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2011年2月28日月曜日

彦根城天守前で「鷹狩り」 日本放鷹協会の鷹匠が諏訪流の技披露、3月6日

 彦根城天守前で3月6日午前11時~と午後2時~、鷹(たか)狩りの実演が初めて行われる。
 彦根藩初代藩主・井伊直政が徳川家康と初めて出会ったのは、家康が鷹狩りに出かけた時との言い伝えがある。また二代・直孝が雷の難から逃れ、豪徳寺(東京)で雨宿りをした時は、鷹狩りに向かう道中だったことも有名。
 天守前では、NPO法人日本放鷹(ほうよう)協会(大阪市)の鷹匠(たかじょう)が諏訪流の技を披露。鷹匠の手から樹木や屋根にとまった鷹が再び鷹匠に戻る「渡り」などが実演。見学無料だが、要入場料、市内の子どもや65歳以上などは身分証提示で無料。小雨決行。

2011年2月26日土曜日

甲冑イメージの自転車「戦国リキシャ」完成、竹内洋行さん1日彦根出発

 彦根市民有志らで組織の「ひこね自転車生活をすすめる会」は、戦国時代の甲冑をイメージした自転車「戦国リキシャ」を22日までに完成させた。自転車利用の促進を呼びかける親書を戦国時代のゆかりの市町に手渡すため、3月1日に彦根市役所を出発し、大津までの約100㌔を3日間かけて南周りで走行する。
 湖東定住自立圏の地域創造事業として、自転車での生活の楽しさを知ってもらおうと、戦国リキシャの制作を企画。デザインをデザイナーの立澤竜也さん(35)、制作を同会代表の竹内洋行さん(39)が務め、昨年10月から取りかかってきた。
 車体は平成21年8月に横浜まで走らせた彦根リキシャ2号機の改良版で、井伊の赤備えをイメージした。上部は脇立式のかぶとを想定し、ひこにゃんのようにも見え、側面はよろいの形を真似ている。高さが脇立部分を含めて約2㍍、横幅が約1㍍10㌢。
 戦国ゆかりの地への走行メンバーは竹内さんを含めて同会の3人。訪問先は湖東定住自立圏内とNHK大河ドラマの関連地。1日が彦根の後、多賀・甲良・愛荘の各町役場、2日が近江八幡市役所、3日が大津市役所。8日に長浜と豊郷の市町役場にも訪れる予定。日程の変更も。
 竹内さんは「県内市町のまちづくりで、自転車の利用促進につながる取り組みが行われるよう、お願いしていきたい」と話している。

教育講演会 押谷由夫・昭和女子大学教授 道徳教育の推進求める

 長浜出身で道徳教育が専門の押谷由夫昭和女子大学教授の講演会が23日、ひこね市文化プラザで開かれ、学校現場での道徳教育の推進を求めた。
 押谷教授は、旧湖東町出身で広島大学元学長の皇至道(すめらぎしどう)さん(故人)の著書・現代教育学に、「教育とは幸福への道しるべだ」と書かれていたことをあげ、「現代の学校や学級は、子どもたち1人1人にとって幸福への道しるべになっているだろうか」と問題を提起。
 「学力向上に向けて色々な取り組みがされているが、子どもたちは幸せ感を味わっているでしょうか」「子どもたちがより良く生きられるように学習活動や日常生活を工夫していくためにも、道徳教育を基盤とした学校づくりが重要だ」と解説した。
 改正教育基本法に基づき4月から始まる新学習指導要領で、人格形成の確立が示されていることにもふれ「道徳性を基盤とした知・徳・体の調和的教育が人格形成につながる」とし、「道徳教育は豊かな人間づくりの要であり、各教科の教育も創造的なものになる」とアドバイス。
 学校現場においては、生徒指導部や学習指導部のように「道徳教育部」を置き、「道徳教育の推進教師を中心にした体制づくりを求めたい」と提案した。講演会は彦根市教育研究所が主催し、教職関係者ら273人が出席した。

