2022年12月24日土曜日

新キャラ・わるにゃんこ将軍 ひこにゃんのライバル!?

 彦根市は21日、新しいキャラクター「わるにゃんこ将軍」を発表した。ひこにゃんのアニメ化に伴って誕生したキャラで、定例会見で和田裕行市長は着ぐるみを作る意向も示した。
 市は原作者のもへろんさんに「ひこにゃんの絵本」の制作を依頼しており、今年度中に三部作の絵本が完成する予定。その絵本にひこにゃんのライバル役として、わるにゃんこ将軍が登場。絵本の発表を前にそのイラストを公開した。
 ひこにゃんと同じ体系だが、濃い青色の体に、鋭い目つきが特徴で、とげのような物がある黒色のかぶとをかぶっている。グッズへの転用やほかの形などについて、市企画課は「絵本の発表時期までにもへろんさんと調整する」としている。

彦根ナンバー導入へプレートのデザインを公表しアンケート調査

 彦根市は2025年5月から「彦根」と記された自動車のご当地ナンバープレートの導入を目指している。4種類のプレートのデザインを公表し、今月21日から市民らにアンケート調査を実施している。
 今年4月に地方版図柄入りナンバープレート導入要綱が改正され、その導入基準が緩和。彦根市は移住促進をはじめ、知名度アップによる地域振興や産業の活性化、観光振興を目的に導入を目指すことを決めた。ただ、市単独の場合だと車両台数で条件が満たないため、協力を呼びかけた湖東圏域の犬上郡と愛荘町のうち、参加に応じた甲良町を加えて実施する計画。
 市が考案したプレートのデザインは①ひこにゃんと彦根城②ひこにゃんとわるにゃんこ将軍③ひこにゃんとわるにゃんこ将軍とココラちゃん④彦根城と桜の4案。アンケートでは「滋賀」から「彦根」に変更することへの賛否などを問い、最後にプレートの4案のうちどれが好みかをたずねている。ウェブ版のほか、市企画課や支所・出張所の窓口でも回答できる。来年1月31日まで。
 導入決定後、2025年度以降は滋賀ナンバーを選ぶことはできず、彦根ナンバーが交付される。プレートは無地、モノクロのほか、1000円の寄付でフルカーラーにすることができる。
 なお今年4月時点の車両台数は普通車が彦根4万4334台・甲良3013台、軽自動車が彦根3万9050台・甲良3577台。

2022年11月28日月曜日

アル・プラザ彦根4階みんなの広場オープン

 改装中だったアル・プラザ彦根(大東町)の4階に「みんなの広場」が18日にオープンした。
 約130平方㍍のみんなの広場では、将棋・囲碁・カロム・マージャン、血圧など測定チェック、足湯、健康体操、卓球が楽しめる。午前9時
45分~屋上でラジオ体操、午後0時半~4階で金亀体操がある。ラジオ体操は雨天・降雪時のみ4階となる。
 HOPカードで入会手続きが必要。その後、利用したいサービスを受付に申し込み、会員証を提示して備品を受け取り、制限時間まで楽しみ、返却するという内容。子どもの利用も可。無料。
イベントや展示会、ワークショップなどの利用も可。平和堂では「あなたの特技や趣味を生かして、地域の皆さんと一緒に楽しみましょう」と利用を呼びかけている。無料だが、備品代のみ必要。月曜と木曜が定休。利用時間は午前9時45分~午後4時半。問い合わせはアル・プラザ彦根☎(24)4111。

滋賀中央信用金庫の元本部に学校用品のトラヤ移転へ

 滋賀中央信用金庫の元本部の建物(彦根市中央町)に、銀座町で学校用品などを扱うトラヤが移転することがわかった。年内にも引っ越し作業を終え、来年1月初めにオープンする予定だ。
 滋賀中信の元本部の建物は近江八幡信金との合併前の彦根信金時代の本店だった3階建て。セキュリティ対策や機能面などから、2020年5月に小泉町へ新築移転した際に閉店となり、その後の利用先が注目されていた。
 トラヤは旧四番町(現在の本町の四番町スクエア内)に1953年(昭和28年)7月に創業し、1999年12月に銀座町へ移転した。建物は5階建て延べ約1372平方㍍で1階が店舗、2階が事務所と応接室、3階以上が倉庫になっている。建物の老朽化や作業の効率面などから移転先を探していたところ、滋賀中信側からの打診もあり、延べ約2200平方㍍の旧本部の建物への移転を決めた。
 旧本部の建物は耐震性に問題がないため、ほとんどそのまま活用し、内装を変更。1階はカウンターの外が店舗、カウンターの内側が事務所となり、2階を応接室や展示スペース、イベント会場として、3階を倉庫として利用する計画。駐車場は表通りに3台、裏通りに20台分を確保する。すでに引っ越し作業を始めている。移転後の銀座町の建物の利用は未定。
 安居秀泰社長(71)は「来年は創業70年のため新店舗で迎えたい思いもある。2学期終了後に本格的に引っ越し作業を行い、新学期に合わせて開店したい。社員みんなで助け合いながらこれからも業務を続けていきたい」と話していた。

 

2022年11月8日火曜日

屋形船でアルバイトをしていた滋賀大学経済学部卒の森公寿さんと滋賀県立大学人間看護学部卒の高橋萌さん船上結婚式

 彦根城の内堀で運航されている屋形船で学生時代にアルバイトをしていた滋賀大学経済学部卒の会社員の森公寿さん(29)=岐阜市=と、滋賀県立大学人間看護学部卒の保健師の高橋萌さん(26)=岐阜市=が先月、思い出の地で船上結婚式を開催。屋形船の従業員や両親らから祝福を受けた。
 屋形船を運航しているNPO法人小江戸彦根と、ウェディング衣装のレンタル業をしているサムスィング・フォー(本町1)が共同で企画。学生時代、森さんは屋形船で約2年、高橋さんは3年半アルバイトで働いた。
 2人は昨年3月に入籍し、今年9月11日に結婚式を開いたが、出会った思い出の場所でも式を開こうと、屋形船の上での結婚式にのぞんだ。2人が和装姿で登場すると、従業員や両親から「おめでとう」の声があがり、乗船して船着場から黒門までを約30分かけてゆっくり往復した。
 森さんは「思い出の場所で式ができてうれしい」、高橋さんは「幸せな気持ち。皆さんに支えていただき、うれしいです」と笑顔を見せた。

 

2022年11月2日水曜日

彦根城博物館企画展・上田道三―彦根の歴史風景を描く

 彦根城博物館は10月8日から11月7日まで企画展「上田道三(みちぞう)―彦根の歴史風景を描く」を開いている。
 上田道三は明治41年(1908年)9月28日に市内の柴谷家に生まれた。尋常小学校6年の時に京都へ出て、画家の不染鉄(ふせんてつ)の内弟子となった。昭和7年(1932年)に京都絵画専門学校に入り、卒業後に同研究科へ進み、京都画壇の巨匠として知られた中村大三郎に師事した。同11年に父の兄の上田家の養子となり、同年7月14日に草野光子と結婚。同21年に彦根に戻り、旧土橋町で生活しながら、古書や古絵図を参考に城郭のスケッチを進め、同33年に大作「彦根城廓(かく)旧観図」を完成させた。武家屋敷や古民家の絵を描き、150㍍におよぶ大絵巻も制作した。同36年に彦根市功労者として功労賞を、同53年に滋賀県文化賞の文化功労賞を受賞。同59年3月10日に75歳で亡くなり、2年後に道三の描いた記録画が彦根市に寄贈された。
 企画展では道三が描いた彦根の風景画を中心に、官展での入選作など若い時代の作品を含めた計82点を展示。道三が昭和14年に描いた「水路」は京都市内の疎水にタンポポが咲く春の風景を表現した中村大三郎画塾の創立7周年展の出品作。
 昭和33年の時の「彦根城廓旧観図」は彦根城を大手側の上空から見た景色を描いた縦171㌢×横186㌢の大作。明治時代初期に取り壊された御殿や櫓、戦中戦後に埋め立てられた松原内湖が見られるのも特徴。
 芹橋2丁目の辻番所などの絵「足軽屋敷の部」は約70軒の旧足軽屋敷を描いた総延長150㍍の「武家屋敷および古民家絵巻集」の一部分。昭和32年から道三が住んだ家も登場している。
 「山の湯(明治の風呂屋)」は県政百年企画として昭和47年7月11日から9月21日まで朝日新聞の滋賀版で連載された「とお・むかし」の1回目の原画。明治時代の県内の生活を紹介する連載で、道三がその挿絵を担当した。連載終了後も道三は「画で見る明治の滋賀」のシリーズとして制作し、現在も120点近くが残されている。
 開館は11月7日までの午前8時半~午後5時。

 

2022年10月28日金曜日

秋季近畿大会に滋賀代表として彦根総合高校が初出場

 来年春の選抜高校野球大会の前哨戦となる秋季近畿大会に滋賀代表として彦根総合高校が初出場する。今月22日に開幕したのを前に、レギュラーメンバーのうち彦根市内の4選手に意気込みを聞いた。
 彦根総合高は今月2日に行われた滋賀県大会の決勝で瀬田工を7対1で破り、初優勝で秋季近畿大会の出場を決めた。
 4選手はいずれも2年生で、出身の小中と中学時代の所属チームは主将の上田大地選手(17)=森堂町=が河瀬小、甲良中、彦根リトルシニア。エースの野下(のげ)陽祐投手(16)=正法寺町=が旭森小、東中。センターの佐藤哉斗(かなと)選手(17)=小泉町=が城南小、南中、湖東リトルシニア。ライトの田代奏仁(かなと)選手(16)=竹ヶ鼻町=が城南、南中、彦根リトルシニア。
 野下投手は最速138㌔のストレートに、縦と横のスライダー、カーブ、ツーシーム、チェンジアップを投げ、特に縦のスライダーに自信を持っている。「強くないチームから甲子園を目指そう」と進学した彦根総合ではエースとしてチームの中心選手になっている。近畿大会に対しては「優勝してセンバツ出場を決める」と力強く語った。
 
