2018年8月30日木曜日

全日本学童軟式野球大会で多賀少年野球クラブ初優勝

 高円宮賜杯第38回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントの決勝戦が25日、東京都内の神宮球場で行われ、彦根市内の小学生らが所属する多賀少年野球クラブ(以下、多賀クラブ)が、11対4で沖縄の根差部ベースナインに勝って初優勝した。翌日、多賀町内で練習していた部員たちに喜びの声を聞いた。
 多賀クラブは5月5日の県予選で優勝し滋賀代表となり、8月20日から始まった同大会でも順調に勝ち進んだ。決勝戦では1対2とリードされた3回、多賀クラブが連続長打で一挙7点を奪って逆転し、その後も追加点を挙げて勝利した。
 多賀クラブは2000年に同大会へ初出場し、準優勝2回、3位2回の成績だったが、12度目の出場で初めて悲願を達成した。辻正人監督(50)=多賀町=は「今年のチームは7人の投手を中心に走攻守がまとまっていた。子どもたちに『なぜこの練習が必要か』を伝えながら練習に取り組んできた成果が出た」と話していた。
 多賀クラブは近江高野球部出身の辻監督が20歳の時に創立し、今年で30年目を迎える。現在は彦犬地区を中心に小学1年から6年生までの29人が所属している。
 彦根市内からはいずれも6年生の市井柚希君=日夏町、石田頼君=同、田中颯良君=同、田中駿希弥君=西今町=らが通っている。主将の市井君は「自分たちの代で初めて優勝できてうれしかった」と話し、ほかの3人も「このチームは雰囲気が良くてとても明るいのが特徴です」と笑顔を見せていた。

2018年8月28日火曜日

文京学院大生の五街道ウォーク学生ら23人が彦根市内を散策

 文京学院大学(東京都文京区)の学生たちが、中山道など旧街道を駅伝方式で歩く「五街道ウォーク」が17日から行われ、20日には学生ら23人が彦根市内を散策した。
 同大学は1994年から学生の「自立と共生の精神の育成」と「人としての成長」を目的に、学生たちが2年に一度、五街道の一つを歩くイベントを実施。2010年までに東海道を制覇し、12年から今年にかけて中山道を歩く。これまでに他大学や実行委員を含めて延べ約4000人が参加している。
 11回目の今年は学生30人と教職員20人が実行委員となり、岐阜県美濃加茂市から京都市までを7区間に分けてウォーキングイベントを企画。17日に太田宿を出発し、美濃市、大垣市、関ヶ原町を経て、学生21人と教職員、その子どもが3区の彦根市に入った。20日朝に摺針峠でオープニングイベントがあり、鳥居本宿、彦根城、玄宮園を見学し、四番町スクエアと夢京橋キャッスルロードを散策した後、井上仏壇では金箔押しを体験。学生たちは自分の干支のかざり金具に金箔をつけていた。
 その後、彦根港にゴールし、約8・2㌔㍍の行程を終えた。実行委員で3区の区長を務めた沖歩美さん(20)=2年生=は「彦根は古い町並みがそのまま残っており、歴史を感じました。東京にはそのような場所があまりないので、いい経験ができました」と話していた。
 一行は22日に長浜、23日に近江八幡、24日に草津と大津をリレー方式で歩き、25日に大津から京都に向かって、全行程約151㌔㍍を制覇する。2年後には日光街道、2022年には甲州街道を歩行し、同大学創立100年の24年には富士山登山、26年には奥州街道を歩行する予定。

