彦根市と犬上郡の話題を中心に、関連する国政や滋賀県政のニュースもお送りします。取材依頼や身近な話題の提供などもお待ちしています。 電話0749-65-0608 FAX0749-62-4483 メール(hikone@shigayukan.com)

2017年7月31日月曜日

全国高校野球選手権大会滋賀大会決勝、彦根東高が近江高破り4年ぶり2度目の甲子園出場

 8月7日から始まる第99回全国高校野球選手権大会の滋賀大会決勝戦が26日、大津市の皇子山球場であり、彦根東高校と近江高校の彦根勢が対決。東高が4―1で近江高を下し、4年ぶり2度目の甲子園出場を決めた。
 初回に1点を取った東高は3回に近江高に同点に追いつかれるも、5回に勝ち越し点を入れ、6回には辻山知志選手(3年)の右翼への2ランでだめ押し点を入れた。投げては稲枝中出身の増居翔太投手(2年)が完投。投打ともにかみ合った試合運びで勝利した。
 試合後、村中隆之監督は「選手たちが本当によくやってくれた。甲子園に出るだけが目標ではなく、勝つことをこの4年間ずっと考えてきた。出るからには優勝目指してがんばりたい」と話していた。
 また増居投手は「先輩が1球ごとに声をかけてくれ、緊張することなく投げられた。打線を信じていたから、思いっきり腕を振れた」と話していた。
 彦根南中出身で一塁を守った吉本孝祐選手(3年)は「子どものころからの夢だった甲子園に出場できるのでうれしい」と語っていた。
 一方で敗れた近江高校は増居投手を打ち崩すことができず、6安打に抑え込まれた。アルプス席では4番を打った佐和山小・彦根東中出身の笠井彰吾選手(3年)を応援するため、佐和山小の4年から6年生までの野球部員11人が応援に駆けつけ、笠井選手が打席に立つと一際大きな声援を送った。部員で6年生の寺田陽菜さん(12)は「選手の皆さんはすごくかっこいい。ぜひ勝ってほしい」と話していた。
投打まとまる堅実野球
 彦根東高は投手、打撃、守備、走塁いずれも穴が少なく、堅実野球で滋賀大会を勝ち上がった。そして近江高と戦った決勝戦は、まるで横綱相撲のような戦いぶりであった。近畿高校野球春季大会の準決勝では強豪の大阪桐蔭に3対4で惜敗したが、投打ともにその頃よりも更に強くなっており、甲子園では上位進出が大いに期待できる◆エースの増居投手は球速が135㌔ほどだが、出所の見えにくいフォームとキレのある球で、対戦した打者から「浮き上がってくる直球」と評されるように、打者は球速以上の速さを感じ、明らかに打ちにくそうにしていた◆甲子園でも左腕の力投が見られると思うが、小生がもう一つ注目したいのは打線である。決勝でもホームランが出たが、クリーンアップ以外も長打力があり、活躍が期待できる。小生は東高の野球部員が毎日のように自転車で東高と地蔵町のバッティングセンター間を行き来している姿を見ており、その成果が打力アップに繋がっているのであろう。好投手が登場する甲子園でも力負けしない打撃を期待したい◆さて弊紙では東高の甲子園出場を祝い、特集号の発刊を予定している。彦根をはじめ湖東湖北の選手へのインタビューなどを取り上げていきたい。読者の皆さまからの企画提案や応援メッセージも募集している。(山田)

2017年7月28日金曜日

近畿運輸局と彦根市 公共交通の課題解決へ地域連携サポートプランの協定締結

 国土交通省の近畿運輸局と彦根市は、連携して公共交通の課題を解決するための「地域連携サポートプラン」の協定を締結。20日に彦根市役所で締結式があった。
 同プランの協定締結により、今後は彦根のほか、犬上・愛荘を含めた1市4町の公共交通について、現状把握と意見交換をして課題を整理した上で、12月ごろから学識経験者など第三者機関のワークショップで課題の解決策を探り、今年度中に近畿運輸局から提案書が交付される。
 近畿では昨年度、東近江市など7自治体が同プランの協定を締結。東近江市の場合は昨年9月28日に協定を締結し、今年5月24日に提案書が交付されている。
 締結式では近畿運輸局滋賀運輸支局の吉祥一美局長と大久保貴市長が協定書にサイン。吉祥局長は「湖東三山への観光客と彦根に訪れる外国人観光客の公共交通をどのように確保していくのかを中心に話し合っていきたい」と話していた。