宮崎裕也監督は彦根総合の野球部に2020年4月に赴任し、翌年度に監督に着任。前身の北大津の監督時代に6度の甲子園出場の経験がある名将だ。
現チーム主将の上田選手は彦根総合への進学を決めた理由の一つに「宮崎監督の指導を受けたかった」とあげる。夏の県予選での初戦敗退から秋の県大会で優勝した理由について、上田選手は「負けて悔しい思いをして1点の重みを知り、チームの一人一人が変わった」と説明。近畿大会に向けては「有名校ばかりなので、ユニホーム負けしないようにとにかく向かっていく。まず2勝を目指し、センバツ出場を決めたい」と述べた。
 米原市磯には専用のグラウンドの整備がほぼ完了した。佐藤選手は「全体ノックができるようになった」、田代選手は「守備力は向上したと思う」と話し、近畿大会を前に佐藤選手は「目の前の試合を一つずつ勝ち抜く」、田代選手は「とりあえずは初戦突破を目指す」と意気込みを語った。
 チーム力が急成長している要因について、宮崎監督は「夏の大会の敗北が悔しかったのだろう。練習への食いつきが変わった。精神面で成長したことが大きい」と期待を込めた。
 秋季近畿大会には滋賀代表の彦根総合と瀬田工を含め16校が出場。22日から11月5日までの土日祝日に和歌山県内で行われる。優勝校が明治神宮大会に出場する予定。またセンバツの出場枠は6のため、上位に進出すれば出場が濃厚になる。

2022年10月22日土曜日

ご当地キャラ博2022開幕。彦根城内と四番町スクエアで23日まで

「ご当地キャラ博2022」がきょう22日に開幕。彦根城内と四番町スクエア(本町)で23日まで開かれる。新型コロナウイルスの影響で一昨年が中止、昨年がオンライン開催だったため、通常方式は3年ぶりとなった。
 キャラは22日に100体、23日に96体、両日で36都道府県の96団体から106体が参加する予定。彦根のキャラはひこにゃんをはじめ11体が登場。桜場駐車場と金亀公園をメイン会場、四番町スクエアをサブ会場と設定。計3会場にキャラが登壇してPRするステージを設置するほか、各キャラのブースを設けて各地域の宣伝や物産・グッズの販売が行われる。
 来場できない人にもイベントの雰囲気を楽しんでもらおうと、桜場駐車場のステージの模様をウェブ上で生配信する。城内と四番町スクエアとの回遊を目的に、非接触型のスタンプラリーを実施。専用のアプリを使って5カ所でQRコードを読み取って記念品を受け取るほか、アプリ内でキャラのオリジナルカードを手に入れることができる。
 開催時間は両日とも午前9時~午後3時。会場では参加キャラやブースマップ、ステージスケジュールを掲載したパンフレットが配布されるが、ウェブ上でデータ版をアップしている。ウェブはこちらhttp://gotouchi-chara.jp/hikone2022/index.php

2022年10月10日月曜日

花しょうぶ通り商店街に彦根りんごの小さな公園アートフェスタ勝負市でお披露目

 彦根市の花しょうぶ通り商店街に「彦根りんごの小さな公園」が完成し、9月25日に行われたアートフェスタ勝負市でお披露目された。敷地を管理する滋賀県立大学名誉教授の柴田いづみさんは「憩いの場として自由に使ってほしい」と話している。
 柴田さんは同商店街に「結のまちづくり研究所」を設けており、その向かいにある駐車場も管理している。同商店街が国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)内にあるため、重伝建にふさわしい景観にしようと、駐車場の通り沿いにあったガードレールを撤去し、2台分の駐車スペースを公園にした。
 
県大生作のベンチも
 
 公園には、中薮町の彦根りんご園から譲り受けたりんごの苗木1本と、周囲にハナショウブ、ラベンダーなど10種類の花を植えた樹木スペースを設けたほか、木製デッキの上で滋賀県立大学の学生やОBОGらが作ったベンチ2台を設置した。
 彦根りんごの小さな公園の利用は自由。柴田さんは「市民の皆さんや花しょうぶ通りを訪れる観光客の方が集い、ほっとできる場所になってもらえたらうれしい」と語っていた。

 

重度障害児者が視線入力やスイッチを利用しボッチャ体験

 障害児者たちが視線入力やスイッチを利用してボッチャを体験するイベントが9月24日、彦根市甘呂町の南地区公民館であった。
 脳性まひの障害がある娘を育てている古池敦子さん(53)たちが初めて企画。ICT(情報通信技術)を活用して重度障害児者の支援活動を展開している一般社団法人できわかクリエイターズ(大阪府茨木市)の職員と、市内の身体・知的・精神の障害児者15人、保護者らの計約50人が参加した。
 視線入力は体を動かせない障害者用として、パソコン画面を視線だけで操作できるシステム。方向や投げる強さなどを入力し、すべり台のように球を投じる専用の器具とつなげることで体を使わずにボッチャが楽しめる。体を動かせる障害児者は押すと球が投じられるスイッチを使った。
 障害児者たちは視線入
力を体験した後、赤と青のチームに分かれ、ボッチャを楽しんだ。昼食には古池さんの息子でフランス料理を作っている汰成さん(24)の料理も食べた。
古池さんは「ボッチャは重度の障害がある子たちでも楽しめる競技。これからも定期的に開催したい」と話していた。

秋のひこにゃん大躍進!商標使用料の無償化、婚姻・出生届で記念撮影

 彦根市は9月29日、「秋のひこにゃん大躍進!」と銘打ち、ひこにゃんの商標使用料の無償化実証実験など4つの企画を発表した。
 
婚姻・出生届で記念撮影
平日 四番町から市役所へ変更
 
第1弾として市は、市役所本庁舎で婚姻と出生の届け出をした人を対象にひこにゃんの実物と一緒に記念撮影ができるサービスを3日から開始する。市内への移住と定住を目的にしており、市は「彦根に住んでみたい、または住んでよかったと思ってほしい」としている。
 ひこにゃんは彦根城のほか、午前11時に四番町スクエアに登場しているが、そのうち平日の登場場所を本庁舎1階に変更。今年4月1日以降、市に婚姻届けを出した夫婦や、出生届の対象の乳幼児と親・兄弟ら付添人2人までが、ひこにゃんと一緒に記念撮影ができる。市のパートナーシップ制度で宣誓したLGBTQも対象になる。
 時間は平日午前11時から同1130分まで。前日までの開庁時間に事前予約が必要だが、余裕がある場合は当日でも可。予約は市観光交流課☎(30)6120。
 
許諾料3%を無償化に
商標使用拡大と新商品発掘で
 第2弾として市は1日から、ひこにゃんの商標使用許諾料を無償化する実証実験を行う。
 これまではひこにゃんの商標使用を適正に管理するため、申請者から販売価格×予定生産数の3%を許諾料として納入してもらい、1枚1円の証紙を商品すべてに貼り付ける必要があった。許諾料の収入は2016年度から19年度までが1400万円から1500円で推移し、コロナ禍の一昨年が約550万円、昨年度が約750万円だった。
 市はさらなる商標使用の拡大と新しい商品の発掘を目的に、来年3月31日まで商標使用料を無償にする。申請書の提出と審査はこれまで通り必要。証紙の購入と貼り付けは期間中のみ廃止し、代わりに許諾番号を商品に提示してもらう。市は実証実験の効果を受けて、期間の延長を検討していく。
 このほか、市は第3弾として「ひこにゃん絵本3冊の年度内完成」と、第4弾として「ひこにゃんを入れたご当地ナンバー」の構想も明らかにした。

2022年10月2日日曜日

公共交通の課題を探るため県議が利用者の意見を聞く県民参画委員会、彦根翔西館高で

 県内の公共交通の課題を探るため、県議が利用者の意見を聞く「県民参画委員会」が先月、彦根翔西館高校であり、近江鉄道線やバスなどで通学する生徒たちが利用状況を解説した。
 県議会公共交通・国スポ・障スポ大会対策特別委員会の行政調査の一環で実施。委員の県議10人が翔西館高を訪れ、樋口康之校長や2年生5人と意見交換をした。
 会議では樋口校長から、全校生徒のうち自転車通学が47・6%の452人、JRの利用が28・8%の274人、近江鉄道線の利用が22・8%の217人などとの状況を説明。
 生徒からは「近江八幡市からJRと近江鉄道線で通学しているが、帰宅時に近江鉄道線が1時間に1本しかないため不便」「バスも利用しているが、近江鉄道との乗り換え時間が合っていない。連携してもらい、みんなが利用しやすくなることが重要だ」などの問題を指摘した。
 近江鉄道線に対しては、生徒から「駅で停車している時間が長いので、夜は車内に虫が入る。虫の死がいも多い」「揺れが大きいので、荷物が多くいすに座れない時は大変」「後ろのドアが開かない時があり、気づかずに降り損ねた時がある」などの意見があった一方、「席が向かい合わせのため、乗り合わせたほかの生徒と友だちになれる」「比較的、座れるし、譲り合いもしやすい」などの声もあった。
 会議後、永源寺町から通っている生徒の一人の北川妃依さん(16)は「私もバスを利用するが、近江鉄道線とのダイヤの調整はいると思う。(近江鉄道の)電車内で音楽を演奏または流すなど、楽しめる取り組みがあってもいい」と話していた。

 

2022年9月25日日曜日

佐和山隧道など地域への功績紹介した特集展示・松居石材商店の歴史

 彦根城博物館は8日から彦根市元町の松居石材商店が行ってきた佐和山隧道(ずいどう(トンネル)をはじめとした土木工事など、地域への功績を紹介した特集展示「松居石材商店の歴史」を開いている。