2011年2月24日木曜日

芹橋地区の足軽屋敷紹介のパンフレット「善利組 足軽屋敷」、「彦根 辻番所の会」作成

 彦根市芹橋地区のまちづくりに取り組んでいる有志団体「彦根 辻番所の会」(渡邊弘俊代表)がこのほど、同地区の足軽屋敷を紹介したパンフレット「善利(せり)組 足軽屋敷」=写真=を作成。市内の観光案内所などに置いている。
 江戸時代、彦根藩の足軽で最大規模だった善利組は、東西約750㍍、南北約300㍍のエリアに、幕末期には約700戸の屋敷があった。現在では約30戸まで減少したが、何軒かはほぼ当時のままで残っており、昔の面影を見ることができる。
 パンフでは、古図と今の芹橋2丁目のマップと共に、市指定文化財(一軒予定)の辻番所、太田邸、中居邸、服部邸、林邸、吉居邸(今年度中にも指定予定)を写真入りで解説。また「どんつき」や「くいちがい」、「見越しの松」、「芹川けやき並木」も説明している。
 パンフはA4判の四つ折り、カラー。4000部を作成し、彦根観光協会、市観光案内所(いらっしゃいませ館)、四番町スクエア内の街なかプラザ、俳遊館に置いている。
 なお彦根藩の足軽は、中藪組が慶長11年(1606)に設置されたのが最初。以降、「善利組」、「切通(きりとおし)上組」、「切通下組」、「大雲寺組」、「北組」、「中組」が外堀の外側に構成され、彦根城と城下町の守備役を務めていた。

2011年2月23日水曜日

桃太郎キャラ「ももっち」ら「晴れの国おかやま観光キャラバン隊」が滋賀彦根新聞社来訪、「後楽園」やB級グルメなどPR

 全国各地で岡山県の魅力をPRしている「晴れの国おかやま観光キャラバン隊」が21日、滋賀彦根新聞社(中央町)を訪れた。キャラバン隊は桃太郎をイメージした同県のキャラクター「ももっち」らで構成され、「私たちを見に岡山に来てください」とアピールしていた。
 同県は観光客を増やそうと、平成21年秋にキャラバン隊を結成し、九州から関東、北陸までの行政機関やマスコミ、繁華街などを訪れ、観光やイベントの情報配信を依頼している。
 キャラバン隊は、着ぐるみの「ももっち」のほか、動物などを描いたイラストを頭につけた「いぬっち」、「さるっち」、「きじっち」、「オニ」で組織。先週から山梨日日新聞社や静岡新聞社、静岡放送などを訪れ、この日は岡山へ帰る途中に、専用車に乗って、キャラクターたちと進行役の平川睦子さん(35)が弊社を訪問。その後、夢京橋キャッスルロードに向かい、「マスク小学校」のキャラクターたちと交流した。
 宣伝活動では、日本三名園の「後楽園」や倉敷の美観地区などの観光地のほか、昨年のB級グルメ全国大会・B1グランプリで2位となった「ひるぜん焼きそば」と「津山ホルモンうどん」をPR。平川さんらは「美しい景色や、おいしいB級グルメを是非、堪能しに来てください」と話していた。

2011年2月20日日曜日

「彦根三方よしのまちゼミナール」通称・まちゼミ 彦根商店街連盟加盟店で初開催

 彦根市内の商店街で健康や美容、芸術、料理などが体験できる「彦根三方よしのまちゼミナール」(通称・まちゼミ)が26日から始まる。
 各商店の特徴や店主の人柄を多くの人に知ってもらい、商店街を活性化させようと彦根商店街連盟(加盟265店)が初めて企画。加盟店のうち34店舗で、スイーツ作り、パソコン教室、段ボールアート、葉巻の楽しみ方、ワインのテイスティング、靴の選び方など39の講座を用意した。
 受講無料だが、材料費などは必要。講座は彦根商店街連盟のホームページで確認できる。チラシは19日に新聞折り込みされるほか、同連盟事務所(中央町)やまちゼミ実施店にある。申し込みは19日から各店舗へ。

