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「彦根城登りたい」とも
自民党の安倍晋三首相が17日、滋賀県入りし、県内4カ所で街頭演説を行った。彦根市内のパリヤ前では約800人の聴衆を前にアベノミクスの効果などを訴えた。
安倍首相はアベノミクスにより、雇用環境や有効求人倍率、株価、賃金、学生の就職率などが民主党政権時代より伸びている状況を数値で示した上で「景気は回復しており、経済は確実に成長している」と話した。
一方で「アベノミクスはまだ道半ばだ」とし「デフレから脱却し日本経済を更に豊かにしていくには地方創生しかない」と解説。滋賀の例として観光をあげ「海外からの観光客は昨年度2000万人で、滋賀は4倍になった。琵琶湖や延暦寺などすばらしい文化や施設がある。彦根には彦根城や佐和山城跡がある」「来年の大河ドラマは『井伊直虎』が主役。このチャンスを生かして頂きたい。私も(参院選に出馬する)小鑓さんの案内で彦根城に登りたい」と語った。
聴衆に女性が多かったため、「家庭でも職場でも女性の皆さんの力を生かせる社会を作っていきたい」「高齢者から若者までが活躍できる社会を作るために、税収を子育てや介護のために使っていきたい」と説明。「安定した社会基盤の上での成長、果実をしっかりと分配するという成長と分配の好循環で地方を豊かにする」と述べた。
日米同盟についてはオバマ大統領が広島を訪問したことに触れながら「平和安全法制は日米が互いに助け合うことができ、北朝鮮の弾道ミサイルに対してもしっかりと対応することができた」と理解を求めた。
最後に安倍首相は「共産党と民進党に日本の未来を託すわけにはいかない。今回の参院選は(民主党政権時代の)3年半前に戻すか、戻さないかを選ぶ選挙。彦根を日本の真ん中で活躍できるまちにしたい」と支持を求めた。
出馬を予定している小鑓氏は「アベノミクスは発展途上。年金、介護、子育ての環境を良くするためにアベノミクスを更に進めていかないとならない」と訴えた。
子ども、若者の育ち応援
民進党の野田前首相は17日、湖北での街頭演説後、長浜市の臨湖で開かれた党政策フォーラムに出席。「子どもの育ち、若者の学びをもっと社会で支えよう」と呼びかけた。
貧困の連鎖を例にあげて「1人親の家庭、極貧の家庭に生まれた子どもの育ちを社会が後押ししているでしょうか、若者の育ちを応援しているでしょうか」と疑問を投げかけ、「異次元の金融緩和なんて意味がない。異次元の子どもへの投資、若者への投資は日本の底力として返ってくる。そういう政策を推し進めよう」と訴えた。
また、少子高齢化にも触れ、「いずれ1人の現役世代が1人のお年寄りを支える時代が来る」「下で踏ん張る世代のことを考え、学ぼうと思えば学べる、働こうと思えば正規雇用で働ける、家庭を持てば保育所が整っていて子ども達を育てられる。そういった人生前半の社会保障を厚くしなければならない」と語りかけ、「人生の先輩世代にも理解して欲しい。子どもの育ちと若者の支援はこの国の建て直しに一番必要なテーマだ」と呼びかけた。
立候補を予定している林氏は「この3年半で、滋賀県内の企業は15%が廃業・倒産に追い込まれている。滋賀で働く方の4割は非正規。アベノミクスの恩恵は滋賀に及んでいない。資産を持った一部が豊かになっただけ」と指摘。「景気が回復しないのはGDPの6割を占める個人消費が増えないからだ。働くことの不安、老後の不安、子どもを育てる不安がある。今すべきはアベノミクスではなく、皆さんの暮らしの不安を解消すること」と訴えた。
また、「今回の選挙はアベノミクスの是非を問うと言われているが、同時に憲法改正がその先に見えている。平和を問う選挙でもある」と支持を呼びかけた。