2015年6月27日土曜日

大久保市長へ 政治姿勢を改めよ

 今議会は彦根市役所の耐震化を巡り、大久保市長と前市長の獅山向洋議員とが対立。弁護士でもある獅山議員はまるで法廷の場であるかのように、さまざまな角度から大久保市長を痛烈に批判した。
 結果的には獅山議員が勝利し、大久保市長は敗北したのだが、小生は今議会での一般質問や委員会を傍聴して、大久保市長は負けるべくして負けたと感じている。
 谷口典隆議員が修正案の提案理由で述べた通り、大久保市長の答弁は一般質問や委員会、マスコミ対応で異なり、その変遷ぶりやのらりくらいとした答弁には小生も首をかしげることが何度かあった。
 今、彦根市政は平成36年の滋賀国体に向けたインフラ、市民体育センターや図書館、彦愛犬のごみ処理施設、稲枝駅と周辺道路、外町など渋滞緩和のための道路、彦根駅東口開発など、さまざまなハード面の新しい整備が必要な状況だ。
 限られた予算を活用しながら、それらの整備をいかに早く進めていくかは市長の力量次第であるが、市役所の耐震化でさえも遅々として進められないようでは不安をおぼえる市民も少なくない。すでに身内の市職員からも大久保市長の手腕を疑問視する声が小生の耳に相次いで届いている。
 そして、まるで「大久保市長には任せておけない」とばかりに、彦根商工会議所や彦根観光協会は独自で調査や勉強会を行うなど、地域の経済・観光振興に行政に頼ることなく乗り出している。
 都市間競争が激しくなる中で、いかに他市よりも早く斬新な政策を打ち出し、その競争に打ち勝つかが、全国の地方都市に求められている昨今、のらりくらりとした市政運営では都市間競争に取り残されるのは火を見るよりも明らかである。
 大久保市長が残り任期を全うする気があるのなら、その政治姿勢を省みて、改めた上で、死にものぐるいで市政運営にあたるべきである。【山田貴之】

現市長の耐震計画案否決され練り直し 前市長案を市議会支持

 彦根市役所本庁舎の耐震化を目指し、大久保市長が彦根駅東口への仮設庁舎の建設費(約3億7486万円)を6月議会に提案していたが、複数の市議が採決日の25日に同建設費を省いた修正案を提出。議長を除く23人で採決が行われ、賛成12、反対11で可決された。修正案の可決を受け、大久保市長は「賛成派の議員の論点を整理して、対応策を考えたい」と述べた
 修正案は谷口典隆議員を提出者として出され、谷口議員は「昨年末の付帯決議の多くを履行しておらず、議会軽視と言わざるを得ない」と批判した上で、23日のマスコミの取材に彦根市民会館にある部局の集約化を本庁舎耐震後に行うと市長が表明したことを取り上げ「一般質問での答弁をひるがえした発言で場当たり的だ。そのような不誠実な予算は認められない」などと提案理由を説明。赤井康彦議員と安澤勝議員が修正案に反対、山田多津子議員と獅山向洋議員が賛成の討論を行った。
 そのうち獅山議員は自身が市長時代に計画した耐震案と大久保市長案を比べた図面や、新しい長浜市役所の写真をパネルで紹介しながら、約50分間にわたって大久保市長案を批判。「市役所はその市のシンボル、ランドマークであり、大久保市長案の外観は他市に見せるのは恥ずかしい」と指摘した上で、市長与党の民主党系の会派「夢みらい」に労働組合を支持母体にした議員がいることにふれ「大久保市長案は市職員として働く者の立場に立っていない」と語った。
 採決では獅山・谷口両議員、共産党の2人、公明党2人、無会派1人のほか、自民党系の公政会から4人、夢みらいから1人の計12人が賛成し、可決された。
 採決後、本紙などの取材に応じた大久保市長は、5項目の付帯決議のうち3項目を反映させたことを野球に例え「5打数3安打ではなく、議会は5打数5安打しかダメだという判断。議会の中で頂いた色んな意見を整理して対応していきたい」と答えた。
 ※【解説】昨年12月議会で可決された付帯決議は▽耐震補強ができていない市民会館にある部局の執務スペースを確保するために本庁舎に増築する▽防災拠点となる危機管理対応部署を本庁舎に設ける▽窓口業務をワンフロア化に▽来庁者の駐車スペースを確保する▽工事中の仮庁舎を本庁舎敷地内に建設する―よう求める内容。
 獅山議員ら修正案を支持した議員は以上の5項目すべての履行のほか、▽彦根市民会館の扱いが不明▽市民会館にある部局を本庁舎に移す場合の執務スペース(現状約2200平方㍍)が確保されていない▽本庁舎の隣接地に県有地があるものの県との調整が進んでいない▽仮設庁舎の建設費のうち什器(つくえ、いす、収納棚)に1億円超をかけるのはおかしい▽耐震後の外観が美しくない―ことなどを疑問視し、その改善を求めている。
 役所の耐震化に対する国からの補助(緊急防災・減災事業債)は平成28年度中の完成が条件とされており、大久保市長も来年1月から約1年間かけて本庁舎の耐震工事を行い、それに伴って彦根駅東口に仮設庁舎を今年10月着工、年内完成を計画していた。
 しかし、駅東口への仮設庁舎の建設計画が議会に否定されたことで、今後、大久保市長がどのような対応策をいつ立てるのかが注目される。
 なお担当する市公有財産管理室によると、本庁舎の耐震化完了には約10カ月かかるため、平成28年度中に完了させるには遅くても来年6月までに着工する必要がある。
 彦根市議会は25日、採決を行い、一般会計補正予算の修正案や追加議案として市清掃センターで故障した中央自動運転制御装置の更新費など(9557万円)など28議案が可決。子どもの医療費助成制度の拡充を求める請願書や安全保障法制を国民合意なく強行採決しないことを求める意見書などは賛成少数で否決された。

