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2023年7月10日月曜日

彦根城の堀のハクチョウにパンなど与えないで

 彦根城内の堀で生息するハクチョウにパンなどを与える市民が相次いでおり、彦根城運営管理センターが頭を悩ませている。湖北野鳥センター(長浜市)でも「パンは鳥の健康に良くなく、鳥インフルエンザの感染拡大の恐れもある」と注意を呼びかけている。
 彦根城運営管理センターによると、城内には中堀と内堀にハクチョウが2羽ずついるが、毎日早朝から夕方にかけて市民がハクチョウにパンを与える光景があるといい、その数は確認できるだけで数十人いるという。
 本紙記者が中堀で、3月6日午前9時過ぎに確認したところ、男性がパンを堀内に投げ入れ、ハクチョウのほか、カモやトンビなど野生の鳥類も食べに集まっていた。7日午後5時半頃にも犬と散歩していた女性がエサを与える光景が見られた。男性や女性が近づくと、ハクチョウたちが寄って来ていたため、習慣化されていると思われる。
 
ほかの鳥と「密に」
カモやトンビも
 
 内堀と中堀にはハクチョウ用のエサ場が設けられている。宮川敏明所長(57)は「十分な量の専用のエサを与えている」と説明した上で「パンなどを与えている市民に悪気はなく、善意からやっているようで、こちら側も注意しにくい。パンなどには塩分や添加物が入っており、ハクチョウの健康が心配だ」と話している。
 湖北野鳥センター職員の荒田麻利さんも「塩分が入っているパンはハクチョウの体に良くない」とした上で「人と同じで、ほかの鳥が集まって密な状態になることは鳥インフルエンザの感染リスクが高まる。変異して人に感染する恐れもある」と指摘。トンビがエサを取りに来ている点にもふれ「餌づけされたトンビが人を襲う事例もあり、餌づけ自体が良くない」と話している。