設置した近くに住む男性(68)によると、祖父が植えたセンダンの木の前に10年ほど前に1脚目のベンチを設置。しかし背もたれがなかったため、約3年前に改修して今の形になった。大人3、4人が座れる大きさ。
2脚目が完成して以降、来訪者たちがツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどSNS上に掲載し、最近では「あのベンチ」と命名されて拡散。県内外からバイクや自動車、自転車で撮影しに来る家族連れや友人同士、カップルらの光景がみられ、特に眺めが良い夕方には多くの人が訪れている。
SNS上では「どこか懐かしいような雰囲気を醸(かも)し出しています」「何気ないこの風景。まったりとしたこの時間がたまらなく好き」「これは良い所ですね。おっさん一人で行くのはもったいない気がしました」などの感想が明記。本紙記者が訪れた際に座っていた県内の女性(29)は「のんびり湖を眺めると雑多な日常を忘れられ落ち着く。いつか大切な人と来たいです」と話していた。
設置した男性は「最初は琵琶湖の美しい眺めを夫婦で見ようと、なにげに設置したが、いつの間にか人気スポットになった。多くの人が来てくれることはうれしい」と語っていた。
ただ、「あのベンチ」は民家前にあり、到着までに集落内も通るため、騒音などの注意が必要だ。