2018年8月27日月曜日

曖昧に終わった百条委員会

 市役所耐震化を巡る裏合意の真相を究明する百条委員会が終了した。市制初の百条委だったため、委員長が認める通り「難しさがあった」のかもしれないが、何とも曖昧模糊に終わった。
 元々、百条委が設置された理由は「どの職員が裏合意を主導したのか」「市長の関与は本当になかったのか」を究明するためだった。特に「主導」について、市が今年1月に市議会やマスコミに発表した報告書では、発表直前に辞任した川嶋前副市長にその責任を負わせ、マスコミ各社もその発表に沿った報じ方をした。
 しかし百条委の証人尋問では意見の食い違いが表面化。前都市建設部長の山本氏は「私と川嶋前副市長、企画振興部長、総務部長が話し合って決めた」と述べ、大久保市長は「川嶋氏と山本氏」と答えた。企画振興部長や総務部長も議会などで関与を否定した。
 一方で川嶋氏は、市の発表の「川嶋主導説」に対し「私が(裏合意を)発案した内容で作為的。あらかじめストーリーが描かれ、その流れから外れないよう作られたと疑念を抱いている」と批判。「(山本氏から)『仕様は変更するが、契約そのものは変わらない』と報告を受けて了承したのは事実だが、今から思えば矛盾する話だった」と答えながらも、裏合意への関与は否定した。
 そして7月11日に行われた5回目の百条委員会では、市が当初作成した報告書の製作過程において、前副市長の山根氏が関与していたことも市の担当職員から明らかにされた。
 結局、誰が裏合意を主導したのかの真相は明らかにされないままで、百条委の報告書では「証人尋問で証言に差異が生じたことは執行部の連携体制に不安を感じる」とのみ記した。
 ただ、百条委の唯一の救いは「市長のガバナンス(統治)機能の強化」を求めた点だ。裏合意の問題は山本氏や川嶋氏らが責められているが、市長の統治能力の欠如が最大の要因であり、30億円超(40億円超?)の大事業を山本氏ら担当職員に任せっきりにしていた責任を忘れてはならない。
 さて、百条委の会議や最近の議会、委員会を傍聴しての率直な感想だが、一部市議は誰を見て意見を述べているのか、と首を傾げざるを得ない光景を頻繁に目にする。
 先の百条委でも山根氏の関与を報告書に載せるか否かで委員の意見が対立し、最後は副委員長の八木嘉之議員の折衷案で収まったが、その一方で同じ会派の委員(議員)同士が上役の顔をうかがうかのように同じ内容の意見を述べていた光景は惨めだった。上役からの苦言の恐れや会派のメンツよりも、市民を向いた姿勢が議員諸氏にも求められていると苦言を呈しておく。【山田貴之】

庁舎耐震巡る裏合意の主導者わからず百条委員会終了

 彦根市役所本庁舎の耐震工事を巡り市と施工業者の裏合意を究明する市議会の6回目の調査特別委員会(百条委員会)が22日、鳥居本地区公民館であり、9月議会に提出する報告書についての議論が行われたが、裏合意が誰の主導で行われたのかなどの真相を明らかにすることはできなかった。
 岐建の当初の見積額と市の予定価格の差額が約10億円あったため、一部の市職員と岐建滋賀支店の間で別途工事や仕様変更などの裏合意が行われていたことが判明。入札時の条件の変更が地方自治法施行令違反にあたる可能性があるため、市議会は市制初の百条委員会を設置し、4月9日に第1回の会議を開催。以降の会議では岐建側と交渉した前都市建設部長の山本茂春氏や、前副市長の川嶋恒紹氏、大久保貴市長、岐建滋賀支店長を証人尋問した。
 報告書では、百条委の調査で明らかになった点として▽入札不調から仮契約締結まで一部の職員だけで断片的かつ抽象的な情報のやり取りに終始した▽予定価格は市の工事担当課で積算された金額で市長はじめ関係職員が疑わなかった▽随意契約を進める時点で地方自治法施行令違反を理解していたのは山本前部長だけだった―などを列記。
 百条委からの提言として「証人尋問で証言に差異が生じたことは執行部の連携体制に不安を感じる。本件のような方針転換を伴う公務執行については強度のチェックが必要」「関係部署間、市長、副市長との情報共有を図る体制の確立など市長のガバナンス(統治)機能を強化し、安定した市政運営に取り組むこと」などをあげている。
 また市職員と岐建滋賀支店との間での金銭の授受、市長の裏合意への関与などの「疑惑」については「それを特定する事実はなかった」と結論づけた。
 この日の会議では委員から、前回の百条委で一部市職員が市の報告書を作成する中で、前副市長の山根裕子氏の関与があったと証言した点を報告書に盛り込むよう要請があったが、結局「委員会の反省点」の項目に入れることで確認。百条委を終了することも了承された。
 委員長の西川正義議員は「証人の証言内容にかい離があり、真相を見いだすことはできず、その調査も難しかった」と反省を述べていた。今後は百条委として正式な報告書を作成し、9月議会に提出する運び。
汚染土壌除去費を可決
 彦根市議会の8月臨時会が21日あり、市役所本庁舎の耐震工事現場にある汚染土壌の除去費(1億3933万円)を盛り込んだ一般会計補正予算案が賛成多数で可決された。主な経費は、汚染土壌の運搬や残土処分など土壌の処理費9767万円や現場管理費1493万円など。市は9月から10月にかけて業者の選定と近隣自治会への説明会を行い、11月から来年1月にかけて汚染土壌を除去する。

