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2012年6月30日土曜日

外来魚駆除に一役 彦根市立城東小学校の児童 旧港湾で釣り

 彦根市立城東小学校の5年生45人が27日、松原町の旧港湾で外来魚駆除のための釣りを体験した。
 環境学習の一環で行い、県水産試験場(八坂町)から児童全員分のさおとワームなど釣り具を借りた。児童たちの中には初めて釣りをする子もいて、何匹も釣り上げる友だちや担任の先生に、エサのミミズの付け方や、捕った魚の外し方などを教えてもらいながら、魚釣りを楽しんでいた。旧港湾には外来魚を釣り上げる児童たちの喜びの声があがっていた。
 釣った外来魚は、約1時間の間に児童全員でブルーギルを中心に約200匹で、その場にあった回収ボックスに処分された。
 児童の田邉樂斗君(10)は「釣れた時の瞬間が楽しい。これからも外来魚をどんどん釣っていきたい」と話していた。

龍潭寺の庭園の沙羅・シャラ見ごろ

 彦根市古沢町の龍潭寺の庭園に咲いている沙羅(シャラ)が見ごろを迎えた。
 同寺は慶長5年(1600)、井伊直政が佐和山城主になったのを機に現在の地に移築された。シャラは当時、住職だった昊天(こうてん)禅師がインドから取り寄せた幼木を庭園に植えたのが始まりとされる。1日のみ咲いて、その日のうちに散ってしまう。
 同寺には樹齢約50年~約400年のシャラの木が計5本あり、いずれの木も白色のかわいい花を咲かせている。
 今年は湿度や気温が低いため、例年より半月ほど開花が遅く、7月上旬ごろまで見ごろだという。入山料は中学生以上400円、小学生以下150円。

2012年6月29日金曜日

岩下哲士さん UCC上島達司会長と出会いの喜び絵に、双葉荘で作品展

 左半身に障害がある岩下哲士さん(43)=甲賀市=の絵画展「コーヒー物語」が、25日から彦根市松原町の「味覚の宿『双葉荘』」で始まった。
 岩下さんは1歳の時に急性小児片まひを発症し、左半身が不自由になった。8歳の時から絵を描き始め、これまでに数多くのコンクールで入賞し、各地で個展を開いている。
 5年前に高宮での蝸牛会アート展に出品するため彦根を訪れた際、双葉荘で宿泊したことを機に、昨年5月に双葉荘で初の作品展を開催。その時に来場したコーヒーメーカー・UCCホールディングス(本社・神戸市)の上島達司会長の知人に、子どもの時からUCCのコーヒーを飲んでいることを話したことから、昨年夏に上島会長が岩下さん宅を訪問。意気投合し、岩下さんが15歳の時に描き、門外不出にしていたという、UCCの空き缶とカップが描かれた絵を寄贈。この作品は現在、UCCコーヒー博物館(神戸市)に展示されている。
 作品展では上島会長と話した時の喜びを表現した自画像「コーヒーブレイク(42歳の僕がコーヒーを飲んだら・・・)」をはじめ、コーヒー豆をいくつも描いて仕上げたゴジラの絵や、UCCの製品名をナンバープレートにした車・ミニローバーなど15点を展示している。
 岩下さんはコーヒーブレイクの絵を前に「UCCの製品は大好き。コーヒーを飲んだらコーヒー色に染まった僕を見に来てほしい」と話していた。7月1日、16日などに会場に滞在予定。入場無料。開館は9月2日までの午前10時~午後4時。

2012年6月28日木曜日

ひこにゃん地域部門1位 総合でも6位、全国キャラクター調査で

 全国の企業、地域、商品、スポーツ、公共サービスの分野で活躍するキャラクターの総合力を審査する調査で、ひこにゃんが地域キャラクター部門で1位、総合でも6位(前回12位)だったことがわかった。
 調査はリサーチ会社のRJCリサーチ(東京都千代田区)が今年2月3日から6日まで、全国の15歳~69歳の男女を対象にインターネットで実施。20のキャラクターをリストアップした調査票を30組用意し、一人が調査票を一組ずつ選んで回答した。
 それぞれのキャラクターが持つPR認知力(何をPRしているか)、イメージインパクト(キャラのイメージ)、イメージアップ力(商品などをイメージアップする力)、イメージ波及力(商品などの興味度が増す力)を統合した総合点で審査が行われ、ひこにゃんはイメージアップ力とイメージ波及力で高得点を獲得。総合点は72点だった。
 総合力の1位はソフトバンクのお父さん犬(85・8)で、2位がホンダのASIMO(82・7)、3位がキューピー(78・3)。地域部門でひこにゃんに次ぐ2位は奈良のせんとくん(60・8)で、3位が熊本のくまモン(58・5)だった。