彦根ゆかたまつり「おんな城主直虎」で高瀬姫役を演じている女優・高橋ひかるさんゲスト出演

 彦根ゆかたまつりが22日、夢京橋キャッスルロードで行われ、NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」で高瀬姫役を演じている大津市出身の女優・高橋ひかるさんもゲスト出演した。
 キャッスルロードは浴衣姿の子どもや女性、家族連れで賑わっていたほか、ステージでは小道芸人NIKEさんの大道芸や吉井ヒカルさんライブなどが開催。高橋さんもアサガオが描かれた水色の浴衣を着て2回登壇し「戦国武将では織田信長が好きですが、直虎はかっこいい女性で、好きな武将になりました」「ドラマはコメディータッチで描かれており、幅広い年齢層に見てほしい」などと大河ドラマをPR。
 トークショー後、記者からの彦根の印象についての質問に、昨年も家族で彦根城を訪れていたことを明かし「大津とは違い、自然豊かで歴史を感じるまちです」と語り、彦根ゆかたまつりについては「とても素敵で、プライベートでも訪れてみたい」と話していた。

2017年7月25日火曜日

びわ湖チャリティー100㌔㍍歩行大会10月21、22日の両日開催 出場者とサポーターを募集

 長浜市から大津市まで約100㌔㍍を歩く「びわ湖チャリティー100㌔㍍歩行大会」が10月21、22日の両日開催。実行委員会(森内智弘委員長)では出場者とサポーターを募集している。
 100㌔㍍を歩くことで希望や勇気、自信を持ってもらおうと、県民有志による実行委員会が平成26年から開催しており、昨年は参加者575人のうち75・8%の436人が完歩した。4回目の今年は10月21日午前9時に長浜の豊公園をスタートし、翌日午後3時半までに大津のおごと温泉公園にゴールする「びわ100コース」を設定したほか、もりやま美崎公園駐車場をスタート地点にした50㌔㍍の「ハーフびわ100」と、21日正午にスタートする「アスリートコース」を新設した。
 定員はびわ100が650人、ハーフが100人、アスリートが50人。参加費は1万5000円、ハーフのみ1万2000円。対象は高校生以上で、未成年は保護者の承諾が必要。収益金は琵琶湖の保全活動のために寄付される。
 2回大会から参加している実行委員会営業リーダーのみらい創互社(彦根市本町)代表取締役の中島治子さん(42)は「びわ100を達成することで、そこから新たな自分の可能性を感じることができるはずです」と参加を呼びかけている。申し込みは8月31日までに事務局へファクス。また実行委員会ではスタート・ゴール地点やチェックポイントなどで飲食の渡し、誘導などをするサポーターも募集。問い合わせは事務局☎077(574)7200。