2018年8月24日金曜日

台風20号で天秤櫓と佐和口多門櫓の漆喰壁はがれる


 台風20号の影響で、彦根城内など市内でも被害が出ている。
 市内では23日夜から24日午前にかけて暴風が吹いた。この影響で彦根城では重要文化財の天秤櫓東側の漆喰壁が幅約1・6㍍×高さ約2㍍にかけて、佐和口多門櫓東側の漆喰壁が幅約1・2㍍×高さ約80㌢にかけてはがれ落ちた。また表面の山道斜面の高さ10㍍の樹木が倒れたため、表門の山道が一時通行止めになった。

2018年8月23日木曜日

近江野球を手本に

 今年の近江高野球部は北村、林の投打の二枚看板に、捕手の有馬、外野手の住谷ら2年生選手が攻守で活躍を見せ、準優勝した2001年の83回大会で捕手だった現野球部コーチの小森博之さん(34)が「01年と雰囲気が似ていた」と話す通り、勝ち進むごとに実力が確実に上がっていた(一部敬称略)。
 だが、「甲子園には魔物がすむ」と語られるように、準々決勝の金足農戦は前日の3回戦で優勝候補の横浜を破った同校の勢いに押された感があった。また今大会はまさに金足農旋風が吹き、9回裏の無死満塁時は近江高アルプス席を除く内外野の来場者が金足農の応援歌に手拍子で応えるという、球場全体が異様な雰囲気に包まれていた。
 そんなアウェー感漂う中、最後は林・有馬の2年生バッテリーが飲まれたかもしれないが、試合後に野球部員の保護者が語っていた通り、小生も一野球ファン、一市民として「楽しい夏をありがとう」と部員たちに感謝したい。
 さて、今大会はプロ注目の金足農の吉田輝星をはじめ、一人で投げ抜く投手が注目された一方、近江の4本柱のように複数の投手が交互で先発したり、継投策で勝ち抜いたりするチームも複数校あった。
 確かに絶対的エースに頼って勝ち上がる光景はドラマチックであり、孤軍奮闘する雑草魂の精神を好む日本人の美的センスにもマッチするが、小生としては負担軽減のため、今年の近江高スタイルの方を推したい。絶対的エースからプロに進み、大リーグで活躍している投手もいるが、肩や肘を壊してプロで苦しんだり、プロに進めなかったりする選手は少なくない。
 将来ある高校生のために、高校野球はもちろん、野球に関わる皆さんにはぜひ、複数の投手を育てながら勝ち抜いていくスタイルを形成するようご尽力いただきたい。
 そしてもう1点、滋賀大会での各校の戦いや甲子園での近江高の全試合を観戦した感想として、滋賀の野球のレベルは確実に上がっており、全国でも上位クラスにあるのは間違いない。近畿で滋賀が唯一、春夏通して優勝していないと揶揄する声も聞くが、近江高の今夏の戦いを見る限り、その打破はそう長くかからないであろう。【山田貴之】