ひこね政経フォーラム=自民・上野賢一郎衆院議員を支援する経済団体=が勉強会、スマート・ベニュー学ぶ

 彦根など湖東地域の政治・経済・教育の分野の発展を目指して設立された団体「ひこね政経フォーラム」の総会が20日、グランドデュークホテルで開催。自民党の上野賢一郎衆院議員や湖東地域の企業経営者ら計62人が参加した。
 総会で会長の小出英樹・彦根商工会議所会頭は、地域経済の強化や人口減に対する交流人口の増加などの重要性をあげた上で「企業が良いアイデアを持っていても提案をする方法がなく、この地域の政治、経済、教育の分野を強くするため結成した」と組織設立の経緯を説明。「強くするためには上野代議士に汗をかいてもらわなければならず、法律に沿った形で上野代議士をサポートしていきたい」と、上野氏の地盤が弱い湖東地域での支援組織として活動する意向を示した。
 上野氏は、国土交通大臣政務官として外町の渋滞緩和など道路整備や稲枝駅の改築に尽力しているとした上で「全国の県市町が観光振興を重視しており、外国人の観光客が年々増えている。彦根や長浜、近江八幡はポテンシャル(潜在性)があり、意識して誘致活動に努めていかなければならない」と述べた=写真
 同フォーラムは、彦根、犬上郡、愛知郡、旧愛東町、旧湖東町という滋賀2区のうち湖東地域の選挙区内にある事業者を対象にした団体。昨年5月10日に設立され、現在の会員は80人。事務局の平和堂秘書課では随時、会員を募集している。
スポーツ核に市役所など複合型施設に
 ひこね政経フォーラムの総会後には、日本政策投資銀行の川住昌光さんが「スポーツを核とした街づくりを担う『スマート・ベニュー』」をテーマに講演した=写真
 スマート・ベニューは、民間の企業によって設立したスポーツ施設を核に市役所やショッピングセンターなども備えた複合型の交流施設。同銀行が主体となり、さまざまなスポーツの協会や大学、関連企業と研究会を立ち上げ、全国での導入を進めている。
 川住さんは、これまでのスポーツ施設が▽単機能型▽公設公営▽郊外へ建設▽低収益性の一方、スマート・ベニュー化によって▽多機能型▽民間活力導入▽まちの中心地へ建設▽収益性アップ―になると解説。
 全国のスタジアムやアリーナなどにアンケート調査を実施したところ、運営者は第三セクターや財団法人など地方公共団体の外郭団体が40%、市区町村が18%だった一方、民間が23%。収入が市区町村からの委託費を上回っている施設は14%しかなかったことにふれ、収益性がある施設の特徴として▽命名権や広告など収入源の多様化▽スポーツ以外のコンサートなど文化的興行の比率が高い▽駅近くなど利便性の良い立地―をあげた。
 スマート・ベニューを実現させる手法として、川住さんは「制度設計などを行う政府・自治体と、収益モデルの構築などの民間企業が相互で補完し合う連携が必要だ」と語った。

2015年6月26日金曜日

彦根翔西館高校の校章デザイン決まる

 彦根西高校と彦根翔陽高校が統合し来年4月に開校する新校「県立彦根翔西館高校」の校章デザイン=写真=が発表された。
 考案者は和歌山県田辺市の北野公一さん。彦根の「ひ」の文字を西高と翔陽高のスクールカラーの緑と青で表し、両校を表現した2本の線を入れ、上部には「翔」の太陽と「西」の夕日から円を配している。「新しい未来を協力して創っていく生徒の姿をイメージしている」という。
 新校開設準備室では昨年12月22日から今年2月27日に校章デザインを公募。応募総数70点から彦根統合新校設置懇話会と県教委の選定を経て決定した。北野さんには感謝状などを贈る。

