結果的には獅山議員が勝利し、大久保市長は敗北したのだが、小生は今議会での一般質問や委員会を傍聴して、大久保市長は負けるべくして負けたと感じている。
谷口典隆議員が修正案の提案理由で述べた通り、大久保市長の答弁は一般質問や委員会、マスコミ対応で異なり、その変遷ぶりやのらりくらいとした答弁には小生も首をかしげることが何度かあった。
今、彦根市政は平成36年の滋賀国体に向けたインフラ、市民体育センターや図書館、彦愛犬のごみ処理施設、稲枝駅と周辺道路、外町など渋滞緩和のための道路、彦根駅東口開発など、さまざまなハード面の新しい整備が必要な状況だ。
限られた予算を活用しながら、それらの整備をいかに早く進めていくかは市長の力量次第であるが、市役所の耐震化でさえも遅々として進められないようでは不安をおぼえる市民も少なくない。すでに身内の市職員からも大久保市長の手腕を疑問視する声が小生の耳に相次いで届いている。
そして、まるで「大久保市長には任せておけない」とばかりに、彦根商工会議所や彦根観光協会は独自で調査や勉強会を行うなど、地域の経済・観光振興に行政に頼ることなく乗り出している。
都市間競争が激しくなる中で、いかに他市よりも早く斬新な政策を打ち出し、その競争に打ち勝つかが、全国の地方都市に求められている昨今、のらりくらりとした市政運営では都市間競争に取り残されるのは火を見るよりも明らかである。
大久保市長が残り任期を全うする気があるのなら、その政治姿勢を省みて、改めた上で、死にものぐるいで市政運営にあたるべきである。【山田貴之】