2012年6月27日水曜日

彦根の野口七海さん・津野あみるさん県代表で子ども国会へ、復興テーマに参議院で

 全国の子どもたちの代表が参議院本会議場に一堂に集まる「子ども国会」が来月29、30日の両日行われる。滋賀県代表の3人のうち、彦根市から城西小5年の野口七海さん(10)=写真上=と若葉小6年の津野あみるさん(11)=写真下=が出席する。
 参議院では、国会の役割や現在の問題を子どもたちにも理解してもらい、子どもたちの豊かな感性からの意見を今後の参議院の活動にも生かそうと開催。これまでは参議院50周年の平成9年、2000年のミレニアムを迎えるにあたって平成12年に開いており、今年は東日本大震災から復興への思いを込める。
 テーマは「東日本大震災からの復興と私たちの未来」。①家族、友達とのきずな②地域、日本全体のきずな③世界の人たちとのきずな―の3項目が設けられている。
 城西は5年(60人)が②で、若葉は6年1組(28人)が①で応募。県内10団体から抽選で城西、若葉ら3団体が当選し、両校では各学年・クラスの児童たちが書いた作文から一人ずつを選んだ。
 城西の野口さんは兵庫県明石市から昨年末に彦根に引っ越してきた。「(平成7年の)阪神淡路大震災のビデオを見たが、東北地方も兵庫のように、体育館や仮設住宅で暮らす人たちが今もいる。回りの人たちがつながることが、物やお金よりも復興につながると思う」と話していた。
 若葉の津野さんは、昨年4月から2カ月間、福島県いわき市から姉と二人で転校してきていた男児との学校生活にふれ、「(男児は)きっとつらかっただろうに、いつも笑顔で、逆に勇気をもらった。選ばれたからには県代表として、胸を張って堂々とやっていきたい」と意気込みを語った。
 二人は開会中の彦根市議会一般質問にも親と一緒に傍聴した。両校では学年・クラスごとに意見を800字程度でまとめる。
 子ども国会初日の7月29日には3回の子ども委員会があり、計150人が3項目ごとに意見の発表・交換をし、提言を議決。翌日には2度の本会議が開かれ、「子ども国会宣言」が採決される。

舞宇夢・赤鬼が大賞、よそこいソーラン彦根大会


 YOSAKOIソーラン日本海彦根三十五万石大会が24日、大手前公園をメインステージにして市内で行われ、35チーム・約2000人が演舞を披露した。23日には18チーム・約1000人によるPRイベントも市内4会場であった。
 24日は午前中から昼過ぎにかけて、市役所前で1チームずつがパレードをしながら演舞。午後からはメインステージに移ってチームごとに披露した。両会場には計約4万7000人の観客が来場し、二日間で約7万5000人が訪れた。
 彦根の舞宇夢・赤鬼は大賞のほか、大衆賞とグッドマナー賞も受賞。また一般の部では舞宇夢・赤鬼Jrが大賞となった。

2012年6月24日日曜日

彦根城で殺陣の体験会と映画「るろうに剣心」・大友啓史監督のトークショー

 彦根城で7月22日、殺陣(たて)の体験会などのイベント「彦根城でサムライを極める」が行われる=写真は関西復権プロジェクト提供
 彦根市は今年度、「戦国」をテーマにした誘客リレーイベントを計画。第1・第2弾となる同イベントでは、午前9時~鐘の丸で京都東映剣会の殺陣師による殺陣教室があり、その後に天守前で行われる寸劇で練習の成果を披露する。ひこにゃんも寸劇に出演する。参加費は弁当・入城料込みで2000円。先着100人。参加者には記念グッズ進呈。和装での参加者にはひこにゃんボトルウォーターも。
 また午後2時半~は西の丸で、8月25日に公開される映画「るろうに剣心」の大友啓史監督を招いてのトークショーがある。参加無料だが、入城料が必要。事前申込者にはひこにゃんボトルウォーター、先着50人には「るろうに剣心」のポスター進呈。申し込みはひこね街の駅「戦国丸」☎(27)5058かメール(shop@machinoeki.info)。

2012年6月23日土曜日

多賀大社で神仏合同国家安泰世界平和祈願祭、神仏霊場会

 近畿地区の神社と寺院の代表者が一堂に会する「神仏合同国家安泰世界平和祈願祭」が、21日に多賀大社(木村光伸宮司)で行われ、50社寺から約120人が参加した。
 人心の平安と社会の安定の祈願を目的に神社と寺院が相互で巡拝し合おうと、関西の神社宮司や寺院座主などによって神仏霊場会が設立。平成20年3月に比叡山延暦寺で設立総会、秋に伊勢神宮で発足奉告祭があり、以降、金剛峯寺(高野山)、生田神社(神戸)、東大寺(奈良)で、毎年6月に祈願祭が行われてきた。150社寺が加盟しているほか、伊勢神宮の内宮と外宮が特別参拝の対象になっている。
 多賀大社での祈願祭には社寺の代表のほか、150社寺すべてを巡礼した満願者約400人のうち21人も参加。参集殿での総会では、東大寺の北河原公敬別当を会長に、木村宮司らを副会長にする役員人事を決定。その後、社寺の代表がそれぞれ一列に並んで行進し、本殿で祈願祭が行われた。

彦根東高の卒業生宅に振り込め詐欺未遂の不審電話相次ぐ

 彦根市内など湖東地域で、彦根東高の卒業生宅を狙った振り込め詐欺と見られる不審な電話が発生しており、県警が注意を呼びかけている。
 彦根署によると、19日午後10時半ごろ、市内の男性(65)宅に、息子を名乗る男の声で「へんとう腺が腫れた」「携帯電話の画面が出なくなり、修理業者の電話を使っているため番号が違う」などの電話があった。翌日午後3時ごろに母親が帰宅すると自宅電話に前日と同じ番号の着信履歴があったため、息子に連絡すると電話をかけていないことが判明したという。
 県警生活安全企画課によると、彦根市や東近江市などで5月から今月20日にかけて、同様の電話が22件あり、そのうち19件が昭和63年から平成9年に彦根東高を卒業した息子がいる家だという。いずれも「風邪をひいて声が変わった」「携帯電話の番号を変えた」という内容だという。

