彦根市と犬上郡の話題を中心に、関連する国政や滋賀県政のニュースもお送りします。取材依頼や身近な話題の提供などもお待ちしています。 電話0749-65-0608 FAX0749-62-4483 メール(hikone@shigayukan.com)

2010年6月30日水曜日

参院選・滋賀県知事選 中盤戦へ、現職リードで新人候補が猛追

 7月11日投票の参院選(滋賀選挙区・改選1)と滋賀県知事選は、全国紙の世論調査や本紙の情勢判断から、いずれも現職がリードし新人が追う展開になっている。
 参院選には自民新人の武村展英(のぶひで)候補(38)、無所属で新人の小西理候補(51)、民主現職の林久美子候補(37)、共産新人の川内卓(たかし)候補(54)が出馬している。
 【参院選】
 林候補は、民主・社民・国民新の各党支持者の大半を固め、40代以上の無党派層からも支持を得ており、有利な展開。演説会では、子育てや介護など教育・福祉分野のほか、北朝鮮の拉致問題などを取り上げ、自民を支持する「保守」層からの取り込みも図る。ただ、26日夜に稲枝地区で行われた知事候補との合同演説会では、来場者が「知事候補だけの演説を聞きに来た」と話し、林候補の演説が始まると席を立つ者もいた。郡部や農村部では保守層が多いため、林陣営では「自民の組織力は侮れない」としており、優勢な状況でも気を緩めていない。
 武村候補は、自民・公明の支持層を固めている。しかし、知名度や支援者の広がりの無さから、他党や無党派層への浸透はなく、民主候補には追いつけていない。演説会では、公認会計士としての立場から「カネ」の管理のプロを強調し、民主党の政治とカネの問題やバラマキ政策を批判している。民主候補優勢の世論調査の結果に対して、武村陣営では「(民主候補が現職であるため)当然の差で、むしろ意外に接近している」との見方を示している。中盤戦以降は、自民が弱い都市部や大津など1区を重点的にまわり、顔を売っていく。
 川内候補は共産の大半と、社民の一部から支持を得ているが、民主、自民の候補には及んでいない。
 小西候補は彦根など2区で一定の支持があるが、選挙戦をしていないため、広がりはない。
 【知事選】
 知事選には現職の嘉田由紀子候補(60)、新人の丸岡英明候補(61)、新人の上野賢一郎候補(44)が出馬している。
 嘉田候補は、民主党滋賀県連から支持されていることもあり、同党の国会議員や県議、市議らから積極的な支援を受けている。26日の稲枝地区での個人演説会では、会場に訪れた参院選に出馬している民主候補と、がっちりと握手を交わした。「子育てや環境、人を大事にする政府ができたことを歓迎する。これからも国と一緒にやっていきたい」と政権交代を支持し、民主党との連携を深める発言もあった。リードしている状況と、対抗候補が唱える「二大大橋無料化」に対して、嘉田陣営では「優勢との情報もあるが、前回(現職敗北)の選挙結果のようなこともある。我々の政策を地道に訴えていくだけだ」と抜かりはない。
 上野候補は、自民党からの支援のほか、元タレントで弁護士の現職参院議員の応援を受けるなど無党派層からの支持の獲得に懸命だ。現職の弱点とされる経済対策を攻め、「二大大橋の無料化による経済活性化」を訴えている。草津・守山など第3区や彦根など湖東地域での知名度の無さや、国政候補との混同の解消にも努めており、上野陣営では早めのビラの折り込みと広告掲載、1日50カ所でのスポットを行うとしている。
 丸岡候補は、福祉や教育、暮らしに関する政策を重点的に訴えており、共産党の支援を受けながら、2人を懸命に追っている。

日夏のヴォーリズ建築1階のカフェスペース「イエティ・ファゼンダ」

 彦根市日夏町のヴォーリズ建築「日夏町民会館」(旧日夏村役場)1階の一画に、さきごろオープンしたカフェスペース「イエティ・ファゼンダ」。昭和10年4月に建てられたヴォーリズ建築のレトロな雰囲気にマッチした落ち着いた店構えで、地元住民らの憩いの場となっている。
 店主は愛荘町の打出拓(ひろし)さん(36)。コーヒーの貿易会社やメーカーを経て、コーヒー関連機器会社で勤務していた際、喫茶店の開店を決意。旧日夏村役場の1階スペースで、奥さんの綾子さん(36)と二人で昨年末から内装や看板作りなどを行い、4月28日にオープンした。
 店舗名のうち、イエティは雪男、ファゼンダはポルトガル語でコーヒー農園の意味。カフェコーナーではコーヒーなどドリンクのほか、野菜中心の健康食(限定20食)も提供。そのほか、コーヒー豆やケーキ、プロダクトデザイナー・柳宗里さんの家具やキッチン道具を販売している。綾子さんが作った店のキャラクター「イエティ」のグッズも。開店時間は午前10時半~午後6時半。休みは水曜日など。問い合わせは同店℡0749(28)3539へ。

2010年6月29日火曜日

いじめや虐待 一人で悩まないで 大津地方法務局が電話相談「子ども人権110番」受付開始

 いじめや児童虐待などの子どもの人権問題を解決しようと、大津地方法務局は28日から7月4日まで、児童生徒や保護者から悩みを電話で受け付けるサービスを開始。初日の28日には彦根市役所でひこにゃんと、人権イメージキャラクター「人KENまもる君・あゆみちゃん」によるPRイベントもあった。
 7日間を「子ども人権110番」強化週間と設定。いじめや不登校、児童虐待で苦しむ小中高生、子育てに悩む保護者に専門員が相談にのる。受付は午前8時半~午後7時、土日は午前10時~午後5時。強化期間以外でも受付する。
 連絡先は大津地方法務局人権擁護課℡0120(007)110へ。

彦根港で船舶・水難事故の対策訓練、青バイも初登場

 本格的な夏を前に彦根港一帯で26日、船舶・水難事故の対応訓練が開かれ、今年から琵琶湖に配置された救助用の水上バイク「青バイ」も初登場した。
 訓練には彦根地方水上安全協会、彦根署、琵琶湖アクアラング救助隊、オーミマリン彦根港支店など14団体から47人が参加。観光船とモーターボートが衝突・炎上した際の人命救助と放水、プレジャーボートから水中に転落した人を青バイで救助する訓練を行った。
 青バイは、パトロールや救助に適したスピーカーや救命用担架を装備した水上オートバイで青色の点滅灯を備えている。水上オートバイのマナー向上活動をしているNPO法人パーソナルウォータークラフト(PW)安全協会が日本財団の助成を受けて同協会琵琶湖支部に1艇(全長3・37㍍×全幅1・23㍍)を配備。今回の訓練で初披露した。

