2012年10月31日水曜日

浄土真宗 経本カバー東西版発売へ 浜ちりめんに製作提案、井上仏壇店

 彦根市芹中町の井上仏壇店と長浜市の浜ちりめん会社が、浄土真宗の経本のカバーを共同で開発。11月1、2日の両日、京都みやこめっせで開かれる全国仏壇仏具総合展示見本市の出展と同時に発売する。
 経本のカバーはこれまで流通していなかったため、井上仏壇店が浜ちりめんの新事業を展開しているシルクライフ・ジャパン(長浜市神照町)に製作を打診。
 カバーは高級シルク製で、浄土真宗の東本願寺派と西本願寺派のそれぞれの家紋を表面にあしらっている。色は紫、紺、抹茶の3種。大きさは横20㌢×縦26㌢。
 大八木興文堂(京都市)製の経本向けだが、反響を見てほかの出版会社にも対応させる予定。価格は1万2600円。経本とのセットも可。
 同店代表の井上昌一さん(45)は「浜ちりめんと彦根仏壇の伝統産業をコラボさせて実現した商品を使ってほしい」と話している。問い合わせは同店☎(22)1587。

2012年10月30日火曜日

現水展大賞に小田柿寿郎さん「過ぎた日々」

 日本最大の水墨画団体・現代水墨画協会(事務局・東京都豊島区)が主催する作品展(現水展)の審査会がこのほどあり、最優秀賞にあたる現水展大賞に彦根市河原の小田柿寿郎さん(65)の作品「過ぎた日々」が選ばれた。
 同協会は昭和36年に設立された現代水墨派を代表する団体。全国に役員と会員が計約250人、会友が80人おり、滋賀県をはじめ各地に支部がある。毎年10月に東京都美術館で本展(現水展)を開催している。
 滋賀支部長でもある小田柿さんはこれまでに13度出展し、秀作賞などを受賞。今回の最優秀の作品は今年6月に米原市吉槻の廃屋を描いたもの。
 今年の現水展は21日から28日まで開かれており、表彰式は27日にある。小田柿さんは「現代水墨の最高峰の団体から大賞をいただいたことに感激している」と話している。
 彦根・犬上地区のほかの受賞者は次の皆さん。▽秀作賞=津野幹子(日夏)▽奨励賞=小泉英子(大薮)▽初入選=久木幸子(太堂)、内藤悦郎(平田)▽入選=寺村真理子(日夏)、小倉昭子(西今)、澤村和子(大薮)、村木隆男(後三条)、丸山恭子(西葛籠)。

寶藤絵梨果さん全国障害者スポーツ大会・卓球で金メダル

 彦根市平田町の寶藤(たからふじ)絵梨果さん(長浜高等養護学校3年)は、岐阜で開かれた全国障害者スポーツ大会、卓球少年女子の部で金メダルをとった。
 寶藤さんは彦根中央中時代、卓球部に所属し団体戦で近畿大会に出場経験があり、高校でも卓球を続けたかったが、女子部員が少なかったため、陸上部に所属。
 昨年の全国大会は800㍍で銀、1500㍍で銅メダルを獲得。今年は念願だった卓球での出場を目指し、練習を重ねていた。
 昨年10月の県大会での成績や約半年間の育成会の練習態度などが評価され、代表選手に選ばれた。
 卓球一般の部には262人が出場し、障害の程度により8ブロックに分けられ、寶藤さんは19歳以下の女子知的障害の部で全勝。相手に1セットも取らせない圧勝ぶりだった。
 同校OBにはロンドンパラリンピック卓球の部に出場した木下佑輝選手がおり、寶藤さんは「2年連続のメダルは嬉しい。先輩のように国際大会に出場したい」と話した。