2012年6月22日金曜日

YOSAKOIよさこいソーラン・彦根三十五万石大会

 YOSAKOIソーラン・彦根三十五万石大会が23、24日の両日、彦根市内で行われ、石川県から京都府までのチームが出場する=写真は昨年の様子
 実行委員会主催で3回目の今年はYOSAKOIソーラン日本海(本部・金沢市)の登録チームと一般の団体が参加し大賞を狙う。
 PRとしての23日は20チーム約1000人が午後1時~JA東びわこ稲枝支店、同2時~ビバシティ彦根(10チーム)、同3時~彦根市役所、同4時~メイン会場の彦根城大手前公園で演舞を披露する。
 本番となる24日は35チーム約2000人で、午前9時半~彦根駅前通りでパレード、正午~大手前公園でステージの公演、同6時~ファイナル演舞がある。雨天決行。

2012年6月20日水曜日

滋賀大生がラジオ番組制作 エフエムひこねで月末〜放送

 滋賀大学経済学部(彦根市馬場)の学生たちが、立花町のエフエムひこねのスタジオでラジオ番組作りに励んでいる。今月25日からは学生たちによる番組もスタートする。
 滋賀大による働き方や社会との関わり方を育てる講義「働き方探求プロジェクト」の一環で、学生たちは五つの分野に分かれて受講。エフエムひこねには1~4年生の18人が参加しており、4つの番組を企画している。
 各番組は、滋賀大に来ている留学生をゲストに迎える「ボイス フロム ザ ワールド」、滋賀大のイベント・サークル情報を伝える「滋賀大やねん」、彦根での週末のイベント告知をする「ゴールデン デイズ フロム 滋賀大」、絵本の読み聞かせや親子で出かけられる場所を紹介する「さんさんラジオ」。
 いずれも25日から30日にかけてスタートし、15分間の番組を7月末まで計5回ずつ放送。以降も4番組から絞って継続して流される予定。
 4年の中川原大樹(ひろき)さん(22)は「こういう貴重な機会をつくっていただいたので、滋賀大学や彦根に興味・関心をもってもらえる番組をつくれるようがんばりたい」と話している。

2012年6月19日火曜日

家庭訪問型子育て支援・ホームスタート県内初導入へ、ひこね育ちのネットワーク・ラポール

 家庭訪問型の子育て支援「ホームスタート」()が県内で初めて来年から彦根市内で始まる。実施主体のNPO法人ひこね育ちのネットワーク・ラポールは導入へ向けた準備を進めている。
 ホームスタートは、ひきこもりがちな母親や、さまざまなストレスを抱えた家庭が対象。調整役の「オーガナイザー」が家庭訪問した後、母親に合う訪問役の「ビジター」を週に1回・約2時間を1、2カ月間派遣した後、再び訪問して評価する仕組み。
 ビジターが母親から悩みを聞いたり、家事を一緒にしたりして友人のように接することで、母親が安心して子育てサロンに参加できたり、地域の人たちとつながることができるよう、そのきっかけづくりを応援する。親と対等な立場になることや経済的な配慮から、ビジターは無償のボランティアとなる。
 彦根市内でホームスタートを展開する「ラポール」は、代表理事で社会福祉士の廣田幸子さん(58)=中薮町=ら女性5人が平成23年4月に立ち上げ、母親向けに子育て講座やグループ学習などをしてきた。ラポールは臨床心理学で相互を信頼し合うなどの意味だという。今年2月にNPO法人となり、今月3日には廣田さんがNPO法人ホームスタート・ジャパン(東京都新宿区)で講習を受け、オーガナイザーとなった。現在、会員は男性一人を含めて10人。
 今後は今秋に養成講座を開いて10人以上のビジターを確保し、モデルケースとして年内に5家庭に訪問。来年からホームスタートを展開する予定。すでにキリン福祉財団から助成(30万円)を受けている。
 ホームスタートは全国24カ所で導入されているが、近畿では大阪府熊取町のみ。廣田さんは「先進地からの報告では、(母親たちが)みるみる変わり、満足度も高いという。未就学児をもつお母さんたちに安心してもらうための支援をしていきたい」と話している。問い合わせは廣田さん☎080(3034)4971。
 ※「ホームスタート」1973年に英国で始まった。日本ではNPO法人ホームスタート・ジャパンが2008年に開始し、現在までに12都県で24組織が活動。年度内には40組織に広がる予定。

