選抜高校野球大会の3回戦が3月31日、甲子園球場で行われ、第2試合に登場した彦根東高は岩手の花巻東高と対戦。稲枝中学出身の増居翔太投手=3年生=が9回まで相手打線をノーヒットに抑える好投を見せたが、惜しくも0対1でサヨナラ負けした。第4試合に登場した近江高は石川県の星陵高と対戦し、こちらも延長10回にサヨナラ負けを喫した。
彦根東高は6安打を放ち、4回、6回に好機があったが、得点できなかった。一方で、増居投手は9回まで無安打、14奪三振の好投。ノーヒットノーランのペースで迎えた延長10回裏、相手打線に初安打を許し、四球と安打でノーアウト満塁となり、犠牲フライを打たれて敗北した。
アルプラス席は赤鬼魂のTシャツを着た約3000人の応援団で埋め尽くされていた。応援していた増居投手の母・利佳子さん(45)は、息子の好投に「良い投球で良かった。負けてしまいましたが、いい試合でした。(息子には)お疲れ様でしたと声をかけてやりたい」と話していた。
応援団の中には彦根東高と滋賀学園高の女子生徒32人(うち東高23人)によるチアリーダーの姿があり、リーダーで東高3年の束田七瀬さん(17)は「野球部の勝利のためにとにかく声を出して応援したい」と意気込んだ。米原市の少年野球チーム・JBC山東の小学2年から6年生までの選手と保護者ら計35人も応援。主将で山東小6年生の三浦蒼一郎君(11)は「将来は僕も東高から甲子園に出たい」と述べていた。
大久保貴市長も赤色のジャンパーの下に、近江高の青色のジャンパーを着て観戦していた。
近江高は初回、相手投手の立ち上がりを攻め、連打で2点を先取し、試合の主導権を握った。6回にも加点し、3点差まで突き放したが、その裏に4連打を浴びて同点とされた。
先発の林優樹投手は6回まで力投。7回から登板した金城登耶投手も9回まで無失点と好投した。しかし延長10回裏、6回途中から救援した星陵の奥川恭伸投手に試合を決める2塁打を打たれ、3対4で敗北。2003年以来の選抜ベスト8入りとはならなかった。
近江のアルプス席ではバス22台、2000人でかけつけた生徒、保護者、OBらが青いメガホン、タオルを手に大きな声援を送った。
チームが先制すると吹奏楽部の演奏に合わせ、応援団の選手やチアリーダーたちがパフォーマンスを展開し、選手やチームを鼓舞させた。しかし、サヨナラ負けを喫すると、スタンドは水を打ったように静まり返った。
応援団長の加藤大地君(3年)は「ゲームはいい流れで勝ちムードだったが、いつの間にか、追いつかれ、逆転されてしまった。夏、甲子園に戻ってきて、ベスト8以上を目指したい」。
新聞部局の丸山理音部長(2年)は「とてもいい試合で良かった。取材していて近江の良さ、素晴らしさを肌で感じた。これからも野球部を応援したい」。
ベンチ入りした金田大聖選手(3年)の父・正広さん(46)=甲良町=は「悔しいに尽きる。ベンチやスタンドを含め、みんな頑張った。夏はやってくれると信じている」と話していた。