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2016年9月30日金曜日

四番町スクエア協同組合がスクエア内にケイトウの花を設置

 彦根市の四番町スクエア協同組合の会員らがこのほど、スクエア内にケイトウの花を設置した。
 10月15、16日のご当地キャラ博に合わせて、多くの観光客にスクエア内に来てもらおうと企画。井伊の赤備えにちなんで、赤色のケイトウの花を設置することにし、米原の滋賀県レイカディア大学で学ぶ高齢者の協力を得ながら、プランター約130個に植えてスクエア内に置いた。
 協同組合理事長の藤河真寿三さん(61)は「四番町スクエアを花いっぱいにして、多くの観光客や市民の皆さんに来てもらえる場所にしたい」と話していた。レイカディア大の高齢者の指導を受けながら、組合の会員らが世話をしていく。

滋賀県立陶芸の森陶芸館、10月1日から秋の特別展「珠玉の湖東焼」

 滋賀県立陶芸の森陶芸館(甲賀市信楽町)は10月1日から秋の特別展「珠玉の湖東焼」を開く。
 湖東焼は文政12年(1829)、古着商を営んでいた絹屋半兵衛が彦根で始めた焼き物。天保13年(1842)に彦根藩が窯を召し上げ、十三代・井伊直弼の時代に黄金期を迎えたが、桜田門外の変後は縮小。文久2年(1862)には民間へ移行した。
 明治時代になると、湖東焼復興の動きが起こり、明治2年(1869)6月に彦根藩知事となった井伊直憲は同年9月、円山(市内南東部の芹川沿い)に窯を築き、京都から陶工の明石屋初太郎や元職人を招き、作陶を始めた。この焼き物は後に円山湖東焼と呼ばれる。また長浜の医師・西村善吾は明治3年に自宅に窯を築いて元職人らに焼き物を作らせ、後に長浜湖東焼と呼ばれた。しかし、円山湖東焼は明治4年の廃藩置県で、長浜湖東焼も資金難などで同6年にそれぞれ廃窯となった。
 藩お抱えの湖東焼の絵付師で有名なのは幸斎と鳴鳳だが、ほかの一群たちが安政3年(1856)に株仲間を結成し、自宅で絵付けをしていた。その中で知られるのが鳥居本村の自然斎(じぜんさい)、原村の床山(とこやま)、城下白壁町の賢友(けんゆう)、赤水の4人。
 陶芸の森での特別展では黄金時代、絵付師、茶道具、圓山・長浜の湖東焼などテーマごとに名品約150点を展示。中には自然斎が作って後に埋木舎に伝わったたぬきの置物や、カニの甲羅部分に小さなカエルが乗ったふた物などの珍品、黄・緑・青・紫の顔料で描いて九谷焼風に絵付けされた水指、鳴鳳ら絵付け師の作品もある。
 開館は第1期が11月6日まで、第2期が11月8日~12月11日。入場料は大人700円、高大生500円、中学生以下無料。
 期間中のイベントは以下の通り。
 ▽10月23日と11月20日の午後1時半~=ギャラリートーク。
 ▽11月20日と12月4日の午前10時半~午後4時=体験教室「美しき豆皿を作る」と「正月を祝う華やかな器を上絵付けする」。要申し込み。
 ▽11月12日午後1時~と11月23日午後0時半~=子ども向け体験教室「華やぐツリー作り」と「青色で大好きな動物作り」。
 ▽11月23日午前11時10分~と午後0時50分~=ひこにゃん珠玉の湖東焼展を鑑賞する」。問い合わせは陶芸の森☎0748(83)0968。