2012年6月16日土曜日

染色作家・飯森よしえさん作品展 ギャラリーコジマで

 染色作家・飯森よしえさん(65)=大津市=らの作品展が、19日まで彦根市銀座町のギャラリーコジマで開かれている。
 多年草のバショウの繊維で作られた芭蕉布や、木綿と和紙のミックスなどで作られ、ツバキやスモークツリーなどで草木染めされた服やスカーフ、テーブルクロスなどを展示・販売している。
 飯森さんは染色作家のほか、花と器を使っての空間コーディネーターとしても知られ、ガラス作家・船木倭帆(しずほ)さん(77)=広島県福山市=の吹きガラスに山野草も生けている。
 ほかに、飯森さんがインドネシアやインドから手に入れたアンティークの更紗(さらさ)や、林教子さん(45)=近江八幡市安土町=の縄文時代の織物・あんぎんによるバックなどもある。計約60点。
 開館は午前10時半~午後6時。木曜定休。金土日と最終日は飯森さんも会場にいる。入場無料。平和堂銀座店の駐車券あり。問い合わせは同ギャラリー☎(22)0347。

2012年6月15日金曜日

聖泉大学ホッケー部 初の全国大会男女ダブル出場

 聖泉大学(彦根市肥田町)の男女のホッケー部が、16日から埼玉県飯能市の阿須ホッケー場で行われる全日本大学ホッケー王座決定戦に出場する。女子チームは8回目の全国大会出場になるが、男女共は初めて。
 聖泉大は平成20年3月に女子チーム(宮崎奈美監督・部員31人)を結成。これまでに同決定戦や全日本学生ホッケー選手権大会でベスト8の記録を残すなど全国でも強豪チームの一つになっている。平成23年度の関西での春・秋リーグは3位。主将(二人)の市橋麻莉さん(21)と松中はるなさん(21)は「自分たちの持ち味を生かして、目の前の試合に全力で取り組む。まずは初戦突破」と意気込んでいる。一回戦は16日に北海道大学。
 男子チーム(山堀貴彦監督・部員21人)は平成21年4月に創部。昨年の関西学生秋季リーグ2部で優勝し1部昇格を果たし、今年の春季リーグ(1部)では4位となり、初の全国大会出場を決めた。主将の櫻井雄太さん(23)は「初めての王座出場で今から楽しみ。初戦相手を想定した練習をしているので、自信を持って挑みたい」と話している。初戦は春季リーグで2回惜敗している関西学院大。

2012年6月13日水曜日

平和堂・夏原平和社長 父・平次郎氏語る

 平和堂の代表取締役社長・夏原平和氏が8日、彦根ビューホテルで「創業者の父から学んだこと」をテーマに講演し、父親の故・平次郎氏からの教えなどを語った。
 夏原氏は、平次郎氏が農家の長男として生まれ、元々は先生になりたかったものの、父親から許されずに最初は農業をしていたことや、農業で馬を使っていたため戦時中は騎兵隊に入っていたことを紹介。昭和19年に息子が生まれ、「平和」と名付けたことに、夏原氏本人は「戦時中だったため、この言葉に抵抗もあったが、息子が大きくなる時代には平和な世の中になってほしいという思いがあったのだろう」と話した。
 また平次郎氏の本「奉仕と創造」の内容を示しながら、「もうけよう、もうけようとするのではなく、お客さまに喜んでもらうことが先だ」「世の中で一番楽しいことは、一生涯貫く仕事をもつこと。また寂しいのはうそをつくこと」などの教えを解説した。
 平次郎氏との自宅での生活にもふれ、「父にはよくしかられた。ほめられたことがなかった」「食事をしている時も言われるため、早く食事を終え、早く家を出なければならなかった。休日でもどこかの店に行っていた」とのエピソードを話した上で「父にしょっちゅう言われた事は身についている」と感謝を示した。
 社員教育については、社員が上司に厳しく指導されたことを(上司の定年退職時に)自慢する姿をあげ、「時には、たたくぐらいに真剣に社員を指導することが必要。何事も中途半端ではなく、徹底しなければならない」と述べた。
 講演会は近畿商工会議所女性会連合会総会の中で行われ、近畿2府5県の53女性会から約500人が聴いた。

吉本新喜劇 彦根公演に2800人 塾生たちも前座演じる

 吉本新喜劇の彦根公演が9日に文化プラザであり、ひこね新喜劇塾の塾生たちも前座として舞台にあがり、会場の笑いを誘っていた。
 塾生たちは県内外の6歳~69歳の26人。今年3月のオーディションで合格し4月15日から公演当日まで計9回けいこをしてきた。
 前座の演題は「黄門様、彦根を行く!」。別れた孫娘に身代を譲ろうと老人が孫探しに出て、孫と名乗る女性たちに出会う中、悪い男たちに騙されかけるものの、水戸黄門ら一行が救い、本当の孫娘と再会する―というストーリー。
 末成由美さん芸人4人も出演し、塾生たちは時折、せりふにつまる場面もあったが、観客を笑わせながら約30分間の演技を披露。塾長でよしもとクリエイティブ・エージェンシーの木山幹雄さん(59)は「最初は脱落者が出るかもと心配していが、全員最後まで完走してくれた。上等です」と満足していた。
 娘役を演じた小学3年生の藤野あずみさん(8)は「満足できる内容だった。来年もまた出たい」と笑顔で話していた。
 彦根での吉本新喜劇は、市民らによる実行委員会主催で昨年に続いて2回目。2回公演とも満員の計2800人が来場し、前座のほか、大木こだま・ひびきらの漫才、新喜劇の本公演を観覧した。
 円形広場では屋台や大道芸などもあり、屋内外とも多くの人で賑わっていた。