2011年2月18日金曜日

国税電子申告・納税システム「e―Tax」PR ひこにゃん先生が旧彦根藩第一八代目当主・井伊直岳さんに「指導」

 確定申告が始まった16日、インターネットで納税などができる国税電子申告・納税システム「e―Tax」(イータックス)のPR役として、今年もひこにゃんが招かれ、旧彦根藩第一八代目当主・井伊直岳さん(41)に「手ほどき」をした。
 e―Taxは税務署や金融機関に行かずに、インターネット回線で国税に関するさまざまな申告や納税ができるシステムで、平成16年から始まった。
 添付書類の提出が不要、所得税が最高5000円控除、還付金がすぐに受け取れるなどのメリットがあるという。
 彦根税務署などはe―TaxをPRするため、平成18年からひこにゃんを招いており、今回は平成19年以来の3回目で、初めて利用した井伊さんにひこにゃんがその便利さを伝えるという設定で行われた。井伊さんは「先生のひこにゃんに分かりやすく教えてもらった。ネットで納税などができて、便利だと思う」と話した。
 e―Taxの利用は平日午前8時半~午後9時だが、確定申告期間中は24時間利用できる。詳細は「イータックス」で検索か℡(0570)015901へ。

「彦根市基本条例」素案 最終報告書を提出 市民投票制度など、市まちづくり基本条例検討委員会

 市民と市がより良いまちにするためのルール「彦根市基本条例」の素案を作成してきた、市まちづくり基本条例検討委員会は14日、最終報告書を市に提出した。
 同条例案では、基本理念として▽情報共有▽市民参加▽持続可能な市政運営―を掲げ、「市民がまちづくりの主体である」と明記。市政の重要な課題について、市民の意志を確認するために「市民投票制度を設けることができる」としている。
 ほかにも、「持続可能な市政運営」、「他の自治体との連携」、「危機管理」、「条例の見直し」について、市と市民の役割を解説している。
 同委員会は平成20年6月に設置され、大学教授や市民・民間団体代表らが約50回の話し合いを重ねてきた。
 同条例の制定時期について市は「未定」としており、今後、同条例案は改正の動きがある地方自治法の動向を見ながら、市長意見と市議会の審議を経て、施行が検討される。同条例案は市まちづくり推進室で閲覧できるほか、近く市のホームページにもアップされる。

2011年2月17日木曜日

体たらくな地方議会

 朝日新聞は12日付の1面で、「首長の全議案 4年間無修正可決」「丸のみ議会 全国の過半数」と題したアンケート結果記事を掲載した。「地方議会」の存在意義が問われる問題を示しており、滋賀県議会や県内の市町議会も他人事ではなかろう。
 先の名古屋市長選では、元衆院議員の河村たかし氏が圧勝し再選を果たした。その要因としては、「減税」や「議員報酬の半額」が注目されているが、「地方議員のボランティア化」という提言にも着目すべきである。
 今さら指摘するまでもないが、地方議員は、県民や市民の暮らしを良くするために、無私の精神を抱きながら、自らが率先して県や市町(首長)を動かすほどの存在でなければならない。だが、現代の多くの地方議員は、「議員」という地位にあぐらをかき、好待遇におぼれ、地域のご用聞きや行政の監視役だけを務めている。リコールで失職した先の鹿児島県阿久根市長の、いわゆる「議会軽視」に支持の声が一部からあったことも理解はできよう。
 国内の知識人や諸外国から、日本は官僚主導による日本型社会民主主義だと揶揄されているが、真の民主主義国家になるためにも、地方分権の推進による地方行政や民衆の自立は不可欠であり、それに付随する地方議会(地方議員)の資質の向上または改革は急務である。
 議員のボランティア化が叫ばれるようになった背景には、議員よりも議員らしい働きをしている県民・市民がいるからであり、彼・彼女たちに議員をさせた方がより良い県政・市政になるからである。
 また身近な存在で言えば、滋賀県議会や彦根市議会などへの若手の候補者が少なくなっているのは、有能な人材が地方から離れているからではなく、それぞれの議会(議員)の体たらくさに、魅力を感じることができないからである。滋賀県議会たるは、議員の削減さえもせず、高給も据え置きで、その時代遅れぶりを見せつけている。
 地方議会の改革は、行政や市民意識の改革にも連動するため、早急に進めるべきであり、地方議員のボランティア化を含めた改革を真剣に考える時代に来ている。【山田貴之】