2010年6月25日金曜日

参院選・滋賀選挙区に4人、知事選に3人が出馬

 7月11日投票の参院選(滋賀・改選数1)と滋賀県知事選の選挙戦が24日から始まった。
 参院選には自民新人の武村展英(のぶひで)候補(38)、無所属で新人の小西理候補(51)、民主現職の林久美子候補(37)、共産新人の川内卓(たかし)候補(54)が出馬。
 知事選には現職の嘉田由紀子候補(60)、新人の丸岡英明候補(61)、新人の上野賢一郎候補(44)がいずれも無所属で出馬した。各候補の出発式などでの演説は以下の通り(知事選、参院選の順)

「もったいないプラス」掲げる
 嘉田候補は京阪浜大津駅近くの公園で出発のあいさつ。新幹線新駅中止や流域治水のモデル事業、大幅な税金節約や借金削減など、4年間の実績をあげながら、「本当の『もったいない』は、節約するだけでなく、本来の力、人の力、モノの力、文化の力が生かされること。これらの日本人の生活哲学を『もったいないプラス』として掲げたい。子育て支援や保育園の充実、医療制度や在宅介護の拡充などに力を入れたい」と述べた。
 琵琶湖の研究に30年間、携わってきたことで「内湖を復活し、魚を取り戻したい。これまで土を耕し、肥をやり、種を撒いてきた。これからその種を育てる時期。県民が安心して暮らせ、未来に対して責任の持てる政治をしたい。これからが本番。再び、県庁に送っていただけるよう、お願いしたい」と決意を語った。

福祉、暮らし、教育を守る
 丸岡候補は京阪錦駅近くの路上で出発式。「冷たい県政を変え、暮らしを守る戦いだ」と切り出し、「嘉田知事は『もったいない』と言って、教育、福祉、医療、文化施設、老人施設を身売りして、皆さんに負担をかけている。合併も消費税増税も国や大企業の言いなりだ」と批判。「子ども、高齢者、障害者が安心して暮らせる県政を目指す」と訴えた。
 消費税増税の反対、大企業誘致奨励金の廃止、住宅リフォーム制度の創出、小中学校の35人学級の早期実現、給食費の無料化、高校統廃合の反対などを公約に掲げた。
 最後は「私は4年前、ダム建設や新幹線新駅反対に先頭に立ってきた。そして、県民世論が県政を変えた。今度もそれを起こそう。福祉と暮らし、教育を優先する県政を実現できるのは私以外にない」と締めくくった。

二大大橋無料化で経済活性
 上野候補は、近江大橋をバックに第一声。「時代は大きな閉塞感の中にあるが、滋賀はとてつもない可能性を秘めている。『もったいない』と言って節約するだけでは、その可能性を生かすことはできない」と現職を牽制。経済活性化策の一つとして、近江大橋と琵琶湖大橋の通行料無料化をあげ「県民所得や観光客数などが減少しており、滋賀の経済は弱くなっている。その大きな原因は今の県に経済の成長戦略がないからだ」「私は夢のあるビジョンを提案したい」と述べた。また公約に示した小学校給食費の無料化や、中学生までの医療費無料化をあげ、「経済と子育て・教育に重点を置いて、滋賀をV字回復させる」と話した。
 県内4市長が反嘉田連合を組織したことにもふれ「県と市町の関係がおかしくなっているが、本来は対等なパートナーであるはず」「小さな県庁、大きな市町の関係になるよう滋賀版の地方分権を進めたい」と意気込みを語り、「現職の壁は厚くて高いが、若さとやる気と情熱でその壁を乗り越えて、新しい滋賀をつくらせて欲しい」と支持を求めた。

 【参院選】
 林候補は「政治の役割とは何か、何のために政治があるのか、自問自答の6年間だった」と1期目を振り返り、政権交代後の政権運営については「コツコツと生きている人を踏みつけるような政治はおかしいと思いながら政権を支援してきた」「初めは戸惑いがあったが、国民が少しでも安心して暮らしていける日本づくりをしてきたつもりだ」と話した。2期目に向けた抱負としては、「暮らしの中の不安や悩みを一つ一つ大事にすくい上げて、足りないところは補って、温かい、優しい国にしていきたい」「母親としての優しさを持ちながら、時計の針を戻すことなく、全力で取り組みたい」と述べた。
 武村候補は民主党の候補者との違いについて「自民党は地域や国を愛する心を基本にした保守思想で、家族・地域など互いの助け合いを重視しており、公助が介入するのは最後」「民主党はリベラルの思想で、子ども手当などバラマキ政策に重きを置いている」と説明。民主党の支持母体・日教組が進める教育問題にもふれ「歴史の人物に敬意を表する教育ではなく、自虐的な教育を進めている」と批判した。
 普天間移設や政治とカネの問題を白紙に戻す形で新政権を誕生させたことにふれ「滋賀から『おかしいぞ』といえる議席が一つもない。滋賀の声を国に届ける必要がある」と述べた。
 川内候補は「日本の行き詰まりを打破するには、大企業とアメリカにきちんとものを言える党が必要であり、それを実行しているのは日本共産党だけ」と、共産党への支持を求めている。また「大企業に応分の負担をさせ、軍事費を削り、その分を乳幼児医療費無料化、国保料一人1万円の引き下げを行う」と訴えている。
 小西候補はフィリピンで遺骨収集の活動。

芹谷ダム問題決着へ 多賀の水谷地区が「生活再建」了承、町議会が県に意見書

 滋賀県が中止を決めている芹谷ダムの建設予定地だった多賀町の議長らが22日、水没予定地だった水谷地区住民の生活再建を求める意見書を嘉田知事に提出した。県が平成20年10月に中止方針を示してしばらくは、多賀町議会や地元からは建設推進を求める意見が多かったが、地元が生活再建を了承したことで、ダム建設ではなく、生活再建の方向で調整されることになる。
 水谷地区では19日に集会を開き、23世帯・43人の住民の大半がお年寄りであることや県の中止方針が変わらないことから、生活再建で補償を求めることにした。多賀町議会も18日に住民の生活補償を求める意見書を可決していた。
 嘉田知事は「地元の高齢者の皆さんが安心して暮らせるよう、地域振興に全力で取り組みたい」と話している。