2012年6月12日火曜日

古民家生かすまちづくり目指す=小江戸ひこね町屋活用コンソーシアム、「町屋情報バンク」も開設

 彦根市内に残る町家や古民家を生かしたまちづくりを目指す団体「小江戸ひこね町屋活用コンソーシアム」(廣瀬一輝代表)が設立。12日からは、古民家などの情報を紹介したサイト「小江戸ひこね町屋情報バンク」を公開する。
 同団体は、彦根商工会議所の彦根異業種交流研究会町屋活用委員会、彦根市、滋賀大学社会連携研究センター、滋賀県立大学、NPO法人五環生活、湖東地域定住自立圏ネットワーク、芹橋2丁目連合自治会まちづくり懇話会の計7団体で組織。若い世代の転出や高齢化で管理が困難になっている古民家などを活用したまちづくりを目的に先月29日に設立された。
 「情報バンク」のほか、空き家を代わりに管理する「家守(ヤモリ)プロジェクト」、大学の研究室や学生たちの住まいとする「居守(イモリ)プロジェクト」、店舗やイベントの拠点にする「町屋活用拠点整備事業」、彦根仏壇など職人や高齢者と若者が連携して新しいモノを生み出す「ものづくり創出プロジェクト」を進める。
 また将来的には、空き店舗で活動する若者が地域の一人暮らしの高齢者の生活をサポートする体制づくりを計画しているほか、彦根市の観光施策の課題になっている観光客の回遊性にもつなげていきたい考え。
 同団体の拠点事務所は江戸時代の建物の旧・より~な(河原2丁目)。「情報バンク」では、空き家を利用した事例紹介、物件情報、提供の募集を掲載している。アドレスは(http://www.hikone-machiya.com)。問い合わせは12日以降に同団体☎(23)2123。

井伊直弼お抱え絵師・鳴鳳の湖東焼展、たねや美濠美術館

 彦根市本町1丁目のたねや美濠(みほり)美術館は先月30日から、井伊直弼お抱えの絵付師・鳴鳳(めいほう)が描いた小皿など湖東焼を展示した名品展を開いている。
 湖東焼は直弼時代に黄金期を迎え、その中でも絵付師の幸斎(こうさい)と鳴鳳は客分として直弼に迎えられた。鳴鳳が彦根に来たのは嘉永5年(1852)より少し前。滞在した数年の間に、抹茶や煎茶の道具のほか、文房具、飲食具、調度品などに絵を描いた。関東大震災で多くが無くなったが、約40点が現存する。
 今回の名品展では、鳴鳳が絵を描き、直弼の側近・長野主膳主宰の歌塾「桃廻舎(もものや)」の門弟で直弼の親友だった三浦北庵らの歌が書かれた小皿12枚「鳴鳳作 桃廻舎門人和歌小皿」など43点を展示。中には直弼直筆の歌や直弼デザインの火鉢などもある。
 入館料は中学生以上500円、小学生以下無料。開館は午前10時~午後5時。9月中旬まで。不定休。問い合わせは同館(24)5511。

2012年6月11日月曜日

彦根城ガイドブック英語版発刊

 彦根市教委文化財課は、彦根城ガイドブックの英語版「A Guide to Hikone Castle」を刊行し今月から発売している。
 外国人の観光客に彦根城や彦根の歴史、文化財を知ってもらおうと制作。平成20年度に作った彦根城ガイドブックを英訳した。
 「佐和山城から彦根城へ」「彦根城の二つの正面」「彦根の城下町」など7項目ごとにカラーの写真と古絵図を取り入れて紹介。A4判・24ページ。1部200円。販売場所は彦根城管理事務所、開国記念館、彦根城博物館で。

2012年6月9日土曜日

アートフェスタ勝負市 花しょうぶ通りで 2012年は「生きる〜Life」

 恒例のアートフェスタ勝負市(滋賀彦根新聞社など後援)が9、10日の両日、彦根市の花しょうぶ通り商店街で開かれる。
 地元住民らによる実行委員会主催で県内外からの工芸作家や芸術家が作品を展示・販売するイベントで、今年のテーマは「生きる~Life」。9日は午後1時~同6時で約40店、10日は午前10時~午後5時で約120店が並ぶ予定。10日にはライブや屋台村、携帯まち遊びラリーなどもある。

俳優・長塚京三さん撮影の裏話紹介、時代考証学会で

 時代考証学会の第2回フォーラムが2日、文化プラザで開かれ、市内外から約150人が来場。講師にはNHK大河ドラマ「篤姫」など多くの時代劇に出演している俳優の長塚京三さんも参加し、撮影の裏話などを紹介した。
 長塚さんは「わたしと時代劇」をテーマに話し、演じる時の気持ちについて「笑う場面でも本当に笑っている気持ちがないと難しく、その不自由さが(本当の笑いに)追いつこうとする努力を呼ぶ」「不自由な立ち居振る舞いを求められる時も、何かしらのエネルギーみたいな根源的なものが生まれるように思う」と語った。
 ドラマの撮影でひざを複雑骨折し正座がしにくい中で「篤姫」の父親役を務めたエピソードも紹介し、「痛さをこらえて正座をしていたが、早くカットと言ってくれと思っていた」「これからテレビで私が正座をしていたら、我慢していると思っていてください」と話し、会場の笑いを誘っていた。
 フォーラムではほかに、同学会員やNHKプロデューサーらが登壇し講義やパネルディスカッションをした。

