ハマエンドウはマメ科のつる性の多年草で、県の絶滅危惧種に指定。新海浜では5月半ばから10日ほどだけ濃い紫色の花を咲かせる。ハマゴウはクマツヅラ科に属し、県の絶滅危機増大種に指定。新海浜では7月下旬から9月にかけて低木に青紫色の花をつける。
いずれも海辺に生育する海浜植物で、内陸部で生育するのは珍しい。しかし、湖岸の開発やレジャー客の踏みつけなどで生育地が減っており、県内ではハマエンドウが新海浜のみ、ハマゴウが新海浜とすでに保護区になっている佐波江浜(近江八幡市)の2カ所のみとなっている。
ハマエンドウとハマゴウは新海浜の浜辺約500㍍の地に隣接する形で生育。地元では新海浜町の宇野道雄さん(79)が十数年前から、ほかの草を間引いたり、周囲にロープを張ったりしてきた。3年前からはほかの住民らと結成したボランティア団体「ネイチャーズ新海浜」のメンバーも保護に取り組んでいる。
保護区に指定されることで、建物を建設したり、コンクリートで地面を固めたりの開発ができなくなる。宇野さんは「保護区の指定は長年、望んできたことで非常にうれしい。多くの人が知るきっかけにもなればいい」と話していた。