2017年7月20日木曜日

熊本地震の被災地へ彦根市立城西小学校の全校児童が同じ学校名の熊本市立城西小学校に向けて人文字の「友」

 昨年4月の熊本地震で被災した子どもたちを励まそうと、彦根市立城西小学校(以下、城西小)の全校児童が11日、同じ学校名の熊本市立城西小学校に向けて人文字の「友」を作った=写真。その様子は動画に収められ、学校を紹介した映像と一緒に熊本に送られる。
 震災後、当時の5、6年生の代表による児童会プログラム委員会では被災地を励ます取り組みを計画。その中で同じ名前の小学校が熊本城近くにあることを知り、全校児童で作った「絆」という人文字やクイズ形式で城西小を紹介した様子を収めたビデオレターをメッセージカードと一緒に昨年7月に送った。その後、今年3月に熊本から学校を紹介したDVDと今後も交流を続けたいとする手紙が届いた。
 城西小では今年度のプログラム委員会の児童15人が中心になって、学年ごとに学校を紹介する映像を作成しており、その一環として今年度も人文字を企画。この日は全校児童416人が昼休みの時間に運動場へ出て、学年ごとに分かれて50㍍四方の大きさで「友」の字を仕上げ、全員で手を振りながら「これからも仲良くしてね」とビデオカメラの方向に呼びかけていた。
 指示役を務めたプログラム委員会の山口蓮君(12)=6年=は「色々と調整が大変だったけれど、アドリブで指示して人文字を作ることができました」と満足げに話し、委員長の宮元陽路(ひろ)君(12)=6年=は「これからも友だちとして仲良くしていこうね、という自分たちの思いを伝えることができたと思います」と話していた。映像は夏休み前に熊本に送られる。

袋っくfes収益金の一部で購入した飲食品を子ども食堂の運営資金のため寄付

 彦根市の袋町で5月20日に開催されたチャリティーライブイベント「袋っくfes」を企画したバー貴園のオーナー・戸田守建さん(57)らが10日、収益金の一部で購入した飲食品を市社協に寄付。市男女共同参画センター・ウィズで贈呈式が開かれた。
 袋っくfesは、市内の子ども食堂の運営を支援するためのチャリティーイベントとして、人人、sut、サンローラン、ローガン、せつこ、貴園、ふらっと、しおり、さくらんぼの9店舗で開催。用意したチケット約120枚が売れる好評イベントだった。
 この日は戸田さんら4人が米30㌔㌘、ジャガイモ25㌔㌘、近江牛5㌔㌘、パスタ6㌔㌘などを持参。市社協の圓城治男会長や、「かめのこ子ども食堂」(平田)、「のぞみ子ども食堂」(城南)、「さわやま♥子どもほっとランチ」(佐和山)、「ビハーラ彦根」(城東)、「のびっこ子ども食堂」(稲枝)の代表者らに贈呈した。
 戸田さんは「少しでも協力したいとの思いで企画した。これからも続けていきたい」と話し、圓城会長は「これからも子ども食堂を続けていけるよう、社協としてもがんばっていきたい」と礼を述べた。

2017年7月15日土曜日

彦根城の天秤櫓と夢京橋キャッスルロードの夢京橋あかり館で映画「関ヶ原」特別展

 彦根城築城410年祭に合わせて、彦根城の天秤櫓と夢京橋キャッスルロードの夢京橋あかり館で8日から映画「関ヶ原」特別展が始まった。同日、天秤櫓前でオープニングセレモニーが行われた。
 映画「関ヶ原」は司馬遼太郎さんの原作を原田眞人監督が映画化し、石田三成を岡田准一さん、徳川家康を役所広司さん、井伊直政を北村有起哉さんが演じている。8月26日公開。
 特別展では「東」を天秤櫓、「西」をあかり館に分けて開催。天秤櫓では撮影に使われた家康の甲冑や太刀、大馬印、直政のよろい直垂(ひたたれ)、徳川本陣の再現セット、彦根城内(太鼓門櫓と井戸曲輪)・清凉寺・龍潭寺での撮影風景のパネルとロケ地マップなど22点を展示。
 あかり館では映画で使われた三成と島左近の甲冑や太刀、三成が使用したフランキー砲など9点を展示。そのうち屋外に設置されたフランキー砲の近くには、煙をイメージした霧も噴射されている。また両会場とも90秒間の映画「関ヶ原」の特報映像を流している。開館は9月18日まで、あかり館は火曜定休。
 初日のオープニングセレモニーには映画のプロデューサー・鍋島寿夫さんが参加し「三成役の岡田さんが生涯の代表作と話す通り、三成のイメージを180度変えることができる映画だと思います」とあいさつ。大久保貴市長、410年祭推進委員会会長の小出英樹さん、ひこにゃん、いしだみつにゃん、石田みつニャりによるテープカットも行われた。