2012年10月29日月曜日

ドジャース傘下・西嶋一記投手 山内整骨院でトレーニング

 大リーグのドジャース傘下でメジャーデビューを目指している西嶋一記投手(23)=横浜市=が24日まで、彦根市中央町の山内整骨院(山内敏夫院長)に通っている。
 西嶋投手は横浜高を卒業後、明大を経て、平成22年11月にロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約。2年目の今期は傘下のルーキーリーグで8勝1敗の好成績だった。
 山内院長が先月30日に明大野球部を対象に講演し、その内容を聞いた善波達也監督が、帰国後あいさつに訪れた西嶋投手に同院をすすめた。
 西嶋投手は「さらにステップアップしたい」との思いから通院を決め、今月10日から泊まり込みでトレーニングや治療を受けている。山内院長によると、当初は利き腕の左肩が約2・5㌢、足の長さが1・5㌢ずれていたという。
 西嶋投手は「自分でも変わっているのが実感できる」「将来の夢は2、3年後にメジャーに昇格し、少しでも長く野球がやりたい」と話していた。
 山内院長は「野球をはじめ、どのスポーツ選手も肩や股関節がずれている。治療とトレーニングでレベルアップにつながる」と語っている。問い合わせは同院☎(26)7847。

2012年10月28日日曜日

彦根城堀の白鳥と黒鳥の風切り羽の切除作業

 彦根城内の堀にいる白鳥と黒鳥の風切り羽を切る作業が22日、金亀町の彦根城管理事務所の作業所で行われた。
 城内には内堀に白鳥6羽、黒鳥2羽、中堀に1羽ずつの計10羽いる。堀から飛び立たないよう毎年1回、羽の一部を切っており、昨年は7月に行われた。今年は夏に1羽の白鳥が約1㌔㍍先まで飛び、市民の通報で作業所の職員が捕まえるという出来事もあった。
 この日の作業には職員11人があたり、先週までに行った6羽を除く4羽に対し、1羽ずつ4人が抑え役となり、1人が羽を約30㌢、45枚ほど切り取った。「人間で言えば、つめや髪の毛を切るような感覚で痛みはない」(文化財課)らしく、作業後、白鳥たちは何事もなかったかのように水面を元気に泳いでいた。

2012年10月26日金曜日

みんなの党 江田憲司幹事長「官僚機構 打破する政治を」、彦根で講演

 みんなの党のタウンミーティングが21日、ひこね燦ぱれすで開かれ、同党幹事長の江田憲司氏が既成政党との違いや日本維新の会との関係などについて話した。
 江田氏はみんなの党の特徴について、「自民党は業界から、民主党は労働組合から支持を受けているが、みんなの党は一般の普通の人」とした上で「民主、自民とも基本的な政策で考え方が違う者が集まっているため、内輪もめばかりで何も政策が決まらない」「そこに乗じて出てきた官僚が作ったペーパーで決まっているのが、今の官僚国家・日本の正体だ」と指摘した。
 官僚機構については「官僚は欧米にならって教科書がある中では能力を発揮するが、今の日本は海図のない航路に出ようとしている」「官僚は前例にならっておれば安心する組織であり、新しい政策を進めるのは政治家でしかない」と説明。自身も元官僚で脱藩官僚の会を設立した経験から「官僚は政治家を騙すテクニックにたけており、その落とし穴にはまっている政治家が多い」「特に財務省に踊らされているのが今の民主党政権。しっかりとした人材を官邸に置き、官僚主導を打破していかないと」と解説した。
 日本維新の会との関係については、将来の連携に向けて政策協議を進めていくことで一致したと明かした上で、▽増税よりもデフレ脱却に向けた景気回復▽将来の原発ゼロ▽地域主権実現への道州制導入▽FTA、TTPなど開国―の4つを基本政策にあげた。
 講演後には来場者からの「同会代表の橋下徹大阪市長はどうも信用できないが」との質問に、江田氏は「好き嫌いはあるだろうが、彼は本当によく勉強している。目指す方向性は一緒であり、既成政党によるぬるま湯の永田町政治を共に変えていきたい」と答えた。
 なお次期衆院選では滋賀2区にみんなの党から、世一良幸氏(52)が出馬を予定している。