2018年8月22日水曜日

近江高 準々決勝で惜敗もアルプス席から感謝の声「楽しい夏をありがとう」

 第100回全国高校野球選手権記念大会の準々決勝が18日、阪神甲子園球場で行われ、滋賀代表の近江は秋田代表の金足農と対戦したが、2対3でサヨナラ負けした。2001年以来の決勝進出は果たせなかったが、目標にしていたベスト8を達成したため、敗戦後、近江のアルプス席からは「よくやった」「ありがとう」などの声があがっていた。
 この日は多賀章仁監督の誕生日で、試合開始直後はアルプス席の吹奏楽部から「ハッピーバースデートゥーユー」が演奏。野球部員たちからは「監督の誕生日に勝利をプレゼントしたい」と意気込む声も聞かれた。
 試合は1対1で迎えた6回表に4番北村恵吾選手が大会トップの12打点目となるタイムリーを放って勝ち越し。投げては5回から登板した林優樹投手が好投したが、最終回に無死満塁のピンチから2点スクイズを決められて逆転サヨナラ負けを屈した。

 1回戦から準々決勝まで近江高のアルプス席は、野球部員や保護者、OB、生徒、吹奏楽部、ダンス部(チアリーダー)らで連日3000人を超える満員だった。特にチャンス時に流れた「勝負に勝つのはどこですか」「優勝するのはどこですか」などのかけ声が特徴の曲「Fire Ball」は球場全体に鳴り響き、話題にもなった。
 1回戦の智弁和歌山戦で2本塁打を放ち、大会の顔の一人にもなった北村選手の父・哲也さん(50)は「甲子園では最高の活躍を見せてくれた。長く試合をして楽しませてくれて、ありがとうと言いたい」と話していた。
 大会を通じて好投を見せた林投手の父・雅之さん(47)は「テンポ良く投げられていて、観戦していて気持ちが良かった」と語っていた。
 「4本の矢」と称された投手陣をリードし、新主将になった有馬諒捕手の父・雅規さん(51)は「よくがんばったと思う。本当に楽しい夏でした。(2年生のため)来年もあるので、また甲子園で勇姿を見せてほしい」と笑顔だった。
 3回戦で代打出場しライト前安打を打った金田大聖選手=甲良町=は一塁のランナーコーチも務めた。父親の正広さん(47)は「自分のできることを精一杯やってくれた。チームの期待にこたえることができて良かった」と満足げだった。
 吹奏楽部やOBら約80人を指揮した部長の吉岡凜君(17)=彦根市平田町=は北村選手と1年から3年まで同じクラス。「試合ごとに応援団のテンションも上がり、選手たちにも届けることができたと思う。北村選手はクラスのリーダー的存在。会ったら『がんばったな』『すごかったよ』と声をかけたい」と語っていた。
 ベンチ入りメンバーのうち、北村、林、有馬、中尾雄斗、家田陸翔、瀬川将季、高島恵人の各選手が入っている青和寮の管理人・大石敏郎さん(74)は妻のつる代さん(59)と全試合を観戦。「ようやってくれた。帰ってきたらまずは『お疲れ様』と声をかけてやりたい」と話していた。

2018年8月21日火曜日

彦根仏壇青年部グループ柒+が作ったシリーズ自由壇をバーチャル体験できるアプリ開発

 彦根仏壇事業協同組合青年部のグループ、柒+(ナナプラス)のメンバーが仏壇の技を生かして作ったシリーズを「自由壇(フリーダン)」と命名。iPadやiPhoneの画面で自由壇の商品をバーチャルで体験できるアプリも開発し発表した。
 柒+は同組合に加盟する若手の職人らで平成23年2月に結成。仏壇や神棚などに代わる現代社会に合った商品作りをしており、これまでに20種類を製造。コンセプトの「自由な祈りの形」から自由壇と名付け、そのうち11種類を紹介したアプリを滋賀県東北部工業技術センター(長浜市)と共同で開発した。
 アプリでは商品ラインアップや詳細な情報を掲載しているほか、ろうそくや線香に火を着けたり、おりんを鳴らしたり、写真や戒名を自由に変更できたり、扉を開閉させたり、仮想的に体験することができる。
 記者発表した柒+は「このアプリで自由壇を体験していただき、本物の自由壇の購入を検討していただければ」としている。،m+は自由壇の商品やアプリを今月22日から24日まで東京ビッグサイトである「エンディング産業展」に出品する。