ライティングデザイナー監修による光とアートの祭典「城あかり 神あかり」10月1日から彦根城や多賀大社などで

 ライティングデザイナー監修による光とアートの祭典「城あかり 神あかり」が10月1日から彦根城や多賀大社などで始まる。今月30日午後5時半~は表門橋で点灯式やミニコンサートがある。
 人口減少の抑制と経済の活性化を目指し、ワンランク上の観光施策にするため、彦根商工会議所が市を通じて申請していた内閣府の地域創生加速化交付金「光とアートで発信する付加価値創造事業」を活用。彦根市と多賀町の行政や商工関係者らによる彦根・多賀地域連携組織委員会(会長・小出英樹彦根商議所会頭)が、この事業に沿ったイベント内容を協議してきた。
 「城あかり」は彦根城築城400年祭のライトアップアドバイザーをはじめ、六本木ヒルズアリーナ、表参道ヒルズ、清水寺などでライトアップを手がけた内原智史さんが担当。いろは松から望む佐和口多門櫓や、表門、黒門、京橋などが見応えのある和の芸術空間に様変わりするという。12月31日までの日没から午後10時まで。
 「神あかり」は堂島大橋、六甲アイランドリバーモール、御堂筋イルミネーションなどをデザインした長町志穂さんが演出。多賀大社を神秘的な空間にし、10月半ばからは地元住民や子どもたちが手作りした「祈りの石ころあかり」を敷き詰めて「祈りの庭」を創造。胡宮神社と高源寺ではモミジのライトアップ、大瀧神社では水の森のブルーライトアップなどを行う。11月30日までの日没から午後9時までで、11月11日から13日はスペシャルデーに。
 ほかの関連イベントは以下の通り。
 ▽10月7日午後7時~=金亀公園でアウン・ジェイ・クラシックオーケストラの演奏会。和太鼓、尺八、琴など和楽器だけで構成された8人のユニットによる演奏。中学生以上3000円、当日3500円。6日午後7時~は多賀大社で無料の和楽器ワークショップも。
 ▽10月14日午後7時~=玄宮園で女性和楽器グループ「ナデシコ ジェイ アンサンブル」の演奏会。中学生以上2000円、当日2500円。15日午後7時~多賀大社で無料の多賀座と和楽器ワークショップも。
 ▽10月30日午後6時~=彦根城博物館能舞台で井伊家ブランドのアーティストと滋賀の歌姫によるチャレンジコンサート。井伊亮子さん、滋賀を中心に活躍するシンガーソングライター・まつうらようこさん、観世流能楽師の浦部好弘さん・幸裕さん親子らが出演。中学生以上2000円、当日2500円。
 ▽11月11日午後7時~=玄宮園で和楽器ユニット「新月」+ヒューマンビートボックス&和楽器グループの演奏会。中学生以上2000円、当日2500円。
 ▽来年3月4日午後6時~=清凉寺で佐野史郎&山本恭司「小泉八雲・朗読の夕べin彦根」。俳優・佐野さんとギタリスト・山本さんの朗読パフォーマンス。中学生以上3000円、当日3500円。
 雨天中止も。チケットは文化プラザ、ビバシティ、アルプラザ彦根、県立文化産業交流会館などで。問い合わせは彦根商議所☎(22)4551。

2016年9月26日月曜日

全国消防機器協会が住宅防火のモデル地区に城北学区自治連合会を選定、住宅用火災警報器など寄贈

 全国消防機器協会(東京都港区)は、住宅防火のモデル地区に彦根市の城北学区自治連合会を選定。16日に彦根市消防本部で住宅用火災警報器などの受納式が開かれた。
 協会では今月1日から21日までの住宅防火・防災キャンペーンに合わせて、社会貢献事業の一環で全国各地のモデル地区に住宅用火災警報器などを配布。今年は20地区を選定し、滋賀県内では城北学区のみが入った。城北学区は住宅用火災警報器の設置率(今年3月時点)が68・8%で、市内平均の79・8%を下回っているうえ、高齢化率も高いため、市消防本部が協会側へモデル地区としての選定を申請していた。
 受納式には城北学区自治連合会の北村収会長らが参加し、河池博市消防長から住宅用火災警報器100個、消火器25本、エプロンなど防災製品25セットが贈られた。北村会長は「高齢社会の中でこのような提供を受け、介護の必要な高齢者に安心、安全に暮らして頂くことができる。学区の防火防災に今後も努めていきたい」と話していた。