ゆるキャラまつり2012 経済効果 過去最高の4億8000万円

 ゆるキャラまつりin彦根実行委員会は22日、同まつりの経済波及効果が過去最高の約4億8000万円(前年度4億3000万円)だったと発表した。
 滋賀大学産業共同研究センターが平成19年度から23年度まで行った、市の観光に関する経済効果測定調査の結果を参考に算出。同調査による5年間の平均では、宿泊客一人あたりの消費額が2万2673円、日帰り客が4757円だった。
 これらの金額に、ゆるキャラまつりの開幕前日(19日)から21日までの宿泊総数3200人と、20・21日の日帰り客数8万5800人をかけて、経済波及効果を算出した。過去は平成20年が約2億円、21年が約4億5000万円、22・23年が約4億3000万円だった。
 来場者、経済波及効果とも過去最多になった理由について、同実行委では「天候が良かったこともあるが、5回目となり、ゆるキャラまつりが定着してきたためではないか」としている。
2日間で8万8千人
 「ゆるキャラまつりin彦根」が20、21日の両日、市内の商店街一帯で行われ、主催者発表の来場者数は2日間で過去最多の8万8000人(うち20日は4万人)だった。
 参加したゆるキャラは38都道府県とサイパンから過去最多の244体(昨年212)。夢京橋キャッスルロードと四番町スクエアに各キャラのブースが設置されたほか、3カ所のステージに登壇し5分間ずつPRした。ひこにゃんも毎時0分ごとに登場していた。
 銀座ではゆるキャラたちともちつき、花しょうぶ通りではスタンプラリーも開催。また21日には、むすび丸(宮城県)や、開運かなえちゃん(岩手県盛岡市)など東日本大震災の被災地のキャラに激励金が贈られた。
 被災地で支援活動をしている正村圭史郎さん(44)=彦根市本町=が連れて来たホヤぼーや(宮城県気仙沼市)も人気を集めていた。

2012年10月25日木曜日

みどり幼稚園 創立30周年 1200個の風船大空へ、ひこにゃんも祝う

 彦根市川瀬馬場町のみどり幼稚園(野村郁雄園長)は20日、創立30周年記念式典と祝賀会を開いた。
 同園は昭和58年4月に開園。今年4月時点で入園児3208人、卒園児2626人となっている。記念式典後には風船を飛ばすイベントが園庭であり、ゆるキャラまつりの中、ひこにゃんもゲストで参加。来場者と保護者、園児たちが約1200個の風船にメッセージを付けて、空へ飛ばすと歓声が起こっていた。
 彦根ビューホテルで開かれた祝賀会にはマスコミや行政関係者、卒園児、保護者ら約180人が来場。野村園長は「30周年をステップとして、今後も『心の教育』を中心に、『けじめのある子』『しっかりとがまんのできる子』『ありがとうと感謝できる子』を育てていきたい」とあいさつ。会場では、よさこい演舞やバルーンアートなども催され、子どもたちもその輪に加わって楽しむなど終始 和やかな雰囲気だった。

2012年10月23日火曜日

メガソーラー 五個荘に設置へ 年間発電量300世帯分、橋本不動産

 彦根市野口町の橋本不動産が、太陽光発電施設・メガソーラーを東近江市内に設置することがわかった。売電の開始は来年3月を見込んでいる。
 メガソーラーは、太陽光を利用して発電させる再生可能(自然)エネルギーとして、福島第一原発の事故を受けてソフトバンクが全国各地にメガソーラーを建設していることでも知られる。今年7月1日からは自然エネルギーでの発電の普及を目的に固定価格買取制度(FIT)の運用も始まっている。滋賀県内では建設業の昭建(大津市)が今年8月、湖南市にメガソーラーを建設する(売電は来年3月)と発表した。
 橋本不動産は、東近江市五個荘にある自社の土地1万4870平方㍍に、ソーラーフロンティア(昭和シェル石油グループ)製の太陽光モジュール6660枚を使用した発電所設備を整備。
 11月末に着工し、来年2月に完成、3月から売電を開始する予定。総事業費は3億5000万円。年間発電量は約300世帯分の110万㌔ワットを見込む。東近江市は早くからメガソーラーの誘致に積極的で、同社取締役の橋本健一さん(38)らは22日に同市を訪れ、西澤久夫市長に報告する予定。
 橋本さんは「エネルギー問題の解決に少しでも貢献しようと建設を決めた。設置完了後は小学生たちを招いた環境学習もしたい」と話している。

