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2018年2月23日金曜日
百条委に追及していた3議員入らず
百条委員会が設置されたが、委員の中に庁舎耐震化に対して熱心に質問してきた獅山向洋、谷口典隆、奥野嘉己の3議員が入っていないのは何とも心許ない◆特に奥野議員や谷口議員は本紙でも紹介している通り、問題になっている「裏取引」の疑惑を昨年6月議会で追及していた。そして獅山議員と合わせ、いわば三枚看板の全員が百条委の場にいないことになった◆一方で、百条委の設置が決まった後に開かれた企画総務消防常任委員会には獅山、谷口両議員が委員として入っており、早速、市長らを追及。まるで百条委が始まったような問答だった。同委員会は今後も百条委と並行し継続して開かれるとのことだが、百条委の委員に就いた市議は同委員会に負けぬよう、前記の3人の協力を得ながら真相究明にあたって頂きたい◆そして翌日に市は土壌汚染の問題を発表。まさに踏んだり蹴ったりの様相であり、庁舎耐震化の先行きの不透明感が更に増した感は否めない。(山田貴之)
2018年2月19日月曜日
庁舎耐震化の裏取引問題を市議会の常任委で追及
彦根市役所本庁舎の耐震工事を協議する市議会の企画総務消防常任委員会が14日開かれ、委員の獅山向洋議員や谷口典隆議員が昨年6月の市議会での「市の虚偽答弁」や施工業者の違法性などについて質問。事実上、この日の臨時会で設置された百条委員会の様相を呈した。
庁舎の耐震化を巡っては市と施工業者の間で、一部工事の取り止めや別途工事など9億4200万円分の裏取引があったことが判明。昨年6月の市議会の同委員会や本会議では谷口議員らが、入札段階で市の予定価格と業者の提示額とに10億円前後の差があった点などを疑問視していた。
そのため14日の同委員会で谷口議員は、昨年6月時の同委員会で市側が「追加工事はしない」「仕様書(当初の工事内容)の変更はない」と答弁していた点を取り上げ「あの答弁をした昨年6月時点で(裏取引を)知っていたのか」と質問。市の担当者は「当初の工事内容を変更しないとの認識に基づいて答弁した。最終的には上司(都市建設部長)の判断だったと認識している」と釈明。
谷口議員の「9億円分の工事がどうなるのか明確になっていない。このまま工事を進めれば、相手方の施工業者に有利になる。工事をストップするべきだ」との要求に、大久保市長は「弁護士と相談しながら施工業者と交渉を進めている。工事を止めれば損害賠償が発生する可能性も出てくる」と工事を続ける意向を示した。
獅山議員は、当初の計画が有効だとする市の考えに対し、市の顧問弁護士の見解を示した文書の提示を求め、市長は速やかに提示する意向を示した。また獅山議員は、裏取引が地方自治法施行令違反だと施工業者が認識していた可能性を指摘した上で「市長として施工業者が違法だと知っていたと思わないか。私は官製談合に近い違法なことをやっていると思っている」と追及。市長は「(施工業者が)市に頼まれたため協力したと認識しており、市側が違法だったと認識している」と述べた。
同委員会は最後に、今後も庁舎の耐震工事について継続審査していく方向性を確認した。
2018年2月9日金曜日
百条委員会で追及し尽くせ
怒髪天を衝く(どはつてんをつく)―。天につくほど髪の毛が逆立って激しく怒っている様子を表現した故事だが、彦根市議会が大久保市長に提出した臨時会招集の請求書には市議24人全員の署名と捺印が記されており、激しく怒っている様がうかがえる。
昨年6月定例会で庁舎耐震化の請負契約の関連議案に、賛成多数で議決したのだから市議会が怒るのも当然である。市議の何人かは関連の質問も行っていたが、市は裏取引を明らかにすることなく、虚偽の答弁を繰り返していた。市議の一人は「市に騙されたのだから、議会軽視も甚だしい。市から耐震化の追加予算が出ても、はい分かりましたと簡単に通すわけにはいかない」と怒り心頭だ。
そしてもう1点、裏取引が協議されていた時期に市長は本当に知らなかったのか、という疑惑である。本紙今日付の記事にもある通り、約30億円の大規模事業の「詳細を知らない」との回答にはあきれるばかりだが、裏取引の実態を6月議会前に認識していなかったというのも信用できまい。