2010年6月23日水曜日

参院選・滋賀県知事選 同日選挙、7月11日投票へ舌戦あすスタート

 7月11日に同日投票が行われる参院選(滋賀選挙区・定数1)と滋賀県知事選が、いよいよあす24日から始まる。参院選には4人、知事選には3人が出馬する予定で、17日間の選挙戦を繰り広げる。
 参院選には民主党現職の林久美子氏(37)、自民党新人の武村展英(のぶひで)氏(38)、共産党新人の川内卓氏(54)、無所属で元衆院議員の小西理氏(51)が出馬する予定。
 林氏は旧八日市市出身。彦根東高、早稲田大学卒業後、びわ湖放送などを経て平成16年の参院選に出馬し初当選。総務委員会筆頭理事、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会委員などを務めた。
 武村氏は草津市出身。大谷高校、慶応大学卒業後、公認会計士として政府系金融機関や独立行政法人の会計監査などを務める。慶大在学中から6年間、衆院議員の政策秘書経験も。公募で自民党候補者に決まる。
 川内氏は米原市出身。米原高、岩手大卒業後、米原町議を3期。現在は党県書記長、国民運動本部長、明るい滋賀の会代表理事などを務める。
 知事選には現職の嘉田由紀子氏(60)、元衆院議員の上野賢一郎氏(44)、元県労連議長の丸岡英明氏(61)が立候補を予定。いずれも無所属での出馬となるが、民主党県連が嘉田氏を支持、共産党が丸岡氏を推薦、自民党が上野氏を支援する。
 嘉田氏は京都大学卒業後、大津に移住。琵琶湖研究所研究員、京都精華大学教授などを経て平成18年の知事選に無所属で出馬し「もったいない」をキャッチコピーに掲げて初当選。新幹線新駅やダムの建設を中止した。
 上野氏は長浜市出身。虎姫高校、京都大学卒業後、自治省(総務省)入省。岩手県庁出向を経て小泉内閣では構造改革特区を立案した。平成17年に衆院選に出馬し初当選したが、昨年の総選挙では落選した。
 丸岡氏は虎姫高校、中京大学を卒業後、中学校の教員となり、湖北地域の小中学校で保健体育を教える。全教滋賀教組執行委員長、県労連議長などを務める。

彦根藩の甲冑師・春田家 母利美和教授「井伊直政の様し具足を製作」

 彦根藩で甲冑師だった春田家をテーマにした講演会が20日、芹橋2丁目の足軽組屋敷・太田邸で開かれた。彦根辻番所の会、NPO彦根景観フォーラムが主催。京都女子大・母利美和教授が講演し、市民は熱心に聞いていた。
 春田家は彦根藩領内の旧山塚村(旧愛知川町)に住み、17世紀初頭の慶長年間以来、井伊家の甲冑や具足など軍事装備面で貢献し、苗字帯刀を許されていた。
 母利教授は、春田家の敷地には100㍍四方の中に鍛冶場があり、初代藩主・直政の「様(ため)し具足」(※)を2領製作した実績を皮切りに、中期には家臣団の具足1000領を作るなど、井伊家の御用甲冑師としての活躍ぶりを話した。なお次回も太田邸で、7月18日午前10時から彦根出身の建築家・笠原啓史さんが「路地を生かしたまちづくり」をテーマに話す。
 ※様し具足=鉄砲の砲撃に耐え得るかどうか、試し撃ちに使用する具足。

2010年6月22日火曜日

「商売の神様のような人」平和堂の創業者・夏原平次郎氏が死去

 平和堂の創業者で同社名誉会長の夏原平次郎さんが19日朝、亡くなった。91歳だった。昭和32年に彦根市銀座町に創設した「靴とカバンの店・平和堂」から、近畿・東海・北陸に124店舗を構える総合小売業にまで成長させた実績に対し、行政や商工関係者、彦根市民からは感謝と惜しむ声があがっている。
 嘉田由紀子知事は、「時代の先駆者として滋賀の商業発展に尽されたご功績は言葉に尽くせません。文化や教育・スポーツなどでの地域貢献にも深く感謝します。心からご冥福をお祈りいたします」。
 獅山向洋市長は「平和堂の創業と発展にご尽力されると共に、長年にわたり、商工会議所会頭として彦根市の発展に多大なご貢献をいただきました。市民を代表し、心からご冥福をお祈りいたします」。
 夏原さんが昭和28年に旧マルビシ百貨店(銀座町)にテナントとして靴屋・夏原商店を出店した時からの付き合いという、彦根商工会議所会頭で永昌堂印刷(西沼波町)社長の北村昌造さん(75)は「平次郎さんには商売の厳しさを教えていただき、私の師匠でした」「彦根への企業や大学を誘致されるのにも尽力をされ、経済の基盤をつくっていただいたのは平次郎さんだった」と話した。
 彦根銀座街商業協同組合理事長でトラヤ社長の安居秀泰さん(59)は「気配りのできる優しい方だった。私たちにとっては商売の神様のような方で、これからも商売道を教えてほしかった」と語った。
 銀座のほかの商店主(81)は「銀座のアーケードは夏原さんのお陰で出来た。銀座で商売の夢の第一歩を歩まれたということで、愛着も強かったようだ。商売の道で彦根で右に出る人はいない」と話している。
 通夜が21日、告別式が22日に近親者のみで営まれた。喪主は長男で平和堂社長の夏原平和さん。住所は非公表。後日、合同葬を予定。問い合わせは平和堂総務部℡0749(41)3100へ。
 【夏原平次郎氏】昭和12年、河瀬青年学校卒業。中国東北部での兵役が解除された昭和18年3月に帰郷し、翌年には長男が生まれ、戦争の悲惨さを経験したことから「平和(ひらかず)」と名付け、後の平和堂の由来にもなった。その後しばらくは農業に従事。終戦後は商人の道を志し、中央町の商店で友人と共同経営をし、その後、銀座に夏原商店を構えた。昭和32年3月1日に「靴とカバンの店・平和堂」を創業し、6月に株式会社平和堂を設立。38年には同地に鉄骨5階建てのジュニアデパート平和堂をオープン。49年には2羽のハトをイメージしたシンボルマークを制定している。54年にアル・プラザ彦根を開店し、平成10年には海外初出店となる中国に進出した。同社は19年に創業50周年を迎えており、今年2月期の年商は3857億円。
 彦根商工会議所会頭(昭和54年~平成8年)、日本小売業協会理事(昭和56年~平成9年)、彦根納税協会会長(昭和59年~平成10年)などを歴任。平成9年には彦根市が国宝・彦根屏風を井伊家から買い取る際の購入費約12億円を寄付した。昭和53年に紺綬褒章、62年に藍綬褒章、平成6年に勲三等瑞宝章、13年に彦根市名誉市民を授与されている。