2011年2月16日水曜日

「彦根城を世界遺産に」市民啓発用のパンフレット作成も 城下町や宿場町は説明せず

 彦根城を世界遺産にする機運を高めようと、彦根市はこのほど、市民向けの啓発用パンフレット「彦根城を世界遺産に」=写真=を作成した。ただ、パンフでは天守など主要な建物を紹介しているだけで、彦根城と一体化して世界遺産を目指す場合に重要な城下町や中山道の宿場町は載せていない。
 彦根城は世界遺産の暫定リストに平成4年(その年は計12件)に入り、ほかの10件は本登録されたが、彦根城は「鎌倉の寺社」と共に現在まで暫定リストのまま。
 市は本登録へ向け、大学教授や専門家らによる組織で協議を重ね、「彦根城単独」案のほか、すでに本登録されている姫路城との差別化をつけるため、「彦根城と城下町・中山道の宿場町」と「国宝4城」のパターンも出している。
 しかし、市の方針がなかなか明確に定まらないことや、ユネスコの世界遺産委員会による登録が慎重になっていることで、彦根城の世界遺産登録は厳しい状況にある。
 市が作成した啓発用のパンフでは、天守のほか、天秤櫓、西の丸三重櫓、玄宮楽々園、松原下屋敷、馬屋を写真入りで紹介している。
 市の彦根城世界遺産登録推進室は「彦根城が暫定登録されている事自体を知らない市民が少ないと思い、中心となる資産に絞って作成した」としている。
 しかし、世界遺産を目指すには、足軽屋敷が残る芹橋地区、七曲り通り、中山道・宿場町、彦根藩ゆかりの寺社なども含めるべきだとする意見も市民の中には根強くあり、今後、パンフに追記を求める声も出てきそうだ。
 パンフは、市民向けの出前講座に使われるほか、彦根城表門の券売所、天守前、開国記念館でも配付している。

2011年2月13日日曜日

滋賀県立大学 外国語教育専門の「国際コミュニケーション学科」新設へ

 滋賀県立大学(彦根市八坂町)は来年4月に、外国語教育を専門にした「国際コミュニケーション学科」を新設する。
 県大にはすでに国際教育センターがあり、外国語教育に取り組んでいるが、グローバル化が進む世界で活躍できる国際的な人材を育成しようと、人間文化学部に同学科を設けることにした。同学科の設置に伴い、同センターは来年3月31日で廃止される。
 定員は1学年50人。外国語は英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、モンゴル語。そのうちの2カ国語か英語だけの文法や会話、各国の政治や文化、英語での討論などを取り入れる。
 海外留学も単位認定として推奨。県大と学術交流協定を結んでいる8カ国のうち、米国、ドイツ、中国、韓国、モンゴルの各国の大学で最長1年間の留学制度を設け、その費用の一部を大学で負担する。
 曽我直弘学長は「グローバル化、多文化共生という時代の変化に対応することが必要。この学科が中心になって大学全体の国際化を牽引してもらいたい」と話している。