じんけんフェスタしがで、スポーツジャーナリストの二宮清純さんらが「スポーツと人権」をテーマにパネルディスカッション

 「じんけんフェスタしが」が22日に文化プラザで開かれ、スポーツジャーナリストの二宮清純さんらが「スポーツと人権」をテーマにパネルディスカッションを行い、4年後の東京五輪に向けて、障害者と健常者の共生社会の進展を求めた。
 ディスカッションには二宮さん、パラリンピックの射撃選手・田口亜希さん、視覚障害者チーム「びわこタイマーズ」の伴走者・橋本廣明さん、車いすバスケットプレイヤー・大内秀之さんが参加。
 二宮さんは東京五輪が行われた1964年時の高齢化率が6%で、4年後の東京五輪時には30%になると紹介したうえで「これからは成長よりも成熟、効率よりも快適、をコンセプトにした社会にするべきだ。時代に合ったオリンピック、パラリンピックを考えていくべきだ」と説明。
 また橋本さんの「障害があっても自分でやっていける人はいる。互いに楽しめる方向で進めていってほしい」との提案に対し、二宮さんは「一緒に楽しもうという感覚が大事で、例えば、障害の重い人から軽い人までがプレーする車いすバスケは共生社会の縮図だと言える」と解説した。
 実際に車いすバスケをしている大内さんは「(障害者を)一方的に助ける、支えるのではなく、健常者と障害者が助け合い、支え合うような共生社会になってほしい」と述べた。
 田口さんは、障害者が体育館の利用を申請する際に「フロアに傷がつく」「けがをされたら困る」などの理由で断られる場合があるとしたうえで「障害者が小学校の時から健常者と一緒にスポーツをできる環境や、自分たちの力を発揮できる居場所を整備することが大切だ」と話した。

2016年9月23日金曜日

岩崎悠人選手=京都橘中学高校3年生=J2の京都サンガF.C.への入団決定

 彦根出身の岩崎悠人選手(18)=京都橘中学高校3年生=のプロサッカーリーグJ2に所属する京都サンガF.C.への入団が決定。13日に校内で入団発表が行われた。
 岩崎選手は彦根市立金城小、中央中を卒業し、京都橘中学高校へ入学。1年生の時に日本の高校選抜に選ばれ、デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会に出場した。
 U―17、U―18の日本代表にも選ばれ、海外遠征で活躍し、今年はU―19の日本代表のストライカーとしてバーレーン、中国、米国、フランス遠征に加わった。また同校のサッカー部ではキャプテンとしてチームを牽引した。
 入団発表には、同校出身で京都サンガへ入団する東洋大学4年生の仙頭啓矢選手(21)と一緒に出席。
 岩崎選手は「小さい頃からの1つの目標だったプロサッカー選手になることができ、本当にうれしいです。将来は世界に出て、日本代表としてワールドカップに出るのが目標です」と抱負を述べた。

2016年9月20日火曜日

円覚寺龍隠庵の会首・境野勝悟さんが「日本のこころの原点」をテーマに講演

 神奈川県鎌倉市の円覚寺龍隠庵の会首・境野勝悟(かつのり)さんが10日、文化プラザで「日本のこころの原点」をテーマに講演。戦後教育の批判や日の丸の成り立ちなどを解説した=写真。
 終戦の日を中学1年生の時に迎えた境野さんは、「小学6年生までは昔の教育、戦後は戦勝国の教育が行われた」と表現したうえで「戦後は『恩』の教育をつぶした。心(恩)の教育は命の教育であり、何の力で生きているかを教えなければいけない」と話した。
 日本については「2000年、3000年前から太陽があるから生きていけることをみんなで自覚し、日本の思想性をみんなで考えた。他国の民主主義や共産主義はリンカーンやマルクスら個人が考えた」と説明。国旗の日の丸についてもふれ「命の本は太陽であり、私たちの民族は太陽を大事にした国だ」と述べた。
 また「欧米人は自然を利用するが、日本人は自然に感謝し、合掌してきた。日本人の愛国心は日本の自然を愛すること。見えないものに感謝するのが私たちの民族の強みだ」と解説。「戦後は日本人としてどう生きるかを教育しなかった。戦争に負けて日本を捨てざるを得なかった。だから、他国が日本に対して崇敬の念を抱いている一方で、今の日本人は無自覚になっている」と指摘した。
 最後に、テロや紛争が相次ぐ世界への日本の役割について「日本は欧米から物質文明を学び習得した。この混迷の世を救えるのは日本の心だ。日本の心を世界に説いていくことが必要になっている」と熱く語った。
 境野さんの講演は彦根南ロータリークラブが主催した、滋賀県内の21のロータリークラブが一堂に集まるインターミーティングの中で開催。県内から約500人が来場した。