直弼像の台座 多賀大社造営
三代・六三郎 町議4期務める
 松居石材商店は初代・孫兵衛が北小松(現在の大津市北部)から彦根に移り、文政12年(1829年)に創業したのが始まり。墓や灯ろう、鳥居、石碑を製造し、明治43年(1910年)に現在の県護国神社付近に建立された井伊直弼公の銅像の台座を作り、昭和4年(1929年)から同8年まで多賀大社で行われた大造営にも携わった。
 三代目の六三郎(1866~1936)は明治36年に大坂で開かれた第5回内国勧業博覧会に石造の釣燈籠(つりとうろう)を出展し高い評価を得た。滋賀県から請け負った土木工事にも取り組み、大正8年(1919年)から同13年にかけて施工した佐和山隧道や、大正13年から昭和2年にかけて工事した長浜市の賤ケ嶽(しずがたけ)隧道などを担った。六三郎は明治末期から大正時代にかけて彦根町会議員を4期務めるなど地域の発展に尽力した。
特集展示では松居家が所蔵する資料36点を展示。天寧寺に文久元年(1861年)に建立された井伊直弼供養塔を案内した石碑の文字原稿は「井伊直弼公供養塔」と書かれた文字の輪郭をなぞって書かれている。
 佐和山隧道の古写真は、隧道の完成を祝って日の丸を掲げ、武士の姿に仮装した市民たちが練り歩く様子が写されている。佐和山隧道は当時の「切り通し」と呼ばれた佐和山山中の道を馬車や荷車で越えられるよう、明治初め頃からの地元民の要望を受ける形で築かれた。現在の歩行用トンネルの上部に現存するが、草木が生い茂るなどその姿を見ることはできない。
 賤ケ嶽隧道西口の題額原稿は、隧道西側の入り口上部に掲げられている額の題字原稿。大正8年から同12年まで滋賀県知事を務めた堀田義次郎が篆書(てんしょ)で書いた「周道如匡」の文字で、「曲がりくねった山の道をまっすぐにただす」との意味だという。
ほかに、区長や彦根町会議員を4期務めた三代目の六三郎に町民一同から昭和6年1月に出された感謝状や、明治36年に六三郎が内国勧業博覧会に出展した釣燈籠なども。関連講座は定員50人、講師は学芸員の早川駿治さん。資料代100円。開館は10月4日までの午前8時半~午後5時。

 

 

ウクライナの歌姫ナターシャ・グジーさんコンサート滋賀大学彦根キャンパスの講堂で

 「ウクライナの歌姫」として知られるナターシャ・グジーさんのコンサートが12日、滋賀大学彦根キャンパスの講堂で開かれ、満員の約300人が美しい歌声に聞き入っていた。
 ナターシャさんはウクライナに住んでいた6歳の時、自宅から3・5㌔離れたチェルノブイリ原発で爆発事故を経験し、避難生活を経てキエフ市に移住。ウクライナの民俗音楽のバンドゥーラに出会い、8歳の時から音楽学校で学んできた。2000年から日本語学校に通いながら日本での音楽活動を開始。コンサートやライブのほか、学校での教室や演奏会など幅広く活動している。
 ロシアの侵略後の7月からは「Charity for Ukraine47 『希望の大地』チャリティーツアー」と題し、全国47都道府県でコンサートを実施。滋賀県会場となった滋賀大学では「防人の詩」「秋桜(コスモス)」など日本の名曲のほか、「わがキエフ」「希望の大地」「希望の灯」などウクライナへの思いを込めた曲を歌った。
 最後には日本の歌「故郷」を奏で、来場者にも心の中で歌ってもらうよう依頼し、一体となって楽しんだ。ナターシャさんは「日本に来ていつのまにか22年も経った。ウクライナと、もう一つのふるさとの日本との文化の架け橋になりたい」と話した。今回の収益の一部は滋賀大学のウクライナ支援募金に寄付される。

2022年9月15日木曜日

電動車いすWHILL(ウィル)無料で貸し出す実証実験彦根市内で

 簡単な運転操作で座ったまま移動できる電動車いす「WHILL(ウィル)」を無料で貸し出す実証実験が1日から彦根市内で開始。年齢や障害の有無に関係なく誰でも利用できる移動手段として、県内では今月から彦根のほか、守山、長浜の各市でも始まった。
 ウィルは次世代型の電動車いすを開発している会社・WHILL(東京都品川区)の製品。右手を載せる部分に操作装置があり、1から4段階で時速1㌔から同6㌔までのスピードが出せる。歩行速度とほぼ同程度で、角度10度の坂や高さ5㌢の段差も乗り越えられる。免許不要で、高齢者や障害者、体力に自信のない中高年が少し離れた距離への移動や街中を観光する乗り物として使用できる。2018年以降、全国各地の県や市で実証実験が行われている。
 同社と東京海上日動火災保険の提案を受けた彦根市や彦根観光協会は、市民や観光客の近距離の移動用として実証実験を今月から開始。1120日までの午前9時~正午と午後1時~同4時の間、四番町スクエア内の同協会事務所で無料で貸し出す。使用範囲は周囲2、3㌔。2台用意。対象は体重115㌔以下の18歳以上。利用申込書と同意書への署名が必要。同協会まで予約が必要だが、空きがあれば当日申し込み可。
 四番町スクエアに観光で訪れていた名古屋市の村瀬郁穂さん(28)と母親の坂本小雪さん(60)はウィルに試乗。村瀬さんは「足が悪い人や歩いて疲れやすい人にはいい。乗り心地もいい」、坂本さんは「運転しても疲れない。足をけがしても観光したい人にも向いていると思う」と話していた。彦根市は実証実験を経て、導入するか検討していく。

ARラリーKОTО妖怪SPOT

 スマートフォンを手に彦愛犬1市4町の妖怪に関する地を巡るイベント「ARラリーKОTО妖怪SPOT」が8月20日から始まった。スマホ画面に登場した妖怪を撮影した画像でポストカードがもらえたり、フォトコンテストに応募してグッズを手に入れたりの特典がある。
 1市4町で組織するびわこ湖東路観光協議会が、湖東地域の観光客の誘客と周遊を目的に企画した。
 妖怪スポットの場所と登場する妖怪は、彦根城大手前の河太郎、近江鉄道高宮駅のおたまさん、多賀大社の先食烏(せんじきがらす)、あけぼのパーク多賀の二丈坊、道の駅せせらぎの里こうらの仙人姿の天狗、勝楽寺のハクゾウス、愛知川ふれあい本陣の釣瓶落とし、金剛輪寺の油坊主、豊郷小学校旧校舎群の平将門の首、犬上神社の大蛇の計10カ所。
 参加者は自転車などで各所を巡って、スマホを使って専用パンフレットのQRコードを読み取り、かざした画面に登場した妖怪のイラストを写真撮影する。3カ所以上を訪れて「ARラリーマップ」の画面を彦根市本町の夢京橋あかり館のスタッフに提示すると、琵琶湖の妖怪「水虎(すいこ)」のポストカードを受け取れる。また同館2階で開催中の「淡海の妖怪」展の入場料が無料になる。
 ほかに、妖怪の写真をハッシュタグ「#arkoto2022」を付けてインスタグラムやツイッターに投稿すると、9月~11月の毎月19日の投稿者から入賞者3人ずつに1000円相当のグッズがもらえる。
ARラリーマップの画面にはそれぞれの妖怪の特徴を紹介した説明文や、妖怪スポットを一覧表示できる地図もアップしている。専用のパンフレットは各妖怪スポットや1市4町の観光案内所などにある。小学生以下は保護者同伴で。問い合わせは彦根市観光交流課☎(30)6120。

2022年9月11日日曜日

陽だまりの会たん・とん認知症をテーマに寸劇を披露

 JA東びわこの組合員たちの団体「陽だまりの会たん・とん」が8月31日、大薮集会所で認知症をテーマにした寸劇を披露し、認知症への理解を求めた。
 同団体は1998年に彦愛犬の組合員たちによって結成。福祉施設での入浴や食事の介助、介護技術や認知症に関する研修をしてきた。10年ほど前から認知症をテーマにした寸劇を上演したり、高齢者から悩みを聞いたりする活動を展開している。
 大薮町の住民たちが3年ほど前から開いている「大薮サロン」の依頼を受け、同団体会長の谷口幸子さんらメンバー10人が参加。谷口さんが認知症の花子さんの「姑(しゅうとめ)」役、ほかのメンバーが嫁、娘、息子、隣人などに分かれて、花子さんが道に迷ってしまう「私はどこへ?」や、自宅から荷物を抱えて出て行こうとする「ほな今日はこれで!」など計9作品の寸劇を演じた。
 それぞれの寸劇の途中ではナレーションが入る本格的な劇に、見学に訪れた住民たちも見入っていた。最後の「花子さんのつぶやき」のコーナーでは、谷口さんが「いつまでも迷惑をかけたくないので、一日も早くお迎えに来てほしいが、せっかく頂いた命。もう少しだけ生きるので、支えて頂けたらうれしい。お頼み申し上げます」と語った。
 同団体の寸劇は新型コロナウイルスの影響で上演できず、3年ぶりとなった今回も稽古ができず、「ぶっつけ本番でアドリブもあった」という。谷口さんは実母と義母が認知症だったといい「自らの体験も劇の中に取り入れた。家族をはじめ、周りの人たちの助けが必要だと知ってほしい。これからも寸劇を披露したい」と話していた。問い合わせはJA東びわこのくらしの活動課☎(28)7860。
 
多賀で寸劇と落語
 JA東びわこの多賀支店で1014日午後1時~陽だまりの会たん・とんの寸劇と林家久蔵さんの交通安全落語がある。参加費300円、土産付き。定員60人。多賀町外でも可。申し込みは今月30日までにJA東びわこのくらしの活動課へ。