2018年8月20日月曜日

多景島、竹生島、沖島びわ湖三島巡りスタンプラリー

 近江鉄道グループの近江トラベルは琵琶湖にある多景島(彦根市)、竹生島(長浜市)、沖島(近江八幡市)を訪れると記念品を進呈する「びわ湖三島巡りスタンプラリー」を行っている。各島にある寺社や名所を紹介する。
 【多景島】
 彦根市の沖合から約6・5㌔㍍に浮かび、周囲が約600㍍の小さな島。弥生時代から島全体がご神体として尊ばれてきた。島内には明暦元年(1655)に琵琶湖に沈んだ人々と魚介類の供養のため、長浜の妙法寺住職だった日靖が開山した日蓮宗の見塔寺がある。
 見塔寺は、当時の彦根藩三代目藩主・井伊直澄が船と多くの人手を手配し、岩山の地に寺が建てられるよう、荒神山から土を運ばせ、必要な資材を運搬して建立。彦根城の裏鬼門の役割を果たし、釈迦堂には藩主や井伊家代々の位牌が安置されている。また直澄が父・直孝を供養するために建てた高さ約8㍍の石造七重層塔がある。
 島の端には、元禄5年(1692)日靖が命綱にぶら下がりながら「南無妙法蓮華経」の文字を刻んだという高さ約10・8㍍×横約7・2㍍の題目岩がある。桜田門外の変で彦根藩井伊家第十三代の直弼が暗殺された際には岩から鮮血をにじませたと伝わる。
 ほかに、明治維新の際に明治天皇が誓った「五箇条のご誓文」が五角形の面に刻まれている大正13年建立の高さ23㍍の青銅の塔「誓いの御柱」、日蓮上人像がある。
 【竹生島】
 「神の島」とあがめられ、琵琶湖八景の一つにも入っている。
 島内には、天平10年(738)に行基が弁財天を安置したのが始まりとされる宝厳(ほうごん)寺=写真=がある。寺内の唐門=国宝=は京都・東山の豊国廊の正門・極楽門を移築したと言われる。西国三十三観音霊場の第三十番札所で、日本三大弁財天の一つとしても知られる。
 都久夫須麻(つくぶすま)神社は本殿が豊臣秀頼の命で伏見の殿舎を移築された建物。本殿は狩野派の筆と伝えられるふすま絵や天井絵なども見られる国宝。宝厳寺とをつなぐ船廊下は、豊臣秀吉が乗った船の骨組みを利用して作られたとされる。
 投げた「かわらけ」を湖沿いに設けられた鳥居をくぐらせれば願い事が叶うと言い伝えられる。
 【沖島】
 近江八幡市の湖岸から沖合約1・5㌔㍍に浮かぶ周囲約6・8㌔㍍の大きさ。日本で唯一、淡水湖にある有人の島。万葉集に沖島に関する詩が登場することや、シジミ漁をしていた船から縄文土器や和同開珎が発見されたことから、古い時代から人の行き来があったことがわかる。保元・平治の乱(1156~59)で源氏の落ち武者7人が山裾を切り開いて居住したのが始まりとされる。
 島内には落ち武者の一人、茶谷重右衛門の末えいが蓮如に帰依し庵を建てたのが始まりと伝わる西福寺がある。寺宝には蓮如直筆の虎斑(とらふ)の名号とお経の正信偈(しょうしんげ)が残されている。ほかに、飛鳥時代末期から奈良時代初期にかけて活躍した貴族の藤原不比等が建立した奥津嶋神社、日本で唯一の湖上の島にある沖島小学校、沖島漁港が名所だ。
 多景島へは彦根港午後3時10分発、同4時20分着で、片道20分。大人1500円、学生証提示で中高大生1200円、小学生750円。赤備え船「直政」号の回遊コースは彦根港午前10時発で上陸せずに45分後に帰着。大人1000円、中高大生800円、小学生500円。
 竹生島へは彦根港午前9時半発と午後0時発、帰りが竹生島午前11時20分発と午後2時20分発。「直政」号は彦根港午前11時発と午後2時発、竹生島午後0時50分発と午後4時半発。大人3000円、中高大生2400円、小学生1500円。竹生島では拝観料として中学生以上400円、小学生300円。
 沖島へは近江八幡市の堀切漁港から沖島通船が出ている。所要時間約10分。出発時刻は堀切漁港が午前7時台が15分と45分・同8時台から午後5時台が15分・以降午後6時30分・同7時45分・同9時、沖島漁港発が午前7時台が5分と30分・午前8時台から午後5時台が00分・以降午後6時10分・同7時半・同8時45分。片道500円。各島と彦根港にあるスタンプカードを入手し、4カ所にあるオリジナルスタンプを押すと、間伐材の木はがき完島証とオリジナル缶バッチを進呈。引き換え場所は彦根港と沖島漁業会館。問い合わせは彦根港☎(22)0619。
小学生以下へびわ湖ガイド本
 オーミマリン彦根港ではお盆期間の11日から15日まで、待合室で子ども向けの船長服と船長帽の無料試着と記念撮影のコーナーを設けた。
 31日までは彦根港から乗船する小学生以下に琵琶湖について解説した冊子「びわ湖ガイド」=写真=が進呈される。

