩を柔らかくした女性目線が特徴だという。
 10月2日までの16日間、一日5~23便運行される車内に広告がつられている。

2013年9月24日火曜日

彦根城の白鳥と黒鳥 風切り羽 切ってもらう

 彦根城内の堀にいる白鳥と黒鳥の風切り羽を切る作業が17日、金亀町の彦根城管理事務所で行われた。
 城内には内堀に白鳥5羽、黒鳥2羽、中堀に1羽ずつの計9羽がいる。堀から飛び立たないよう毎年1回、羽の一部を切っており、今年は先月26日から順番に切っている。
 この日の作業には職員8人があたり、中堀の黒鳥と白鳥の1羽ずつを抑えながら、1人が羽を約30㌢、片方で15枚ほどを丁寧に切り取った。人で例えれば、つめや髪の毛を切るような感覚で痛みはないらしく、作業後、白鳥たちは何事もなかったかのように水面を元気に泳いでいた。

ひこね市文化プラザ次期指定管理者決まる 玉虫色の決着

 彦根市議会9月定例会の議案採決が19日に行われ、平成25年度一般会計補正予算案(4億2412万円)や文化プラザの次期指定管理者関連案など28議案が可決。国民体育大会の主会場を県立彦根総合運動場一帯に招致を求める意見書が採択された。昨年度の決算は継続審査になった。
 今議会の焦点だった文化プラザ関連議案に対しては、開会直後に山田多津子議員から「継続審査」を求める動議が出されたが、反対多数で否決。その後の討論では賛成・反対の立場から討論が行われ、そのうち田中滋康議員は「市教委の職員が公募前に東京や大津に出向いて応募を依頼したことは、特定の業者に肩入れしていると言える」などと指摘。採決の結果、田中、山田、山内善男、有馬裕次、辻真理子、野村郁雄の6議員が反対したが、賛成多数で可決された。
 閉会後、現管理団体の一つNPO法人ひこね文化デザインフォーラムの武野貞嗣理事長は本紙の取材に「多くの一般市民が知らない所で行政と議会が決めていって良いのか。文化はそのまちの空気みたいなもので、薄くなることが危惧される」と嘆いていた。
全市議に怪文書
 文化プラザ関連議案の反対派から市議会の全議員に対し、「賛成議員の責任を追及する」などとする怪文書が17日までに届いた。
 怪文書では「栗東さきらと同様に現行職員が一人もいなくなったら、賛成議員は責任がとれるのか」「賛成した議員、一人一人を特定し、(次の)選挙に向けてその責任を徹底して追及する」などと記されている。名前などは書かれていない。
白熱した議論を
事前調査と問答準備
 今議会は文化プラザの指定管理者問題が話題となり、小生も質問と答弁を聴くため、議場内の記者席で幾年かぶりに傍聴した。そのため、顔見知りの何人かの議員さんからは「久しぶりやね」などと声をかけられた。
 もちろん、これまでの一般質問をサボっていた(傍聴していない)わけではなく、庁舎内にあるテレビ越しで聴いていた。それほど、今議会の文化プラザの問題は傍聴席を満席にした市民同様にニュース性があった。
 さて、その当事者の皆さん(市議と市職員)の議論についての感想だが、ほかのテーマの質問も含め、市職員をたじろがせる議員もいれば、追及が甘い議員もいることが改めてわかった。その違いの原因は事前調査と問答の準備にあるようだ。
 例えば、市さえも把握していないような情報(ネタ)を事前に入手し、それを質問にはめ込むと、市が準備していた答弁の効力が薄れ、紙面上ではない議論となり、場合によっては市側の本音を暴くこともできる。それは事前に問答を準備・予想した上での議論も同様だ。
 事前通告の質問から市の答弁を得るというレール(紙面)上での議論では、聴いている者には何も響きはしないし、しいては市の発展のためにもならない。
 議員諸氏には、次回以降の市議会にも多くの市民が傍聴に訪れるよう、白熱した議論を求めると共に、記者席で再びお会いできるテーマがあがるのを切に願う次第・・・。    (山田)