彦根翔陽高への新校 増築費10〜15億円 耐震補強時は8億円

 県教委が発表した県立高校再編計画案では、彦根西高と彦根翔陽高を統合して翔陽高内に新校を設置する案が示されているが、県教委は17日に文化プラザで開いた保護者対象の説明会で、新校設置時の施設建設費が10億~15億円かかるとの試算を初めて示した。
 西高OBからの「翔陽高への施設増築と校舎の耐震補強とでどれだけ費用の違いがあるのか」との質問に、県教委は「新たな教室、家庭科室、職員室など4階建ての鉄筋造りの建物を増築した場合で約10億円あまり。そこに体育館や大講義室などの整備を足していくと15億円ほどになる」と述べ、耐震補強の場合は「両校で約8億円」との試算を示した。また現在の翔陽高の15クラス・25の教室から、統合により27クラスにした場合の教室数については「36の教室が必要と考えている」とした。
 翔陽高のPTA関係者からの生徒数の増加による教室数や教員数が不足することと登下校時の交通安全対策の指摘に、県教委は「しっかりと対応できる面積や環境を考えていき、教員の数も授業ができるよう配置したい」「学校の前の道路は市道のため、彦根市と相談しながら対応していきたい」と答えた。
 彦根西高や湖北の統合対象校・長浜北高の跡地利用に対する質問に、県教委は「現在の地域コミュニティが崩れることがないよう、まちづくりについても市と決めていきたい」と述べた。
 今後の彦根での説明会は、保護者対象が▽25日午後7時~稲枝地区公民館▽11月2日午後7時~河瀬地区公民館、県民一般対象が▽11月4日午後2時~ひこね燦ぱれす。また計画案に対する意見は11月15日までに県教委教育総務課へ。問い合わせは同課☎077(528)4513。

2012年10月20日土曜日

ゆるキャラまつりin彦根~キグるミさみっと2012開幕

 今年で5回目となる「ゆるキャラまつりin彦根~キグるミさみっと2012~」が20日開幕した。市内の商店街一帯で21日まで行われる。
 今年、参加するゆるキャラは38都道府県とサイパンから過去最多の244体(昨年212)で、初参加は81体。20日に213体、21日に182体が参加し、夢京橋キャッスルロードと四番町スクエアに各キャラのブースが設置。ステージはキャッスルに2カ所、四番町に1カ所設けられ、5分間ずつ登壇しPRする。
 20日午後1時~は銀座商店街の平和堂駐車場でゆるキャラたちとのもちつき大会、21日午前11時~ゆるキャラと一緒にスタンプラリーもある。
 彦根からは、ひこにゃんをはじめ、ひこどん、ゑびすくん、カロム王子、カモンちゃん、ぎんにゃんなど19体が登場予定。ひこにゃんは毎時0分に登壇するが、彦根城と彦根城博物館でも登場するため、「遅刻」する場合も。
 被災地のゆるキャラは、むすび丸(宮城県)、開運かなえちゃん(岩手県盛岡市)の東北のほか、北関東からとちまるくん(栃木県)、ミヤリー(宇都宮市)、はぎまろ(茨城県高萩市)、ハッスル黄門(水戸市)。また、飛び入りでホヤぼーや(宮城県気仙沼市)が参加。ホヤぼーや以外には21日正午から激励金の贈呈も。開催時間は午前9時~午後3時。