2015年6月23日火曜日

彦根市役所耐震化問題 関連予算省いた修正案提出へ、予算委では1票差で否決

 彦根市役所本庁舎の耐震化に合わせて、仮設庁舎を彦根駅東口に建設する関連事業費(約3億7486万円)が今議会の一般会計補正予算案に盛り込まれているが、複数の市議が昨年末の議会で可決した付帯決議(※)が守られていないなどとして、同事業費を省いた修正案を提出する見込みだ。同様の修正案は18日の予算特別委員会では否決されたが、賛否は接戦の状況で、どちらに転ぶかは25日の採決までわからない。
 大久保市長は、来年1月から約1年かけて本庁舎の耐震化を行う方針で、工事期間中は現在の本庁舎の機能を中央町の仮庁舎の1~3階と駅東口に建設予定の仮設庁舎に振り分ける意向。そのうち東口には市有地約4500平方㍍に軽量鉄骨3階建て延べ床面積約3500平方㍍で仮設庁舎を建てる計画で、今年10月着工・年内完成を目指している。
 しかし、前市長の獅山向洋議員や前議長の谷口典隆議員らは付帯決議が守られていないなどとして、17日まで行われていた一般質問で大久保市長の計画を批判。公明党(2人)、共産党(2人)と共に修正案を作成し予算特別委員会に提出したが、否決された。
 最大会派で自民党系の公政会(10人)は議員間で修正案への賛否が分かれている。同会派では調整を図る考えだが、賛否が分かれたまま採決に入ると見られる。
 市長与党で民主党系の夢みらい(7人)は昨年末の議会で付帯決議に賛成した議員もいるが、会派拘束をかける予定。
 会派に属さない議員(一人)は修正に賛成の意向。本紙の調べではこれまでのところ、修正案の賛否は拮抗している。
 【昨年末の付帯決議】▽耐震補強ができていない市民会館にある部局の執務スペースを確保するために本庁舎に増築する▽防災拠点となる危機管理対応部署を本庁舎に設ける▽窓口業務をワンフロア化に▽来庁者の駐車スペースを確保する▽工事中の仮庁舎を本庁舎敷地内に建設する―よう求める内容。
 18日に行われた市議会の予算特別委員会では、仮設庁舎を彦根駅東口に建設する関連事業費を除く修正案が提出された。
 提出者の獅山議員は、机やいす、収納棚など什器(じゅうき)類に1億1615万円が計上されていることをあげ「仮設庁舎の狭いスペースにこれだけの予算をかけるという話は前代未聞だ」と批判。また本庁舎の隣接地に県有地があり、耐震化を進める中で県との協議が不十分だと指摘した上で「県との話し合いができていない状態で予算を組むのは順序が間違っている」と述べた。
 一方で安澤勝議員は「本庁舎のままで耐震工事をするのは安全面で問題がある。県としっかり話し合いをしながら、原案を進めてほしい」と修正案に反対。採決では委員12人のうち委員長を除き、修正案に賛成5、反対6で否決された。

彦根の公共施設等総合管理計画 今年度中に策定

 大久保市長は、彦根市の公共施設の基本方針「公共施設等総合管理計画」を今年度中に策定することを明らかにした。市議会一般質問で、獅山・谷口両議員の本庁舎と市民会館の耐震化を巡る質問に答えた。
 総務省の要請で全国の地方自治体が同計画の策定を進めており、彦根市は今年1月から4月にかけて市内の公共施設の利用状況などについて各課から情報を収集、今後は8月までに細部のヒアリングを行い、11月ごろに各施設を評価。パブリックコメントを実施した後、年度内に策定する。
 市民会館など個別の具体的な方針については同計画を策定した後の平成28年度以降に公表するとしている。
 一般質問では耐震補強が必要な市民会館にある水道部や市教委の扱いを問う質問が相次いだが、市長は「年次的に集約化を検討する考え」との回答に終始していた。