ひこね市文化プラザ問題の総括

 文化プラザの次期指定管理者問題は、選定過程などであらゆる問題が明らかになっている中、玉虫色のままで決着しそうである。この問題を最初に報じた火付け役の一人として以下、総括したい。
 文化プラザの来年度以降の5年間の指定管理者を決めるため、市教委は今年4月に公募を行い、現運営団体を含む5団体が応募。市教委指定管理者候補者選定委員会は施設管理業者のケイミックス社(東京都港区)を候補に選んだ。しかし、文化プラザを利用していた有志らが「市民による運営の継続」を求めて署名活動を行い、約4000人の署名入りの要望書などを市長と議長に提出。本紙や地元他紙には投書が相次いで掲載され、市民の注目の問題になった。
 この問題が大きくなった本質論としては、今日付けの本紙記事で取り上げた市側のさまざまな疑惑からもわかる通り、指定管理者の選定段階において市の意向をできる限り反映させる意図があったことのほか、「殿様文化」に代わる革新的な彦根の文化を目指して取り組んできた市民有志の芽を、行政の独断により潰される恐れがあることである。
 ケイミックス社がどれほど彦根の文化を理解しているのかは存ぜぬが、市が理解していないとは到底、思えない。現運営団体やその周辺には、彦根のまちづくりに携わる「物言える」面々が揃っており、市にとっては目障りだったのかも知れぬ。また指定管理料が縮減されることも、市にとってはおいしかったのであろう。
 つまり(あくまで推測だと信じたいが)、市は彦根の文化の醸成よりも、財政支出の抑制と商業優先のイベント開催を優先させたと言えよう。来年度から5年間の彦根市の方向性を知る意味において、重要な議案であることに違いはない。(山田貴之)

2013年9月20日金曜日

台風18号で被害の高島市支援でボランティア募集 21日〜23日の3日間


 彦根市社協(平田町)は台風18号で浸水などの被害が出た滋賀県高島市内で21日から23日まで支援活動できるボランティアを募集している。
 主な活動内容は泥かき、清掃、家財搬出などのほか、被災者の手伝い。3日間とも、午前6時半までに市社協の事務所まで集合し、夕方まで支援活動を行う。送迎バスが出る。
 対象は市内在住・在勤・在学者。持ち物は長靴、帽子、マスク、タオル、飲み物、弁当など。汚れても良い服装で。参加無料。ボランティア保険料は市社協が負担する。
 申し込みは21日午後5時15分までに市社協地域福祉課℡(22)2821。

2013年9月19日木曜日

文化プラザ関連議案の可決濃厚 19日採決

 今議会の焦点になっている文化プラザの来年度の指定管理者に関する議案は、市議会最終日の19日に賛成多数で可決される方針だ。選定時における市のさまざまな問題が明らかになっている中での決着に、市と市議会による説明責任が問われそうだ。        
 この問題を巡っては市議会一般質問で6人の市議が取り上げ、▽選定委員会の委員8人のうち市職員が4人を占めていた▽選定委員の市職員が次期指定管理者候補のケイミックス社(東京都)を訪問し応募を促していた▽選定項目に現運営団体に不利な項目があるなど最初から現運営団体を落とす意図があった▽ケイミックス社が運営している栗東さきらでは元従業員がほとんどいない(一人しかいないとの声も)―点などを指摘していた。
 一方で、賛成派議員からは▽ケイミックス社が全国の同様施設で27館を運営している▽市民団体が行ってきた文化関連事業はほかの施設でもできる▽関連議案を否決した場合、損害賠償の恐れや次年度はしばらく市の直営になる―ことなどをあげていた。
 採決では関連議案に対して市議5、6人が反対し、残りが賛成に回ることが予想され、可決される見込みだ。
教育常任委員会で可決
 文化プラザの次期指定管理者の関連議案を協議する市議会の福祉病院教育常任委員会(小川喜三郎委員長)が13日に行われ、賛成4、反対3で可決された。
 委員会では山田多津子議員が「ケイミックス社が指定管理となっている栗東さきらの常勤従業員15人全員が非正規である」と、雇用面での問題を指摘。市側は「企業がどのような雇用形態をとられるのか、行政は関与できない。(ケイミックス社には)正規で考えて頂けると思うが、調整の段階で努力していきたい」と答えた。
 委員会では、選定委員に配布された応募5団体の提出書類をまとめたダイジェスト版の提示を求める案が賛成多数(4人)で決められ、初めてダイジェスト版が委員に公表される場面もあった。
 委員会はほかの4議案を含め、約5時間行われ、文化プラザの指定管理者問題の議案では、有馬裕次、山田の3議員が反対したが、渡辺史郎、杉本君江、前川春夫、北川元気の4議員が賛成し、可決された。