日夏町の巡礼街道沿いにたたずむ昭和の雰囲気の店「よろず淡日(あわひ)」

 彦根市日夏町の巡礼街道沿いにたたずむ昔懐かしい雰囲気の店がある。「よろず淡日(あわひ)」だ。記者は仕事などで頻繁に同街道を車で通るが、初めて同店を伺った。(山田貴之)
 同店は、経営する疋田実さん(56)の曾祖父の半六が大正時代に「塩半」という屋号で開業したのが始まり。飲食や日用品、文具から下駄の鼻緒などまで何でもそろう「よろず屋」として経営し、祖父の甚吉さんが2代目を引き継いだ。
 約15年前に甚吉さんが亡くなった後は空き家になっていたが、当時、大阪市内で家具を作っていた実さんが朽ちていく建物を復活させようと移住を決意。平成26年4月末に移り住み、実さん自身が改装工事をした後の昨年8月22日に3代目として開店した。店名は淡海(おうみ)と日夏から「淡日」と名付け、淡を青色、日を橙色で表している。
 建物は大正時代の母屋と築約45年の店舗からなり、店内では駄菓子、コクヨのびわ湖文具、市内外の茶やしょう油、古道具などを販売しているほか、カフェや児童書の貸し出しをしている。店舗の外には戦前に作られたパチンコ台や子どもの落書きコーナーがあり、地域の児童たちが遊べる工夫もされている。
 実さんは大阪在住時に児童保育の仕事をするなど福祉の活動に従事したり、現代美術に興味を抱いていたことから、店内では地域の福祉施設の利用者が作った陶器や布製品を販売しているほか、店舗に隣接する大正期の建物をギャラリースペースとして活用している。
 実さんは幼少期、祖父母に会うため夏休みなどに訪れた際の記憶を鮮明に覚えているといい「当時のように地域の人たちが集まる場所にしたい。そのためにも祖父の時代に扱っていた店に近づけたい」と話していた。
 開店時間は金土日月と祝日の午前11時~午後6時。問い合わせは同店☎(49)3890。
 なお同店は11日まで、現代アート作家の堀尾貞治さんと山下克彦さんの作品展をギャラリー内で開いている。

2016年9月16日金曜日

マリアージュ彦根、テラス付きの披露宴会場に樹木を備えるなど自然派志向の空間に改装

 彦根市里根町の結婚式場「マリアージュ彦根」はテラス付きの披露宴会場の一つを、本物の樹木を備えるなど自然派志向の空間に改装。見学を随時受け付けている。
 グラマラス(魅力的)とキャンプを組み合わせた「グランピング」のデザインに着目。緑化の専門業者「東邦レオ」(東京都豊島区)に施工を依頼し、3つの式場の内、70人が収容できる170平方㍍の中宴会場を改装した。
 新郎新婦が座るメインテーブルの背後に藤ヅルの幹を天井に向かって配置し、壁面にはカポックなど3種類の植物が植えられている。参列者席の天井には藤ヅルの幹や植物が顔を出しているほか、植物からの「恵みの露」をイメージしたペンダントライトや木製のシャンデリアが設置。各テーブルにはさまざまな形の小瓶に野花をあしらう工夫もされている。
 隣接するテラスにはアウトドアやキャンプをイメージしたランタンやターフ(芝生)、ソファ、流木アートなどが整備されており、新郎新婦や参列者がくつろげる空間になっている。
 支配人の宮本良孝さん(53)は「ナチュラルな雰囲気で、自然と会話が弾む空間を演出しました。自然に癒やされながら、ゆったりと過ごしてほしいと思います」と話していた。披露宴のほか、同窓会やパーティー、忘年会、新年会でも利用できる。
 マリアージュ彦根は昭和59年創業で、これまでに約1万1000組が披露宴を挙げている。木曜定休。問い合わせは同店☎(26)1101。