2017年7月14日金曜日

グラスサンドアートの作者・冨居邦子さん新海浜の自宅に工房をオープン

 グラスの中に砂を入れて風景などを描くグラスサンドアート=写真=の作者・冨居邦子さんがこのほど、彦根市新海浜の自宅に工房をオープン。水、日曜のみ自由に見学できる。
 冨居さんは長浜出身。結婚を機に愛知川に住んでいたが、平成7年に彦根工業高や長浜商工高(現・長浜北星高)などに勤務していた夫の孝夫さん(享年50歳)を亡くした。15年ほど前に沖縄へ訪れた時に体験したグラスサンドアートにはまり、以降、趣味で製作してきた。
 グラスをはじめ、水槽や花瓶などに、左官業で使うさまざまな色の砂を入れながら、風景や模様を描くのが特徴で、特に冨居さんは孝夫さんと一緒に訪れていた信州の森林や、沖縄の海を描くのが好きだという。冨居さんは「懐かしい風景を自分の手で描いていけるのがおもしろい」と話していた。
 これまでに300点以上作っており、昨年6月から移り住んでいる新海浜の自宅横に約31平方㍍の工房兼ギャラリーを4月末に完成させ、孝夫さんの口癖だった「しょうがない」から「夢織工房しゃんない」と命名した。
 見学は水・日曜の午前10時~午後3時。希望者には販売も。問い合わせは同工房☎(43)2231。

ジェトロ滋賀貿易情報センターの道法清隆所長に滋賀の産業の魅力など聞く

 彦根商工会議所(中央町)1階に国内44カ所目として3日オープンしたジェトロ(日本貿易振興機構)滋賀貿易情報センターの道法(どうほう)清隆所長(41)に、これまでの経歴や滋賀の産業の魅力などを聞いた。
 道法さんは横浜市出身。東京外国大を卒業後、平成10年にジェトロに入り、岩手の盛岡情報センター、ベトナムのホーチミン事務所、カンボジアのプノンペン事務所長、ビジネス展開支援部課長代理などを務めた。
 滋賀の産業の魅力について、道法さんは近江米、近江牛、近江茶の主要3品目をあげながら「農林畜産物や加工食品の海外販路の開拓や県内製品のブランド力の向上のために支援したい」と説明。
 また琵琶湖を生かした政策として水環境ビジネスをあげ「赤潮などの水環境を改善させる技術を持つ企業の海外の展示会や、長浜で開催されるびわ湖環境ビジネスメッセへの出展などで新しいビジネスを創出していきたい」と語った。
 滋賀や彦根の印象については「滋賀は琵琶湖をはじめ、豊かな地域だと思う。彦根はひこにゃんのほか、歴史のある雰囲気で、歴史好きにはたまらないのでは」と語った。
 企業や県民に対して、道法さんは「海外のビジネス情報を知りたい企業の方、ジェトロとはどのような組織か知りたい方、個人で輸入に関心がある方、色んな方に気軽に相談に来てほしい」と話していた。
 ジェトロ滋賀貿易情報センターの営業時間は平日の午前9時~午後5時。世界の経済・産業動向などの資料閲覧コーナーも。問い合わせは同センター☎(21)2450。