台風18号で彦根・犬上も被害 湖岸には流木も

 15日夜から翌日朝にかけて日本列島を縦断した台風18号の影響で、彦犬地区を流れる芹川や犬上川、愛知川が「はん濫危険水位」を超え、16日朝には彦根市内13学区の約2万2000世帯・約5万8000人を対象に避難指示が発令。市内64施設に避難所が開設され、約1400人が避難した。
 市や彦根署によると、台風18号により、少なくとも3人がけがをした。そのうち16日午前9時25分ごろ、彦根城天守内で雨漏れをした箇所をふいていた臨時職員の男性(51)が、強風で倒れてきた雨戸に当たり、頭に軽い打撲を負った。鳥居本町では3棟が床下浸水したほか、市内各所で道路冠水や街灯の転倒、倒木などの被害が出た。農作物は湖岸沿いの稲枝地区の田んぼや畑が浸水被害にあった。
 このほか、松原水泳場など琵琶湖の浜には大量の流木やごみが打ち上げられている。

2013年9月18日水曜日

近江鉄道ほほえみ園で、おじいちゃん・おばあちゃんに送る木はがき作る

 敬老の日に合わせて、幼児が祖父母宛ての便りを作るイベントが8日、近江鉄道彦根駅前の保育園・ほほえみ園で開かれた。
 「はじめてのおたより体験」と題し、滋賀県内の間伐材で作られた木製はがきで便りを作るイベントで、市内の3、4歳の子ども3人とその両親が参加。子どもたちは紙製と同じ大きさのはがきに、ペンを使って祖父母の似顔絵やアンパンマンを描いたり、手形を押したり、「ありがとう」と書いたりして、30分ほどで仕上げた。
 同園では今後も記念日に合わせて同様のイベントを開催する予定。なお同園には0~6歳の乳幼児約20人が通園している。

2013年9月14日土曜日

ひこね市文化プラザ指定管理者問題、市長「(採点結果)さらっと見ただけ」、選定委員が東京赴きケイミックスに応募要請

 9日から11日まで行われた彦根市議会9月定例会の一般質問は、文化プラザの指定管理者問題に質問が集中した。
 会派代表質問で夢みらいの有馬裕次議員は「この5年間、文化プラザを運営してきた団体(ひこね市文化プラザ運営共同事業体)をどのように評価しているのか」「雇用の継続は」などと質問。
 市教委の辰巳清部長は「これまでの団体は5段階評価で2・9~3・2で適正である」「雇用は基本的には雇用者(新しい指定管理者)と雇われる側との話で、市が関係できるものではないが、十分な配慮はしていきたい」などと答えた。
 個人質問では辻真理子議員の「選定委員会の委員8人のうち市職員4人が占めたことに問題はなかったか」との質問に、大久保市長が「そうした見方もできるかもしれない。選定委員による採点結果はさらっと見ただけだ・・・」などと口を滑らし、辻議員から「さらっと見ただけで、議案として提出するのか」と追及される場面もあった。
 また「市民の手による運営」を求める約4000人の署名が市長と議長に提出されたことに対して、市長は「次の管理者には重く受け止めてほしい」と答えた。
議場傍聴席ほぼ満員
 市議会議場は9日、文化プラザの問題を傍聴しに来た市民であふれかえり、定員45人に迫る場面も何度かあった。
 議会事務局によると、この日だけで延べ約70人が訪れ、ここ最近では最も多かったという。
選定委員が上京し応募促す
 文化プラザの指定管理者問題に対しては、10、11日の一般質問でも各議員がさまざまな角度から質問を行い、幾つかの問題を明らかにした。