彦光会の伊藤壽美江さん卒寿記念し個展を開催

 彦根市芹橋1丁目の伊藤壽美江さん(89)は油絵の創作活動を続けており、数えで卒寿を迎えたことを記念し、滋賀中央信用金庫銀座支店でさきごろ個展を開催。多くの来場者から祝いの言葉を受けた。
 伊藤さんと絵との出会いは50年以上前の幼稚園のPTA活動時。50歳代になり、夫の哲夫さんと彦根の洋画グループ「彦光会」に入り、一緒に5年ほど絵画を楽しんだ。14年前に哲夫さんが亡くなってからは、欧州でツアーガイドをしている長女の愛子さんと一緒に欧米各国を旅し、各地で絵を描いてきた。昨年2月のドイツのローテンブルクを入れて、これまでに15カ国を訪問している。
 絵の魅力について、伊藤さんは「夢を実現してくれる力が絵にはある」と説明。今後の夢については「自宅近くのフジの花や古民家などまちの風景、そしてできれば故郷の旧びわ町(長浜市)の水辺を描きたい」と語り、「4年後の東京五輪でまた個展を開くことができるよう、創作活動を続けたい」と笑顔で話していた。

2016年9月13日火曜日

幼少期を彦根で過ごした20世紀の英国を代表する工芸家のバーナード・リーチの作品展 県立近代美術館で

 幼少期を彦根で過ごした20世紀の英国を代表する工芸家のバーナード・リーチ(1887年~1979年)の作品展が大津市の県立近代美術館で開かれている。
 リーチは明治20年に当時イギリスの植民地だった香港で生まれた。生後すぐに母親を亡くし、父親が裁判官を務めて忙しくしていたため、母方の祖父母が過ごしていた彦根に移住。祖父のハミルトン・シャープは宣教師の傍ら、旧制彦根中学校(現・彦根東高校)で英語の教師を務め、リーチと共に学校隣の官舎で過ごした。
 リーチは、明治21年8月31日にシャープが教師を退任すると同時に京都に移り住み、同24年まで日本で過ごした。香港やシンガポールなどで父親と過ごした後、10歳で母国の英国に戻って美術学校で絵画を学び、ギリシャ生まれの小説家・小泉八雲らの影響を受けた。22歳の時に再来日し、文芸思潮の白樺派の中心メンバーだった柳宗悦(むねよし)ら当時の芸術家や文化人と出会った。明治44年以降は陶芸の道に進み、9年後に帰国した際は窯を築いて創作活動を進めた。
 近代美術館では今年がリーチ生誕130年目にあたるのを記念し、日本民藝館(東京都目黒区)が所蔵するリーチの最初のころから晩年までの陶磁器を中心に、木工作品などを含めて約200点を展示。国内初公開のリーチと柳の往復書簡も並べている。
 開館は25日までの午前9時半~午後5時。休館は月曜と祝日の翌日。入場料は大人1000円、高大生650円、小中生450円。
 25日午前11時~午後4時は羊毛で器を作るワークショップ「動物模様の羊毛うつわ」がある。対象は小中学生と保護者。材料費300円。申し込みは12日必着で同美術館ホームページから。問い合わせは近代美術館☎077(543)2111。