2022年9月5日月曜日

彦根商工会議所青年部と市職員がまちづくりについて意見交換する彦根版故郷の新しい風会議

 彦根商工会議所青年部と市職員がまちづくりについて意見交換する「彦根版故郷の新しい風会議」が24日夜に彦根商議所であり、3つのテーマに分かれてグループごとに意見を出し合った。
 両者の交流と親睦の場として2013年度から行っており、9回目の今年は「もしも、私が市長だったら〇〇する」を主題として開催し、同青年部の会員46人と市職員16人が参加。観光・イベントの「楽しめるまちおこし」、教育・福祉の「未来あるまち育み」、地方創生・インフラ整備の「住みよいまちづくり」の3テーマ8グループに分かれ、事前アンケートを参考に「マニフェスト」の立案に向けて話し合った。
 約50分間の会議後、「候補者」の代表者が一人ずつ登壇。琵琶湖や松原水泳場などを活用した「湖岸リゾート地計画」、出産祝い金の支給や空き家での高齢者のシェアハウス運営の「ゆりかごから墓場まで出ていかなくて住む彦根」、古民家を再生しおしゃれな店を経営する「彦根テーマパーク構想」などの8案が発表された。その後、投票で湖岸リゾート地計画の候補者が当選した。
 同青年部の松下和雅会長は「熱いメンバーが集まっており、一致団結して彦根を盛り上げたい。毎回、意義のある会議になっている」と話した。同青年部では話し合いの中で出てきた案をまとめ、市へ報告する形式で調整していく。

2022年8月29日月曜日

小田柿寿郎さん湖東湖北の風景や町並み描いたスケッチ集「湖国風景を描く」発刊

 彦根市河原1丁目の小田柿寿郎さん(75)が、湖東湖北の風景や町並みを描いたスケッチ集「湖国風景を描く」を発刊。「この本を見ながら、滋賀の自然と歴史を感じてほしい」と話している。
 元県職員の小田柿さんは広報課で広報誌のデザインを担当していた27歳のころに県庁内の絵画サークルに入り、講師を務めていた亀尾従道(よりみち)さんに師事。8年後の1982年には東京の仁科展で入選、彦根市展無鑑査資格の取得など才能を発揮。以降も顔彩スケッチや油絵、水墨画の作品を描き続け、現在は現代水墨画協会理事長を務めるなど全国クラスの画家として活躍している。
 50年近く描いてきた中で、小田柿さんは「県内各地の湖や漁村、山村、市街地を訪れて、気軽にスケッチするのが楽しみだった」と説明。そのうち彦根、甲良、豊郷、多賀、米原、長浜、近江八幡、日野の市町で描いたスケッチ画から選んだ230点を本にまとめた。市町ごとに思い出を紹介したエッセーも掲載している。
 彦犬地区の主な作品は各方向から望む彦根城天守や旧城下町の町並みのほか、花しょうぶ通りの旧商店、錦町の裏通りのカフェ、西覚寺太鼓堂、長曽根の教禅寺、多景島遠望、柳川町からの荒神山、高宮の音瀬酒造、鳥居本の明願寺、善谷の教円寺、甲良神社の森、尼子公民館、在士集落、豊郷の唯念寺太鼓堂、阿自岐神社、豊郷小旧校舎、豊郷病院からの伊吹山、伊藤忠兵衛記念館など。
 小田柿さんが生まれ育った日夏町のページでは、筒井、五僧田、安田、泉、寺村、妙楽寺、中沢、島の小字ごとの集落や古民家、荒神山神社の水無月大祭のモノクロ作品を掲載。エッセーの中では「私の好きな風景は荒神山を背景にして前に広がる日夏の里の田園風景だ。しかし近年、住宅化が激しくて急激に風景が失われつつある。思い出が遠のいて行くようで寂しい思いだ」と解説している。
 小田柿さんは「たくさん描いてきた絵がスケッチ集としてまとめることができうれしく思う。湖国の多くの皆さんに見ていただき、魅力的でいとおしい郷土の再認識につながれば幸いだ」と話している。スケッチ集はB5判、カラー136ページ。1冊税込み3080円。小田柿さん宅や市内書店、発行のサンライズ出版で販売。問い合わせは小田柿さん☎(22)3910。

 

2022年8月20日土曜日

佐和山城の外堀跡発見

 彦根市佐和山町の佐和山城の旧城下町で発掘調査をしている県文化財保護協会は、石田三成が城主だった頃に整備したとみられる外堀の一部を発見したと発表。豊臣秀吉政権時代に築かれた城外の堀や土塁などの「惣構(そうがまえ)」の確認は近江で初めてだという。きょう20日午後1時半~現地説明会を開く。
 同協会はこれまでの旧城下町の調査で、2009年7月に三成家臣団の屋敷跡、10年3月に内堀跡、19年9月に橋台や道、溝、建物の跡、2011月にメインストリートの本町筋跡を発見。2018年度以降は国道8号米原バイパスの整備に伴う発掘調査を実施しており、今年度はそのうち1490平方㍍を調査してきた。
 
「惣構」近江で初確認
豊臣家臣で最初、志野焼も
 
 外堀は現在の小野川がその名残とされ、位置や形状は推定されていたが、発掘調査の結果、ちょうど90度ほどに折れ曲がる地点に位置する全長約7㍍、幅約10㍍、最深部の深さ約70㌢の外堀跡を確認した。ほかに外堀跡の底からは、16世紀最末期から17世紀初めまでの焼き物「志野焼」の茶碗の破片など5点も見つかった。
 三成が城主になった翌年の文禄5年(1596年)に家臣の須藤通光(みちみつ)が書いた書状「佐和山惣構御普請」には、外堀を含む城下町を整備した内容が記されているため、同協会は「三成時代に築かれた外堀だとほぼ断定できる」と報告。豊臣政権時の惣構は秀吉直轄の伏見城や大坂城のみで、近江の八幡山城、水口岡山城、長浜城では確認されていないといい、同協会では「秀吉が佐和山城を重視していたことや三成への信頼がわかる遺構だ」としている。
 滋賀県立大学の中井均名誉教授は「今回の発掘調査で堀の存在と位置が確認できた意義は大きい。惣構は大坂城でも慶長3年(1598年)に構えられているため、今回の惣構の堀は豊臣政権の家臣では最初に築かれたものとして評価される」と話している。
 現地説明会は参加自由。場所は国道8号線を米原方面に向かってつるやゴルフの手前を左折し、近江鉄道線を越えた突き当たりを左折して進んだエリア。駐車場なし。問い合わせは県文化財保護協会☎077(548)9780。
 

2022年8月15日月曜日

戦争と平和を考える

終戦記念日のこの時期、先の大東亜戦争または太平洋戦争について思いを巡らす国民は少なくないであろう。そして今年は「戦争」に対し、身近に感じる年でもあり、分岐点の年でもあるように感じる。
 戦争は人間同士の殺りくであり、悲惨かつ壊滅的な被害を生じる点において、起こってはならぬ惨事であることは国民大多数の共通認識である。しかし例えば、今のウクライナのように国土を他国に侵略され、奪われても良しとする絶対的平和主義の主張に対しては大多数が異を唱えるに違いない。
 世界を鳥瞰図的に見ると、G7を主にする日米欧の自由・民主主義国家と、中ロら権威主義(または全体主義)国家との対立が強まっており、ウクライナ情勢はまさにその狭間にあり、台湾においても米中対立に巻き込まれている感がある。
 その中ロに挟まれているのが我が国であるが、もし台湾で戦争が起こり、米中が対決した際、米軍の拠点は日本(沖縄)であり、中国軍の攻撃の的になるのは言わずもがなである。そして先の大戦で日ソ不可侵条約を破棄して、米軍の原爆投下直後に宣戦布告し、北方四島の占領後も不法占拠を続けているロシアが、混乱に乗じて再び日本の北方を侵略してくることも容易に予想できる。
 
安倍氏の国葬賛成
防衛費の増大も
 
 ストックホルム国際平和研究所のデータによると、昨年の世界の軍事費シェアは米国が38・5%とトップ、次いで中国が14・1%と米中で5割超となっている。そしてインドが3・7%、ロシアが3・2%、日本が2・6%、韓国が2・4%と続く。中国は情報公開が不透明なため、さらに多いとの見方もできる。
 翻って、日本の防衛費はGDP比1%台で推移しており、ウクライナ情勢を受けて政府は2%超を目指す意向だが、一部の野党や国民は「戦争をする国にするのか」と反対を主張し、その是非が今後、議論になるかもしれぬ。
 しかし多くの国民はロシアのウクライナ侵略や中国の台湾への威圧行為を目にしたことで、権威主義国家に綺麗事は通じぬと理解しており、防衛費の2%超も認めるに違いない。小生としても、国際法に悪気もなく違反するロシアなどの国家が存在する限り、抑止力の観点からも十分な水準の軍事力を保持するべきだと考える。
 今、国内では安倍元首相の国葬に対する是非が話題の一つに取り上げられており、世論調査ではその賛否が分かれているという。小生としては、安倍元首相の在任中のモリカケや桜の諸問題よりも、国内はもちろん世界に影響を及ぼした功績を高く評価しており、国葬に賛成である(基準が明確になっていない点から大賛成とまではいえないが)。
 小生がここで安倍元首相の死に触れたのは、先に述べた民主主義国家と権威主義国家との対立を収める力を安倍元首相が保持していたと考えるからである。その理由については先日のコラムでも述べたが、権威主義国家にとって、いわゆるその国にいる保守派(日本ではタカ派とも言う)の急先鋒は脅威であると言え、プーチンは安倍元首相と27回も会談した。また安倍元首相は、日米欧と中ロの対立に距離を置き、両軸を支持するインドなどの国家との関係も濃かった。いわば安倍元首相には世界情勢を安定させる力があったとも言え、その亡き後の世界情勢を危惧する者は小生だけではあるまい。
 国防費の増大にしろ、国葬にしろ、賛否については分かれるかもしれぬ。しかし、我が国で再び戦争を起こさせないという思いは共通認識のはずである。先の大戦で亡くなった御英霊に感謝の誠を捧げながら、現代の日本人が苦手な「戦争と平和について考える」お盆にしたい。【山田貴之】

