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2018年12月28日金曜日

つづらファーム栽培の黒豆クロダマル収穫

 彦根市葛籠町の農業組合法人つづらファーム(茶木勝・代表理事)が栽培している黒豆「クロダマル」の収穫が今月13日に行われた。
 クロダマルは九州沖縄農業研究センターが開発した黒大豆。西日本の一般的な黒大豆と比べて表面に光沢があるのが特徴で、苦みが少なく、甘みが強い。抗酸化作用があるとされるアントシアニンの量が一般的な黒大豆より多い。暖地性の品種のため、つづらファームによると、滋賀県が国内で最北端の栽培地だという。
 つづらファームは平成26年度に、女性へ就労の場を提供しようと「黒豆で元気一発増進プロジェクト」を発足。翌年度から滋賀県の支援を得ながらクロダマルを栽培し、収穫から加工、販売までの六次産業化を目指している。毎年6月に約3000平方㍍の農地に種を植え、12月に収穫し、加工施設の工房まめつづらでクロダマルを使って茶や煮豆、コロッケ、弁当、プリンなどにして販売している。
 例年の収穫量は450㌔ほどだが、4年目の今年は台風や大雨の影響で約120㌔と少なかった。つづらファーム理事の茶木源重郎さん(73)は「自然相手のため今年は収穫量が少なかったが、数年後には栽培面積を広げ、5年後をめどに収穫量1㌧を目指したい」と意気込んでいた。
 クロダマルを使った商品は近隣市町のJA東びわこ直売所や四番町スクエア内のほか、第1第3土曜日の工房まめつづらでの朝市で販売されている。

2018年12月25日火曜日

切り絵作家の平松弘三さん県立盲学校の生徒たちの顔を切り絵で作りプレゼント

 切り絵作家の平松弘三さん(62)=高島市マキノ町=が、彦根市西今町の県立盲学校の生徒たちの顔を切り絵で制作。18日に同校を訪れてプレゼントした。
 平松さんは長浜市立朝日小学校で校務員として勤務。昨年10月から切り絵を始め、児童たちや保護者の顔を切り絵にして贈ってきた。朝日小の図書室で点字の絵本を読んだ際、点字を切り絵にしたら視覚障害者でも形が理解できると考え、盲学校に児童生徒の顔を切り絵にした作品の贈呈を申し出た。
 盲学校の幼稚部から理療科までの18人分の顔写真を受け取った平松さんは、11月初旬から制作を開始。B5サイズの黒色の紙をカッターで切りながら一人3、4時間ずつかけて顔を作成し、表面がつるつるとしたA4サイズの白色の厚紙に貼って完成させた。
 平松さんが盲学校を訪れた18日は、高等部2年の田中芹奈さん(16)と理療科の田中秀幸さん(58)が出迎え、それぞれの作品を受け取ると早速、手で触れながらうれしそうな表情を見せていた。田中秀幸さんは「自分の顔よりも一枚も二枚も男前に仕上がっており、感謝しています。家宝にします」と礼を述べ、平松さんに指圧のサービスをしていた。
 平松さんは「切り絵を絵本に用いて、動物などの形を視覚障害者が理解できるようなユニバーサルデザインの絵本を作りたい」と意欲を示していた。