2016年9月9日金曜日

読書アドバイザー・藤井スミ苑さん板絵などの作品展「絵本から広がる世界」ウィズで

 彦根市大藪町の読書アドバイザー・藤井スミ苑さん(69)の板絵などの作品展「絵本から広がる世界」が、23日まで市男女共同参画センター・ウィズで開かれている。15日午前10時~はギャラリートークがある。
 藤井さんは昭和57年に絵本の読み聞かせの面白さにひかれ、翌年からボランティアグループに所属。同61年には西地区公民館で木彫りを習い始め、その後、ベニヤ板を彫って絵を創作する「板絵」を始めた。これまでに彦根市展で特選や市長賞、無鑑査奨励賞を受賞している。また平成22年には出版文化産業復興財団(JPIC)が国民の読書活動推進のために開講した養成講座を修了し読書アドバイザーの資格を取得した。
 藤井さんは板絵の創作のほか、絵本を読んだ後にスケッチ画と内容、感想を大学ノートにまとめており、これまでに絵本約1450冊分を大学ノート13冊に収めている。
 作品展では芹川のけやきの木で葉の妖精が遊んでいる「わらべ歌」や市展の受賞作などの板絵21点、絵本の感想スケッチをまとめた大学ノートのカラーコピー31点、感想スケッチ本7冊のほか、藤井さんが手作りで作った絵本8冊を展示している。
 サブタイトルには「いつしか あなたも アーティスト」を付けているが、藤井さんは「このタイトルは長年、私の活動を見てきた娘がつけてくれました。最初は思ってもみませんでしたが、コツコツと地道に続けて、現在に至りました。皆さんにも楽しんで頂けたら幸いです」と話していた。開館は午前9時~午後9時(月水は午後6時)。休館は火日祝。
 乳幼児と保護者を対象にした「おやこ広場」が10日午前10時から彦根市男女共同参画センター・ウィズの軽運動室会議室で開催される。読書アドバイザーの藤井スミ苑さんによるエプロンシアターや紙芝居、わらべ歌など。参加無料。当日自由参加。問い合わせはウィズ☎(24)3529。

松原村御除地絵図を読み解く講座、彦根城博物館学芸員の渡辺恒一さん解説

 江戸時代に作られた「松原村御除地(おんよけち)絵図」を読み解く講座が4日、鳥居本地区公民館で開かれ、彦根城博物館学芸員の渡辺恒一さんが、除地とは何かなどについて解説した=写真。
 除地絵図は天保11年(1840)11月に彦根藩の普請方によって、横204㌢×縦116㌢で製作された。渡辺さんは江戸期の松原村の一部が記された御城下惣絵図を示しながら、松原村には松原湊、藩主の下屋敷(お浜御殿)、筆頭家老・木俣土佐の下屋敷などのほか、天保15年には本家や借家計407軒に1587人が住んでいたと説明。
 一方で、除地絵図には187軒が記されているが、約220軒が描かれておらず、絵図には空白部分に「御年貢地」と書かれていることから、渡辺さんは「記されたエリアが御除地で、そこは年貢の免除地だったと推測できる」「御城下惣絵図に松原村の屋敷が描かれているのは、そこが城下町の屋敷と同じ年貢の免除地だったからだ」と述べた。
 また天保4年の記録を参考に、松原村では農業や漁業、船業のほか、城内の蔵へ米を搬出入する「御蔵出入り」、松原湊に運ばれた年貢米の保管と納入先ごとの仕分け作業をする「米宿」などの仕事があったと紹介。
 そのうち米宿の家は彦根城を隔てた川沿いに「土蔵」を所有し、除地絵図には約60軒掲載。これについて渡辺さんは「彦根藩の年貢米の納入制度の変更で、江戸時代後期に土蔵が増加したとみられる」とし「景観を気にした普請方から土蔵の排除命令が出たことが除地絵図の作成の原因になった」と語った。
 今回の講演会は彦根市立図書館創設100周年記念として開催された2回目で、市民ら約50人が受講。3回目は11日午後2時~高宮地域文化センターで御城内御絵図と御城下惣絵図についての講演会がある。

国宝・彦根城築城410年祭のロゴマーク決まる

 国宝・彦根城築城410年祭の推進委員会が29日、彦根商工会議所で開かれ、ロゴマークが決まった。
 会議では冒頭で会長の小出英樹・彦根商議所会頭が「オール彦根で盛り上がる取り組みを決め、目標を達成させたい」とあいさつ。市民公募委員として田口巳千栄さんと中川原大樹さんが抱負を語った。
 事業計画としては▽江戸時代の彦根城や城下町をコンピューターグラフィックで再現する動画放映▽戦国と江戸時代をテーマにさまざまなジャンルの作家が彦根城や井伊家を作るアート展▽来年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」に関するビデオや衣装展示▽城周辺や市中南部で花火と食に関するイベント―などが公表された。
 ロゴマークは彦根藩の家紋や琵琶湖、佐和山をモチーフにした5案が示され、投票の結果、筆で書かれた「国宝 彦根城」と「HIKONE ONE and ONLY 築城410年祭」と記された黒、朱、グレーの3色バージョンに決まった。

