2021年12月25日土曜日

平和堂・夏原平和会長が肺がんで死去

 平和堂は20日、夏原平和会長が同日午前1時19分に、肺がんのため死去したと発表。享年77歳だった。平和堂は遺族の意向を受け、自宅への弔問や供花などを辞退するとしており、後日「お別れ会」を開く予定。
 夏原氏は平和堂創業者の平次郎氏の長男として1944年に彦根市内で生まれた。同志社大学法学部卒業後、1968年3月に平和堂へ入社。チェーンストアのペガサスクラブへの出向、敦賀店店長、専務、副社長を経て、89年5月に社長に就任。2017年5月から会長兼CEOに就いていた。
 社長時代の1989年にはオリジナルのポイントカード「HOPカード」を導入し、翌年には東証一部上場を果たした。91年には女性の社会進出や人出不足を見越して惣菜加工会社のベストーネを設立。98年には平次郎氏の強い希望を受け、中国湖南省に出店。尖閣諸島の問題を巡って暴動が起こった2012年には現地の4店も被害を受けたが、現地に赴いて被害の確認と対策の陣頭指揮をとり、2カ月後には全店で営業を再開させた。
 会長時代の創業60周年を迎えた2017年にはビバシティ彦根の隣接地に新本部「HATОC」を竣工。部長を対象にした経営者育成塾など社員研修を実施し、社員の人間力育成に努めた。
 遺族の意向により、通夜や葬儀、告別式については近親者のみでとり行われる。お別れ会の日時や場所は未定。
 
「店はお客さまのため」
社員「会長の言葉忘れない」
 和田裕行市長は「商工業の振興のみならず、地域の発展に多大なる貢献をいただいた。市政についても気にかけていただき、まだまだご教示たまわりたいことが多くあった。突然のことで残念でなりません」とコメントを発表。
 県内のフレンドマートで店長を務める40代の男性は「会長の『会社は社会のためにある。店はお客さまのためにある』という言葉が忘れられません。常に従業員の幸せを考える偉大な方でした」と話していた。

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