2010年6月19日土曜日

ひこにゃんファンクラブ 入会対象は「ふるさと納税」寄付者で調整

 今年4月13日のひこにゃん4歳の誕生日に設置されたひこにゃんファンクラブへの入会対象者を、彦根市へ「ふるさと納税」を寄付した人で調整していることがわかった。市議会一般質問で馬場和子議員の質問で明らかになった。
 寄付者へは、彦根城など観光施設の年間パスポートが渡されているが、それとは別に新たなクラブ会員証の発行を予定。1年間を有効期限に毎年、新たなデザインの会員証にする。
 今年度の寄付者は今月10日時点で54件、ふるさと納税制度が開始された平成20年度からの延べ件数は674件。市では過去の納税者も対象にするのか、今後検討していく。
 ファンクラブの事業として、市では「会員が集って、ひこにゃんと親しみ、楽しい時間を過ごせる場をつくっていきたい」としている。

彦根市立病院・院内助産所 初産婦の分娩開始、里帰りも

 産科での分べんを制限している彦根市立病院の院内助産所で、これまでは対象外だった初産婦の分べんを始めていることがわかった。すでに二人の初産婦が5月と6月に一人ずつ出産している。市議会一般質問で辻真理子議員の質問で明らかになった。
 医師の退職などで市立病院の産科では平成19年3月から分べんや手術を中止したが、翌年2月にお産を経験している経産婦の分べんを受け付ける院内助産所を開設した。しかし条件が厳しいことやPR不足のため、院内助産所での分べん取り扱い件数は、開所から2年以上経過した今月10日時点で40人と少ない。
 院内助産所には5人の助産師がおり、ほかにも4人が在籍。市立病院では、スタッフが経験を積んできたため、今年4月から初産婦の分べんの取り扱いを始めた。ただし、▽35歳未満▽妊娠経過が順調▽合併症がない―など条件がある。
 このほか、同様に診療を制限していた里帰り分べんについても受付を始めており、9月と10月に一人ずつ出産が予定されているという。
ハイリスク分べん再開は?
産科医育成後のため未定

 彦根市民や近隣町住民が待望している彦根市立病院の産科でのハイリスク分べんの再開について、病院側は部長級の産科医が派遣されれば再開も可能としている。
 その再開については、滋賀医科大学の「寄付講座」(地域周産期医療学講座)で産科医を育成した後に市立病院へ派遣される計画があるが、同講座は今年4月1日から4年間の講座で、市立病院への産科医派遣の時期は決まっていない。

2010年6月18日金曜日

官僚支配構造を打破する党は?

 首相を代え、新鮮さをアピールし、支持率をあげて、急いで選挙に臨み、そして勝利をする―。小沢一郎がえがいたシナリオ通り、「こと」は進んでいるようだ。
 民主党政権は16日、通常国会を強制的に閉会させたが、これはつまり、民主党が唱える「国民の生活が第一」よりも、参院選勝利を優先させたわけだ。党利党略のみに重きを置いており、国会(国民)軽視も甚だしい。
 国会閉会により、前首相が国連で大見得を切った温室効果ガス排出量25%削減を明記した地球温暖化対策基本法案や、障害者負担を減らす障害者自立支援法改正案などは廃案となり、ネット選挙解禁の公職選挙法改正案は提出すらされなかった。
 これが真の政治といえるのだろうか。前政権の支持率が低迷し、小沢と鳩山の辞任を求める声が高まっていたが、選挙第一主義の小沢はそのタイミングを参院選から逆算していたとしか思えない。そして、それに応えるかのように国民の60%以上が新政権を支持し、民主党の参議院単独過半数は濃厚になっている。
 小生は、この旧態依然とした政治手法と付和雷同的な世論の流れに遭遇するたびに、「民主主義とは何か」「国民とは何か」という疑問を抱いてしまう。
 政治家の資質やマスコミの責任もあろうが、政治家の思惑通りに国民がなびいる様を見て、一番ほくそ笑んでいるのは官僚であろうに。
 16日付の毎日新聞で元外交官の佐藤優さんは、普天間問題での外務官僚の心情を推し測る論文を書いている。その一文には、「官僚には難解な試験に合格した偏差値エリートが国家を支配すべきだという集合的無意識がある。官僚は国民を無知蒙昧な有象無象と見下している。それだから有象無象によって選ばれた国会議員は無知蒙昧なエキスのようなもの・・・」―とある。
 つまり、佐藤さんが言わんとすることは、国を統治するのは所詮、官僚であり、国会議員はバカな国民の代弁者に過ぎない―と官僚は思っているということだ。
 民主党が政権をとれたのは、脱官僚を党是の一つに掲げたからだが、これまでの政権運営が政治主導で行われていないのは周知の事実。
 参院選を控え、有権者は、「風」に流されるのではなく、各党の公約をしっかりと見極めて選択するべきであろう(一部、敬称略)。 【山田貴之】