2017年7月11日火曜日

近江ビア電と近江ビア船始まる

 近江鉄道の電車内でビールが飲み放題の「近江ビア電」の運行が5日から始まった。
 車内でキリン一番搾り、バドワイザー、キリンチューハイ、ソフトドリンクが飲み放題で、近江の特産料理も味わえる。初日に会社仲間と乗車していた高津千由季さん(27)は「『夏きたる』という感じで、普段飲むビールよりもおいしく感じます」と話していた。
 8月6日までは水曜~日曜、8月8日~9月2日は火曜~日曜運行で、出発駅は彦根駅、近江八幡駅、八日市駅のいずれか。今月6日時点で2173人の予約がある人気で、すでに満席の日もある。近江鉄道の担当者は「8月はまだ空いている日もあるので、予約をお待ちしています」としている。今月16日までは抽選会も。料金は20歳以上3500円、小学生から19歳が1500円。申し込みは予約センター☎(24)8103。
多景島までクルーズ
 船内でビールなどが飲み放題の「近江ビア船」の運航が1日から始まった。
 近江トラベルが夏季限定で企画した恒例のサンセットクルーズで、9月9日までの木金土曜に計30本運航する。
 彦根港から多景島まで運航され、船内では琵琶湖の夕日を眺めながら、キリン一番搾りやバドワイザー、缶チューハイ、ソフトドリンクが飲み放題。初日に友人家族と乗船していた東近江市の辻彩花さん(27)は「船の上で夕日を見ながらビールを飲むことができ最高です。ビールもいつもよりおいしい」と笑顔で話していた。
 料金は近江の特産料理付きで20歳以上3500円、小学生~未成年1500円。船内ではつまみが販売しているほか、カツサンドやローストビーフサラダの予約も。彦根港発は木金曜が午後6時半、土曜が午後5時15分。問い合わせは予約センター☎(24)8103。



2017年7月10日月曜日

川嶋氏の辞任意向について

 副市長の川嶋氏が辞任の意向を示していたとする情報は先週前半から流れ始め、先週末から今週にかけては市内部や経済界にも広がった◆一時は辞任濃厚との情報が流れたが、市内の重鎮らの説得もあってか、川嶋氏は先月30日、職務に復帰。現市政の「屋台骨」の復帰に重鎮らからは安堵の声が聞かれた◆辞任直前まで至った最大の原因は、大久保市長が川嶋氏に頼りすぎていた点だといえる。市役所耐震化問題で始まり、近々の広域ごみ処理施設の選定問題まで、積もりに積もった市政課題に川嶋氏が尽力していたことは市政に携わる者には周知の事実であった◆一部の関係者の間では、広域ごみ処理施設の建設候補地が愛荘町竹原に決まったことに対し、市内の候補地の選定に向けて動いてきた川嶋氏が責任をとったとする見方もある。また有力視されていた市内の候補地を選定しなかった市長への不信から辞任の意向を示したとの意見もある◆いずれにしろ、2期目が始まったばかりの大久保市長にとっては、副市長を辞任直前まで追い込んだという責任論が今後、問われそうであり、一部の市議からは「不信任」の声もあがり始めている。議会等で市長がいかに説明責任を果たすのか、今後の市政運営と共に注目していきたい。     (山田貴之)

2017年7月7日金曜日

川嶋恒紹・副市長が辞任の意向示す?慰留で復帰

 彦根市の川嶋恒紹(ひさつぐ)副市長(61)=写真=が「体調不良」を理由に6月26日午後から29日まで休んでいたことがわかった。複数の関係者によると、副市長を辞任する意向を示したものの、市内の重鎮らから慰留されたとの情報があり、背景に大久保貴市長のこれまでの市政運営に不満が蓄積していたとの見方もある。
 川嶋氏は市清掃センター副所長、市立病院事務局長などを歴任し、平成27年12月18日に大久保市政の2人目の副市長に就任。当時は市役所本庁舎の耐震化で市長提案の関連議案が立て続けに否決されるなど市政が混乱していた時期で、川嶋氏の就任後は耐震化問題も解決し、大久保市政1期目の後半を安定させた立役者でもある。市職員や市議の間でも川嶋氏の手腕を高く評価する声があり、事実上、大久保市政の屋台骨的存在。
 また川嶋氏は副市長就任後、市清掃センター副所長を務めた経験から、現市政の懸案事項になっている彦根愛知犬上地域ごみ処理施設の建設候補地の選定にも尽力。その選定過程で大久保市長と意見の相違があったことで辞任の意向を示し、「体調不良」を理由に休んだとみる関係者もいる。実際に、川嶋氏は彦根愛知犬上広域行政組合が開いた彦愛犬地区選出の議員向けの報告会や、記者会見を欠席している。関係者の一人は「川嶋氏が辞任の意向を示したため、市政の混乱を危惧し慰留した」と話している。
 川嶋氏は30日以降、出勤しており、今月3日の取材に、辞任を示したのかの問いには答えずに「疲れがたまり、体調を崩しました。(副市長を)続けていきます」とだけ話していた。