 そのうち田中滋康議員は、来年度の指定管理者候補を決めた選定委員会の委員8人のうち4人を市職員が占めていたことについて▽委員に配布した公募団体の書類をダイジェスト版にしていたことは、市教委の思うようにまとめることができる▽選定委員の一人が募集に合わせて東京まで赴き、応募を促したことは明らかに現在の運営団体を外す意図があった▽32の審査項目のうち、類似施設の運営実績を問う項目があるが、現在の団体は文化プラザしか受けたことがなく、低い点数になっている―と指摘。
 その中で、選定委員が募集のために上京した点について、市教委の辰巳清部長は「公募要項の規定は公募開始後の接触を禁じているだけ。事前の広報活動を実施したまで」と回答。これに対し、田中議員は入札の際に応募を要請するかと確認を求め、市の入札担当者は「市から業者へ連絡することは無い」と、事前の広報活動に市内部からも疑問を呈した。
 また運営実績の問いに、市教委の辰巳清部長が「類似実績がない団体については運営実績が無いとする評価になる」と返答したことに、田中議員は「項目から外すべきであって、評価基準に問題があった」と批判した。
 このほか、田中議員は署名活動をした団体代表宅に市教委の職員が訪れたことをあげ「圧力をかけたのでは」と指摘。辰巳部長は「文化振興業務として日常的に訪問している方々で、相談を受けたことから署名活動に至った経緯や真意をお聞かせいただいた」と答えた。
 最大の懸念になっている現職員の雇用の継続については、文化プラザ問題を取り上げた有馬裕次(会派代表)、辻真理子、安澤勝、田中、山内善男、野村郁雄(以上個人)のすべての議員が質問。
 辰巳部長は、指定管理者と締結する協定書に雇用の義務付けを盛り込むことができないとした上で「ケイミックス(指定管理者候補)側から、条件が合えば、積極的に雇用したいとの提案があり、現職員対象の現地説明会も開催する」と述べたが、「条件」がどういう内容なのかを問われる場面もあった。
文プラ問題で意見交換
 文化プラザの指定管理者問題についての勉強会が7日、文化プラザであり、市民20人が話し合った。市民団体・誰のまちやねん彦根が主催し、4、5人ずつでメンバーを交代しながら「こんな文化プラザを望む」「課題は何か」などのテーマについて意見交換した。
 参加者たちからは「5年間で指定管理者を代えることは職員の身分が不安定」「市は(文化プラザを)彦根の文化の拠点施設と考えているのか」「市民はもっと文化プラザに関心をもつべきでは」などの意見が出た。