2022年8月9日火曜日

近江・山田陽翔を絶賛 多賀監督「私も彼のファンの一人」

 補欠校から急きょ出場した今年春のセンバツで準優勝を果たしたことで、全国から注目されている近江。優勝候補にも堂々とその名を連ねるまでに至った背景にはエースで四番、そして主将を務める山田陽翔(3年)の存在がある。多賀章仁監督に「私も彼のファンの一人」とまで言わせる山田の最後の甲子園に向けた意気込みと多賀監督の山田に対する思いなどを紹介する(敬称略)。
 
試合前は食べられない時も
全国からマーク「緩急で勝負」
 山田は自身について「こう見えて試合前はすごく緊張し、ご飯を食べられなくなることもある」と紹介。
 多賀監督やほかの選手は「山田がマウンドに上がると、チームや球場全体の雰囲気が変わる」と口をそろえる。そのような中での投球には相当なプレッシャーがあると思うが、それをはねのける方法について山田は「近江の野球は守備でリズムをつかんで、打撃につなげていくこと。いつも通りこれをやることで、プレッシャーをはねのけ、勝利につながる」と説明した。
 全国からマークされる中での戦い方については「投手としては(捕手の)大橋のリードを信じて投げるだけだが、緩急が大事になる。緩い変化球を有効に使いながら、打者のタイミングを外していきたい」と述べた。
 最後に甲子園で抱負について、山田は「ここからが本当の勝負。甲子園で戦える機会をもう一度いただいた。ラストチャンスということで、3年間一緒にやってきた仲間たちと日本一で終わりたい」と熱く語った。
 山田について、多賀監督は「私も彼のファンの一人。マウンドでの魂の入ったボールはもちろん、独特の間合いや接戦時の投球など、こちらの期待を裏切ったことは一度もない」と称賛したうえで「彼が万全の状態に投げられるようにすることが大事。いい状態で彼が決勝で投げられたら頂点をとれると思う」と自信を見せた。
 
星野投手に「全国で通用」
監督期待、課題の次の投手
 夏の甲子園を勝ち抜くには山田一人では困難で、ほかの投手の活躍が重要になる。
 甲子園でのベンチ入りメンバーのうち、滋賀大会では山田が22回、左腕の星野世那(3年)が10回3分の2、左腕の河越大輝(1年)が3回3分の1、小島一哲(3年)が1回3分の2、左腕の外義来都(3年)が1回3分の1を投げた。
 多賀監督も「山田をどこで投げさせるのかがポイントになる」としたうえで、星野の名をあげ「ブルペン通り投げてくれたらどのチームにも通用する」と太鼓判を押す。そして「星野が甲子園で覚醒し、一世一代のピッチングをしてくれたら頂点も見えてくる」と解説した。
 
コロナ対策も課題
「滋賀代表の自覚で」
 甲子園での課題の一つに新型コロナウイルスの感染症対策がある。万が一、チームの集団感染が確認されても「日程変更により試合出場が見込める場合は、同じ回戦の中を原則としたうえで日程変更される」とあるが、見込めない場合は次戦に進めない。
 近江は選手30人を含む計35人が宿舎に入り、選手は2人部屋で過ごすという。コロナ対策について、多賀監督は「宿舎に入るメンバーにはコンディショニングを整えるよう強調している。特に新型コロナの感染対策を一番しっかりとしたい。大会を通じてコンディショニングを選手一人ずつがしっかり整えていくかが大事。滋賀代表で来ているという自覚を持ってしっかりと対策をしたい」と話した。

 

彦根城博物館企画展 彦根藩の足軽―歩兵たちの近世―

 彦根城博物館は23日から企画展「彦根藩の足軽―歩兵たちの近世―」を開いている。
 
弓と鉄砲1120人
夜回りや除雪も
 足軽は戦国時代に鉄砲や弓などで戦った歩兵で、大名の家臣団の一つとして編成。彦根藩には天正10年(1582年)頃に初代の井伊直政の下に組み込まれたとされる。関ケ原合戦や大坂の陣での活躍により、二代・直孝の時の寛永10年(1633)年には弓足軽6組120人と鉄砲足軽31組1000人を召し抱えた。この数(1120人)は直政が佐和山に入った慶長6年(1601年)頃の倍にあたり、以降も定数として維持された。
 彦根の地には外堀周辺から芹川までの外曲輪(ぐるわ)エリアに組ごとの居住区が設けられた。そのうち最大規模だった善利組(芹橋)は東西約750㍍、南北約300㍍のエリアに整備され、幕末期には約700戸の屋敷があった。
 足軽の主な業務は軍事鍛錬や武具の管理のほか、夜回りや火消し番、町奉行所など役所仕事、彦根城の石垣普請や除雪作業など。幕末には異国船に対する相模国(神奈川県)三浦半島の海岸警衛や長州藩との戦いにも従事。明治時代になると、家臣団が解体され、旧彦根藩の足軽たちは農業や商業、警察官などに転身し、大東義徹など政治家になる者も現れた。
 
足軽大将が掟書
農業や商業に転身
 企画展では彦根藩の足軽たちの編成時期から、太平の世での役割、幕末期の変容、解体後などに関する資料51点を展示。
 慶長20年(1615年)の大坂夏の陣のうち、若江(東大阪市)で井伊家と木村重成隊が戦った様子を描いた江戸時代後期作の「大坂夏の陣図(若江合戦図)」=縦156・9㌢×横361・2㌢=には、左手に井伊家の足軽ら赤備えの戦士たちが確認できる。
 足軽は江戸時代にかけて450人から550人いた彦根藩士には入らないが、各組トップの物頭と呼ばれる足軽大将には彦根藩士が就任。文政5年(1822年)の物頭の青木新右衛門が書いた「掟」書には普請業など足軽が務めるべき基本的な遵守事項が定められている。
 藩主として初めて国入りする入部の際の儀礼として文化9年(1812年)と同10年に行われた武芸稽古の様子を書いた「御入部御覧留(おんにゅうぶごらんどめ)」には、七代・直惟から十二代・直亮までの入部時に披露された弓と鉄砲の武芸の結果が「―(的から外れる)」、「〇(的中)」、「●(中央に命中)」で足軽たちの名前入りで記されている。
 絵「竹に虎図」は足軽の大舘素雪(おおだてそせつ)が描いた作品。素雪は天保7年(1836年)に藩で作成した彦根御城下惣絵図の絵図役にも入っている。明治時代の「中嶋勘次郎願書」は足軽だった勘次郎が百姓に転業するため、道具などの資金50両から60両の前借りを願い出ている文書。
 開館日時は8月31日までの午前8時半~午後5時。図録「彦根藩の足軽=歩兵たちの近世」の販売も。

2022年8月8日月曜日

近江・横田悟選手インタビュー「目標は3割5分と日本一」

 彦根市・犬上郡で唯一ベンチ入りしている平田町の横田悟選手(2年)は昨夏の甲子園と今春のセンバツに続いて、今夏の大会も遊撃手で先発出場する予定。開幕前に、チームや個人の成長ぶり、甲子園での目標などを聞いた(以下敬称略、聞き手・山田貴之)。
 
 横田は、夏の滋賀大会では5番遊撃手で先発し、13打数3安打5四死球の成績だった。この個人成績とチームの優勝に対しては「チームとしては優勝することができて、目標に掲げていた日本一への挑戦権を得られたのでよかった。個人としては思うように結果が出せなかったので甲子園の大会に向けて調整してチームに貢献したい」と述べた。
 
「逆方向へ打つ意識」で
成長理由 後輩でき「自覚」も
 昨夏の甲子園では8番打者だったが、クリーンアップの5番を務めるまで成長。その理由について横田は「昨年
よりも逆方向へ打つ意識が出てきて、自分自身の攻撃の幅が増えたので前よりも自信を持って打席に立てるようになった。また後輩ができたこともあり、自覚が少しずつ出てきて、考えや発言など変わったと思う」と説明した。
 遊撃手として主戦の山田の後ろを守り、チームの中心的存在になっていることには「山田さんが投げている時は声かけなど積極的にしてもらえるのでとても守りやすくて、チームが良いテンポで試合展開を進められている。チーム全体では以前よりもバッテリーから内野手、内野手から外野手と繋がりが生まれて、チーム全体が締まっていて、必要な声かけが全員に回るようになっている」と分析した。
 甲子園で対戦したいチーム・選手については大阪桐蔭のエース・前田悠伍をあげ、個人とチームの目標としては「ノーエラーと打率3割5分を残したい。チームの目標は日本一です」と力強く語った。
 最後に市民に向けて横田は「滋賀県勢初の日本一になり、優勝旗を持って帰れるように選手全員が一丸となって戦うので、応援よろしくお願いします」と締めくくった。

県庁で近江高校山田陽翔主将ら迎えて激励会

 滋賀県は2日、県庁本館の知事応接室で、夏の甲子園に出場する近江高校の多賀章仁監督や山田陽翔主将らを迎えての激励会を開いた。三日月大造知事から激励の言葉を受けた山田主将は「日本一を目指す」と抱負を述べた。
 激励会には近江高から多賀監督、山田主将、岩谷斉(ひとし)校長、武田弘和部長が出席。三日月知事、県議会の岩佐弘明議長、県高野連の樋口康之会長らが出迎えた。
 三日月知事は「センバツで準優勝したイメージが全国にあり、甲子園でも注目を集めるだろう。一つ一つのプレーを大事にし、一勝ずつ積み重ねて、滋賀初の優勝旗を目標に頑張っていただきたい」と激励した。
 山田主将は「滋賀大会で優勝しもう一度、甲子園に出場できる。次こそは日本一をつかみ取りたい」と誓った。最後には全員で記念撮影が行われた。
 なお例年は彦根市役所でも激励会があるが、新型コロナウイルスの感染防止対策のため、今年は県庁でのみになった。