2010年6月16日水曜日

滋賀県知事選・参院選 同日選挙へ、民主・自民・共産で 24日から選挙戦突入 小西理氏も出馬表明

 来週24日(7月11日投票)の滋賀県知事選の告示と参院選の公示を前に、出馬予定者の陣営では集会や事務所開設など動きが活発化してきた。参院選、知事選とも実質、民主、自民、共産による三つ巴の戦いが濃厚。
 知事選には現職の嘉田由紀子氏(60)、元衆院議員の上野賢一郎氏(44)、元県労連議長の丸岡英明氏(61)が立候補を予定。民主党県連が嘉田氏を支持、共産党が丸岡氏を推薦、自民党が実質、上野氏を支援する。
 嘉田氏の陣営は、民主党や政治団体「滋賀の未来をひらく会」が支援の輪を広げている。12日には大津市内に事務所を開き、マニフェスト2010も公開。4年間の自己採点と、「もったいないプラス」をキャッチフレーズに、雇用・経済、琵琶湖・地球環境など5つの項目別に政策を紹介している。19日午後2時~彦根商議所で茶話会を開く。
 上野氏は無党派からの支持を得るため、自民党を離党し県連会長も辞任した。「琵琶湖ルネッサンス」をキャッチコピーに、地方分権の推進やお母さん力ナンバー1など5本の政策を柱にあげるが、人気のある現職有利の情勢を打破するだけの勢いは感じられない。滋賀2区では彦根と長浜に事務所を開設する予定。
 丸岡氏は、県内高校の統廃合、市町合併の推進、大企業誘致の支援など現職が進める政策に反対。県労連や支援団体「明るい滋賀県政をつくる会」が県内各地で集会を開いている。彦根では16日午後6時半~彦根勤労福祉会館で学習会を開く予定。
 参院選には民主党現職の林久美子氏(37)、自民党新人の武村展英(のぶひで)氏(38)、共産党新人の川内卓氏(54)が出馬を予定している。元衆院議員の小西理氏(51)も15日に出馬を表明したが、NPO法人の理事長としての活動のため選挙活動は投票日前日(7月10日)の1日のみの予定で、次の衆院選を狙った動きとみられる。
 林氏は、母親の立場から「ママフェスト」と題し、待機児童の解消、学童保育の充実など子育て支援を重点的に訴える。現職の強みと菅政権誕生による民主党の支持率上昇で、有利な展開が予想される。
 武村氏は、公認会計士の立場から、民主党政治の税金の無駄遣いや政治とカネの問題などを追及している。しかし知名度や支援者の広がりはなく、厳しい状況のまま選挙戦を迎えそうだ。
 川内氏は、共産党の党是、大企業に応分の負担と軍事費削減により、乳幼児医療費無料化と国保料1万円の引き下げを訴える。
小西理氏が出馬表明
次の衆院選狙い?
 元衆院議員の小西理氏(51)が15日、参院選へ無所属で出馬すると表明した。ただ選挙期間中は海外にいるため、帰国後の投票日前日(10日)のみ彦根で演説会を開くといい、次の衆院選に向けた動きだとみられる。
 小西氏は近江八幡市出身。彦根東高、東大法学部卒業後、三菱重工などを経て、兄の小西哲衆院議員の第一秘書に。哲氏の死去に伴い平成13年の衆院補欠選挙で彦根など滋賀2区から出馬し初当選。しかし平成17年の衆院選では郵政民営化に反対したため、公認を得られず無所属で出馬し落選した。現在はNPO法人「空援隊」理事長や日本映像通信社長などを務める。
 小西氏は「この国はこのままほっておくと消滅すると思い、その危機の中、一度でも国政に携わった身なら、無理してでも出ようと思った」と話している。22日からNPOの活動としてフィリピンで遺骨収集をするため、選挙運動は投票前日以外しないという。

2010年6月15日火曜日

シリーズ戦国・第1弾「激動の佐和山城―群雄割拠の時代―」展、彦根城博物館で

 彦根城博物館は18日から、戦国時代の佐和山城をめぐる攻防に関するテーマ展「激動の佐和山城―群雄割拠の時代―」を開く。「シリーズ戦国」の第1回目。展示説明のギャラリートークは19日午後2時~。
 戦国時代の佐和山城は、湖北と湖南の勢力の境目の城として位置し、その覇権をめぐって、北の京極・浅井氏と南の六角氏が衝突を繰り返した。永禄11年(1568)には織田信長が上洛を目指して近江に進出。六角氏、浅井氏を滅ぼし、佐和山城を支配した。
 テーマ展では、浅井長政が多賀大社や多賀の町に乱暴や狼藉などを禁止する文書を出した「浅井長政下知状」、戦功があったとして六角氏が河瀬庄(南川瀬町一帯)の河瀬菅兵衛に賞を与えた書状「六角承禎(じょうてい)感状」、佐和山城攻めなど上洛を始めた永禄11年から死去する天正10年(1582)までの信長を記した「安土記」などのほか、肥田城の水攻めや翌年の野良田合戦などに関する記録、肥田城主だった「高野瀬秀隆画像」も展示。計25点。
 開館は午前8時半~午後5時、7月27日まで。観覧料は高校生以上500円、小中学生250円。市内の中学生以下と65歳以上は証明書提示で無料に。

2010年6月11日金曜日

戦国時代の近江と彦根の城跡・企画展「わたしの町の戦国」、開国記念館で12日~ひこにゃん登場

 戦国時代の「近江」と「彦根」の城跡や歴史的人物を紹介する企画展「わたしの町の戦国」が、12日から彦根市金亀町の開国記念館で開かれる。12日午前9時~のオープニングセレモニーにはひこにゃんも登場する予定。
 戦国時代の近江は、佐々木一族の六角氏、京極氏、浅井氏などが在地の土豪を巻き込んで、戦いを繰り広げていた。当時、近江には城や館、とりでが全国で最多の約1300築かれていた。
 南部の六角氏と北部の京極・浅井氏の境目に位置していた彦根には佐和山城や高宮城、山崎山城、肥田城など60以上の城や館があり、織田信長や豊臣秀吉も彦根の地に足跡を残している。
 企画展は「近江の戦国」と「彦根の戦国」の2テーマに分けた。「近江」では佐々木氏の分裂、六角氏と京極氏の対立、信長の近江支配、豊臣政権下の近江など8項目に分けて、武将の絵や城跡の絵図、合戦図などをパネルで展示。
 「彦根」では、市内に残る城館跡、彦根の地侍、争奪と進化をし続けた佐和山城、戦国の終焉・彦根山築城など6項目ごとに、武将の絵や城館絵図、発掘調査での出土品など遺物を紹介している。開館は午前8時半~午後5時、平成24年3月31日(予定)まで。入館無料。

蝸牛会アート展 高宮の4会場で、6人の芸術家が出展

 6人の芸術家による蝸牛会アート展が12、13日に彦根市高宮町内で開かれる。
 高宮地域文化センターでは眞野丘秋さんの現代画「光と闇を行き来する者」と上木淳吉さんの書「明」。
 徳性禅寺では上田浩唯さんの塑像「砂浜」と竹中翠香さんの立体花、田中家石材によるひこにゃんなど石の作品。両日午前11時~と午後2時~は三味線演奏も。
 不破邸では堤豊宏さんの書、不破邸の公開も。「座・楽庵」では福山聖子さんの風景画「中山道高宮宿」。開館は午前10時~午後5時。入場無料。

仏壇仏具の供養会 天寧寺で、彦根仏壇事業協同組合 今年から通年で処分受付

 仏壇仏具の供養会が8日、天寧寺(彦根市里根町)の五百羅漢堂の前で開かれ、山路信乗住職が読経をする中、仏壇仏具が燃やされた。
 彦根仏壇事業協同組合が主催し、26回目の今年は販売業者などに持ち込まれた仏壇15体、仏具・仏像など100点以上を処分。山路住職が読経をする中、組合の青年部員が仏壇1体と仏具に火を付けて焼却し、組合員らが焼香をし供養した。
 仏壇・仏具の処分については問い合わせが組合や天寧寺に多くあるらしく、組合では今年から青年部が通年で処分を引き受けることにした。井上昌一部長は「彦根仏壇に携わる者として、最後まで面倒をみたい」と話している。
 供養料は仏具一箱2000円~、仏壇1本3000円~1万6000円。引き取りの場合は別途必要。問い合わせは組合事務局℡0749(24)4022へ。