2018年12月21日金曜日

パーソンズ描いた明治25年の彦根2―天寧寺、十六羅漢像、ササユリ 滋賀大学総合研究棟で

 彦根市馬場の滋賀大学総合研究棟で4日から、企画展「英国人画家パーソンズが描いた明治中期の彦根・米原・長浜」の第2期が始まった。
 アルフレット・パーソンズ(18471920)はイギリス人の水彩画家。明治25年(1892)に来日し、日本各地を旅行しながら早春から晩秋にかけての植物や風景を組み合わせた水彩画を描いた。彦根には5月19日から約1カ月間滞在。5月末まで楽々園に宿泊した後、6月19日まで里根町の天寧寺の書院にホームステイして、境内や裏山のツツジ、ササユリ、寺からの琵琶湖の風景などを描いた。秋には米原を拠点に活動し長浜にも足を運んでいる。
 パーソンズは帰国後に日本紀行文「Notes in Japan」を発行。そこには彦根や米原、長浜で過ごした様子を水彩画やスケッチ、文章でまとめている。第1期の企画展では「明治25年の彦根1」と題して、紀行文に掲載されている楽々園や市街地、稲枝などの風景画を紹介した。
 第2期では「明治25年の彦根2―天寧寺、十六羅漢像、ササユリ」をテーマに設定。パーソンズは天寧寺で当時の住職の高木宗欽(そうきん)、妻のお茂、息子の喜三郎と過ごした。企画展では、書院で高木夫妻が縁側でくつろぐ様子とハナショウブ、庭の背後にある16の石像とモチツツジ、竹林とササユリの白黒作品のほか、寺の裏山から眺めた際の彦根城や佐和山、旧松原内湖、琵琶湖の風景などのカラーの絵画も展示している。
 絵画以外にも、パーソンズが天寧寺を去る前に喜三郎がスケッチブックに思いを日本語で揮ごうした文章、警官退職後に彦根町会議員を務めた喜三郎の写真なども掲示している。
 監修の金子孝吉教授のギャラリートークは今月18日、新年1月8日、22日の午後0時10分ある。第3期の「明治25年の米原と長浜曳山祭、青岸寺、紙芝居の座長」は来年2月4日3月29日。
 開館時間は平日午前9時午後5時。入場無料。問い合わせは滋賀大学経済経営研究所☎(27)1047。

2018年12月19日水曜日

新型カロム・スーパーカロム発売も同名のひこねスーパーカロムの名称継続

 東京都の玩具メーカーが新型カロム「スーパーカロム」を開発し先月発売したのを受け、同じ名称の「ひこねスーパーカロム」を運営している彦根市スポーツ推進委員協議会の事務局(彦根市教委)が、商標権などに関して弁護士に相談。名称の継続について「問題がない」と助言を受けていたことがわかった。
 新型カロムはカロムで言うパックをディフェンダー、ストライカーをアタッカー、ジャックをソウルと呼び、いずれもプラスチック製で45㌢四方と小型なのが特徴。黒と赤のアタッカーで異なる色のディフェンダーを四隅の穴に落とすというルールや、パック数が少ないなどの違いがあるが、形態はカロムそのもの。メーカーは今年3月31日に「スーパーカロム」で商標登録を出願しており、審査待ちの状況だ。
 一方で、ひこねスーパーカロムは市スポーツ推進委員協議会が平成14年度から翌年度にかけて開発した彦根
発のニュースポーツ。体育館などのフロアを利用し、1チーム4人で対戦するカロムの大型バージョーン。カロムと比べて一部ルールの違いがある。現在は岩手や福島、兵庫など全国各地に広がっている。
 しが彦根新聞が玩具のスーパーカロムについて発売前の11月17日付けで報道した後、市教委が弁護士に相談。弁護士からは「スーパーカロムはボードゲームの玩具、ひこねスーパーカロムはスポーツの名称で、例え商標登録されても問題はない」と返答があったという。そのため市教委では商標登録の手続きをしない考え。
 ひこねスーパーカロム協会の田附隆司理事長(64)は「大会も15回開催しており、名称を変えるわけにはいかない。そのまま利用できると聞いており、ほっとしている」と話している。

 ひこねスーパーカロム大会が9日、市立城陽小学校であり、県内外の20チームが出場した。
 市スポーツ推進委員協議会が開催し、15回目の今年は市内16チーム、市外4チームの92人が出場。彦根市民体育センターで開かれていた昨年までは予選後、決勝トーナメントを開いていたが、会場変更のため今年は4チームごと5つのゾーンに分けて実施した。
 各ゾーンの優勝チームは、中仙道高宮宿、佐和山スーパーズ、高砂市スポーツ推進委員会(兵庫県高砂市)、稲枝西、スマイル932(草津市)。

 総合型地域スポーツクラブの彦クラブは、来年1月13日午前8時半~市立城陽小学校で新春スーパーカロム大会を開く。定員は中学生以上の1チーム4、5人の24チーム。参加費2000円。申し込みは申込書にチーム名や学区・学校名、メンバー名、代表者名と連絡先を記入し、来年1月8日までに彦根市立病院前の彦根ハート薬局内のボックスへ。問い合わせは午後7時~同9時に彦クラブの田中さん☎090(5124)9006。