彦根の観光不十分さ指摘 市民体育センター・スイミングセンター移転 50年後の人口8万人台、彦根市議会一般質問

 一般質問には新人議員も登壇。奥野嘉己議員は海外向けの観光戦略について質問し、和田一繁議員は彦根の観光施策の不十分さを指摘した。
 彦根への外国人来訪者数は昨年が4万0416人と、ここ5年で最多となっており、特に台湾や中国などアジア地域からが増加していることから、奥野議員は彦根城博物館や彦根観光協会のホームページに中国語ページの作成を提案。市は「中国語の翻訳者の確保や翻訳方法について検討する」などと答えた。
 和田議員は来月10日開幕の直弼公生誕200年祭について、関連予算が今年の3月議会に組まれたことやのぼり旗・懸垂幕の設置が7月1日以降になることに「遅すぎる」と批判。これに対し市は「200年祭決定の時期や予算編成、実行委員会での調整で7月になったが、旅行エージェントとの情報交換は2月から実施している」と理解を求めた。また、平成29年の彦根城築城410年祭の開催の有無について市長は築城410年祭を開催するとした上で「事業の焦点、テーマ設定、規模を検討していく中で組織体制を判断していきたい」と話した。
 国体主会場に絡み、移転が決まっている県立スイミングセンターと市民体育センターについては赤井康彦議員が質問。
 市外に移転する可能性があるスイミングセンターについて、市は「市内に屋内温水プールと飛び込みプールを整備して頂くよう県に要望したい」と述べた。
 一方で、市民体育センターの移転先や規模について市は、本紙の取材に5月25日に県から移転要請があったとした上で、同センターや金亀公園など市の施設の方針を決めるため市職員や大学教員らで検討委員会を今夏に設置するとした。
 小川喜三郎議員は市長の彦根駅東口への官庁街構想について、移転を望んでいる施設や国・県への働きかけ状況を質問。市長は「具体的な施設を申し上げる段階にない」「まずは(コンパクトシティーの実現に向けた)立地適正化計画を策定した後、国の機関の意向を聞く中で私自らも働きかけたい」と述べた。
 安藤博議員は人口減少社会への対応について質問。市は人口が2010年の11万2156人から50年後の60年には推計で22・2%減の8万7226人になり、14歳までの年少人口が44・1%減、15歳~64歳の生産年齢人口が36%減となる一方、65歳以上の老年人口が36・7%増になると報告。これにより、労働者一人あたりの社会保障費の増加、税収の減少、地域産業の労働者不足、小売店の撤退、公共施設の維持管理の非効率化などの問題が発生すると予想した。
 対応策としては「今年度中に人口減少対策を目的にした地方版総合戦略の策定が求められているため、その中で検討する」とした。

2015年6月20日土曜日

青湖会の洋画展、日展で特選の佐渡一清さん作品・兆も

 洋画グループ・青湖会(西澤廣子代表)の作品展が21日まで彦根市民会館で行われており、国内最大の美術展・日展で特選を受賞した佐渡一清さん(65)の作品「兆」も展示している。
 作品展では会員18人が描いた醒ヶ井や御嶽山など県内外の風景や、木々、人物などの洋画34点を展示している。
 そのうち佐渡さんの100号の大作「兆」は、青いTシャツを着た女性が、赤いバラが突き出た柵の前に立ち、黒色のスカートをつまんでいる様子が色鮮やかに描かれている。
 岐阜市から訪れた松本秀男さん(80)は「『兆』は影やしわなどの表現がすばらしい。また、ほかのどの作品も気が入っているのを感じる」と話していた。
 開館は午前9時半~午後4時半、21日のみ午後4時まで。入場無料。

2015年6月19日金曜日

ガソリン満タンで声楽家の歌声披露、安田旺司さん企画

 彦根市里根町の油藤商事のガソリンスタンドなどに13日、声楽家の安田旺司さん(40)=大津市=らが訪れ、来店客に歌声を披露していた。
 安田さんはクラシックなどの音楽を身近に感じてもらおうと、3年ほど前からさまざまな場所で歌声を披露する取り組みをしており、彦根市内には声楽家の楠永陽子さん(40)、ピアニストの松田千夏さん(30)と一緒に訪問。午後0時半ごろからガソリンスタンドに待機し、ガソリンを満タン入れた来店客に「パパパの二重唱」「エリーゼのために」などを歌っていた。
 来店し歌声を聞いた大学教員・山田博子さん(37)は「最初はどっきりかと思いました。パパパの歌がとてもすばらしく、明るく楽しい一時が過ごせました」と話していた。

 その後、安田さんらは市内の携帯電話の店やアートフェスタ勝負市の会場、千成亭の店などでも歌声を披露した。

2015年6月17日水曜日

元日本代表・大山加奈さん近江高バレー部員に指導、大塚製薬ブカツキャラバン

 バレーボール元全日本代表の大山加奈さん(30)を講師に招いた教室が10日、松原町の近江高校で行われ、女子バレー部員たちがレシーブの仕方などを学んだ。
 大山さんは東京都出身。平成13年に全日本代表に選出され、翌年の世界選手権には唯一の高校生プレーヤーとして出場し、同15年に東レアローズ入部。同年開催のワールドカップでは栗原恵さんと共に19歳コンビで「メグカナ」と呼ばれた。以降もアテネオリンピックで活躍し、現在は日本バレーボール協会の国内事業本部委員を務める。
 近江高では女子バレー部員22人が大山さんの指導を受けながらレシーブやスパイク、ブロックを練習。大山さんは「レギュラー組でも控え組でも、学年が違っても、全員が同じ気持ちを持って練習をするのが大事。全国で勝つのは大変なことで、地道にコツコツと練習するしかない」とアドバイスしていた。
 この教室は大塚製薬が昨年から全国の小中高で行っている「ポカリスエット・ブカツキャラバン」の一環。教室の前半では水分補給の仕方を教える講座もあり、練習の合間に生徒たちはポカリスエットを飲んで水分補給をしていた。