「議会での虚偽答弁を市長が認識」「地方自治法施行令違反の事業に市長が関与」、もしその頃に市長が知っていたら、この2点の責任をとって辞任は免れないため、それを避けたいのかもしれない。ほかにも「行政のプロの川嶋氏が法令違反を認識していなかったのか」「担当職員がいずれは明らかになるのに裏取引をなぜしてしまったのか」「入札時の背景に何らかの取引はなかったか」など、明らかにするべき疑惑は少なくない。
設置される百条委員会でこれらの真相が明らかになるはずだが、川嶋氏や市の担当者、施工業者らにどこまで正直に話させるかは、百条委員会の委員に就く市議たちの力量次第である。これまで発表された中での疑惑から、新たに明らかになるであろう疑惑まで、すべてをあからさまになるのを期待している。
なお今後、市議会に市長の不信任案が提出された場合、市長権限で「市議会の解散」の可能性もあるが、それを回避するため、穏便に終わらせようと考える自己保身の市議がいないことも祈っている。【山田貴之】
市役所耐震化の裏取引9億4200万円分の内訳公表、百条委員会設置へ
彦根市は2日、本庁舎の耐震化を巡って記者会見を行い、施工業者との交渉で取りやめた工事など9億4200万円分の内訳を公表。大久保貴市長は市議会から同日付であった百条委員会設置のための臨時会招集の請求に対し「速やかに開く」と述べた。
市によると、市の予定価格と施工業者が示した額とに大きな差があったため、前副市長の川嶋恒紹(ひさつぐ)氏=引責辞任=が、外構や空調などを本体価格に含まない別途工事とするよう市都市建設部長に指示。担当職員が施工業者の支店長と協議して、一部工事の取りやめなど裏取引をし、29億3500万円で合意したという。公表された裏取引の内訳は、別途工事が外構やガス空調など2億8917万円、取りやめが既存建物の改修や昇降機リニューアルなど4億7647万円、屋上緑化や床タイルなどを簡易な材料にする仕様変更が7152万円、今後の更なる仕様変更などが1億0484万円。
しかし、耐震補強工事と既存建物の1階、4階、5階の一部改修を求める市側と、耐震補強工事のみしか実施しないとする施工業者側との認識のずれが表面化。市長には10月3日に「このままでは当初の仕様通りに完成しない」との報告があり、その後、弁護士が地方自治法施行令違反の可能性が高いと指摘。市内部や施工業者との協議が行われたが、解決できず、先月24日に発表した。
また2日の会見では、市長が昨年6月定例会開会日の6月5日に、川嶋氏から「外構工事は元々、分離発注をする予定だった」と聞いていたことが明らかになったが、市長は「詳細については理解していなかった」と釈明。別途工事などの新たな予算措置については「どこまでやるのかは業者と協議する」と述べるに止めた。
臨時会招集へ
彦根市議会は2日、100条委員会の設置を求めるための臨時会招集請求書を全議員24人の署名入りで市長あてに提出。市長は会見で「速やかに招集する」と述べた。
臨時会は14日開会で、百条委員会の委員は12人で調整している。
2018年2月2日金曜日
彦根市議会で百条委員会の設置を求める声、市役所耐震化で市職員と施工業者が裏取引で
彦根市役所の耐震化に絡んで市職員が施工業者と裏取引をしていた問題に対し、彦根市議会で(※)「百条委員会」の設置を求める声が高まっている。2月2日には市議会の全員協議会があり、百条委設置に向けて会派間で調整するとみられる。
市役所耐震化を担当していた一部の市職員は、市の見積額の29億3500万円に収めるため、空調設備など約20項目の工事を除いた裏取引を施工業者と行い、見積額のままの関連予算が昨年6月議会で議決された経緯がある(本紙27日付で関連記事)。
市からこの問題の報告を受けた市議会は会派内で話し合いを行っており、各会派または議員からは、大久保貴市長や引責辞任した川嶋恒紹・前副市長、担当職員、施工業者らを招いた百条委を設置する意見が出ている。
本紙の取材に応じた議員の一人は「6月議会で関連予算に賛成した議員としては騙された感がある。川嶋副市長がどこまで関与していたのか、百条委で真実を追及する必要がある」と話している。
今後は各会派内、会派間同士で百条委設置と臨時会の招集を求めるための話し合いが行われるとみられる。
※【百条委員会】自治体の事業に関して疑惑や不祥事があった際、地方自治体法100条に基づいて、その自治体の議会が設置する特別委員会。該当する事業の職員や関係者らの出頭、証言を求めることができる強い権限を持っており、虚偽の証言をしたり、証言を拒否したりした場合などには禁固刑や罰金を科すことができる。
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