2010年6月9日水曜日

滋賀県立大学初代学長 故・日高敏隆さん偲ぶイベント17日~19日、花火を贈る会など

 滋賀県立大学(彦根市八坂町)の初代学長で昨年11月14日に亡くなった日高敏隆さん=写真=の遺徳をしのぶイベントが17日~19日に県立大学で開かれる。19日には日高さんへ花火を贈る会もあり、約300発の花火が打ち上げられる。
 日高さんは東京都出身。子どものころから昆虫や動物に興味を持ち、東京大学理学部動物学科卒業後は動物行動学の研究に没頭。東京農工大学教授、京都大学教授などを経て、平成7年から13年まで滋賀県立大学学長を務めた。
 日高さんの生前の功績を称えるため、県立大学教職員や卒業生らが「有志の会」を設立し、「人が育つが育つまで」をテーマに記念イベントを企画。17日~19日は交流センター研修室で、日高さんの数百点にのぼる著書や訳書、昆虫の標本などを展示する。
 19日午後5時~は交流センターで、写真でつづる歩み、「人が集う場をつくる―日高先生の歩み方―」についてのシンポジウム、懇親会後に、グラウンドで花火の打ち上げを行う。いずれも入場無料だが、懇親会は2000円。
 花火代の寄付を一口1000円で受け付け。申し込みは14日までに彦根市民活動センター℡0749(24)4461か℡090(6965)7212へ。

2010年6月8日火曜日

武村展英氏と上野賢一郎氏が抱負、自民党滋賀県第2選挙区支部・総会と決起大会で

 自民党滋賀県第2選挙区支部の総会と決起大会が5日、県立文化産業交流会館(米原市)で開かれ、7月の参院選に党公認で出馬する武村展英(のぶひで)氏(38)と、県知事選に無所属で出馬する上野賢一郎氏(44)が決意表明をした。

 武村氏は、普天間移設や政治とカネなど前政権下での問題を白紙に戻す形で誕生した新政権に対して「参院選前の選挙管理内閣だ」と皮肉ったうえで、「しかし滋賀から、『おかしいぞ』といえる議席が一つもない。滋賀の声を国に届ける必要がある」と、県内の衆参両議員6人が民主党を占める状況を嘆いた。
 また今後の戦い方について「選挙目当ての目先の政策ではなく、経済の成長戦略や財政再建の道筋を示していかなければならない」「38歳の未熟な候補で、地盤や看板、かばんもないが、一人一人の力で育てて頂ければと思う」と支援を求めた。
 上野氏は、県連会長の辞任や離党をしたことを陳謝したうえで「参院選は自民党にとって大変重要な選挙。武村さんが勝利するよう願っている」と述べた。知事選への抱負については「滋賀は色んな可能性を秘めており、小さくまとまっていてはならない」「県と市町がうまくいっていないのはおかしい」と現職を批判したうえで、「地方分権の先進県にしていかなければならず、その可能性を引き出せる県政にする必要がある」「湖東・湖北においても基盤整備がまだまだ」と語った。
 会には獅山市長も来賓として出席。知事選について上野氏を支持する姿勢を明確に示した。

多賀大社でお田植祭 早乙女65人が植女、踊女、歌女で奉仕、包丁式も

 多賀大社で6日、お田植祭が営まれ、早乙女たちの田植えを大勢の観衆が見守った。
 中野幸彦宮司らが本殿祭で五穀豊穣を祈願した後、ご神田でお田植神事が開かれた。
 米原市の国選択無形民俗文化財「豊年太鼓踊り」などが奉納された後、湖東・湖北の豊年講の子女ら65人が植女、踊女、歌女に分かれて奉仕。菅笠、たすき姿の植女が歌と踊りに合わせて、10㌃のご神田にイセヒカリの苗を丁寧に植えていた。秋の抜穂祭で収穫される。
 お田植祭に先立ち、能舞殿では「正派四條流包丁道」による包丁式が奉納された。包丁式は平安時代に宮中で行われていた料理儀式で、魚や鶏などに手を触れず包丁とはしを駆使してさばき切る。
 この日のお題は「波寄鯛」。庖丁人として日本料理「うえき」(銀座町)の井上盛博さん(39)が巧みな包丁技でタイのさばきを披露し=写真、観衆から盛んな拍手が送られていた。

山崎山城跡の石垣や堀の跡を見学、歴史手習塾フィールドワーク

 彦根市民大学講座・歴史手習塾のフィールドワークが6日、山崎山城跡で行われ、約50人が参加。長浜城歴史博物館館長・中井均さんのガイドのもと、堀跡や石垣跡を見学した。
 山崎山城は、土造りの城のほかに、織田信長が安土・佐和山の中継点として築いた石垣の城があったとされる。
 フィールドワークでは、敵の侵入を防ぐ堀跡、安土山や佐和山を眺望することができる高台跡、櫓が建っていたとみられる石垣跡、防御用の石垣跡などを見学。信長が築いた下街道を監視する構造になっていたことや、山崎山にあった石材が石垣に使われたことなどを学んだ。
 参加者のうち最年少で城西小1年の黒杭広知君(6)=城町2=は「昔の石垣とかが残っていて、とても勉強になった。おもしろかったです」と話していた。

2010年6月5日土曜日

中国名誉人間国宝・蒋雪英さんの刺繍展、ひこね市文化プラザで 「まるで絵のよう」

 どこから見ても絵のようだが、実は刺しゅうで出来ている―。ひこね市文化プラザ(野瀬町)で5、6日の両日、中国の名誉人間国宝・蒋雪英(ショウセツエイ)さんらによる刺しゅう展が開かれている。会場では細い針と糸を使っての実演も行われ、来場者は物珍しそうに見学していた。
 中国刺繍研究会(京都市)が主催。ショウさんは中国の刺しゅう界で唯一、名誉人間国宝の称号を受けているといい、その中でも糸を点状にして柄を作る「打子(うつこ)」という技術は一般公開が禁止された秘技で中国でも10数人しか出来ないという。
 会場には、打子や平縫いで縫われた山河や花の作品、打子で縫われた着物など約200点が展示。ショウさんや弟子の2人が作品を仕上げる実演も披露され、来場者からは感嘆の声があがっていた。開館は午前10時~午後7時、6日は午後6時まで。入場無料。