2015年6月15日月曜日

市庁舎耐震巡り前市長と現市長が対立

 彦根市議会の一般質問が15日から始まり、初日には前市長の獅山向洋議員が登壇し、市役所本庁舎の耐震化を巡り大久保市長と対決した。
 獅山議員は、昨年12月議会で可決された付帯決議のうち「耐震補強ができていない市民会館にある水道部と市教委の執務スペースを本庁舎に増築する」とする項目をあげながら、「災害はいつ起こるかわからない。市民会館に来庁する市民や職員は危ない。安全面をどのように考えているのか」と迫り、市長は「耐震補強をしないとは言っていない。(彦根駅東口に仮設庁舎建設後)しっかりと考えて対応する」と答えた。
 また付帯決議の「工事中に仮庁舎を本庁舎の敷地内に建設することを求める」項目について、獅山議員は本庁舎内の一部に県有地があることを指摘した上で「まずは県と調整した後で仮庁舎の議案を市議会に提出するべきで順序が違うのではないか。これで市議会が認めると考えているのか」と批判。市長は「並行して県と協議をしていきたい」と理解を求めた。
 このほか、獅山議員が市長時代に決めた「現行案」が大久保市長が進める「今回実施案」より優れているのではないかとの指摘に、市長は「市民課や税務課など窓口業務を1階に集約できる。ワンストップサービスが現行案よりも向上する」と、現行案の優位性を否定した。
 今議会には本庁舎の耐震化工事を控え、仮設庁舎を彦根駅東口に設けるための補正予算が盛り込まれており、市議会の判断が焦点になっている。
旧外堀土塁 市有地に
 辻真理子議員は彦根城の旧外堀の土塁の活用について、個人が所有している敷地内の市有地化を要望。担当部長は「国の特別史跡に指定してもらった後、市有地化の方向で進めたい」と語った。

 なお一般質問は17日までの予定。

本庁舎耐震・彦根駅東口など 彦根市議会一般質問15日〜

 彦根市議会6月定例会の一般質問が15日から始まり、19人の議員が本庁舎の耐震化や彦根駅東口の開発、国体に向けた整備、観光課題などについて質問する。4月の改選後、最初の定例会のため、新人や元職の質問が注目される。一般質問の模様はインターネットでも見ることができる。17日までの予定で、いずれも午前9時開会。登壇議員と質問内容は以下の通り。
 ▽中野正剛議員=鳥獣被害対策、多子世帯の支援強化を。
 ▽辻真理子議員=彦根城外堀土塁は世界遺産に繋がるか、彦根市立病院について、中学校給食開始後の問題点。
 ▽獅山向洋議員=本庁舎耐震化整備事業(昨年12月議会可決の付帯決議に対し、地方自治法に反している、疑問点など)。
 ▽野村郁雄議員=食育、河瀬公園の整備、鳥獣害対策。
 ▽奥野嘉己議員=市の均衡発展、稲枝駅西口交通安全策、海外向け観光広報強化策、聖泉大ホッケーの日本リーグ出場、全国学力・体力テスト。
 ▽赤井康彦議員=空き家と空き地対策、国民体育大会。
 ▽山内善男議員=戦争する国づくりに反対、獣害対策、愛のり一律300円に、図書館建設。
 ▽夏川嘉一郎議員=在宅医療・介護の連携、環境政策、観光政策の改善。
 ▽安居正倫議員=老人クラブ、100歳人生を考える施策。
 ▽山田多津子議員=国民健康保険制度の充実、学校給食地産地消など、校園へエアコン設置を。
 ▽谷口典隆議員=大東町の危険建築物、本庁舎耐震化整備の諸課題、彦根駅東口の官庁街整備。
 ▽長﨑任男議員=施設整備の基本方針、図書館整備。
 ▽八木嘉之議員=各種まちづくり計画策定、彦根市緑の基本計画。
 ▽小川喜三郎議員=市庁舎仮設庁舎、彦根駅東口の官庁街構想、子ども・若者プラン。
 ▽和田一繁議員=彦根の観光(直弼公生誕200年祭、来年の築城410年祭の開催予定など)。
 ▽安藤博議員=人口減社会の対応策、ホッケー専用フィールド整備を。
 ▽安澤勝議員=廃棄物処理施設、公共工事品質確保法、有害鳥獣対策。
 ▽北川元気議員=中学校教科書の採択と道徳教材、情報政策。
 ▽上杉正敏議員=子どもの貧困と放課後子ども教室、文化財保存。