彦根城の世界遺産登録の時期が2024年から1年先送りに

  滋賀県と彦根市は3日、彦根城の世界遺産登録の時期が2024年から1年先送りになる見通しだと発表した。先に手続きが進んでいる「佐渡島の金山」(新潟県)の来年の登録が困難になったためだ。
 文化庁から1日に滋賀県に対し、今年度は佐渡島の金山の推薦書を再提出するため、新たな国内推薦を行わないとの連絡があったという。県と市は6月28日付けで推薦書素案を文化庁に提出し「吉報」を待っていたところだった。
 佐渡島の金山を巡っては、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)が推薦書に対して「不備」を指摘。一方で、佐渡島の金山でかつて、朝鮮半島の出身者が強制労働させられていたと韓国がユネスコ側に主張していた。今回の措置を受け、国は来年2月までの推薦書の再提出を決定したため、当初予定されていた来年の登録が事実上なくなった。
 
県と市 説明要請
2025年以降に
 本来は、佐渡島の金山、彦根城、同様に推薦書素案を提出している奈良の飛鳥・藤原の3件について、改めて国内推薦を決めるため文化庁の文化審議会で話し合いが行われるはずだが、国は早々に佐渡島の金山の登録に向けた手続きを進めた。これに対し、滋賀県と彦根市には不信感があるため、県と市は今後、国にこのような状況になった経緯の説明を求めながら、1年後の2025年の登録を改めて目指す意向を示している。

2022年7月31日日曜日

軟式野球チームJBoy’s中学生の甲子園で初の全国制覇目指す

彦根市や長浜市などの中学生が多く所属する軟式野球チーム「JBoy’s」が県大会と近畿大会を制し、来月の全国大会に2年連続で出場。昨年は惜しくも準優勝だったが、今年は初の全国制覇を目指す。
 JBoy’sは2005年5月にHIKONE JBoy’sとして創部。現在は県内の中学生を中心に、彦根や長浜、東近江、近江八幡、大津のほか、岐阜など県外を含めた1年生21人、2年生5人、3年生20人が所属。彦根や多賀などで練習している。
 今期は春に行われた各地区代表の10チームによる全日本少年軟式野球大会滋賀県予選会で優勝。6月18日に奈良で行われた近畿ブロック予選会も勝ち抜き近畿代表になって、8月22日から25日まで横浜スタジアムで開催される「中学生の甲子園」と言われる全国大会への2年連続出場を決めた。JBoy’sは今年春の「文部科学大臣杯全日本少年春季軟式野球大会」にも出場している。
 主将で3年生の北川新大君(15)=長浜市=は「今年のチームは雰囲気がよくて、やる時はやるチーム。全国大会に出場できたのは控えの選手たちの支えが一番大きい」と話した。中心選手で3年生の池内蒼選手(14)=東近江市=は「全国ではできる限り点差をつけて逃げ切る野球をして、優勝を狙いたい」と力強く語った。

2022年7月25日月曜日

働く世代や子育て世代もボランティアに関心をもってもらう冊子・七色story発刊

 彦根市社協は、忙しい働く世代や子育て中の親にもボランティアに関心をもってもらうための冊子「七色story」を発刊。関係する団体からの配布希望を受け付けている。
 ボランティアに対して「時間的、経済的に余裕がある大学生や高齢者向け」というイメージがあるとして、それらの余裕がない働く世代や子育て中の親にもボランティアになる行動を暮らしの中に取り入れてもらおうと冊子作りを計画。
 市社協内の地域づくりボランティアセンターの沼波洋子さん(38)らが製作した。冊子のうち「あなたの暮らしにフィットしたボランティア」のページでは、「遊び仲間、友だちを作りたい」「毎日の生活に新しい出会いや刺激がほしい」「子どもと過ごす休日を充実させたい」など7項目ごとに合うボランティア活動の一例を紹介。
 「ボランティアにまつわるエピソード」のコーナーでは、実際にボランティアをした人たちが活動現場で起こったことや活動後の自身の変化を説明している。「なないろトーク」では働く世代・子育て世代の代表として株式会社いろあわせの北川雄士社長と、家事サポート業「あおいふき」の柳生麻里さんとの対談を掲載している。
 最後のページでは「琵琶湖の流木やレイクグラスを拾って工作する」「家の前から少し範囲を広げてごみ拾いをする」など、生活の中でのボランティアへの意識づけの大切さも呼びかけている。沼波さんは「ボランティアを身近に感じたり、暮らしのことを少し立ち止まって考えたりしてもらえる冊子ができたと思う」と話している。
 冊子はA4判、7ページ、フルカラー。500冊限定。冊子の配布希望は同センター☎0749(22)2821。

2022年7月16日土曜日

ヒトヲダメニスルカフェ「気軽に集って」

 彦根市京町2丁目に6月21日、飲食店「ヒトヲダメニスルカフェ」がオープン。オーナーの高橋悠馬さん(28)はダンス教室や塾も経営しており、習いに来る子どもたちや大人の憩いの場になっている。
 高橋さんは野田山町出身。大学時代からブレイクダンスを始め、国内外の大会で優勝するなど活躍。一方で大学卒業後には京都府宇治市内の小学校で教員を務めていた。しかし滋賀県の学力が全国で最下位レベルにあることを知り、帰郷後の2020年4月から小中学生向けの「悠々塾」を正法寺町で経営。京町2丁目のダンススタジオ「geiya dance studio」でダンスも教えてきた。
 
孤食の子に無料で食事提供
オーナーは塾とダンスも経営
 今年4月に悠々塾を京町2丁目に移転。ダンスや塾に通う子どもたちや幅広い年齢層の大人が気楽に休める空間を作ろうと、ダンススタジオと挟む場所にあった空き店舗にカフェを開店。「人をダメにするソファ」とも言われるビーズクッション8個を置き、店名にも採用した。テーブルとカウンターの席がある。営業時間は火水木が午前8時~午後8時、金土日が午前11時~午後10時。店長は南井怜奈さん(29)が務める。月曜定休。
 メニューはコーヒー、アールグレイ、ルイボスティー、フレンチトースト、フライドポテトなど。一方で、一人で食事をする「孤食」や経済的に苦しい家庭の子どもたちには特別メニューを無料で提供する。
高橋さんは「昼間は地域の高齢者や働いている人たち、放課後に子どもたち、夕方以降に飲食帰りの皆さんが気軽に集える場所になればいい。ちゃんとしなくてもいいカフェにしたい」と話している。問い合わせは同店☎070(4761)0798。

2022年7月13日水曜日

彦根駅西口ロータリー再整備へ 一般車両・タクシー・バスを区分け

 2025年に彦根市を主会場に滋賀県内で行われる国民スポーツ大会に向け、彦根市は彦根駅西口の駅前ロータリーの再整備を計画している。一般車両と路線バス、タクシーの出入りをそれぞれ区分けする方法で、来年度中の着工を目指している。
 彦根駅周辺地区都市構造再編集中支援事業の一環として、駅前ロータリーの約5400平方㍍のうち井伊直政の銅像以外のエリアを再整備する彦根駅西口駅前広場整備計画事業。
 
旧交番解体 公衆トイレ移築
ゴールドポストも 概算5億円
 県が土地を所有する旧交番や市有の公衆トイレを解体し、銀水前の約60㍍の道を幅約10㍍に拡幅して、ホテルサンルート近くの道までの区間をタクシーの出入り専用道路にする。これに伴い、旧交番の前のエリアはタクシー専用のロータリーになる。公衆トイレは銅像周辺に移築される予定。
 出迎えの一般車両用としては現在2つある横断歩道のうち北側を無くし、銅像前の歩道部分を道路に変更。これに伴い、大橋悠依選手の金メダル獲得を記念して設置されたゴールドポストや時計台、照明などが移築される計画。
路線バスは近江鉄道が所有する駐車場から線路沿いの道路、現在のバス停前に抜ける一方通行のルートに変更される。
 総工費は概算で約5億円。すでに昨年度までに実施設計を終えており、今年度は旧交番の土地や駐車場の一角を取得するため、滋賀県や近江鉄道と協議する。来年度中にも着手する予定で、2024年度末の完成を目指す。関連項目を馬場和子議員が13日の一般質問で取り上げた。

多賀大社周辺の飲食店や土産品店を紹介したマップ完成、滋賀県立大生デザイン

 多賀大社周辺の飲食店や土産品店を紹介したマップが完成した。デザインを担当した滋賀県立大学の学生たちが6月22日、多賀町中央公民館で完成を報告した。
 多賀観光協会は約20年前に同様の「多賀大社周辺散策マップ」を作成したが、飲食店や土産品店以外の店舗も載っていたため、観光客らからは「情報が多過ぎてわかりにくい」「おいしい店や人気の土産の販売店を知りたい」との要望が多かった。
 同協会はデザインを一新するため、多賀の魅力を発信する活動をしている滋賀県立大学の学生団体「Taga-Town-Project(略称=TTP)に依頼。同団体では人間文化学部4年で代表の小林すみれさん(22)と多賀町在住の宮野明日香さん(21)たちが「多賀・絵馬通り グルメ&おみやげ さんさくマップ」を、同学部を卒業した小幡悠矢さんが「多賀大社周辺散策マップ」をそれぞれデザインした。
 