2011年2月11日金曜日

琵琶湖上に「びわ湖夢王国」建国へ 「国民」募集、NPO法人「夢・同人」

 障害者の支援活動をしているNPO法人「夢・同人」(國松善次理事長)=本部・彦根市鳥居本町=は、琵琶湖の上に架空の国・びわ湖夢王国を建国することにし、4月から「国民」を募集する。今月20日には琵琶湖汽船「MEGUMI」の船上で、建国を前にしたフォーラムを開く。
 同団体は、元彦根市長夫人の故・井伊文子さんの呼びかけで平成7年に結成され、チャリティーイベントの開催などで障害者を支援している。平成21年にはNPO法人となり、より多くの人たちが参加できるイベントとして王国を建国することにした。
 「夢、琵琶湖、福祉の3つの命を育む」をテーマに、国民でさまざまなイベントを企画し、開催していく。王国では国民の中から国王や大臣を選ぶほか、国旗・国歌や憲法、首都も設ける。通貨単位は「ドリーム」。
 国民になる条件は、「琵琶湖を脅かす動物ではないこと」で、国籍や老若男女を問わない。税金として1人1日10円×365日分(年間3650円)が必要。子ども割引がある。王国では魚(外来魚除く)や野鳥(ふん被害を及ぼさない鳥)などの動物も国民の一員だということだが、税金は人間のみ。わいろ(寄付)も受け付ける。
 國松理事長は「今の世の中、夢がどこにもない。王国をつくるというパロディーだが、どでかい夢をもちながら、『国民』のみんなと語り合いたい」と、参加を呼びかけている。
 フォーラムは、集合時間と場所が午前9時半までに浜大津港。びわ湖夢王国についての説明、座談会、王国のアイデア募集など。参加費は乗船料と昼食込みで4192(よいくに)円。申し込みは氏名、電話番号、住所、参加人数を書き18日までに同団体事務局ファクス0749(22)2353へ。℡も同じ番号。

ひこにゃん騒動 大阪高裁で審尋、彦根市・原作者の溝埋まらず

 ひこにゃんに似た「よいにゃんこ」の商品の販売をめぐり、彦根市と原作者が対立している問題で、大阪高裁は9日、双方から出された意見書を審議する審尋(しんじん)を行ったが、結論は出なかった。獅山市長は同日の会見で「どちらにしても仮処分だから、訴訟の方向で市議会の了承を得たい」と、本訴の構えを改めて示した。
 大阪地裁は昨年12月24日、絵本以外の商品の販売を止めるよう求めた市の申し立てを却下したうえ、ひこにゃんのぬいぐるみなど立体物の販売を市が許可するのは両者が交わした調停違反だと判断。これに対して市は1月5日、大阪高裁に即時抗告し、19日に理由書、2月4日には主張書面を提出。原作者側もそれらに対する反論文を出した。
 審尋は非公開。市によると、大阪高裁は「調停の経緯などについて双方でさらに論じてほしい」などとし、あと2回ほど審尋が必要との考えを示したという。次回は3月1日に行われる。