2016年9月6日火曜日

日本ナショナル・トラスト協会が彦根市笹尾町の土地取得、県内では大津市の伊香立の森に続いて2カ所目

 日本の美しい自然と風景を守る活動をしている「日本ナショナル・トラスト協会」はこのほど、彦根市笹尾町の土地計6万1636平方㍍を取得したと発表。滋賀県内では昨年の大津市の伊香立の森に続いて2カ所目となった。
 ナショナル・トラストは無理な開発から絶滅危惧種の動植物や森林など自然環境を守る意味で、日本では昭和57年に「ナショナル・トラストを進める全国の会」が結成、平成4年に法人化された。当初は自ら土地を所有することはなかったが、自然保護への迅速な対応が求められる中で、寄付や贈与などの形で積極的に全国各地の土地を取得している。
 今回の笹尾町の土地は滋賀県の「守りたい育てたい湖国の自然100選」に選ばれているエリアの一部で、周辺にはカキツバタの群生地など多くの動植物のすみかになっているという。県外の所有者から34筆に分かれた山林が8月10日付けで同協会へ贈与され、全国で46番目のトラスト地になった。

吉本興業社員の能登達也さん彦根市に派遣 築城410年記念事業推進室に配属

 吉本興業社員の能登達也さん(30)が彦根市に派遣され、企画振興部秘書政策課内の築城410年記念事業推進室に配属。1日、大久保市長から辞令書が交付された。
 能登さんは石川県七尾市出身。吉本興業の社員が自治体などに出向して地方の活性化に貢献していく「エリアプロジェクト」の1期生として平成23年に入社。主に石川県を担当し、同県の観光情報を動画配信したり、劇団を立ち上げたりしてきた。
 来年3月から築城410年祭を行う彦根市は、3大都市圏の大企業の社員が地方自治体に入って企業でのノウハウを生かす総務省の「地域おこし企業人交流プログラム」を活用し、吉本興業に社員の派遣を依頼。能登さんに白羽の矢が立った。同プログラムが活用されて、吉本興業から社員が派遣される事例は平成25年の宮城県石巻市に続いて2人目だという。
 辞令の交付後、大久保市長は「力を合わせて、笑顔あふれる彦根にしてほしい」と要請。能登さんは「彦根は城下町が残っており、町並みがきれい。彦根に派遣されて、すごく光栄に感じている。築城410年祭への誘客が増えるように全力で取り組みたい」と抱負を語った。任期は1日から平成30年3月31日までの予定。

2016年9月2日金曜日

司法書士法人「equal(イコール)」、石田法律事務所、税理士法人GrowUpが一般社団法人 滋賀士業相談センター設立

 彦根市内などの弁護士、司法書士、税理士の専門家たちが「一般社団法人 滋賀士業相談センター」を9月1日に設立する。専門家3者による法人化の設立は県内初だという。
 法人を設立したのは小泉町の司法書士法人「equal(イコール)」、本町1丁目の石田法律事務所、草津市の税理士法人GrowUp。専門家同士でネットワークを築くことで、地域住民からの相談に対して有益な情報や支援をスムーズに提供しようと、一般社団法人化することにした。
 相談の対象は登記・税務・法務の3分野で、相続、財産分与、相続税の申告、離婚、交通事故など。
 また3団体はこれまでにも彦根や長浜などで相談会を開催しており、今後も継続して相談会やセミナーを行う。
 代表理事の1人で司法書士の馬場真作さん(34)は「専門家が集結し、相談会やセミナーなどを開催することで、『ここに来れば大丈夫』と言われるような、お客様の総合窓口になりたいと思います」と話している。問い合わせは事務局のイコール☎(24)5131。