初回に1点を取った東高は3回に近江高に同点に追いつかれるも、5回に勝ち越し点を入れ、6回には辻山知志選手(3年)の右翼への2ランでだめ押し点を入れた。投げては稲枝中出身の増居翔太投手(2年)が完投。投打ともにかみ合った試合運びで勝利した。
試合後、村中隆之監督は「選手たちが本当によくやってくれた。甲子園に出るだけが目標ではなく、勝つことをこの4年間ずっと考えてきた。出るからには優勝目指してがんばりたい」と話していた。
また増居投手は「先輩が1球ごとに声をかけてくれ、緊張することなく投げられた。打線を信じていたから、思いっきり腕を振れた」と話していた。
一方で敗れた近江高校は増居投手を打ち崩すことができず、6安打に抑え込まれた。アルプス席では4番を打った佐和山小・彦根東中出身の笠井彰吾選手(3年)を応援するため、佐和山小の4年から6年生までの野球部員11人が応援に駆けつけ、笠井選手が打席に立つと一際大きな声援を送った。部員で6年生の寺田陽菜さん(12)は「選手の皆さんはすごくかっこいい。ぜひ勝ってほしい」と話していた。
投打まとまる堅実野球
彦根東高は投手、打撃、守備、走塁いずれも穴が少なく、堅実野球で滋賀大会を勝ち上がった。そして近江高と戦った決勝戦は、まるで横綱相撲のような戦いぶりであった。近畿高校野球春季大会の準決勝では強豪の大阪桐蔭に3対4で惜敗したが、投打ともにその頃よりも更に強くなっており、甲子園では上位進出が大いに期待できる◆エースの増居投手は球速が135㌔ほどだが、出所の見えにくいフォームとキレのある球で、対戦した打者から「浮き上がってくる直球」と評されるように、打者は球速以上の速さを感じ、明らかに打ちにくそうにしていた◆甲子園でも左腕の力投が見られると思うが、小生がもう一つ注目したいのは打線である。決勝でもホームランが出たが、クリーンアップ以外も長打力があり、活躍が期待できる。小生は東高の野球部員が毎日のように自転車で東高と地蔵町のバッティングセンター間を行き来している姿を見ており、その成果が打力アップに繋がっているのであろう。好投手が登場する甲子園でも力負けしない打撃を期待したい◆さて弊紙では東高の甲子園出場を祝い、特集号の発刊を予定している。彦根をはじめ湖東湖北の選手へのインタビューなどを取り上げていきたい。読者の皆さまからの企画提案や応援メッセージも募集している。(山田)