2011年2月9日水曜日

「ポリオ」の生ワクチン接種で感染・発症の危険も 不活化ワクチン導入求める声高まる、藤野こどもクリニック受付開始へ

生ワクチン(以下・生ワク)の予防接種で、※ポリオ(脊髄性小児麻痺)に感染する子どもが毎年報告されており、昨年末には生ワクの接種でポリオを発症し右足が麻痺した近江八幡市の子どもの母親らが、ウイルスを化学処理して病原性を無くした不活化ワクチン(以下・不活化)の緊急輸入を国に申請するなど、不活化の導入を求める声が高まっている。滋賀県によると、県内では不活化を積極的に採用する医療機関はないとのことが、3月から不活化の接種を始める千葉県立佐原病院のように、独自に輸入して使用する医療機関は全国でも増えている。
先進国は「不活化」採用
ワクチン後進国の日本
生ワクは日本のほか、北朝鮮、モンゴル、中東、アフリカ、中南米、太平洋諸国が導入しているが、欧米などの先進国は不活化を使っている。
2つのワクチンの主な特徴として、生ワクは経口投与のため痛みがなく、国内では無料、万が一に感染して認定されれば国の補償が受けられるなどの利点があるが、ウイルスを弱毒化しているため感染のリスクは無くならない。一方、注射で接種する不活化は感染の危険がないが、有料で、国内では未承認のため、接種により健康被害を受けた場合、国の救済を受けられないというデメリットがある。
しかし生ワクの接種で一生、麻痺が残ることになった事例はあり、被害者らが立ち上げた「ポリオの会」では不活化の導入を強く求めている。3月から始める千葉県立佐原病院では、同病院倫理委員会で不活化の接種を承認し、フランス製を使用する。
滋賀県予防接種センター(守山市)と彦根保健所によると、県(管)内の病院や診療所で、積極的に不活化を採用している医療機関は「把握できていない」とのことだが、複数の予約があれば、受け付ける診療所などもある。
30人分の「不活化」用意
1回5000円前後
30人を制限として来月から初めて不活化ワクチンの接種を受け付ける藤野こどもクリニック(彦根市戸賀町)の藤野英俊院長=写真=に、国が不活化を導入しない理由などを聞いた(聞き手・山田貴之)。
 不活化を導入しない理由については、接種によりポリオの症状は出ないが、ほかの注射と同じように体に無い物質を入れるため、じんま疹や血圧低下など一時的なアレルギー反応がまれに出る場合があり、国はその副反応を気にしているとの見方を示した。現在、国は不活化を含めた4種混合ワクチンの治験を進めているが、承認までには数年かかる。その間にも感染する子どもが出てしまうのは事実だ。
免疫力も同じで、ポリオにも感染しない、親への二次感染も防げる。どう考えても不活化の方が有効だが、国が承認しておらず、生ワクのように集団接種ではないため、医師による個人輸入となり、入手に手間と時間がかかる。そのため率先して行う医療機関は少ないという。
不活化は、1回の注文が100本までで、乳児の間に3回(4~6歳にもう1回)の接種が必要なため、同クリニックではまずは30人を限度に接種を受け付ける。料金は1回5000円前後。問い合わせは同クリニック℡0749(47)5311へ。
昭和50年~52年生まれ注意
抗体弱く二次感染も
※【ポリオ】3種類のウイルスから感染する急性ウイルス感染症で、感染して麻痺が起こると、筋力の低下や筋肉の萎縮が後遺症として残る。日本国内では昭和56年以降、ワクチンの接種以外での発症は報告されていないが、生ワクチンの接種による発症はある。国内での確率は約200万接種あたり一人とされるが、WHO(世界保健機構)によると、出生100万人あたり2~4人というデータもある。
また昭和50年から52年生まれの親は、1型と呼ばれるウイルスへの抗体が弱いことが分かっており、二次感染の危険性が指摘されている。生ワクチンの接種後、ウイルスは腸で増え、約1カ月間は排便に含まれているため、オムツの処理の際には注意が必要だ。

2011年2月8日火曜日

「寺子屋・力石」再興願い 応援歌「前へ 前へ」作ったシンガーソングライター・Cifaさん力石前で歌披露

 1月2日の火災で建物の一部が焼失した、彦根市の花しょうぶ通り商店街「街の駅『寺子屋・力石』」の再興を願い、東京都内を中心に活躍するシンガーソングライター・Cifa(チファ)さんらが「前へ 前へ」という歌を作成。5日には同商店街にチファさんが訪れ、力石前で歌を披露した。
 同商店街の戦国グッズ専門店「しょうぶ屋」代表の目加田宗彦さん(43)=河原1=が、5年ほど前に彦根市内で行われたライブでチファさんと知り合い、力石が火災に遭ったことを1月10日に伝えて歌の作成を依頼。チファさんがユニットを組む「STC」(Soul tribe connection)で曲作りをして、チファさんが作詞作曲を担当して3日間で完成させた。
 チファさんは、出身地の大阪市へ戻る途中に花しょうぶ通りに立ち寄った。力石には、歌を聞こうと市民ら約30人のほか、いしだみつにゃんとしまさこにゃんも訪れ、チファさんと一緒に歌を歌った。
 チファさんは「少しでも復興の力になれればと思い、歌を作った。この曲は力石と花しょうぶ通りの応援歌。色んな場面で歌ってほしい」と話していた。
 歌を聴いた澤宏美さん(27)=中薮町=は「とても感動した。題名や歌の中にも出てくる『前へ前へ』のように、力石の復興が少しでも早く前にいってくれれば」と話していた。
 CDは3月1日に「戦国丸」などで発売予定。ホームページ「『寺子屋力石』再興プロジェクト」でも曲を聴くことができる。
 なおCDの売上は力石の再興費用に寄付される。

