環境分野の専門家でテレビや書籍で知られる武田邦彦・中部大教授の講演会が25日、滋賀県立大学(彦根市八坂町)で開かれ、脱原発や地球温暖化のうそを唱えた=写真。
武田教授は「『原発を知ろう』子どもたちの未来のために」と題して講演。原発大国・フランスと日本の原発を比較し、「フランスには地震や津波がなく、原発がセーヌ川の上流にあり、電源も地下にある」「(津波で浸水した)福島原発の電源も地下にあったが、これはフランスの設計をそのまま持ってきたためだ」と指摘。「日本の原発は世界で一番危険な場所に建っている。これまでどれほどの日本人がまじめに原発の事を考えたか」と疑問を投げかけた。
また、福島の原発事故で放出された放射性物質(セシウム)の量が、広島に落とされた原爆時の186倍だと説明した上で「被ばく地で放射性物質の量が10分の1になるには100年かかる」「もし原発が14基ある福井県で1基でも事故があれば、彦根市も100年は住めなくなる」と論じた。
エネルギー資源については、「石油がもうすぐ無くなるというのはうそ。石油会社が掘らないだけで、いくらでもある。あと1万年はもつ」と解説。また温暖化の原因とされる海水温の上昇については「二酸化炭素で海水温は高くならない。今、暑いのは太陽活動が活発だからだ」との持論を展開し、「地球温暖化だと騙されているのは日本人だけ。鳩山元首相が国連で二酸化炭素排出削減を呼びかけて拍手されていたが、あれは嘲笑の拍手だ」と話し、笑いを誘っていた。
最後に、有色人種の中で日本だけが独立を保っていることにふれ「国際社会は食うか食われるかの世界。地球温暖化防止、リサイクル推進、節電など、ぜんぜんダメで子どものためにならない」「このままの生活が50年続ければ、日本は中国の属国になる」と警告した。
講演会は彦根シャトーワイズメンズクラブの30周年記念事業として開催され、市民約500人が来場した。