「多賀大社周辺」
「絵馬通り」版も
 「多賀・絵馬通り」版は小林さんと宮野さんら学生5人が昨年6月から約1年かけて多賀町内の飲食と土産を扱う32店を巡り、メインメニューや人気商品の写真、紹介文、営業日、連絡先を掲載。マップには多賀大社や国登録有形文化財の建物、アケボノゾウ、町花のササユリなどのイラストと共に各店の場所を取り上げているほか、その下の欄では「糸切餅の三本線の由来」「多賀大社の杓子(しゃくし)」「村山たか女ら歴史上の人物」を説明した多賀の豆知識コーナーを載せている。
 「多賀大社周辺」版は和モダンと自然の緑色を基調にデザイン。多賀大社周辺の名所と「食べる」「買う」「泊まる」「その他」の場所を紹介。もう片面では広域マップとして、多賀大社、河内の風穴、あけぼのパーク多賀、胡宮神社、大瀧神社、高取山ふれあい公園の場所と説明文を掲載しているほか、彦根城や国道、高速道路のイラストを載せてアクセス方法を案内している。
 小林さんは「お店の方々も丁寧に対応してくださり、使いやすいマップに仕上がったと思う」と話し、宮野さんは「一人でも多くの方にこのマップを手に取ってもらい、多賀の観光を楽しんでほしい」と述べた。
 5000部ずつ発行。両マップとも多賀町内の観光案内施設や公共施設、掲載店舗のほか、彦根駅前の彦根市観光案内所にも置いている。

ウクライナ支援へ尾田洋一さん夢京橋キャッスルロードで募金活動

 ロシアの侵略を受けるウクライナを支援するため、彦根市野瀬町の尾田洋一さん(68)が金土日曜の日中、夢京橋キャッスルロードで募金活動をしている。
 ウクライナでの戦争が始まった2月末以降、その報道を目にするたびに「腹が立っていた」と言う尾田さんは「ふと、募金活動をしよう」と思い立ち、閉店前の飲食店「スイス」前で4月14日から5月29日までの休日(月曜)以外の毎日、募金活動をして21万6902円を集めた。
 スイス閉店後の6月3日以降は夢京橋キャッスルロードの宗安寺斜め前のスペースで金土日の午前11時から午後3時まで募金活動を実施。6月末までに1万3000円近くを集めた。募金で集まった支援金は在日ウクライナ大使館に振り込んでいる。
 尾田さんは看板やのぼり旗、ウクライナの国旗カラーのバッジを自費で購入し、バッジなどを募金の協力者に進呈。「ウクライナの一日も早い平和を願い、これからも続けたい」と協力を求めている。

2022年7月6日水曜日

視覚障害の塚本嵯貴さん社交ダンスに挑戦「将来は指導者に」

 彦根市立花町の塚本嵯貴(さき)さん(23)は視覚障害者でありながら社交ダンスに挑戦しており「将来は同じ視覚に障害がある人たちに教えられるレベルになりたい」と日々、練習に励んでいる。今月12日に文化プラザで開かれた競技会にも出場し、華麗なダンスを披露した。
 塚本さんは京都市内で生まれた時から先天性の難病に伴って視覚障害があり、左目が盲で、右目もほとんど見えない。2017年に両親と妹と一緒に彦根市内に引っ越したが、翌年に父を亡くし、そのショックから立ち直れない状況が続いた。
 昨年の初夏に彦根市松原の県立視覚障害者センターで社交ダンスに出会い、月1回のペースで習い始めた。そして昨年12月から県内の視覚障害者たちの社交ダンスの団体「チームアイ」に参加。講師の日野光江さん(63)=甲賀市=と西河健さん(60)=日野町=の指導を受けながら、東近江や瀬田などの公共施設で週2回ほどのペースで練習に励んでいる。文化プラザでの競技会「ダンシングギャラクシー滋賀」では西河さんとペアを組み、3種類のダンスを踊った。
 
「未来考え前向きに」
母「明るく、自信ついた」
 
 ダンスを挑戦し始めた理由として、塚本さんは「私の未来を考えた時、このままではいけないという思いがあった。前向きな気持ちになりたかった」と力強く話した。
 一般の社交ダンスにはスタンダードとラテンの部門で5種類ずつあるが、視覚障害者はそのうちのワルツとタンゴ、ルンバとチャチャチャの2種類ずつを踊る。塚本さんは「ステップがうまくできた時がうれしい。特に動きが速いチャチャチャを踊るのが楽しい」と笑顔を見せた。
 母親の佳奈映さん(53)によると、「娘はダンスを習ってから性格が明るくなった。やる気や向上心も上がっており、自信もついたと感じる。上位レベルは厳しい世界なので、できる限りのサポートをしていきたい」と話した。
 塚本さんは現在、最下位ランクのアマE級だが、「練習をがんばってA級になって、指導員の資格も習得したい。そして同じ視覚障害者に教えるレベルまでになりたい」と意気込みを語った。
 

絵本「へいわって どんなこと?」ウクライナ語に翻訳した滋賀大生が西中学校の放送室から動画配信

 絵本「へいわって どんなこと?」をウクライナ語に翻訳する活動をした滋賀大生たちが6月22日から計3回、彦根市立西中学校の放送室から校内向けに動画を配信。西中生たちに平和の大切さを呼びかけている。
 滋賀大学は以前からポーランドのヤギェウォ大学と連携事業を進めているが、このプロジェクトの中心的な存在を務めている近兼敏客員教授がロシアのウクライナ侵攻を受け、ポーランドと隣接するウクライナのドニプロ国立大学とも連携。絵本の翻訳の企画に賛同した滋賀大生の6人と日本語を学ぶドニプロ大生3人が4月中旬から1カ月ほどかけて、オンラインで話し合いながら浜田桂子さん著の絵本「へいわって どんなこと?」をウクライナ語に翻訳した。
 西中学校は生徒たちに平和の大切さを知ってもらおうと、絵本の翻訳に携わった滋賀大生による動画の校内放送を計画。学生たちは今月22日と29日、7月6日の朝に10分間、放送室で絵本の作成に至った経緯や平和への思いを生徒たちに向けて解説する。
 初日には経済学部3年の森本夏帆さん(20)とデータサイエンス学部の逢坂安曇さん(21)が来校。2人はウクライナとロシアの子どものイラストを手にしながら「戦争で苦しんでいるウクライナの子どもたちが未来に希望が持てるよう、絵本を翻訳しようと思った。ウクライナの大学生とオンラインで話すうちに、とても身近に感じるようになった。皆さんもウクライナで起こっていることを身近に感じ、平和やこれからの行動について見つめ直してほしい」と呼びかけた。
 司会を務めた放送担当の西中2年生の西畑穂美さん(13)は「爆弾の被害でウクライナの中学生が苦しんでいることを知った。平和の大切さについて改めて考えさせられた」と話した。西中では滋賀大生の3回の放送後、生徒と学生との意見交換を行い、平和についての活動を計画していく予定。

2022年6月27日月曜日

直木賞作家・今村翔吾さん金城小学校で「まつり旅」

 第166回直木賞を受賞した大津市の作家・今村翔吾さんが13日、彦根市立金城小学校で講演し、4年生から6年生までの児童324人に向けて、夢をかなえる方法を話した。
 
彦根に一時在住
ダンス講師時代
 今村さんは二十代の頃、家族がダンススクールの会社を経営していたことからダンスの講師をしていたが、その頃に南彦根で半年ほど、大薮町で3年ほど生活していたことを公表。「金城小の卒業生を教えていたし、10年ほど前には金城小で踊ったこともある」と明かした。
 子ども時代の思い出としては、小学5年生の夏休みに16冊セットの時代小説を読んだのを機に読書にはまったといい「その後、小中高校から20歳ぐらいまでに毎年、年間で100冊くらいは読んだ。そして中学生の頃には『自分で書きたい』、高校生の頃には『小説家になろう』と思うようになった」と述べた。
 今村さんはダンス講師だった時に、教え子だった高校2年生の女子生徒に言われた「(今村さんも)夢をあきらめているやん」との言葉で奮起し、作家を目指したエピソードを紹介。「2、3時間の睡眠で書き続け、2カ月で1冊のペースで発刊し、デビューから4年半で直木賞をとった」と語った。
 
努力・才能・運
小説の書き方伝授
 夢をかなえる方法としては①努力②才能③運をあげ「例えば才能がないなら、努力でカバーする。運は人との縁に関係があり、人とのつながりを大切にした方がいい。誰とでも仲良く誠実に付き合ってほしい」とアドバイスした。
 後半ではホワイトボードを使って「小説の書き方」を講義。童話の桃太郎を取り上げ、児童たちに意見を聞いて登場する動物などを異なる物に変えながら、新たな物語を創作した上で「小説などをつくる際に大切なのは話として破綻しないこと。そして読者におもしろいと思われないとだめ」と伝えた。
 講演会後、児童を代表して6年生の角田果巴(かのは)さん(11)は「私にも夢があるので、今村さんから聞いた夢をかなえるための3つのことを大切にしたい」と話した。
 今回の講演会は、今村さんが5月30日に守山市を出発して118泊119日かけて全国47都道府県を訪れ、読者や子どもたちに話す「今村翔吾のまつり旅」の58カ所目として開催。金城小で読み聞かせのボランティアをしている「びわこビブリオ道場」の北村惠美子代表の依頼で実現した。また講演会の開催を記念し、平和堂財団が直木賞受賞作品「塞王の楯」を含め今村さんの著書10冊を金城小に寄贈した。

 