とよさと軽音楽甲子園 出場の高校生バンド募集

 豊郷町商工会は、10月26日に豊郷小学校旧校舎群の講堂で行う「とよさと軽音楽甲子園」に出場する高校生バンドを募集している=写真は昨年。
 旧校舎群はアニメの「けいおん!」に登場する校舎のモデルとされ、年間約5万人が集まる観光名所になっている。同商工会では音楽の力で地域を活性化させようと2年前から軽音楽甲子園を開催しており、関東地方から沖縄までの高校生の団体が参加。3回目となる今年はNHK大津放送局が制作するドラマ・田上トパーズ!の収録も合わせてのイベントとなる。
 応募条件はメンバー全員が高校在学中で、決勝大会に同行できる20歳以上の引率者がいること。今月20日までに、エントリーシート、メンバー全員の顔が分かる写真、自信のある曲を録音したCDかMDを豊郷町商工会に郵送で応募。
 一次審査を勝ち抜いた5バンドが決勝のステージへ。審査は3人組バンド・クラムボンのmitoさんら審査員が行う。最優秀賞、優秀賞の各賞に賞状・トロフィー・メダルを贈る。問い合わせは同商工会☎(35)2022。

2013年9月10日火曜日

旧井伊神社 特別公開へ

 彦根市古沢町の旧井伊神社の社殿が14日に特別公開される。
 井伊神社は井伊家の始祖・井伊共保(ともやす)をまつる霊廟として、天保13年(1842)の750回忌の時に龍潭寺(古沢町)の参道脇に井伊八幡宮として造営されたのが始まりで、社殿は弘化2年(1845)に建てられた。明治2年から井伊神社と呼ばれるようになったとされる。今年2月に建てられた新しい社殿に祖霊が移され、同月に市の指定文化財に指定された。
 旧井伊神社は入母屋造りの本殿と拝殿が相の間で結ばれる権現造りで、華やかな意匠が随所に施されており、江戸時代後期の高い技術を見ることができる。当時から一度も再建されていないため、価値が高く、市教委文化財課は「色彩豊かな建築、特に本殿内部の天井画にはぜひ注目してほしい」としている。
 特別公開は今回で2回目。写真撮影可。公開時間は午前10時~午後3時。問い合わせは文化財課☎(26)5833。

ビバシティで読み聞かせ始まる毎週火曜、親子でもっと触れ合う時間を

 親子で触れ合う時間を増やしてもらおうと、NPOぽぽハウス(彦根市小泉町)は絵本や紙芝居など読み聞かせを行う「おはなし隊」を市民ボランティア8人で結成。今月から毎週火曜日にビバシティ彦根2階のちびっこ広場で、乳幼児と保護者を対象に読み聞かせを始めた。
 同団体は6年ほど前から月に1回、体操や歌、手遊びなど親子でスキンシップの遊びをしてもらう「むぎゅむぎゅタイム」を同広場で実施してきたが、買い物目的で足を運んできた親子がもっと気軽に参加し、同広場を有効的に使ってもらおうと、読み聞かせも取り入れることにした。
 同団体子育て支援部代表の福井久美子さん(54)=彦根市原町=は「毎週火曜の買い物の合間に、ここに来れば親子で触れ合えるという気軽な気持ちで、スキンシップをとっていただければ」と話している。
 読み聞かせの事業は平和堂財団の「いきいきすくすく淡海っ子活動」の助成金(約6万円)を受けている。読み聞かせは毎月2~4回の午前11時~、むぎゅむぎゅタイムは毎月1回午前10時半~と同11時40分~。いずれも参加無料。対象は1~4歳の子どもと親。
 また、読み聞かせなどを行う話好き・子ども好きのボランティアも募集。問い合わせはぽぽハウス☎(21)0664。

2013年9月7日土曜日

近江鉄道バス復刻版 運行へ 昭和カラーで

 近江鉄道は、昭和50年代後半から60年代にかけて走らせていたバスを復刻し、3日に報道陣に公開した。7日に守山市内で走らせた後、順次、県内各市で運行する。
 運行当時、乗車していた年代の人に懐かしさを感じてもらうと共に、初めて見る人には新鮮さを感じてもらおうと企画。建設が盛んに行われていた高速道路で走った際に目立つことを目的にしたデザインで、薄緑色を基調に赤と緑のラインが入った「昭和カラー」。32座席、定員約70人。復刻版のバスは今月、2台を大津と野洲の営業所管内のバス路線で導入し、今年度中に計5台ほどを運行させる予定。
 また昭和カラーの復刻版の運行を記念した乗車券(近江鉄道バス専用)も1部1000円で発売。限定1000部で、7日にピエリ守山で開催の「バスの日まつりinびわこ」で販売されるほか、13日からは近江鉄道本社(彦根市古沢町)や県南部の各案内所窓口でも順次、販売される。