次の天体ショーは8月14日の金星食、金星の太陽面通過「見えた」

 6日朝から昼過ぎにかけて、金星の太陽面通過が起こり=写真はダイニックアストロパーク天究館、晴天となった滋賀県内では日食グラスを手に観察する光景が見られた。次の天体ショーは8月14日未明の金星食。
 金星の太陽面通過は金星が太陽を横切る現象で、午前7時半前に太陽に入り始め、約6時間半かけてゆっくり通過。太陽の上部を黒い点が少しずつ動いている様子が観察できた。
 金星食は金星の上を月が横切り、金星を隠す現象で、石垣島などを除く全国で見ることができる。前回は1989年12月2日夕方で、23年ぶりとなる。次に比較的条件が良い金星食が起こるのは2063年5月31日。

2012年6月8日金曜日

豪徳寺の墓に井伊直弼埋葬されず? 地下3㍍に石室なく

 東京都世田谷区の豪徳寺にある彦根藩十三代藩主・井伊直弼の墓に、石室などの埋葬施設が地下3㍍以内になかったことが、区教委などの調査で明らかになった。
 同寺は嘉永10年(1633)に二代藩主・直孝が井伊家の菩提寺とし、直弼ら江戸で亡くなった藩主やその家族、藩士らが葬られているとされる。清凉寺(古沢町)と永源寺(東近江市)と合わせ、彦根藩井伊家墓所として平成20年3月に国史跡に指定されている。
 区教委は直弼の墓石の傾きを直すため、平成21年から翌年に改修した際、地表から約1・5㍍までに石室がないことを確認。その後、東京工業大が行ったレーダー調査でも地下3㍍以内に石室は見つからなかったという。
 これまでは、直弼が安政7年(1860)3月3日に桜田門外で水戸藩士らに暗殺された後、その首を預けられていた遠藤家から井伊家家来が取り返しに行き、江戸藩邸で胴体と縫い合わせられ、喪が秘された後の4月10日に豪徳寺に葬られた―というのが通説になっている。また直弼が流した血がしみ込んだ土は天寧寺(彦根市里根町)に運ばれたとされる。
 豪徳寺に直弼の遺骨がないとした場合、天寧寺など彦根に埋葬された可能性も浮上するが、彦根市教委文化財部の谷口徹部長は「その可能性はないだろう。当時はまだ水戸藩などの不穏な動きもあったため、むしろ豪徳寺のほかの場所に埋葬されているのかもしれない」と分析する。
 真相の解明について、世田谷区教委文化財係は「直弼の墓は国の重要文化財に指定されているため、3㍍より下の発掘はできない。今のところ、どこにあるのか解明する予定はない」としている。

2012年6月7日木曜日

野田聖子氏「古い自民 一新を」、自民党滋賀県第2選挙区総会で

 自民党滋賀県第2選挙区支部(上野賢一郎支部長)の総会が3日、米原市内で開かれ、元内閣府特命担当大臣の野田聖子議員がゲストとして講演。「今の自民党は古い自民の残党。選挙のベテランが残っているだけ」と批判し、「次の選挙で200人くらいが入れ替わり、新しい自民党になるべきだ」と、次期総選挙での一新を訴えた。
 野田議員は「今の自民党にはこないだの(総選挙の)生き残りしかいない。出来のいいのはみんな落ちた」「自民党が与党のころは年寄りが動かず、世代交代できていない。政治を志す若者は民主党に入った」と指摘。その上で、県内4区の自民の衆院選候補は30代、40代に若返っており、「次の選挙は若い人がいっぱい出てくる。自民党は変わる」と述べた。
 また、人口減少社会で2100年には3300万人に減少すると解説した上で、中国やミャンマー、インドネシアなどを「工場」としてではなく「マーケット」と位置づけて外需拡大を狙い、TPPも農業再生のために行うべきだと主張した。 
「壮年部が老年部」
党員減に危機感
 総会では党員減少を課題として取り上げ、党員獲得運動の展開を活動方針に掲げた。
 2区支部の党員は2011年末で919人。10年前の3分の1程度に減少し、元参院議員で上野支部長の後援会長・河本英典氏は「肝心の党員が減っている。上野氏が勝つのは大変。足場、組織がない」と指摘。党員の高齢化にも触れ、「壮年部が老年部になっている。杖をついて出て来ては活動にならん。活動できる党員に入ってもらわないと」と、党員の一新と拡大の必要性を訴えた。総会には二区の党員約170人が出席した。