2018年8月15日水曜日

近江高 前橋育英下し3回戦へ 林投手好投で父「テンポ良かった」


 第100回全国高校野球選手権記念大会の2回戦が13日、阪神甲子園球場で行われ、滋賀県代表の近江高が第3試合で群馬県代表の前橋育英高と対戦。九回裏に有馬諒捕手(2年)がサヨナラ打を放ち4対3で勝利した。次戦は17日の第1試合で2001年以来のベスト8をかけ、静岡代表の常葉大菊川高と戦う。
 試合は一回に近江が先制したが、2回に前橋育英が3点を奪い逆転。六回に近江が3安打で一死満塁とし、3番・家田陸翔選手が左前に2点適時打を放って同点にした。3対3で迎えた九回裏、近江がクリーンナップで無死満塁のチャンスを作り、6番の有馬が中前に適時打を放ってサヨナラ勝ちした。
 投手は1回戦で好投を見せた佐合大輔投手(3年)が先発。1対3で迎えた四回から林優樹投手(2年)に代わり、6回無失点の好投で勝利に貢献した。

 近江高のアルプス席には近江トラベルのバス31台の1380人を含む3000人以上で満員となった。1回戦は県大会のコンクールと重なり応援に駆けつけることができなかった吹奏楽部の部員69人も参加。OB14人と一緒に8曲の応援歌を演奏し、アルプス席を盛り上げた。部長の吉岡凜君(17)=彦根市平田町=は指揮を担当。「1回戦に来られなかった分、応援に力を込めた。春のセンバツ時より曲が増えて違った楽しさがある」と話していた。
 好投を見せた林投手の父・雅之さん(47)は「テンポ良く投げられていて、観戦していて気持ちが良かった」と笑顔を見せた。
 サヨナラ打を放った有馬捕手の父・雅規さん(51)は「みんながチャンスを作ってくれて良い場面で回ってきた。打った瞬間は抜けてくれと思った。盗塁を刺すなど守備でも貢献できた」と喜んでいた。
 近江高野球部の保護者の藤居秀隆さん(39)は「素晴らしい試合が続いているので、この勢いでぜひとも滋賀県勢初優勝を」と話していた。

