小生はその原因として、市長就任から5月9日に丸2年を迎える大久保市政への不満と、それを追及するはずの市議会への物足りなさがあると確信している。
まず大久保市長については「強い彦根をつくる」「福祉のモデル都市に」などを看板に掲げているが、この先の残り任期2年を含めて、果たしてその実感を感じることができるのか、疑い始めている市民は少なくない。
大久保市政は、政策ごとに専門の委員会や協議会を立ち上げ、その答申を受けた後に市政に反映させるという、典型的な行政スタイルが目立つ。そのような「責任転嫁」型の行政マンでなく、政治家ならば、もっと市長独自の色を出すべきだ。
小生は2年前の市長選後のコラムで「大久保氏が重視する福祉も重要だが、その財源の一つになる『観光』を最重視するべきだ」と提言していた。
今回の市議選の選挙期間中、ある候補者の応援演説を行った滋賀2区選出の上野賢一郎衆院議員(自民党)は、今の彦根に求められる政策として、国体に向けたインフラ整備のほか、観光施策をあげた上で「彦根の場合は隣接する長浜などの他市と比べて腰が重い」と指摘していた。
これは彦根市の行政体質を批判した言葉であり、言い換えるならば「彦根市は斬新な取り組みを嫌う体質があり、旧態依然とした政策ばかりだ」ということだ。生ぬるいタコつぼにどっぷりと浸かったままの行政の状況を打開させるのは市長の使命・役割であり、間もなく折り返しを迎える大久保市長はこれまでのやり方を見直す時期にある。
さて市議会に関しては、市議選に出馬していたある元職の候補者が8人オーバーの立候補について「市議会もなめられたものだ」と揶揄していた。この表現が今の市議会を表しており、小生も上品過ぎると感じている。
新しい市議の皆さんには大久保市政を厳しくただし、時には激しく対立する姿勢を存分に見せていただきたい。【山田貴之】