県や市によると、太陽光パネルの設置申請があったのは平成26年8月27日。市は風致地区における建築等の規制に関する条例に基づき9月5日に許可し、県も自然公園法に基づいて認めている。平成27年8月中旬には県に「獣害対策」として森林伐採の申請があり、県は現地視察を経て9月に認可した。
その後、伐採が始まったが、住民からの報告を受けた市は11月16日に伐採されているのを確認し、県と協議した上で作業を中断させた。
「親と一緒に植えた木切られる」
一部は他人のエリア、行政に憤りも
樹木を伐採する際には県のほか、市への申請も必要だが、事前にされていなかった上、申請のあったエリア以外での伐採もあった。また伐採されたエリアには地権者以外の地元住民らが所有する樹木も含まれていた。
伐採されたエリアの土地を所有している地元住民の男性(81)は、スギやヒノキを切られたといい「高校生の時に親と一緒に植えた思い出の木々が切られ、たまったものではない。県や市も責任を押しつけ合っているだけだ」と憤りをみせていた。
県や市は互いの連携不足を認め「今後はこのようなことがないよう、申請時には連絡を密にしたい」としている。
一方で今回の伐採行為の地権者への対応について、市は「地権者側の手続き上の不備はあったが、申請外で伐採された場所のみでしか植林などを求めることができない」とし、申請内のエリアに対しては地権者同士の協議となるため、市は「窓口として対応する」としている。
地権者、取材応じず
終始「結構です」
荒神山の森林が伐採されたエリアの地権者で太陽光パネルの設置者でもある市内の男性は、本紙の電話取材に「結構です」を繰り返すのみで、明確な回答をしなかった。