2011年2月5日土曜日

鮒寿司のキャラクター「ふなずきんちゃん」 滋賀県立大学生・岩佐知美さん考案、木村水産に取材し

 郷土料理・鮒寿司のキャラクター「ふなずきんちゃん」を滋賀県立大生が考案し着ぐるみも作成した。6日までの午後2時から30分間、学内の交流センターで着ぐるみが登場する。
 考案したのは、人間文化学部生活デザイン学科4回生の岩佐知美さん(21)=東近江市。滋賀をテーマにした卒業制作として、鮒寿司を県外にPRしようとキャラクター作りを企画。木村水産(彦根市後三条町)への鮒寿司の製作現場の見学や取材を重ねて、昨年7月にデザインを完成。10月半ばから約3カ月かけて着ぐるみを作った。製作費用の約8万円はすべて自費だという。
 ふなずきんちゃんは、女の子が鮒の形をした「ずきん」をかぶり、魚の着ぐるみをまとった格好で、「子持ちの鮒寿司がおいしい」ことから妊娠中だという。肩にかけているポーチには、鮒寿司に合う酒の「大吟醸」を常時、持ち歩いている。好きな食べ物は近江米、住所は琵琶湖。
 完成直後の1月中旬にはひこにゃんに会いに彦根城を訪れ、人気を集めた。岩佐さんは「ひこにゃんみたいに、みんなに愛されるキャラクターになって、鮒寿司をPRしてほしい」と話している。

花しょうぶ通り商店街「ひこね街の駅・寺子屋『力石』」再興へ一歩ずつ、「結」募金始まる

 1月2日の火災で建物の半分を焼失した彦根市河原2丁目の花しょうぶ通り商店街、「ひこね街の駅・寺子屋『力石』」の再興に向け、地元住民らが動き出している。通り一帯は、国の伝統的建造物群保存地区(伝建地区)にも指定される可能性があり、中心的な存在の力石の再興は必要不可欠だ。
 力石は、築約250年の歴史的な町家で元々は寺子屋だった。平成17年にはNPO法人彦根景観フォーラムが改修しセミナーや交流の場として活用されてきた。火災により母屋部分が全焼したが、通り側の建物は延焼を逃れた。
 火災翌日からは、地元住民や市民有志、大学教授、彦根工業高校の生徒ら延べ約200人が、廃材の撤去や通り側の建物の屋根の補強などをした。今後は3月末までを1期目の工事として、延焼した隣りの建物2棟の解体と力石の改修を行う。伝建地区に指定される場合の来年春ごろまでには2期目の工事を行い、焼失した部分の整備と通りから見た家並みを元に戻す。
 改修費の一部として、彦根景観フォーラム、花しょうぶ通り商店街振興組合、家主が100万円ずつ、LLP(有限責任事業組合)ひこね街の駅が200万円を負担している。
 力石の再興に向けて募金活動も始まっており、実行委員会(委員長・山崎一眞彦根景観フォーラム理事長)では法人と個人から幅広い支援を求めている。
 実行委員会は彦根景観フォーラム、LLPひこね街の駅、花しょうぶ通り商店街振興組合などで組織。力石の改修費用などで1000万円を目標に募金活動をしている。6月末まで。
 法人は一口5万円、個人は一口1万円、小口個人は一口1000円。ゆうちょ銀行に以下の2口座を開設した。
 ①口座名「まちづくり結募金」、郵便局からは口座「14620―22294441」、そのほかの金融機関からは店番「468―2229444」。
 ②口座名「NPO法人彦根景観フォーラム」、郵便局からは振込口座「00950―6―254981」、店番「099」当座「0254981」。問い合わせはひこね街の駅戦国丸℡0749(27)5058へ。