要潤トークショー「映画見て」

 市民団体・彦根を映画で盛り上げる会はひこね燦ばれすで2日、映画「劇場版タイムスクープハンター・安土城最後の一日」に主演している俳優・要潤さんのトークショーを開催した。
 会場には前日に彦根城内で実施されたスタンプラリーに参加した県内外の320人が来場。舞台上では、要さんと中尾浩之監督が映画化へのいきさつや映画作りの難点、舞台裏エピソード、滋賀で食したおいしい物などの話に花を咲かせた。
 映画内容について、中尾監督は「ジェットコースターのような映画になっている。アトラクションに乗ったような気分で見てください」と語り、要さんは「見所がたくさん詰まっている映画なので、ぜひとも映画館に足を運んでください」と呼びかけた。イベントの最後にはひこにゃんも登場し、要さんや中尾監督に花束を渡して厚い握手を交わした。

2013年9月5日木曜日

障害児の通所施設・はばたき平田町にオープン

 彦根市平田町に障害児の通所施設「はばたき」がオープンし、1日に開所式が開かれた。
 NPOぽぽハウス(山脇昤子理事長)が、障害児が社会に出た時に健常者と同じような生活ができることを目指し、小泉町の事務所前に平成22年に開所した同名施設の規模を拡大し移転する形で新築。木造2階建て延べ377平方㍍の建物で、車いすを使う子どもが利用しやすく、職員も介助しやすいバリアフリー構造が随所に採用されている。
 通所の対象は小学5年生(10歳)~18歳の障害児20人まで。おやつ作り、花・野菜の栽培、そうじ・洗濯、買い物などの生活を体験する。オープン時間は午前9時半~午後6時。職員は常勤3人を含め介護福祉士やヘルパー、養護教員などの資格を持つ9人。
 開所式には大久保市長、県議、市議、ぽぽハウスの職員ら77人が参加。山脇理事長は「この新しい建物に負けない中身のある施設になるよう、職員一同、精一杯がんばりたい」と述べた。問い合わせははばたき☎(27)2788。

要潤さん彦根西中サプライズ訪問

 俳優の要潤さんが2日、主演を演じる映画「劇場版・タイムスクープハンター」のPRのため彦根を訪れた。午前中には市立西中学校をサプライズ訪問したほか、ビバシティシネマとひこね燦ぱれすでのトーク会にも参加した。
 映画は安土城を舞台にした作品で、彦根城などで撮影が行われた。サプライズ訪問は彦根を映画で盛り上げる会主催で行われ、西中学校では体育館に全校生徒281人が集まり、体育祭のDVDを見た後、突然、映画の予告版が流れ、要さんが登場すると、どよめきと拍手が沸き起こった。
 登壇した要さんは司会の川村久子教諭から「中学校時代の思い出」や「役者になろうと思ったきっかけ」などを聞かれ「中学時代は陸上部で三種競技をしていた。歴史は不得意だった」「体力をいかしながら奥深い仕事をしようと役者を目指して上京し、新宿でスカウトされた」などと話した。
 生徒代表として登壇した3人のうち生徒会副会長の松本美緒さん(14)=3年生=は「もし時空を超えられるとしたら、どの時代にいきたいか」と質問。要さんは「過去よりも5年、10年後を見てみたい」と答えた。
 最後に要さんは「映画や音楽など文化が大切。学校では教えてくれないことが詰まっている。すばらしい人生になるよう応援している」とアドバイスした。
 花束を渡した若林美織さん(15)=3年生=は「6月の試写会で要さんを見たが、実物の方がかっこよくて、紳士的だった」と話していた。