豊郷小 開校時からのピアノ 修繕終えコンサート、加藤希央さん提案

 旧豊郷小学校で昭和12年(1937)の開校時からあったピアノ(※スタインウェイピアノ)の修繕記念コンサートが、21日に旧豊小の講堂で行われる。17日には修繕を終えたピアノが講堂に戻された。
 ピアニストの加藤希央(きお)さん(41)=愛知県安城市=が、平成21年9月5日に旧豊小を訪れた際、講堂でこのピアノと出会い、9月24日に名古屋ピアノ調律センター代表取締役の調律師・宮北春二さん(73)を連れて再訪問。このピアノがスタインウェイ社の1927年製であることが判明した。
 昨年5月に旧豊小で行われたチャリティーコンサートの時に、旧豊小を創設した故・古川鉄治郎の遺志を継いで同町の教育と文化・芸術の発展に貢献している財団法人・芙蓉会の古川博康理事長(65)にピアノの修繕を提案。芙蓉会では旧豊小の竣工75周年に合わせてピアノを当時の音色に復活させることにし、今年4月10日から同センター工房で修繕されていた。
 同センターでは宮北さんと社員5人が、スタインウェイ社の工場があるドイツ・ハンブルクから仕入れたピアノの弦など消耗品を交換したほか、響板やボディー、けん盤などを往事の姿に復元。修繕前は、本来のスタインウェイ社製からはほど遠いものだったが、約6カ月の修繕を経て、「現代の音楽にマッチする音色を取り戻すことができた」(宮北さん)という。
 17日に旧豊小の講堂に戻って来たピアノを弾いた加藤さんは演奏後、目に涙を浮かべながら「(ピアノは)長い眠りから覚めたように元気で、ここまで力のあるピアノだったのかと驚いている。講堂は素晴らしいホールで、このピアノはもちろん、ほかの色んな楽器にも合う場所だと思う」と話していた=写真はピアノを眺める加藤さんと宮北さん
講演と木管五重奏も
 21日は、午後1時~調律した宮北さんと、書籍「あったかいね、永遠の学び舎」の著者・上坂和美さんの講演後、同2時~コンサート開始。加藤希央さんらピアノとフルートなど木管五重奏により、ショパン・ポロネーズ第6番や日本の四季などが披露される。前売り2000円、当日2500円。申し込みは豊郷町観光協会☎(35)3737。
 ※【スタインウェイピアノ】ドイツで家具製造をしていたハインリヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェークが1836年にピアノを製作。その後、米国に渡り、53年にニューヨークにスタインウェイアンドサンズ社を設立した。同社のピアノは厚く強固な胴でしっかりと響板からの圧を支える構造が特徴。旧豊郷小学校のピアノは、大正末期にドイツ・ハンブルクのスタインウェイ社の工場で作られ、米国経由で昭和3年(1928)1月26日に大阪に向けて出荷された物。この年の5月30日、昭和天皇の即位礼の年に、寄付で講堂に設置されたという。

2012年10月19日金曜日

東北の被災地から、むすび丸 開運かなえちゃん 海の子ホヤぼーや ゆるキャラまつりに登場

 20日に開幕するゆるキャラまつりin彦根には、東日本大震災で被災した東北3県のうち宮城県の「むすび丸」と岩手県盛岡市の「開運かなえちゃん」が参加するほか、被災地で支援活動を続ける正村圭史郎さん(44)=彦根市本町=が、宮城県気仙沼市の「海の子 ホヤぼーや」を連れて来る。
 今年で5回目のゆるキャラまつりには国内外から過去最多の244体が参加。そのうち彦根以外のキャラで毎年登場しているのは10体で、その中にはむすび丸も入っている。むすび丸は宮城県の観光PRキャラクターで、おにぎりの顔と仙台藩の伊達政宗にちなんで甲冑を身につけているのが特徴。
 開運かなえちゃんは盛岡駅前商店街のシンボルキャラクター。同商店街の象徴・開運橋を帽子代わりにかぶった妖精をイメージ。
 海の子 ホヤぼーやは気仙沼市の観光キャラクター。ホヤの顔にホタテのベルトを巻き、サンマの剣を持ちながら、同市の特産品をPRする。
 3体は20、21日の両日とも登場予定。むすび丸と開運かなえちゃんはブースが設けられるが、「飛び入り」参加の海の子 ホヤぼーやは正村さんと一緒に商店街を巡回する。