高宮納涼花火大会8日無賃橋付近で

 恒例の高宮納涼花火大会が8日午後8時彦根市高宮町の無賃橋付近で行われる。
 高宮商工会(現・高宮商工繁栄会)が昭和3年から全国煙火大会として開いたのが始まりで、戦時中は中断されていたが、昭和25年から再開。県下で最初の花火大会としてこれまで続いている。
 105回目の今年はスターマインの3カ所打ちや5カ所打ちなど合計3500発が打ち上げられる。午後9時まで。有料観覧席あり。
 悪天候時は9日以降に順延される。開催の有無は8日午前10時までに決定。当日は午後4時~高宮神社から花火大会の点火式時の御神日を子どもみこしで巡行する儀式もある。交通規制は午後7時~同10時。問い合わせは商工繁栄会☎(22)2075。

2017年7月4日火曜日

幻の彦根りんご 復活200年祭イベント7月21日に

 彦根りんごが誕生して200年が経過したのを記念し「幻の彦根りんご 復活200年祭イベント」が7月21日に行われる。
 彦根りんごは文化13年(1816)に、彦根藩士・石居泰次郎が江戸から帰郷した際、りんごの苗木200本を植えたのが始まりとされる。明治・大正期も複数の農家が旧彦根西高校周辺でりんご園を経営していたが、西洋りんごの普及により、昭和30年ごろに滋賀県護國神社(尾末町)付近にあった最後の一本が枯れて途絶えたとされる。
 平成15年5月に市民有志によって彦根りんごを復活する会が結成。彦根りんごに近い加賀藩種の枝を接ぎ木し、米原市内で増やし、西今町に農園を整備。平成18年11月には中藪町にも市有地約1900平方㍍を借り受けて農園を設け、同20年に実をつけて以降、毎年夏に地域住民や子どもたちを集めて収穫祭をしている。
 復活する会は彦根りんごの誕生から200年が経過したため、関連イベントを企画。7月21日は正午から彦根市立図書館前で県知事らを招いて記念植樹をした後、200年祭イベントとして午後1時~彦根商工会議所で元彦根城博物館学芸員の野田浩子さんによる「江戸時代の贈答文化と彦根りんご」について講演、高坂りんご(長野県飯綱町)、おぶせ和りんご(長野県小布施町)、越前和りんご(福井県東郷町)、おおわに和りんご(青森県大鰐町)の研究者らを招いた和りんごサミットがある。午後5時まで。
 200年祭イベントの入場料は1000円。復活する会では7月9日まで200年祭の運営費をインターネット上で募るクラウドファンディングを実施。5000円コースと1万円コースを設定し、支援者には200年祭イベントの入場券、盆のお供え用として彦根りんごの実6個入りのパッケージ、彦根りんごの本を届けるほか、1万円の支援者には彦根りんごの1年木も渡す。
 復活する会の八木原俊長さんは「彦根りんごを心に残る産物として後世に伝えていこうと活動してきました。200年祭イベントはその思いを知ってもらえる場にしたい」と話している。問い合わせは事務局の尾本正和さん☎090(1132)6713。

