文化プラザの来年度以降の5年間の指定管理者を決めるため、市教委は今年4月に公募を行い、現運営団体を含む5団体が応募。市教委指定管理者候補者選定委員会は施設管理業者のケイミックス社(東京都港区)を候補に選んだ。しかし、文化プラザを利用していた有志らが「市民による運営の継続」を求めて署名活動を行い、約4000人の署名入りの要望書などを市長と議長に提出。本紙や地元他紙には投書が相次いで掲載され、市民の注目の問題になった。
この問題が大きくなった本質論としては、今日付けの本紙記事で取り上げた市側のさまざまな疑惑からもわかる通り、指定管理者の選定段階において市の意向をできる限り反映させる意図があったことのほか、「殿様文化」に代わる革新的な彦根の文化を目指して取り組んできた市民有志の芽を、行政の独断により潰される恐れがあることである。
ケイミックス社がどれほど彦根の文化を理解しているのかは存ぜぬが、市が理解していないとは到底、思えない。現運営団体やその周辺には、彦根のまちづくりに携わる「物言える」面々が揃っており、市にとっては目障りだったのかも知れぬ。また指定管理料が縮減されることも、市にとってはおいしかったのであろう。
つまり(あくまで推測だと信じたいが)、市は彦根の文化の醸成よりも、財政支出の抑制と商業優先のイベント開催を優先させたと言えよう。来年度から5年間の彦根市の方向性を知る意味において、重要な議案であることに違いはない。(山田貴之)
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