彦根ゆかたまつりと彦根ばやし総おどり大会 今年は同日に

 毎年7月末と8月初旬に開かれている彦根ゆかたまつりと彦根ばやし総おどり大会が、今年は同日の8月8日に開催されることになった。また7月末から8月上旬にかけて催されてきた彦根七夕まつりが1日のみの開催となり、恒例だった吹き流しや七夕飾りも今年から行われない。
 彦根市や彦根商工会議所、彦根観光協会、彦根商店街連盟などによるひこね夏まつり実行委員会は毎年、「彦根夏の陣」と題してイベントを企画しているが、行事が多すぎることや集客が伸び悩んでいることなどから、夢京橋キャッスルロードで行われてきたゆかたまつりと銀座・中央など商店街で開催の総おどりを同日にした。開催場所や時間について事務局では「調整中」としている。
 また彦根七夕まつりに合わせて銀座や中央など商店街に設置された吹き流しや七夕飾りは、飾り物が風で飛ばされるなど景観面への配慮などから行われない。そのため長期間行われていた七夕まつりは今年から7月25日のみの開催になる。イベントの内容は「詰めているところ」としている。
 ほかのサマーナイトフェスティバル(7月25日)やひこね万灯流し(8月6日)は例年通り開催される。

2015年6月11日木曜日

滋賀国体主会場 公設民営で運営 施設整備は2案

 平成36年の滋賀国体の主会場の整備方針を協議する彦根総合運動公園(仮称)整備計画検討懇話会がこのほど滋賀県庁であり、基本計画策定に向けた案が示された。
 懇話会では、基本構想で示された第一種陸上競技場、野球場、第三種陸上競技場などに加える施設として▽多目的広場を西側の敷地拡張部に、庭球場を公園中央に、ほぼ現状規模で配置する▽公園中央に緑の広場を、西側の敷地拡張部に公式大会や強化合宿が実施でき、競技力向上の拠点施設になる庭球場を配置。サッカーや他競技のウォーミングアップ場として利用が多い多目的広場は設置しない―の2案が提示された。
 施設整備と管理運営の手法としては、公設で整備した後、指定管理者制度を採用して施設の維持管理にあたるとした。民間の資金と経営能力・技術力を生かすPFI方式など民間活用は、▽第1種陸上競技場を主とした公園整備に適用された事例がない▽彦根市風致条例による高さ制限や彦根城の世界遺産登録に向けた景観整備へのリスク▽軟弱な地盤への対応などから、民間事業者が独自の計画を立てて進めることは困難だとして、採用しない方針を説明。
 今後のスケジュールとしては、来月の懇話会で概算の事業費と基本計画案が示され、平成29年度までに設計や用地取得、同31年度~同33年度に第1期工事、国体前年の同35年度に供用開始、翌年に国体開催、同37年度から第2期工事に入る。
長浜は相撲誘致へ
 長浜市相撲連盟が同市平方町に整備した土俵で6日、土俵開きが行われ、関係者は滋賀国体の相撲競技の長浜誘致などの夢を語った。
 土俵開きには連盟の関係者のほか、上野賢一郎衆院議員、二之湯武史参院議員、藤井勇治市長、野田藤雄県議会副議長らが出席。出席者による玉ぐし奉納の後、土俵の地鎮祭にあたる「土俵祭り」を執り行い、土俵中央に米、塩などを埋めた。連盟の山田普会長は「相撲は国技であり、心技体を磨き、親しみやすいスポーツ。この土俵を契機に、長浜から、力士、横綱を輩出できれば夢がある」とあいさつし、藤井市長は横綱白鵬関の所属する宮城野部屋が17日から長浜で合宿することにふれ「長浜の相撲文化を盛り上げていきたい」と話した。
 土俵は滋賀国体を見据え、滋賀の相撲競技の再興と選手育成をはかるため、連盟の会員らが手作りで整備した。

コリンチャンスパウリスタジャパン彦根スクールがU10チャンピオンズカップ準優勝

 クラブチーム公認のサッカースクールによるU10チャンピオンズカップが先月、愛知県内であり、「コリンチャンスパウリスタジャパン」の彦根スクール(地蔵町)らの小学生チームが準優勝した。彦根チームのメンバーは3日に市役所を訪れ、大久保市長に結果を報告した。
 大会は南米のコリンチャンスのほか、ACミラン、レアルマドリード、アーセナル、チェルシー、FCバルセロナのヨーロッパの名門クラブチーム公認のスクールに所属する10歳以下の小学生チームによる試合。彦根スクールは昨年3月に結成され、今年2月結成の三重県伊賀市のスクールとの合同チームとして初出場した。
 合同チームは、彦根スクールの辻中一志君(佐和山小4)、高橋蓮君(同)、谷井湧馬君(河瀬小4)、松本莉右君(金城小3)、大塚菫史君(城南小3)、窪田仁君(能登川小4)の6人と伊賀スクールの6人で組織。大会では初戦をチェルシーに3対1で破り、次戦もACミランに3対0で勝利したが、決勝ではバルセロナに0対1で惜敗し準優勝だった。トップ下で活躍した高橋君と右サイドバックで奮闘した松本君は「得点はできなかったけれど、がんばれた。将来は日本代表でワールドカップに出場したい」と話していた。