「チビッコ広場」平和堂・銀座店にオープン 母親同士の交流の場に、ナルクびわこ彦根

 子育て中の保護者の交流スペース「チビッコ広場」が7日、彦根市銀座町の平和堂3階にオープンする。9日と16日には無料体験会が開かれる。
 運営主体は、高齢者や障害者、子育ての支援など福祉活動をしている「ニッポン・アクティブライフクラブ」(ナルク)加盟のNPO法人ナルクびわこ彦根。平和堂銀座店3階に「ナルクの館」をオープンしており、陶芸や手芸、太極拳などのサロンを行っている。
 就学前児童の子育てをする母親同士の交流の場を設けようと、敷地内の一画約70平方㍍にスペースを設置。乳幼児が楽しく遊べて、母親同士が子育てについて相談し合うことができるようにした。また、ナルクの館に訪れるシニア世代との「三世代交流」も計画している。
 広場には、すべり台やブランコ、積み木など遊具・おもちゃ、図書、ピアノなどが設置。開放時間は毎週水曜日午前10時~2時間。絵本の読み聞かせやビデオ鑑賞、喫茶タイムのほか、季節ごとの楽しいイベント、絵本の貸し出し、子どもの健康相談会、乳幼児の衣料品のリサイクル交換会なども。
 代表の佐々哲三郎さん(69)は「ある母親からは子どもの寝かし方について、うつぶせかあおむけ、どちらが良いのかの質問を受けた。そのような子育ての疑問や悩みの解決の場にしていきたい」と話している。
 利用料は年会費3000円と、1回につき親子一組200円。問い合わせは同団体事務局℡090(9288)8488へ。
 なお7日午前10時~の開設セレモニーでは先着30人の子どもにプレゼントがある。

2010年6月4日金曜日

蝸牛会テント絵展 高宮・徳性禅寺~高宮小学校で始まる

 恒例の蝸牛(かぎゅう)会テント絵展が1日から彦根市高宮町で始まった。
 高宮町蝸牛会が、12、13日に開く蝸牛会アート展に合わせ、芸術家や市内の団体、個人に依頼し、幅4㍍×高さ1・72㍍のテント地に描かれたさまざまな絵を、徳性禅寺の側壁~高宮小のフェンス172㍍に展示。
 今年は「戦国・びわ湖生命の水・米」をテーマに作品を募り、市内の保幼小中、NPO法人、福祉施設など35団体から計42点が出展。作品には彦根学園(高宮)職員の片山健さん(29)=東沼波町=が琵琶湖のナマズ2匹が泳ぎ交わる様子を描いた作品「水田が紡ぐ生命の営み」もある。テント絵展は30日まで。8月1日~1カ月間は四番町スクエアでも。
 なお6人の芸術家による蝸牛会アート展は12、13日に高宮文化センターと徳性禅寺で開かれる(後日詳細紹介)。

小沢傀儡政治が続くのか 新政権へ国民の審判は?

 この拙文を書いている翌日(4日)には新首相が決まるという。小沢傀儡政権が継続しているのか、反小沢派が実権を握っているのか、それにより民主党の命運は左右されるであろう(以下敬称略)。
 小沢・鳩山の辞任劇は、小沢の描いたシナリオ通りだったのだろうか。数の論理のみを重視する政治屋は、やはり選挙しか頭にないようだ。
 鳩山の「頼りない」政権運営で、民主党の支持率が10%台となり、7月の参院選が厳しい情勢になったため、「顔」をすり替えて選挙に臨む―。そのようなシナリオに騙されるほど、国民はバカではなかろうに。その手法は自民党政権時代に頻繁に見せつけられ、国民もその意図と結果は百も承知のはずだ。
 策謀家の小沢のことだから、自身の議員辞職や衆参同日選挙など意表を衝くシナリオを描くのかもしれない。それとも既に参院選後の政界再編を企んでいるのかもしれない。
 だが、単なる選挙のための顔のすり替えであったならば、その手法は無責任極まりなく、国民をバカにするのも程々にといいたい。
 小沢の子分の鳩山は首相辞任演説で、子ども手当ての支給と公立高校の授業料実質無料化を「成果」として強調していた。「国民の生活が第一」、「コンクリートから人へ」。
 そのような美しい言葉が並ぶキャッチフレーズ下で進めた「バラマキ」の代償が、今年度予算で歳出が過去最高の92兆円となり、国債発行が税収を上回る44兆円超になるなど、国を借金まみれにしたことを忘れてはいまい。
 鳩山については、「私は政治家には向いていない」と自身で語っていたようだが、首相としての前に政治家としての資質に欠けていたのだろう。
 国会議員として確固たる思想や信念が必要な安全保障の政策に対して、「米軍の抑止力について勉強不足だった」と発言したことからもわかる。
 傀儡政権か、反小沢政権か、どちらにしても、まだまだ「頼りない」民主党に変わりはなかろう。
 小沢のシナリオに対して、国民はいかなる審判を下すのだろうか。   (山田貴之)

2010年6月2日水曜日

鳩山首相が辞意「社民党政権離脱」と「政治とカネ」で、小沢幹事長も辞任へ 参院選へのシナリオ?

 鳩山由紀夫首相は2日、民主党両院議員総会で「社民党の政権離脱と政治とカネの問題で責任をとる」と述べ、首相を辞任する意向を示した。
 首相は、政治主導で政権運営をしてきたと強調したうえで、内閣への不信や民主党の支持率低下にふれ「国民の皆さんが聞く耳を持たなくなったのは残念で、私の不徳の致すところ」と述べた。
 普天間基地の移設問題については「社民党よりも日米関係を重視したことに、『けしからん』という声もあるが、日米の信頼関係を維持させていかなければならない」「しかし、社民党を政権離脱に追い込んだ責任はとらなければならない」と語った。
 政治とカネの問題については、「お金にクリーンな政治を求められていたが、自分自身の政治資金の問題でご迷惑をかけて申し訳ない。私は政治とカネから決別させる民主党を取り戻したい」と展開。1日に小沢一郎幹事長らと会合した内容にふれ「私自身もその職をひかせてもらうことになるが、政治資金問題の議論があった幹事長にもひいて頂きたいと申し上げた」「幹事長からも『わかった』と申された」と話し、小沢幹事長も辞任の意向を示したことを明らかにした。
 鳩山首相と小沢幹事長が辞任を表明した背景には、7月の参院選が迫る中で、世論調査が示した厳しい情勢を一転させたい狙いがある。選挙のために「顔」を変えるという首相ら党幹部のシナリオに、国民がどのように答えるのか、今後の世論の動向が注目される。

