彦根市は23日、平成27年度当初予算案を発表。一般会計は前年度比2・2%増の393億円と過去最大になった。大久保市長が目指す「全国一の福祉モデル都市」に沿った形で、高齢者や障害者、子育て世代向けの福祉に重点を置いた。
福祉の主な事業は、▽福祉バス運行(600万円)=社会福祉団体が先進地との交流や障害者の社会参加を促す訓練のために利用するバスの借り上げ費用補助▽はり・灸・マッサージ施術費給付(211万円)=要介護・要支援認定者の寝たきりの高齢者らに、はりなどをして回復・悪化予防を図る▽認知症あったかサポート(1013万円)=認知症をもつ本人や家族、市民らが集う「認知症HOTカフェde」や認知症早期気づきキャラバンなど▽放課後児童クラブ整備(1億0966万円)=旭森小と河瀬小の放課後児童クラブ専用棟の新設と高宮小の棟改築のための設計―など。
平成27年度当初予算案のうち、一般会計はJR稲枝駅改築工事など土木費や給食センターの稼働に関する教育費、社会保障・税番号制度導入事業による総務費などの増加で、過去最大になった。
一般会計の歳入は、自主財源の大半を占める市税のうち、所得環境などが改善していることから個人市民税が増加するほか、大手企業を中心に増益が見込まれることから法人市民税も増収したため、市税総額では前年度比0・1%増の165億9430万円に。国や県からの交付金など依存財源は、地方交付税の代替え的な臨時財政対策債の減により市債が減少するものの、投資的経費の増加による国庫支出金や地方交付税が増加したことから、全体では増える見込み。自主財源比率は前年度から0・5ポイント減の53・8%に。
特別会計(6会計)は高齢化や医療費の増加に伴い給付費が増えていることから、国民健康保険事業と介護保険事業、後期高齢者医療事業の予算が増えたことで前年度比8・4%増の270億8592万円、企業会計(2会計)を含めた総合計は同2・7%増の822億8354万円と、過去2番目の規模だった。
市債は、前年度より22・9%の大幅減となる28億0480万円の発行となり、特別・企業会計を含めた27年度末の残高見込み(臨時財政対策債を含む)では前年度より約20億円少ない、約1006億円になる見込み。
基金は、総額で約16億4000円を取り崩す予定で、27年度の残高見込みは前年度より約15億円少ない81億円を予想。財政課は「基金がもつ本来の機能が発揮できなくなる」としている。
1万分の1に例えると
平成27年度一般会計予算案の総額393億円を、1万分の1の年収393万円の家計に例えると次の通りになる(以下、単位はいずれも万円)。
【収入】▽給料(市税、交付税など)=251▽補助金(国・県からの支出金)=88▽銀行からの借金(市債)=28▽定期預金の解約(繰入金)=15▽そのほか(財産収入など)=11。
【支出】▽生活費(人件費、扶助費など)=258▽仕送り(繰出金)=58▽家の増改築など(投資的経費)=42▽ローンの返済(公債費)=34▽貯金(積立金)=1。