滋賀県立高校再編計画 彦根市PTA連協から要望相次ぐ

 県教委は2日、策定を進める県立高校再編計画に対して、彦根市PTA連協から意見を聞く会を南地区公民館で開いた。
 昨年に県教委が発表した彦根西高と彦根翔陽高の統合や彦根東高と彦根工業高の定時制廃止などを盛り込んだ計画(原案)は、市民らの反発で1年先延ばしされ、今年夏休み明けにも計画が再提案される予定。県教委は計画策定を控えて参考にするため、先月29日に市教委、2日に市PTA連協、4日に市校長会から意見を聞いた。
 2日の聞く会には県教委から河原恵(さとし)県教育長ら4人と保護者ら約50人が参加。保護者からは「PTA対象ではなく、中学校単位で生徒や親に幅広く説明をするべきだ」、「昨年の計画(原案)発表は乱暴な印象を受けた。時間をもっとかけてほしい」、「母子家庭などで定時制しか行けない子どもがいることをわかってほしい」、「途中で後輩がいなくなる事はあり得ない」などの意見が出た。
 河原教育長は「重たい意見をいただき、しっかりと踏まえて(計画策定を)進めていかなければならない」と語った。
 会合後、市PTA連協会長の岡崎正彦さん(44)は「思いをくみ取っていただいた上で進めてほしいため、多くの保護者の皆さんに意見を聞いてほしい」と話していた。

2012年6月6日水曜日

杉尾信子さん作品展 愛知川駅ギャラリーで

 日常のさまざまの音を絵に表す画家・杉尾信子さん(35)=彦根市錦町=の作品展が24日まで、愛荘町の愛知川駅ギャラリーで開かれている。
 杉尾さんは「人間が持つ元々の感覚」を表現する画風が特徴で、画材には「自分に合った線を見つける」ため、ペンの後ろやキャップなど身近にある物を使っている。
 8年ほど前からは音や音楽をテーマにした絵を制作。今回もキャップや木の枝などを使って描いた「曽根沼の音楽1・2」「緑雨」「FMラジオ」「鳥たちの歌」など13点を展示。午前8時~午後5時だが、24日のみ正午まで。

2012年6月5日火曜日

ハートちゃん着ぐるみ完成 犬上ハートフルセンター

 高齢者施設の犬上ハートフルセンター(多賀町)は、同センターのキャラクター・ハートちゃんの着ぐるみを製作。彦愛犬のイベントに登場させている。
 ハートちゃんは、彦根市の花しょうぶ通り商店街のいしだみつにゃんやしまさこにゃんなどの生みの親でもあるイラストレーター・山本ひまりさんが考案。黄色を基調に、ハート型のピンクのポケットを付けた青色のエプロンをしている。特技はハートビームで、好きな食べ物はハート型のクッキーだという。
 同センターでは「みつにゃんらの妹として、地域のあちらこちらに顔を出していくので、見かけたら声をかけてあげてほしい」としている。
視覚障害者イベント
社会参加考える
 「視覚障害者の社会参加を考える」イベントが17日にビバシティホールで開かれる。
 県立視覚障害者センター、県立盲学校、彦根学園、犬上ハートフルセンターによる合同企画。午前11時~は「おうちから出かける楽しさってな~んだ」をテーマに点字・片まひ体験や盲導犬紹介などブース・パネル展示コーナー、午後0時半~よし笛・竹太鼓など演奏のステージイベント。
 午後1時半~「さわる文化への招待」について国立民族学博物館准教授の広瀬浩二郎さんによる講演、同3時~ディスカッション「見えない人が雇われにくい雇用問題を考える」がある。ひこにゃんやハートちゃんも来場する予定。入場無料。問い合わせは視覚障害者センター☎(22)7901。

2012年6月2日土曜日

消費増税論議よりも少子化対策

 民主党の小沢元代表は野田首相との会談で、「国民は(消費増税より先に)やるべきことがあると思っている」と話したという。確かにこの発言に誤りはないのだが、国民の多くは、政策よりも政局を「楽しむ」小沢氏の政治手法を知っているため、小沢氏の言動に胡散臭さを感じており、説得力が微塵もない。また野田・小沢会談は所詮、政治的パフォーマンスであり、多くの国民は「勝手にやっていろ」と思っているのではなかろうか。
 さて、国の借金が今年度末には1000兆円を超えると言われ、日本国債が相次いで格下げされる中、消費増税を巡る論議がかまびすしいが、我が国の将来を考えた場合、消費増税よりも重要な案件として少子化対策があげられよう。
 人口が多ければ、それに比例して国が発展していくという単純な話ではないが、年金・医療を含む社会保障制度や経済力または国際力などを維持または成長させるには、人材(人財)が欠かせないのは言わずもがなであり、そのためにも少子化対策は喫緊の課題である。
 にもかかわらず、政権交代以降、少子化対策担当大臣は9人目となっていることから勘ぐると、民主党は少子化対策を(かなり高い確率で次の衆院選後に交代する)次の政権まで、なおざりにするようで残念極まりない。以下、我が国に置かれた少子化の現状とその原因を紹介する。
 一人の女性が生涯に産む子どもの平均数の推計値・合計特殊出生率は、終戦後の第一次ベビーブーム時には4を超えていたが、その後は低下していき、1974年以降は人口の維持に必要な「人口置換水準」(2・07)を下回り、2005年には1・26まで落ち込んだ。
 その後、団塊ジュニア世代にあたる30歳代後半の「駆け込み出産」により上昇し、10年は前年度比0・02ポイント増の1・39となっている。ただ、出生率の上昇原因は国の少子化対策が起因しているわけではないため、いずれ低下することは容易に予想できる。
 また、国立社会保障・人口問題研究所の調査(2010年)によると、30~34歳の未婚率は男性が47%、女性が35%で、30年前と比べると男性は2倍以上、女性は3倍以上となっており、非婚または晩婚化が進んでいる。つまり、結婚できない男女が増えている上、結婚しても生まれる子どもの数が少ないという「悪循環」の流れにある。
 社会保障の面から見ても、1960年の時は15~64歳の勤労世代の11・25人で一人の高齢者(65歳以上)を支えていたが、2010年には2・85人で一人という数値になっており、30年には1・7人に一人というのが確実視されている。
 一般的に指摘されている少子化の原因としては、▽女性の社会進出▽男は仕事、女は家庭という考えが根強く残っている▽夫の子育て支援(イクメン)が足りない▽子どもを育てる経済力がない―などがあるほか、小生は「草食男子」など男が頼りなくなったことも一因にあると考えている。
 消費増税の賛否の論議も重要だが、更なる長期的視点で見た場合、少子化対策こそが最重要議題であり、国が頼りないのなら、地方でやるしかない。親子が安心して外出できる環境や、男女が仕事と子育てを両立できる仕組みを整備するなど、各地方自治体が独自の少子化対策を立案する必要がある。つまり、少子化対策は地方分権を進める上で最初の政策になり得るともいえるのではないか。【山田貴之】