2018年12月14日金曜日

M1グランプリ優勝の霜降り明星、昨年の王者とろサーモンらと吉本新喜劇 冬のよしもとお笑いライブ22日

 今年の漫才コンクールのM1グランプリで優勝した霜降り明星、昨年の王者・とろサーモンら人気漫才師と吉本新喜劇を迎える「冬のよしもとお笑いライブ」が、22日午前11時~と午後2時半~文化プラザグランドボールである。
 ほかの漫才師はものまねで人気のチョコレートプラネット、MI決勝に進出した見取り図、もりやすバンバンビガロ。吉本新喜劇では池乃めだかさんや酒井藍さんらが出演する。
 入場料は前売り4500円、当日5000円。4歳以下はひざ上のみ無料。チケットはチケットよしもと、チケットぴあ、ローソンチケットのほか、文化プラザ、ビバシティ、アルプラザ彦根・長浜、パリヤ、県立文化産業交流会館、ルッチプラザで販売。

2018年12月13日木曜日

伊藤善規さん・妻の紀美代さん共著・有情鼠が発刊

 彦根市佐和町の伊藤善規さん(70)と、一昨年に亡くなった妻の紀美代さん(享年63歳)の共著「有情鼠(うじょうねずみ)」が11月28日、発刊された。
 本は3匹の兄弟妹ネズミと2匹のイタチ母娘が、田圃(たんぼ)大黒様とお家大黒様の命を受けて人助けに奔走する冒険ファンタジー。ストーリーは、お家大黒様の暮らす屋敷の一人娘が育児放棄をする原因に妖怪が取りついていることが判明。5匹の動物たちは神様と一緒に9つの戦術を実行する中、最後の「御先祖崇敬作戦」で妖怪退治に成功し、一人娘の母性が回復するという内容。
 伊藤さんは病床だった紀美代さんのかたわらで、平成27年6月から原稿を書き始め、紀美代さんの助言を得ながら二人三脚で翌年11月に完成させた。11月28日に亡くなった紀美代さんの三回忌に合わせて発刊した。
 伊藤さんは大阪府警、彦根市議などを歴任し、紀美代さんは小学校の教員を務めてきた。本の中では警察官や教員として、親や祖父母としての視点も取り入れたという。
 伊藤さんは「この本では先祖をはじめ、目には見えない世界を敬うことが、子々孫々の繁栄につながるという儒教的な人生観を伝えたいとの思いで書きました。家族愛の大切さもテーマにしており、中学・高校生にも読んでほしい」と話している。
 本は166ページ。1500円。表紙にはイラストレーターの森邦生さんの絵が描かれている。発行はサンライズ出版。希望者は芳有華伊藤☎(24)6348かファクス(27)5109、メール(nqk20359@nifty.com)。

歳末特別警戒パトロールの出動式 彦根出身のJリーガー岩崎悠人選手が一日警察署長

 歳末特別警戒パトロールの出動式が5日、金亀公園のエントランス広場であり、彦根出身のJリーガーでU21日本代表の岩崎悠人選手(20)=京都サンガFC=が一日警察署長として参加した。
 県警は年末年始に金融機関やコンビニなどを狙った強盗事件、飲酒による暴力や交通事故が多発することを懸念し、毎年12月1日から警察活動を強化している。
 彦根署での出動式には署員や防犯団体の関係者ら65人が参加。山崎勉署長が「地域の皆さんが事件や事故に巻き込まれないよう、一丸となって警戒にあたるよう心からお願いしたい」と訓示。来賓を代表し大久保貴市長があいさつした。
 「一日警察署長」と書かれたタスキをかけた岩崎選手は「住民の皆さんが安心して生活できるよう、パトロールしてください」と激励。山崎署長や大久保市長らと一緒に署員の服装や車両の点検をした。その後、登場したひこにゃんからサッカーボールを受け取ると、サッカー経験がある彦根署地域課の小西拓己巡査(23)を相手にリフティングとパスを披露した。最後に全員で整列し、出動する車両を見送っていた。