文化プラザの市民の手による運営求め4000人の署名提出

 ひこね市文化プラザの指定管理者の候補が施設管理業者・ケイミックス(東京都港区)に選定されたことに対し、市民団体が「市民の手による運営」を求める署名活動を実施。大久保貴市長と谷口典隆市議会議長に約4000人ずつの署名入りの要望書と陳情書を提出した。
 署名活動をした団体は「彦根市民による文化芸術活動を守る会」で、彦根文化連盟会長と彦根音楽連盟理事長の名前が代表者として明記。両書面では、現在の管理団体・NPO法人ひこね文化デザインフォーラムが「市民とともに歩む文化プラザを実践し、地域文化の新たな芽が出てきた」「様々な公演を提供することは(中略)大事ですが、地域の文化はそこで活動してきた地域団体が市民と協働して作り上げるもの」などとし、市民の手による文化プラザの運営が引き続き行われる事を要望している。
 同会によると、先月23日から28日の6日間で、要望書が3935人、陳情書が4025人の署名が集まり、市長と議長に提出したという。

2013年9月4日水曜日

秋川雅史さんと歌う彦根特別合唱団 結成

 今秋に文化プラザで開催されるテノール歌手・秋川雅史さん出演のコンサートに合わせ、秋川さんと一緒に歌う「彦根特別合唱団」が結成された。先月30日に最初の練習を行った。
 文化プラザが音楽人口を増やしていこうと今年6月から募集し、彦根を中心に県内各地から当初の予定を上回る応募があり、小学生から80歳代までの148人が入団した。
 秋川さんとは、千の風になって、あすという日が、まつり、ふるさとの4曲で共演。同合唱団の単独としても赤とんぼ、上を向いて歩こう、Believeを披露する予定。公演当日までの計7日間 夜間に練習する。指導者は声楽家の高木充江さん(56)=彦根市上稲葉町=が務めている。
 なお公演日時は11月17日午後3時~。秋川さんとオーケストラアンサンブル金沢によるコンサートで、そこに同合唱団も加わる。全席指定。S席4500円、A席3500円。問い合わせは文化プラザチケットセンター☎(27)5200。

亡き父と、娘の中野裕子さん「二人展」京都銀行彦根支店で

 「父と娘 二人展」が京都銀行彦根支店2階(大東町)で9月2日から開催されている。
 「娘」の中野裕子(雅号・信水)さん(69)=中薮町=は、当時5カ月だった昭和20年7月3日に父・太田政信さん=享年33歳=を戦争で亡くした。後に、父との共通の趣味が絵画だったことを知り、5年前に父の描いた絵を見つけたことから、二人展を思い立ったという。
 展示点数は、父の画が日本画中心で、山陰線・花園駅舎などの風物を主に描いている。そのほか、細かいタッチで描いたスケッチ画や自画像も。作品数は100号の大作と二曲屏風1点、スケッチ4点、色紙5点。
 中野さんの画が静物を主にした水彩画をはじめ、仏画、季節の様子をつづった俳画などバラエティに富む。そのうち、南米アルゼンチンのパタゴニア地方にある世界自然遺産・ペリト モレノ氷河を描いた作品は、中野さんの娘・出水稚子(いずみわかこ)さん(39)=東京都=と8年前に旅行に出かけた際の風景。水彩画の現代技法を活用し、氷河の迫力を引き立てている。作品数は80号5点、30号5点、10号10点、俳画12点、仏画10点など。
 中野さんは「父は、本当はもっと絵を描きたかったのだろう。父の絵が出てこなければ、私もこのような形で作品展を開くことはなかった」と話していた。
 開催期間中は中野さん本人も会場にいる。開催時間は午前10時~午後5時、最終6日のみ午後4時まで。