新鮮野菜の店オープン 河瀬地区・やさい館 稲枝地区・新開館

 彦根市南部の稲枝と河瀬に、地元農家で採れた新鮮野菜などを提供する直売所が相次いでオープンした。
 JR河瀬駅近くに1日、彦愛犬の農家が生産した野菜などの直売所「やさい館」(南川瀬町)がオープンした。
 河瀬駅近隣には西口前に直売所「やさいの里」があったが、昨年末に南西約2・5㌔先に移転。買い物場所として定着していたため、近隣住民からは代わりの店舗を求める声があった。
 そのため河瀬駅前商工協同組合(中島久善理事長、39店舗)では駅近くの空き店舗を活用。国のいきいき再生事業や県のにぎわい創生事業による助成と、市、彦根商工会議所の支援を受けて直売所を設けた。
 やさい館では、彦愛犬の農家16人が作った野菜などがオープン1時間前の午前8時半に納品されるため、新鮮な野菜を低価格で提供できるという。野菜のほか、寿司や卵、豆腐などもある。
 中島理事長は「地産地消をモットーに、安全で安心な野菜を販売していきたい」と話している。営業時間は午前9時半~午後3時。木・日曜休み。問い合わせは同館☎(28)3963。
 彦根市新海町の湖岸沿いには農産物直売所「ひこね新開館」が仮オープンした。
 地元住民や稲枝地区の生産者らが採れたての新鮮野菜を提供しようと直売所の設立を計画。来年5月の正式店のオープンを目指し、先月29日にセブンイレブンの隣接する場所に仮設の店舗を設けた。店舗名は戦国時代に同地にあった城の名前「新開館」から採った。将来的には道の駅化も。
 ひこね新開館では、稲枝西学区や松原など約120人の農家が生産したアスパラ、タマネギ、キャベツ、イチゴ、キュウリ、大根などのほか、豆腐、おから、稲枝特産の塩こうじも置いている。オープンは金土日・祝日。午前9時~午後6時。問い合わせは同館☎(43)6611。

2012年6月1日金曜日

富岡町・遠藤勝也町長「今だゴーストタウン」彦根で講演

 東日本大震災の被災地で彦根市が重点的に支援している福島県双葉郡富岡町の遠藤勝也町長(72)が26日、彦根ビューホテルで講演し、復興への思いや原発に代わる新エネルギーの必要性を話した。
 遠藤町長は昨年3月11日の震災直後について、福島第一原発の冷却装置が停止したため全町民が避難することになり、自主避難した約1万人を除く約6000人が翌12日に川内村に移り、村民と合わせた約9000人と警察官約40人での生活が始まったと解説。しかし、マスコミに報じられることがなかったため「5日間は陸の孤島で、想像を絶する生活だった」と、当時を振り返った。
 彦根市から富岡町へは獅山市長が3月24日に訪れ、4月9日から10月8日までに市職員43人が訪問。講演で遠藤町長は市長や市職員に感謝を示しながら、「町内には今も入れず、ゴーストタウン化しているが、これからが勝負」「時間はかかるだろうが、町民をふるさとに戻すための計画を国と共につくっていきたい」と、復興に向けた思いを語った。
 原発については、推進する資源エネルギー庁と規制する原子力安全・保安院で同じ職員が行き来していると説明した上で「原発を推進する側と規制する側が同じ人間では何の緊張感もない。これがこれまでの原子力行政の体制だった」と、疑問を投げかけた。
 大飯などの原発再稼働に対しては「経済活動や電力不足という深刻な問題があるが、福島第一原発の事故を起こしたことを忘れてはならない」「福島の事故は対岸の火事ではない。現在ある原発は段階的に減らして、新しいエネルギーを開発していくべきだ」と、原発からの脱却を求めた。
 講演後の記者会見で遠藤町長は自治体やボランティアに求める支援について、「復興にかかわるマンパワーの不足や避難者への心のケア、健康管理」をあげた。
 遠藤町長の講演会は彦根市と彦根ユネスコ協会が共催し市民や被災地からの避難者ら約200人が参加した。