2015年6月9日火曜日

外国人支援の多文化共生サポーター募集、彦根が37カ国約2000人

 日本人と外国人が共に暮らしやすい社会を目指して支援活動をする「多文化共生サポーター」対象の最初の研修会が3日、大学サテライトプラザ彦根であり、聖泉大学講師の森雄二郎さんが国内の外国人の状況などを解説した。
 彦根市内の人口11万2656人(4月末時点)のうち、市によると、昨年末時点で外国人の住民が1967人おり、中国が最多の652人で、ブラジル402人、フィリピン339人、韓国・北朝鮮229人、ベトナム135人と続き、計37カ国の外国人がいる。
 森さんによると、国内の在留外国人の動向は、2008年をピークに翌年のリーマンショックにより出稼ぎ労働者が減少したことで少なくなったが、政府の経済対策によって昨年から再び増加。出稼ぎ労働者として、これまでは中国が多かったが、現在は技能実習生としてタイやベトナム、ネパールなどアジアの途上国が増えているという。
 また、日本の人口が減少していく中で、インフラ整備や東京オリンピックを控えた建設ラッシュ、福祉需要の増加、農業・漁業の人手不足などに対し「外国人を労働者として導入している企業が増えており、今後は外国人に依存する社会になる」と予測。その上で、これまでの外国人は一つの地域や集合住宅に住んでいたが、現在は点在して住んでいると説明し「日本に住む外国人の状況をキャッチしづらい社会にあり、外国人がこぼれ落ちていく可能性がある」と、外国人に対してのきめ細やかな対応を求めた。
 研修会には今年度、彦根市の多文化共生サポーターに登録された40人のうち10人が参加=写真。中国やブラジルの出身者からは「アパートを借りる際や求人情報が把握しにくい」「日本語しかわからず、一時帰国した際に現地語が話せず困った」などの意見が出ていた。
 彦根市は平成25年3月から多文化共生サポーター制度を設置している。
 主な役割は▽地域に住む外国人と笑顔であいさつ▽外国人の児童生徒を対象にした夏休みと冬休みの教室(多文化クラブ)で学習支援や文化交流▽外国語の翻訳や通訳▽外国人向け防災訓練の支援など。
 イベント日に時間があれば参加する。登録は随時可。外国語が話せなくても可。住所や年齢、国籍など不問。問い合わせは市人権政策課☎(30)6113。

2015年6月5日金曜日

金美齢さん講演「日本人は誇りと自信を」

 評論家の金美齢さんが5月30日、「日本再生への提言」をテーマに長浜市内で講演。長浜信用金庫主催の講演会で、金さんは390人の来場者を前に、国際社会から見た日本や滋賀の観光戦略など幅広い分野について話した=写真
 金さんは現在の日本人について「誇りや自信がなく、内向き姿勢が目立つ。国際社会では卑下や謙虚は通用しない」「日本人であることがどれだけ幸せかを認識する必要があり、メイドインジャパンへの回帰を大切にしなければ」と訴えた。
 50年前と現在との違いについては「50年前は台湾人、女性、結婚、子どもがいる、すべてのことがマイナス要素だったが、今はすべてがプラス」「男性は否が応でも仕事をしなければならないが、女性は外に出て働かなくても後ろ指を指されることがない。恵まれていることに感謝すべきだ」と解説した。
 滋賀の魅力については、琵琶湖、(台湾人が好きな)湖周サイクリング、近江牛をあげた上で「これで観光客が来ないと言ったらうそ。国内外にどんどん売り込んだら良い」とアドバイス。公共事業についてもふれ「日本の土木技術は世界的に見てもすばらしい。公共事業が無駄使いだという意見は何もわかっていない人。インフラ整備は雇用と技術の継承にも役立つ」とインフラ整備の重要性を求めた。
 講演の最後では「日本で暮らすことの幸せ、日本人として生きることの幸せを、もっと意識した上で、エリートをもっと育てなければいけない」「それを実現しようと先頭に立っているのが安倍首相であり、メイドインジャパンへの回帰を目指している」と安倍政権への支持を求めた。