2018年8月12日日曜日

堀絵依子さん袋町歌った曲「雨の袋町」が完成

 彦根市大薮町の演歌歌手・堀絵依子さん(本名・菱田英子さん)が袋町をテーマに歌った曲「雨の袋町」が完成。「たか女」「ひこね音頭」の3曲入りのCDとして販売している。
 幼少期から歌が好きだったという堀さんは、24年前から作曲家の立花歌織さん=草津市=のレッスンを受けてきた。平成21年には井伊直弼の側近だった村山たかをうたった曲「たか女」を自主制作。昨年11月には袋町の飲食店が加盟する滋賀県社交飲食業生活衛生同業組合のメンバーと一緒に、安心安全な飲食店をPRするため時代衣装を着て袋町内を練り歩き、たか役を演じた堀さんは各店で歌声を披露していた。
 袋町への来店客増に貢献しようと、4作目となる「雨の袋町」を制作。「グラス相手にひとりごと 消えたあの男性いまどこに」などの歌詞で、恋した1人の女性がその男性を思って袋町で寂しく飲んでいる様子を表している。
 堀さんは「この曲を通じて、彦根はもちろん、ほかの地域や他府県の皆さんが袋町に訪れてくれるきっかけになれば。そのために私も歌い広めたい」と話している。CDは雨の袋町、たか女、ひこね音頭の3曲とカラオケバージョンが入って1200円。ジョイサウンド系のカラオケにも入っている。問い合わせは堀さん☎090(3826)7725。
 堀絵依子さんは、彦根城をテーマに昭和27年に作られた曲「月明り三十五万石」のカラオケの音源を制作。「多くの市民にこの曲を知ってほしい」と歌う場の提供を求めている。
 堀さんは、平成27年に市内で開かれたある市民の叙勲の祝賀会で、出席者がアカペラで歌った際に「月明り三十五万石」を知った。ビクターエンタテイメントから出された曲だが、カラオケの音源として残っていないため、堀さんは同社に許可を得た上で2年以上かけて音源を作った。
 「この曲は彦根に残る幻の名曲で、埋もれさせてはいけないと思っています。市民をはじめ多くの方にこの曲を知ってもらえるよう、広めていきたい」と話している。問い合わせは堀さんまで。

2018年8月9日木曜日

彦根鳶保存会内に新たな団体・八艘鳶の会が結成、はしご登り存続へ

 彦根市消防本部は3日、はしご登りを披露する彦根鳶(とび)保存会(中村藤夫会長)内に、演技者の新たな団体「八艘(はっそう)鳶の会」が結成されたと発表した。はしご登りを巡っては市消防団の役員人事の対立で、元副団長らが彦根鳶保存会内のはしご乗り手の会を解散、はしごも解体したため、その存続が危惧されていた。
 八艘鳶の会は新人2人を含む17人で組織。はしご1基を新調し、今後は計3、4基を作る予定。同会では「規律を重んじ、安全に配慮しながら練習を重ねたい」としている。11月3日のひこね城まつりパレードや新年の消防出初め式でのはしご登りについて、市消防本部では「八艘鳶の会が結成されたことで継続できる」と安どしている。
 市消防団の役員人事を巡っては、今年3月16日に内示された市消防団の人事で副団長3人と分団長1人が再任されなかったため、元副団長らが「断りもなく内示が出されたことに納得いかない」と憤慨。元副団長は、はしごを解体し、顧問を務めていたはしご乗り手の会を解散していた。

近江高が智弁和歌山高に7対3で勝利し2回戦へ

 第100回全国高校野球記念大会の一回戦が7日行われ、滋賀代表の近江高が2試合目に登場し、春の選抜大会準優勝で和歌山代表の智弁和歌山高に7対3で勝利した。2回戦は大会9日目の13日の第3試合に群馬代表の前橋育英高と対戦する(以下、一部敬称略)。
 試合は2点を先制された近江が4回に四番の北村恵吾のツーランホームランで同点。5回には七番の山田竜明のソロホームランで勝ち越すと、8回には北村がこの日2本目となるツーランホームランを放つなど3点を奪いリードを広げた。
 投手陣は地方大会で1回しか投げなかった3年の松岡裕樹が先発。3回以降は2年の林優樹、3年の佐合大輔の継投で智弁和歌山の強力打線を抑えた。9回には3年の金城登耶が四死球で満塁のピンチを迎えたが、犠牲フライの1点に抑えて勝利した。
 アルプス席は近江トラベルのバス27台の約1100人を含め、ほぼ満員だった。大久保貴市長も応援に駆けつけた。
 2本のホームランを打った北村選手の父・哲也さん(50)は、昨年の夏の大会で腰痛のためベンチ入りできなかったことに触れながら「四番の仕事をしてくれた。よくやったとほめてやりたい」と語った後、哲也さんの誕生日が先月だったことから「甲子園でホームランという、少し遅い誕生日プレゼントをくれた」と涙をふきながら話した。
 山田選手の父・正明さん(50)は「滋賀大会でホームランが打てなかったため、『甲子園では打ちたい』と言っていたので本人の念願がかなったのでは」と笑顔を見せていた。
 応援団長で3年生の茨木寿弥選手は「これで浮かれることなく、次の戦いが大切になる。目標はベスト8以上なので、もう一度気を引き締めて次戦に挑みたい」と力強く語った。
 近江トラベルは次戦もバスツアーを実施する。