県立河瀬中学高校文化祭で福島県の中高生作った菓子の販売と防災グッズ展

 県立河瀬中学高校は16日に校内で行った文化祭で、東日本大震災で被災した福島県の中高生が作った菓子の販売と防災グッズの展示を行い、復興支援と防災への意識向上を求めた。
 震災では地震や津波による被災のほか、福島では原発事故により避難生活を余儀なくされ、多くの県民が帰還できない状況が続いている。河瀬中学高校は震災から復興までの歩みや奮闘している被災地の生の声を知ろうと、「ふくしま『学宿(がっしゅく)』」と題した研修を2020年度から実施。
 初回のこの年は高校2年生の15人が福島でのモニターツアーに参加。昨年は新型コロナの影響でオンラインでの学習のみだったが、今年度は中学3年生から高校2年生までの約20人が8月22日から24日まで現地を訪問し、研修を受ける予定だ。
 河瀬中高は20年度の福島訪問時から現地のふたば未来学園中学高校と交流。文化祭に合わせて生徒会同士が話し合い、ふたば未来学園中高の生徒たちが作ったクッキーやマドレーヌなどの菓子5種類を河瀬中高で販売する取り組みを企画した。文化祭では計100個を用意したが、販売開始から30分で完売する人気だった。ほかに段ボールベッドや非常食などの防災グッズや震災直後を撮影した写真パネルの展示も行った。
 高校1年生の時からふくしま学宿に関わっている生徒会文化祭班長で3年生の峯田真裕さん(17)=東近江市=は「マスコミの報道では被災地の復興が進んでいるように思うが、現地と交流するとまだまだ進んでいないこともある。このふくしま学宿に関わって考え方が変わった」と話していた。

2022年6月22日水曜日

ひこね亀楽車の俥夫・中村哲也さん石田三成の人力車製作へ

 彦根市内で人力車を走らせている「ひこね亀楽車」の夫(しゃふ)の中村哲也さん(48)が、戦国武将の石田三成をテーマにして彦根を盛り上げようと「三成人力車」の製作に乗り出している。デザインが完成し、その製作費の支援を募っている。
 中村さんは2010年から人力車の夫として彦根市内を走らせており、彦根城天守が見える絶景スポットや城下町の穴場を巡る「彦根城下散策」コースを設けるなど、観光客を中心に市内の移動や名所巡りに貢献してきた。
 一方で市内では、「三成タクシー」や電気自動車の「いしだみつにゃん号」が走行し、「三成めし」が市内外の店舗で定着してきた。中村さんも人力車で宗安寺や千代神社、蓮成寺、妙源寺など佐和山城ゆかりの寺社を回る「三成散策」コースを設定。三成をテーマにさらに彦根を盛り上げ、将来的には三成の大河ドラマ化の実現を目指そうと、専用の人力車の製作を企画した。
 現在の井伊家にちなんだ赤を基調にした人力車2台とは異なり、3台目となる「三成人力車」は黒を基調にして、乗車席部分に三成の旗印「大一大万大吉」、後部に石田家の家紋といしだみつにゃんのイラストを取り入れたデザインに。三成人力車を走らせる場合、旗印などをプリントした法被やTシャツを中村さんが着る。運行開始は今年10月中の予定。
中村さんは「三成の新たなファンを作って、大河ドラマ化を実現できるよう、その機運を高めたい。全国の三成ファンにもこの思いを届け、彦根に来てもらいたい」と話している。
 
CFで資金募る
 
 中古の人力車の購入費とカスタマイズ代など計150万円をクラウドファンディングのキャンプファイヤーで今月11日から募る。リターン品は三成人力車を引く体験、三献の茶を飲む機会提供、人力車の後部への広告掲載、Tシャツなど。8月12日まで。問い合わせはひこね亀楽車☎090(8239)7855。

2022年6月14日火曜日

いしだみつにゃん号運行 近江や「三成の大河ドラマ目指す」

 戦国武将の石田三成のゆるキャラをイメージした電気自動車「いしだみつにゃん号」が完成し、5日に彦根市京町の千代神社で一般公開された。
 夢京橋キャッスルロードで居酒屋「近江や蔵」を営む若林政宏さん(60)が、石田三成を主人公にした大河ドラマの実現を目指し、その機運を高めようと企画。
 トヨタの一人乗りの電気自動車「コムス」(全長2㍍39㌢×幅1㍍9㌢×高さ1・49㍍)を、ゆるきゃらのいしだみつにゃん風にコーティングして完成させた。前方はいしだみつにゃんの表情が彩られ、サイドに旗印の「大一大万大吉」や三成を描いた墨絵、後部に近江やの商品の写真が貼られている。
 
千代神社で土日公開
弁当デリバリー時も
 平日は近江やの弁当のデリバリー時に市内で走らせるほか、土日祝日は三成ゆかりの千代神社の参集殿に展示。イベントへの貸し出しも受け付ける。試乗はできないが、見学自由。若林さんは「いしだみつにゃん号に乗って市内を周遊することで機運を高めて、大河ドラマ化を実現させたい。三成ファンの彦根への誘客にも貢献できる」と述べていた。
 千代神社はいしだみつにゃんとしまさこにゃんのイラスト入りの御朱印を500円で販売しているほか、三成の墨絵の御朱印もある。5日午前10時~はいしだみつにゃん号のお祓いを行う。布施宮司は「ゆるキャラを通して、石田三成について知ってもらえたら」と話していた。貸し出しなど問い合わせは近江や蔵☎(22)6728。

金亀公園多目的グラウンドの整備完了

 彦根市は金亀町の金亀公園多目的グラウンドの整備を完了させた。オープンを記念し、11日午前10時~開設式とプロ野球独立リーグの滋賀GOブラックスを迎えた野球教室を開催した。
 金亀公園の再整備事業に合わせて、2020年度に球場を解体し、翌年度から造成と球場跡地をグラウンド化にする整備工事を行い、5月31日に竣工した。広さは南北84㍍×東西77㍍の6500平方㍍で、高さ8㍍のフェンスに囲まれている。事業費は解体費を含めず約1億1000万円。一般の予約は今月13日以降でスポーツや各種イベントに活用していく。
 開設式ではひこにゃんが登場し、テープカットなどを行う。金亀公園の周辺では隣接する多目的競技場の人工芝化と、県の事業として歩道橋を年内に完了させ、歩道橋と金亀公園をつなぐスロープを年度内に新設。周囲の園路を来年度に整備して「第1期」の事業を終える予定。

 

2022年6月13日月曜日

滋賀飲料が市内外の名店の商品そろえた冷凍自販機2台設置ぱくぱくパーク

 彦根市本町の滋賀飲料は市内外の名店の商品をそろえた冷凍自販機2台を敷地内に設置。「ぱくぱくパーク」と名付けて先月17日から販売している。
 人気店の味を24時間、365日いつでも食べてもらおうと企画。商品ラインナップは、ラーメンにっこうのつけ麺・鶏白湯塩、らーめんチキン野郎のこってり野郎、千成亭の近江牛すじ煮込み、福のやのバスクチーズケーキ、eight hills delicatessennのソーセージセットのほか、ラーメン凪(東京都)のすごい煮干ラーメン・二郎系豚パンチ・博多とんこつ豚王、吉祥寺武蔵家の家系MAX、宇都宮餃子加盟店の八幡餃子を含め計8店の11商品。
 監修ではなく、各店で作られている本来の味が楽しめる。各商品、調理が必要。価格は500円~1100円。滋賀飲料の瀧圭介専務(42)は「この自販機を通して、食を楽しんでもらえるきっかけになればうれしい」と話していた。

彦根城世界遺産登録の機運醸成へ彦根青年会議所と彦根商工会議所青年部が関連事業を進めるため連携を強化

 彦根城世界遺産登録の機運醸成を目的に、彦根青年会議所(JC)と彦根商工会議所青年部(YEG)が関連事業を進めるため連携を強化。今月から秋にかけてイベントを開催していく。
 彦根JCは20歳以上40歳以下の31人が所属。彦根YEGは25歳以上45歳以下の86人が会員。彦根商工会議所の彦根城世界遺産登録推進委員会による今年度の事業計画の一環として、両団体は合同組織「企(たくら)み」を立ち上げて企画を立案。今年初めから協議を行ってきた。
 企画案はショートムービーコンテスト、モバイルスタンプラリー、熱気球体験とバルーン飛ばしなどを9月末にかけて開催する予定。
 彦根JCの横津優騎理事長(37)は「2024年の世界遺産登録に向けて、彦根の未来のために勇猛果敢に取り組みます」と述べ、彦根YEGの松下和雅会長(41)は「私たちの『企み』活動が地域活性化に繋がり、世界遺産登録への一助になれば」と抱負を語っている。

2022年6月11日土曜日

堀絵依子さん5作目のCD京しぐれリリース

 彦根市大薮町の演歌歌手・堀絵依子さん(本名・菱田英子さん)が5作目のCD「京しぐれ」をリリース。坂本龍馬の妻・おりょうの気持ちを歌った曲で「一途な女の思いを歌で表現した」と話している。
 堀さんは30年近く、作曲家の立花歌織さん=草津市=のレッスンを受けてきた。2009年に井伊直弼の側近だった村山たかをうたった曲「たか女」をリリースした後、13年と16年にもCDを発表。18年には袋町への来店客増に貢献しようと「雨の袋町」を制作した。
 5作目の「京しぐれ」は立花さんが作詞作曲。「明日の日本の夜明けを胸に逝ったあなたを恨みます おりょう哀しい京しぐれ」など、おりょうの龍馬への愛と死別への悲しい思いを歌っている。
 堀さんは「世の中を変えようと動いた男性を好きになって、必死に尽くした点でおりょうとたか女は似ている。一途な思いを抱いた女の思いを歌で伝えたい」と話していた。
 カップリング曲の「赤い糸」は立花さん作曲で、作詞を堀さんが担った。立花さんは4月27日の「京しぐれ」のリリースを前にした今年3月初めに他界した。堀さんは「CDの完成はうれしいけれど、悲しい思いもある」と吐露したうえで「立花さんに作っていただいた曲。気持ちを入れて歌っていきたい」と話している。
価格は2曲のカラオケバージョンが入って1350円。問い合わせは堀さん090(3826)7725。