彦愛犬地域のごみ処理施設の建設候補地を愛荘町竹原に

 彦根愛知犬上広域行政組合(管理者・大久保貴市長)は6月30日、彦愛犬地域のごみ処理施設の建設候補地を愛荘町竹原に選定したと発表。平成39年度の稼働を目指し、今年度中に施設整備の基本計画を策定する。
 昭和52年に建てられた野瀬町の彦根市清掃センターの老朽化に伴い、同組合が代替施設の候補地を模索。平成27年10月からは彦愛犬1市4町内で、45㌶の土地が確保できる地域の自治会長や土地所有者を対象に新施設の建設候補地を募集し、昨年7月末までに彦根市内の3地域、愛荘町内の2地域から応募があった。同組合内の選定委員会が100点満点で候補地の順位付けを行い、今年2月13日の15回目の会議を経て、1市4町の首長と彦根の副市長による管理者会に報告。管理者会では平成28年度中に候補地を選定する予定だったが、「5カ所とも候補地になり得るため、時間をかけて協議する必要がある」として、約3カ月間協議してきた。
 市長の説明によると、選定委員会の報告書で1位だった市南部の地区が優良農地であることや農業委員会から要望が提出されていたことを考慮し除外。2位の愛荘町竹原が用地取得費や周辺整備費がほかの地域と比べて半額以下であることなどから建設候補地として決定した。
 愛荘町竹原は62戸あり、地元で開いた会議の結果として、52戸が賛成し、10戸が反対しているという。市長は「まだ1合目を超えた状況で、今後はさまざまな課題が生じるだろう。1市4町がしっかりと結束して、最大限、努力をしていきたい」と述べた。
 今後のスケジュールとしては今年度中に基本計画を策定し、ボーリング調査や測量などを行い、平成30年度以降に4年半ほどかけて環境アセスメントの実施、土地の購入などを経て、同34年度か35年度から建設に入り、同39年度中に完成させる予定。総経費は平成20年度の基本構想時で約102億円と概算されており、2割分を1市4町で均等に、8割分を人口割りで負担する。また愛荘町竹原には今後、3億円を限度にした地域振興策が行われる。
 新しいごみ処理施設の候補地選定を巡っては、これまでに石寺町、海瀬・三津町の地域が候補地にあがったが、地盤の軟弱や地元の反対で、石寺が平成20年5月に、海瀬・三津町が平成25年3月に計画が白紙化した経緯がある。愛荘町竹原案に対しては、すでに市議らからアクセス面などに対し疑問の声があがっており、3回目の今回も先行きは不透明だ。

2017年7月1日土曜日

琵琶湖周航の歌100周年の記念事業 なぞり周航の一行が彦根港を訪れ歌碑の前で歌う

 琵琶湖周航の歌100周年の記念事業として、歌詞に登場する地を巡る「なぞり周航」の一行が26日、彦根港を訪れ、歌碑の前で式典が開かれた。
 なぞり周航では作詞した小口太郎の後輩にあたる京都大学ボート部のOBやOG会の「濃青(のうせい)会」が大津市のボート部合宿所を24日にスタートし、43人が交代しながら3艇の7人乗りボートをこぎながら、27日までに県内の歌碑を訪問。26日、一行は早朝に今津を出て、午後に彦根港近くの浜に到着し、濃青会のメンバーや滋賀大ボート部員、記念事業実行委員会委員長の嘉田由紀子前知事ら約100人の出迎えを受けた。
 その後、彦根港の歌碑前に移動し、濃青会のメンバーが肩をくんで歌碑を囲む形で琵琶湖周航の歌を歌った。いずれも昭和44年に卒業し、4日間こぎ手を務めた副理事長の葉山怜さん(71)=横浜市=は「滋賀のそれぞれの地元の人に琵琶湖周航の歌が愛されているのを各地で知り、感激した」と話し、理事長の武田英さん(71)=大阪市=は「歌詞にはカラフルな色が出てくるが、彦根の歌詞は色が出ない代わりにしっとりした内容になっており、昔を思い出させてくれる」と語っていた。一行は27日早朝に出航し、長命寺を経てボート部の合宿所にゴールした。
 また彦根港周辺では25日に「ひこね湖の子フェスティバル」が開催。親子釣り大会、フィッシング教室、親子クルーザー体験、親子漁船体験などがあった。