彦根市議会の一般質問が9日から11日まで行われ、21人の議員が登壇した。そのうち、元市職員の黒澤茂樹議員(公政会)は失政が続いている大久保貴市長と山田静男副市長の市政運営を批判したうえで、市長に辞任を求めた。
黒澤議員は「市長が公約で掲げている『全国一の福祉モデル都市』の実現に向けて進んでいるのか」と質問。市長の「民間保育所の施設整備の実施、歯科健診の受診料助成、老人クラブへの活動助成などを進めている」との答弁に対し、福祉事業を含めて補助金が減少している点をあげながら「やっていることは逆だ。今後の財政のこう着化も明らかだ」と指摘した。
また今議会の補正予算に特別顧問の経費を計上している点について、同議員は「特別顧問の就任は、市長と副市長の行政能力、責任感の欠如の表れでは。市長がイニシアチブをとって、副市長や教育長に指示するのが本来の姿では」と指摘。市長は「私のイニシアチブによってベテランを外部から招へいする。民間の力を生かしての成果を期待している」と答えた。
「遅きに失しているが」
川嶋氏と比べ副市長も批判
さらに同議員は山田副市長と同様、市職員から副市長に就任し昨年1月に辞職した川嶋恒紹氏の名をあげ「川嶋氏と比較して、サポートできない分野がある。得手不得手はあるが、他人に責任転嫁していないか」と質問。山田副市長は「色んな考え方があると思うが、私なりに一生懸命に取り組んでいる」と反論した。
このほか同議員は「市長就任以降、やる気あふれる市職員を見つけることができず、大変寂しい。市長の一番の失敗は市職員のモチベーションを無くさせたことだ」と批判。市長の「改革を進めるためには、さまざまな試練や困難に対して力を合わせて乗り越えていく必要がある。市民の満足度を向上させるには市職員の就労満足度を上げることが必要だ」との答弁に、同議員は「(市職員のモチベーションの向上には)身を引くことも選択肢の一つ。それでも遅きに失しているが、その決断はできないか」と迫った。これに対し市長は「批判も真摯に受け止めて、一つ一つ乗り越えていくのが私の責任」と辞任を改めて否定した。