2011年2月4日金曜日

福豆と福餅求め賑わう 多賀大社で節分祭、島根県の因原神楽団「鬼の舞」も

 多賀大社で3日、節分祭が営まれ、境内は福を求める約8000人(多賀大社発表)の参拝者で賑わっていた。
 節分祭には、県内外から選ばれた還暦の年男と年女計252人が、裃(かみしも)と千早姿となり、赤ずきんをかぶって、午前と午後の部に分かれて参加。
 本殿での祭典の後、境内に設けられた長さ約200㍍の特設の舞台で、島根県の因原(いんばら)神楽団が「鬼の舞」を奉納した後、年男と年女が舞台に登場。
 多賀大社の中野幸彦宮司と木村光伸権(ごん)宮司が射る白羽の矢を合図に、年男と年女が巫女の「鬼は外、福は内」の掛け声に合わせて、福豆と福もちをまくと、福を求める人たちが我先にと手を伸ばしていた=写真。今年は福豆約100㌔、福もち約300㌔がまかれた。

2011年2月2日水曜日

荒神山古墳 国史跡指定記念講演 専門家が被葬者の謎に迫る、犬上君の先祖か?琵琶湖の王か?

 荒神山古墳(※)が年度内に国の史跡に指定されることを記念した講演会が29日、彦根市甘呂町の南地区公民館であり、専門家が古墳の特徴や発掘調査の結果、解明されていない埋葬者などについて説明した。
 県立安土城考古博物館学芸課長の大橋信弥さんは「被葬者」について講演。近江の中で現代の彦根・犬上郡地域を支配していた古代豪族が「犬上君(いぬかみのきみ)」だったとしたうえで、古事記や日本書紀などの古文書に「犬上」が記されている人名を紹介。犬上君が皇室で活躍していたことを記す古文書を示しながら「犬上君は外交と軍事的な面で貢献し、朝廷内で重要な地位を占めていたことがわかる」と解説した。
 また、犬上君が湖辺に本拠地をもっていたと考えられているとしたうえで「一つの可能性として、(琵琶湖近くの)荒神山古墳の地域にも犬上君の先祖が住んでいたのではないか」と述べ、埋葬者が犬上君に関係する人物の可能性を示唆した。
 県教委文化財保護課の細川修平さんは、▽全国で発見されている200㍍以上の前方後円墳は35基でうち畿内が32基▽100㍍以上は303基▽滋賀県内の100㍍超は安土瓢箪山の136㍍、荒神山の124㍍、膳所茶臼山の122㍍―などと説明。
 荒神山古墳については、「湖上交通に関連していた『琵琶湖の王』とも言うべき存在が職務遂行のために造墓したのではないか」と推察していた。
 被葬されたカ所は未発掘のため、今後の調査が注目される。
 ※【荒神山古墳】県下2番目の規模を誇る全長約124㍍の前方後円墳。古墳時代前期末(4世紀末)に築かれ、標高284・1㍍の山頂から琵琶湖側の北へ約150㍍下った尾根に位置している。平成14年度に初めて存在が明らかになり、翌年度から19年度にかけて計4回の発掘調査では、円筒や壺形、家形などの埴輪が出土している。

「森の子保育園」と「るーぶる愛知川」太陽光発電システム設置で出資者募集 電力会社から還元、「緑の分権改革推進事業」

 彦根市と愛荘町は1日から、市内と同町内に太陽光発電システムを設置するための出資・寄付者を募集している。出資金は年率4~10%の割合で電力会社から還元される。
 総務省が平成21年度から取り組んでいる「緑の分権改革推進事業」。湖東定住自立圏内では、「森の子保育園」(彦根市野瀬町)と「るーぶる愛知川」の施設の屋根に年度内に太陽光パネルを設置する。費用は彦根が440万~450万円、愛荘が380万~390万円を予定。半額を出資金で負担する予定。
 太陽光で作られた電気は各施設が買い取り、余った電力は関西電力に売却され、その金が出資者に還元される。還元の完了期間は10年~20年。出資金は一口1万円からで還元は1年ごとだが、口数が少ない場合は振り込み手数料の関係で1年ごとには還元されない。出資は彦根や愛荘以外の市町民もできる。目標額が集まり次第受付終了。問い合わせは市生活環境課℡0749(30)6116。