2018年12月5日水曜日

一緒にどの場所でも撮影できるアプリひこにゃんWITH開発、夢京橋

 彦根市本町の夢京橋あかり館を運営する第3セクター「夢京橋」は、ひこにゃんと一緒にどの場所でも撮影できるアプリ「ひこにゃんWITH」を開発したと発表。先月22日からスマホでのダウンロードが可能になった。
 滋賀大学の彦根市内でのアンケート調査によると、昨年の観光客の訪問地は彦根城が44%、夢京橋キャッスルロードが21%、四番町スクエアが11%で、訪問地点数の平均は2・14だった。
 観光客の回遊性の向上が長年の課題になっているが、夢京橋では観光客に旧城下町にも足を運んでもらい、観光消費をより上げていこうとアプリを開発。「彦根城天守・西の丸」「鐘の丸」「玄宮園・楽々園」「滋賀県護国神社」「スミス記念堂」「あかり館」「宗安寺」「四番町スクエア」「河原町・芹町」「佐和山」の計10カ所で、異なる10パターンのポーズのひこにゃんと記念撮影できる設定にした。
 あかり館では2階に展示している関ヶ原合戦図屏風の井伊直政、石田三成、大谷吉継の旗印に、アプリをダウンロードしたスマートフォンをかざすと、ひこにゃんの3種類のイラストが現れる設定もある。
 利用者は240円でアプリをダウンロードした後、各場所でひこにゃんの写真などを入手できる。収益の一部は文化財保護のために彦根市へ寄付される。
 一度、手に入れたひこにゃんの写真や画像は国内外で撮影した写真と組み合わせるなど、SNS上でも自由に使える。
 夢京橋専務の杉原正樹さんは「ひこにゃんの力を借りて、彦根の城下町を歩いていただく観光客が増え、そして彦根を世界にPRできれば」と語っている。問い合わせはあかり館☎(27)5501。

2018年12月3日月曜日

彦根市の川嶋主導説 疑問

 庁舎耐震化の裏合意問題における責任の所在について、大久保市長の認識が市民の感覚とずれがあるため、これまでの経緯を再度整理しながら、責任の所在を明らかにしたい◆この問題の最大の焦点はどの市職員が主導し、地方自治法施行令の違反にあたる裏合意を施工業者と結んだかである◆市長の見解は、川嶋前副市長の指示を受けて前都市建設部長の山本氏が裏合意を結んだというものだ。先の臨時議会でも市長は「一部工事の取り止めなど仕様の変更を川嶋氏が指示した」と主張した◆しかし市議会が設置した百条委員会で、山本氏は地方自治法施行令違反にあたるとの認識を示した。一方で、川嶋氏は「契約内容そのものは変わらないと報告を受けていたため、最終的に了承したのは事実。今から思えば矛盾する話だった」と釈明。そのうえで、市が作成した報告書に対しては「作為的に作られている印象で腑に落ちない。あらかじめストーリーが描かれて、その流れから外れないよう作られたと疑念を抱いている」と、違法行為や裏合意への関与をきっぱり否定した◆百条委が作成した報告書でも、その責任の所在は曖昧だったものの「契約を進める時点で地方自治法施行令違反を理解していたのは山本前都市建設部長だけだった」などと記し、市の川嶋主導説にはふれなかった◆それにも関わらず、市は川嶋主導説に基づいた懲戒審査委員会の結果を尊重し、山本氏に対して最も軽い処分で幕引きを図った。また公表した処分理由の中では「川嶋氏の違法な命令に(山本氏が)従い、部下に違法な命令をした」とまで言い切った◆先の臨時議会でも獅山向洋市議や山内善男市議らが疑問を投げかけていたが、市長はあくまでも川嶋主導説に基づく持論を展開していた◆確かに真相はあいまいであるのは否定できないが、川嶋主導説を断定する形で幕引きを図ろうとする市の姿勢には、首を傾げざるを得ない。来週からの12月議会での議論を市民と共に継続して注目したい。【山田貴之】

庁舎耐震工事の裏合意で前都市建設部長を戒告処分に

 本庁舎耐震工事の裏合意の問題を受け、市は11月21日、裏合意に関わった前都市建設部長の山本茂春氏を戒告の処分にすると発表した。
 山本氏ら市職員と岐建滋賀支店は、契約内容から空調設備や既存庁舎の改修など一部工事を取りやめる裏合意をした上で契約を締結。入札時の条件を変更した行為が地方自治法施行令違反にあたるとの認識について、山本氏は市議会が設置した百条委員会の中で「その可能性はあると認識していた」と述べていた。
 一方で、市は前副市長の川嶋氏が山本氏らに指示をし、裏合意を主導させたとの主張を展開したが、これに対し川嶋氏は百条委で裏合意への直接的な関与を否定した。しかし山本氏の処分内容を決めた懲戒審査委員会は市の川嶋主導説に基づいて協議し、その結果、山本氏の処分を4段階で最も軽い戒告にした。
 軽い処分について、市長は会見で「懲戒審査委員会が適切に判断していただいた。委員会と異なる処分はできない」と答えた。市は裏合意に関与したほかの職員2人に市長から訓告と厳重注意、6人に注意の処分をしたとも発表した。