2015年6月4日木曜日

タイムカプセルでギネス記録ならずも「10年後が楽しみ」

 タイムカプセルでギネス記録に挑戦するイベントが5月29日から30日にかけて彦根市立病院で行われたが、参加者不足で記録更新にはならなかった。
 尾末町の寺村邦子さん(60)が企画。今年3月に米国で達成されたという1015人を超える人数を目指し▽写真や新聞、雑誌など定期刊行物、音声▽手紙やメッセージ▽人気のあるキャラクター商品など「今がわかる物品」のいずれか1点の持参を求めた。
 29日午後1時10分~始まり、1日目は139人、2日目は同日行われた市立病院ふれあいまつりの来場者らに参加を促したが、開始から24時間後の30日午後1時10分時点で計453人と達成しなかった。
 持参された物品は長さ2・5㍍×直径30㌢の塩化ビニル管に入れられ、病院敷地内に埋められた。2025年5月30日午後2時に開放予定。
 寺村さんは「ボランティアで支援してくれた人たちを含め、達成できずに申し訳ない。10年間はもうギネス挑戦のイベントはしないで、10年後に皆さんとお会いできるのを楽しみにしています」と話していた。

2015年6月3日水曜日

彦根駅東口に市役所本庁舎の仮設庁舎建設方針

 彦根市役所の本庁舎の耐震化に合わせて、市は彦根駅東口の市有地に仮設庁舎を建設するため、8日開会の6月議会の補正予算に仮設庁舎の整備費(3億4665万円)と仮設庁舎のネットワーク整備費(2821万円)を盛り込む。しかし、昨年末の議会で可決した付帯決議の内容が反映されていないことなどから、市議会の反発が予想される。
 市は来年1月から約1年かけて本庁舎の耐震化を行う計画で、工事期間中は現在の本庁舎の機能を中央町の仮庁舎の1~3階と駅東口に建設予定の仮設庁舎に振り分ける意向。そのうち東口には市有地約4500平方㍍に軽量鉄骨3階建て延べ床面積約3500平方㍍で仮設庁舎を建てる方針。今年10月着工で年内完成を目指している。
 一方で、昨年末の市議会では▽耐震補強ができていない市民会館にある部局の執務スペースを確保するために本庁舎に増築する▽防災拠点となる危機管理対応部署を本庁舎に設ける▽窓口業務をワンフロア化に▽来庁者の駐車スペースを確保する▽工事中の仮庁舎を本庁舎敷地内に建設する―よう求める付帯決議が可決。しかし、6月議会に提案される仮設庁舎整備の関連案は、一部が付帯決議の内容通りにはなっていないため、市議数人からはすでに疑問の声があがり始めている。

2015年6月2日火曜日

佐和山城大手口で遺構が初確認、溝や内堀、土塁、屋敷跡など

 彦根市佐和山町の佐和山城下の大手口と伝わる場所の発掘現場で、いずれも16世紀後半と見られる内堀や土塁、建物などの跡が見つかった。30日午後1時半~現地説明会がある。
 市教委文化財課は平成23年度から佐和山城跡の調査を進めており、昨年度からは江戸時代後期に作られた佐和山城絵図を参考に、大手口周辺で内堀の一部(第1調査区=42平方㍍)や土塁(第2=42平方㍍)、武家屋敷地区と伝わる場所(第3=288平方㍍)で発掘調査を行っており、各区で良好な状態で残っている遺構を確認した。
 滋賀県が平成21年と22年に佐和山の東側の城下で行った調査では、石田三成時代の武家屋敷跡や、内堀へ流れ込む溝、当時の百々(どど)町を通っていた主要道、井戸などの跡を確認したが、大手口周辺での遺構の確認は初めて。
 大手口周辺で確認された内堀は幅が約24㍍・深さが約1・7㍍の石垣が無い素掘りで構築。土塁は内堀を掘削する際の土砂で城内側に作られ、内堀側の方が城内側よりも急斜面になっていた。上幅が約6・4㍍、下幅が約11・2㍍の台形で、内堀の底から土塁の最上部の高さは4・5㍍以上。土塁の上には幅2・5㍍間隔で2基の穴があり、柵などが建てられていた可能性もある。
 武家屋敷地区では礎石や掘立柱などの建物跡が確認。また大手口のほぼ中央に位置する発掘現場の南端に幅1・2㍍以上の溝跡があり、東西方向には幅60㌢~80㌢の溝跡も出てきたため、東西の溝が中央に位置する南端の溝に流れ込む形で整備されていたと見られる。
 大手口周辺はわき水が豊富で地盤が安定していなかったため、排水機能にこだわっていたと思われる。文化財課の林昭男主査(38)は「地盤が軟弱な地にもかかわらず大手口などが整備されたのは、当時の佐和山周辺が交通の要所で、戦略的にも重要な位置だったためではないか」としている。

 説明会の参加無料。小学生以下は保護者同伴。長靴などで。集合場所はつるやゴルフの斜め前。駐車場無し。雨天決行。午前中の問い合わせは文化財課☎(26)5833。