2018年8月8日水曜日

甲良町の金田大聖選手に抱負聞く、応援団長にも

 5日に阪神甲子園球場で開幕する第100回全国高校野球選手権記念大会に、滋賀代表として彦根市松原町の近江高校が出場する。部員のうち、彦犬地区から唯一、18人のベンチ入りメンバーに入った甲良町の金田大聖選手(18)=3年生=に抱負などを聞いた。
 金田選手は身長180㌢、体重85㌔の恵まれた体格で、ベンチ入りメンバーでは最も大柄の一塁手。夏の滋賀大会では準決勝の近江兄弟社戦での代打出場のみだったが、持ち味の長打力を生かし甲子園では代打の切り札として登場する可能性がある。
 甲子園出場について、金田選手は「春の滋賀大会の決勝で敗れ、チームが一度リセットされたことで、一丸となって甲子園出場に照準を合わせることができた。最後の夏の甲子園になるので、その重みを感じます」と引き締まった表情を見せた。
 今年のチームの印象については4人のエース級をそろえた投手力をあげた上で「投手力に打線がつながれば、甲子園でも上位を狙える」と分析し、対戦したいチームに大阪桐蔭や星稜をあげた。
 甲子園では代打での出場になると思われるが「バットの芯に当たれば、どんな投手でもホームランを打てる自信があるので、活躍を見てほしい」「チームとしてはベスト8以上を目指し、全国制覇を果たしたい」と意気込みを述べた。

 アルプス席で応援団長を務めるのは3年生の茨木寿弥選手(18)=京都府綴喜郡。春のセンバツではベンチ入りし、副主将も務めた。
 夏の滋賀大会から応援団長に指名された。その時の思いについて茨木選手は「切り替えてやるしかないと思った。ほかの部員たちと一緒にチームが勝てるよう応援するだけ」と力強く語った。
 滋賀代表として出場することについては「近江高のアルプス席はすごいと思われる応援をしたい。吹奏楽部は全国的にも有名なので、一緒に盛り上げていきたい」と自信を見せ、「泣いても笑っても最後の甲子園になるので、部員、マネージャーの104人全員で100回大会の優勝旗を滋賀へ持ち帰りたい」と全国制覇を目標に掲げた。

花しょうぶ通り商店街に氷茶屋 百笑オープン

 彦根市の花しょうぶ通り商店街に、かき氷と甘味の専門店「氷茶屋 百笑(ひゃくわらい)」が24日オープンした。古い町並みに合ったレトロな雰囲気の店内で、素材にこだわったかき氷などを提供している。
 店主は中藪町の林豊さん(35)。8年ほど前に知人の紹介で訪れた岐阜市内の「茶屋赤鰐(わに)」のかき氷の味に感動。以来、東北や関東など全国各地の50店以上の有名店でかき氷を食し、店によって氷の質感やシロップへのこだわりなどに違いがあることを知った。約5年前に業務用のかき氷機を購入。試行錯誤を繰り返すうちに、氷の温度や削る刃の調節、シロップの種類などで食感や味に違いができることを把握したという。
 林さんが作るかき氷は、氷を薄く細かく削ってふわふわにした上で、季節に合った食材を使用するなど素材にこだわったシロップをかけるのが特徴。家族や友人、知人に食べてもらい、彦根ゆかたまつりに出店するなどして「自信を深めて、自分なりのかき氷を作れるようになった」ことから出店を決意。国の重要伝統的建造物群保存地区の花しょうぶ通りで物件を探し、旧常和園の1階部分を改装し、昭和時代のかき氷機や浮世絵など昔懐かしい物も展示した。
 店名の「百笑」は、林さんが好きな愛知県安城市の木工作家・森兵衛の作品(百笑(どよめき))からと、「来ていただいた方に笑顔になってほしい」との思いから命名。林さんは「レトロな雰囲気の中で、粋な食べ物のかき氷を食べて欲しい。冬場でも楽しんでもらえるよう、季節に合った商品を提供したい」と話している。営業時間は午前11時~午後6時。定休日は火曜。住所は彦根市河原3丁目4番25号。