2013年9月3日火曜日

玄宮園に田んぼ出現!江戸期を復元、当時の民具で刈り取りも

 玄宮園内に田んぼが登場しており、収穫を控えて青々と茂っている姿が観光客の目にとまっている。
 江戸時代に描かれた玄宮園図などには、園の入り口付近の約100平方㍍に田んぼが載っている。規模が小さいため、市教委文化財課によると、何らかの神事用に植えられたとされる。
 同課では「復元」を目指し、職員が知人から分けてもらったコシヒカリとキヌヒカリの苗を今年5月25日に植えた。来月中旬に収穫を予定しており、職員が江戸時代の民具を使って刈り取る予定。来年以降も園内で育てる方針で「子どもたちに収穫体験をしてもらうことができれば」としている。

2013年9月2日月曜日

福島県富岡町に栽培・収穫したジャガイモ贈る城南保育園の園児ら

 彦根市立城南保育園の園児らが市内の畑で育てたジャガイモを、東日本大震災で被災した福島県富岡町に贈ることになり、園児代表が27日に彦根西今郵便局を訪れて発送した。
 ジャガイモの栽培には、城南保育園の4、5歳児122人のほか、市の支援事業として、年齢などを理由に職に就けない中間就労の65歳未満の9人と、自宅にひきこもりがちの65歳以上の高齢者12人が参加。4月上旬に市内4カ所(うち園児は1カ所)の畑に苗を植え、7月中旬に収穫した。
 園児たちは今月19日に市の出前講座で、震災による被害や現在の状況を把握した上で、4、5歳児が被災地への思いを込めた絵22枚を制作。彦根西今郵便局には園児代表の8人が訪れ、大中小の箱に分けられた計38㌔㌘のジャガイモと絵、手紙を板東成剛局長(50)に渡した。園児たちは「いっぱい食べてほしい」と笑顔で話していた。
 ジャガイモなどは富岡町の住民の一時避難所になっている郡山市とその周辺の保育施設に届けられる。

2013年9月1日日曜日

子どもの結婚へ親同士がお見合い長浜で9月26日

 子どもの結婚のために親同士の代理お見合いを全国で展開している「良縁親の会」(京都市)は、9月26日午後1時~長浜市大島町の長浜文化芸術会館で結婚支援フォーラムを開く。
 同会は長浜市出身の脇坂章司さんが代表を務める。結婚適齢期の子どもに代わって親がお見合い相手を見つけるフォーラムを全国で開いており、これまでの参加者は1万人を超える。
 フォーラムでは、子どもの職業や年齢、身長、趣味、性格などのプロフィールを掲載した名簿をもとに親が子どものお見合い相手を探し、条件が合えば、親同士で身上書を交換。子ども同士のお見合いにつなげる。成婚報告や追加費用はなく、気軽に参加できるのが人気の理由ともなっている。
 定員は先着100人。参加費1万円。申し込みは9月18日までに同会☎075(213)0506へ。

デフリンピック柔道2階級で銅メダル 山田光穂さん

 今月4日までブルガリアで開かれた夏季デフリンピックに柔道の100㌔以下級と無差別級に日本代表として出場した山田光穂(こうすい)さん(32)=彦根市金沢町=が、2階級で銅メダルを獲得。27日に市役所で報告会が開かれた。
 デフリンピックは4年に1回開催される聴覚障害者のオリンピック。今年は約75カ国から約5000人(うち日本選手149人、滋賀県内2人)が出場。山田さんは前回の北京大会にも出場し、その時は100㌔以下級で金メダルを獲得した。
 報告会で山田さんは「連覇できずに応援してくれた方々には申し訳ないことをしました。しかし皆さんの応援のお陰で銅メダルを2つ獲得できたので、本当に感謝しています」と述べた。
 大久保貴市長は「大いに誇らしく思っていただいていいと思います。次回のデフリンピックで雪辱を果たしていただきたい」と語った。