滋賀県知事選も民主・自民・共産の三つ巴の戦いへ

 今夏の県知事選に元衆院議員の上野賢一郎氏(44)が先月28日、無所属で出馬する意向を示した。共産党なども28日、元県労連議長・丸岡英明氏(61)の擁立を発表。知事選には現職の嘉田由紀子氏(60)が2月に出馬の意向を表明しており、民主党県連が支持する方針。これにより、事実上、民主、自民、共産による三つ巴が決定的となり、にわかにヒートアップし始めた。
 知事選をめぐっては、嘉田氏の政治運営に反対姿勢を示す自民党県連や県内市町の一部首長が、今月に入って対抗馬の擁立を本格化。参院議員や守山市長に出馬を打診し、いずれも断られたが、その中で県連を中心に上野氏を推す声が高まっていた。
 党関係者によると、最近になり上野氏は各選挙区内の党員らに出馬への意欲を示し、27日には後援会長で元参院議員の河本英典氏に資金面で相談。28日には県議会の自民党会派「真政会」の会合に出席し、無所属で出馬する意向を表明した。30日の県連役員会では県連会長の辞任と離党が了承された。近く正式発表する。
 上野氏や丸岡氏が立候補することについて嘉田知事は29日、「国政を目指していた人が、県政についてどのようなビジョンを示されるのか」、「共産党の言う通りに新幹線新駅やダムを中止したのに」などと話した。なお知事選の立候補者予定説明会は3日午後に県庁で行われる。
 ※(解説)参院選と同日選挙が濃厚な知事選は、参院選同様、事実上の民主、自民、共産の三つ巴の戦いとなりそうだ。
 知事選については、現職の「もったいない」に反対する県内10市前後の首長や、来春改選を迎える自民党の県議が独自候補の擁立を目指していた。しかしいずれも断られたため、その責任をとるためにも県連会長だった上野氏に白羽の矢が立ったわけだ。
 党内では当初、現職の人気と上野氏が国政一筋を示したため、擁立は困難視されていた。しかし、国政での民主党のふがいない政権運営とそれに伴う支持率低下で、上野氏も勝機を見出し、出馬に踏み切ったとみられる。
 現職の嘉田氏は、支援を受ける民主のほか、自民や共産にも支持の要請をしていたが、両党が候補者を擁立することで早速、対抗心を表し始めた。
 知事選は、参院選と同日ということで否が応でも国政の影響を受ける。上野氏の出馬表明により、全国的にもその名を知られ、現時点では優勢の嘉田氏やその陣営の尻に火がつき始めたことで、知事選は俄然、注目され始めてきた。(山田貴之)

暴力団排除条例 滋賀県警が制定へ

 滋賀県警は、組事務所の開設や暴力団へ利益を供与する事業者への規制策を盛り込んだ「暴力団排除条例」の年度内の制定を目指している。先月29日に彦根市内で開かれた犬上・彦根暴力追放住民会議総会で同条例案の一部が発表された。
 警察庁は昨年10月の全国警察本部長会議で、各自治体での排除条例制定や地域住民による運動への支援など、行政、住民、関係機関との連携を強めるよう指示。福岡県では今年4月から全国で最初となる排除条例を施行している。
 滋賀県警が策定を目指している排除条例案では、暴力団を(に)「恐れない」「金を出さない」「利用しない」のいわゆる「暴力団追放三ない運動」を条文化。教育施設の周辺での事務所開設の禁止や不動産取り引きの規制のほか、暴力団に利益を誘導した事業者などには入札資格の停止や銀行融資のストップなど厳しい罰則を盛り込む方針。
 県警組織犯罪対策課と彦根署によると、県内の暴力団員は14団体・約250人おり、うち彦根署管内は山口組系1団体・約45人だという。同課では「暴力団を利用して工事の発注を受ける事業者もいる。資金をはく奪しないと暴力団はなくならない」として、条例の制定を目指す。

2010年6月1日火曜日

写真家・三井昌志さん リキシャで日本縦断中、彦根で五環生活と交流

 三輪車タクシー・リキシャで日本を縦断している写真家の三井昌志さん(35)=東京都=が先月28日、彦根市内でリキシャを運行しているNPO法人・五環生活の事務所(銀座町)を訪れた。
 三井さんは平成12年からユーラシアやアジアを旅している。今年3月からは、バングラディシュで作ったリキシャに乗って日本を縦断する旅に、徳島県からスタート。「日本の人に少しでもバングラディシュの人たちとつながってもらえたら」との思いで、5円(御縁)タクシーとして旅先で出会った人たちに5円でリキシャを運転してもらっている。収益は同国に寄付するという。
 彦根には27日夜に到着し翌日には五環生活の招きで事務所を訪問。事務所前には同団体のリキシャが並べられ、三井さんは1台ずつ試乗したり、カメラに収めたりしていた。
 今後は、ゴールの北海道・宗谷岬を目指し、8月末には東京で写真展を開く予定。なお旅の模様は三井さんのホームページ「たびそら」で。

県立荒神山少年自然の家 来年度から彦根市が運営へ、利用料は有料へ

 滋賀県教委は先月28日、彦根市日夏町の県立荒神山少年自然の家(以下・自然の家)を市へ移管することで合意したと発表。自然の家は来年度から市の運営となる。
 財政難の県は、平成20年3月の「財政構造改革プログラム」で自然の家を休館する方針を示した。これに対し、市民有志団体や市議会などが存続を強く求めたため、県は市へ移管する方向で協議を進めてきた。
 県と市の合意事項は、▽施設・設備を改修し、その費用・2500万円を県が負担▽建物や設備など財産を無償譲渡▽自然体験活動の指導者養成事業のための教職員2人を配置―することなど。
 市は、県による教職員2人の配置年数や県からの交付金などについて今後、協議を詰める。市長は「子どもにとっては大変良い施設なので移管を引き受けた。市子どもセンターとの連携なども考えたい」としている。利用料は現在、食費など実費を除いて無償だが、市は移管後、有償の方針を示している。
 自然の家は昭和51年4月1日に、約30㌶の敷地に鉄筋コンクリート2階建(一部3階)の宿泊研修施設で、キャンプ場なども備えている。昨年度の延べ利用者数は1万9422人。年間の運営費は約5500万円。

残業代など未払い、滋賀大学に彦根労働基準監督署が是正勧告

 職員の残業代などを支払っていなかったとして、滋賀大学が彦根労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、28日わかった。
 滋賀大によると、労基署が今年4月27日に立ち入り調査をしたところ、職員が休日出勤や時間外勤務をしていたにもかかわらず、その分の賃金を支払っていなかったことが判明。そのうち一人の職員は労使協定の規定にある残業上限・月45時間が守られていなかったことがわかったという。
 労基署からは、職員が自主申告した「超過勤務等申請命令簿」の勤務時間と、退庁時の鍵の返却時間にずれがあったことを指摘されたという。
 滋賀大は彦根と大津の各課に職員の勤務時間の実態を調べるよう指示。これまでに20人以上から修正申告があったという。
 総務課では「指摘を受けるまで、サービス残業はなかったと認識していた。調査をしたうえで、未払い分を支払う」としている。