洛南高・桐生祥秀君 陸上100㍍でジュニア日本記録、「夢は日本人初の9秒台」

 彦根市開出今町の桐生祥秀(よしひで)君(16)=洛南高校2年=が、岐阜国体での陸上少年男子A100㍍で高校新記録(ジュニア日本記録)となる10秒21で優勝。滋賀彦根新聞の取材に「4年後のオリンピックに出場したい」と抱負を語った。
 桐生君は、城陽小学校時代はサッカー部員だったが、足の速さがピカイチだったため、南中進学後は陸上部に入部。次第に頭角を現し、3年生の時には中学の全国ランキングで100㍍3位、200㍍1位になるほど成長した。
 洛南高では1年生の時の国体が100㍍少年Bで優勝(タイム10秒58)、今年5月のインターハイでは高2歴代1位となる10秒27の記録を収めた。1年生から2年生にかけて上半身を中心に体づくりに励んだことが成長につながったという。
 当初のジュニア日本記録は10秒23だったが、5日に行われた国体での桐生君の記録はそれを0秒02更新。桐生君は「これからもコンスタントに10秒2台が出せるよう、あせらずじっくりと0・01秒でも更新できるようがんばりたい」と述べた。
 4年後のブラジル・リオデジャネイロのオリンピックへの出場を目指し、今後はスタートやメンタル面を鍛えるといい、「夢は日本人初の9秒台」と力を込めて語っていた。

2012年10月18日木曜日

彦根・米原・長浜訪れ石田三成とゆかりの武将の家紋集めるスタンプラリー・三成の跡

 彦根、米原、長浜を巡りながら石田三成と三成ゆかりの武将の家紋を集めるスタンプラリー「三成の跡」の受付が13日から始まった。
 三成が登場する映画「のぼうの城」が11月2日に公開されるのに合わせて、びわ湖・近江路観光圏協議会の近江屋ツアーセンター(彦根市元町の湖東合同庁舎内)が主催。龍潭寺と石田会館(長浜市石田町)で三成、彦根城表門券売所で井伊直政、戦国丸で島左近、長浜城歴史博物館で豊臣秀吉、大通寺(長浜市)で小西行長など、12カ所でスタンプを受け付ける。
 そのうち3カ所以上でひこにゃんと三成くんのクリアファイル、7カ所以上で豪華賞品が当たる応募券が進呈。景品交換はビバシティシネマ、戦国丸、夢京橋あかり館、戦国大河ながはま館ときのもと館で。12月2日まで。
 問い合わせは同センター☎(23)0038。

映画・のぼうの城 公開記念の乗車券発売、近江鉄道

 近江鉄道は14日から、電車と賤ヶ岳リスト用の映画「のぼうの城」公開記念乗車券を販売している。
 電車は鳥居本駅から水口城南駅までの片道。彦根、米原、八日市などの各駅で930円。リフトは賤ヶ岳リフト出札口で760円。いずれも300枚限定。石田三成役の上地雄輔さんと成田長親役の野村萬斎さんの写真が写っている。通信販売の問い合わせは同社運輸課☎(22)3303。また、近江鉄道では今月から映画「のぼうの城」の出演者らをラッピングした電車を走らせているほか、車内ではロケ時の写真展もしている。

2012年10月16日火曜日

南三陸・田の浦のワカメ 滋賀県立大の学食で提供

 東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町の田の浦地区で収穫されたワカメを使ったメニューの提供が、彦根市八坂町の県立大学内の食堂で10日から始まった。
 同地区の女性たちが作るキャンドル「ほたてあかり」を企画・販売している県大生らによる田の浦ファンクラブ滋賀サポートチームが、同地区への新たな支援活動として企画。震災のことを学生たちに改めて考えてもらおうという狙いもある。
 同地区のワカメは地元の漁師たちが昨年秋から養殖し、今年4月末に収穫し加工したもの。そのうちワカメ8㌔とくきワカメ7㌔を県大の生協が買い取って食堂で提供することになった。メニューは酢の物、浅漬け、スープのほか、うどんやそばにもトッピングされる。食堂内では震災後の経過を追った写真や支援活動の様子のパネル展も。19日までの昼と夜(看護学部は昼のみ)。
 企画した一人の山形蓮さん(26)は「大学内でも震災に関する話題が少なくなっている。味わうことで、新たな支援のきっかけになれば」と話す。

彦根仏壇と大学生デザインのインテリア製品 試作品展示へ、職人グループ・柒+

 彦根仏壇の技と大学生の発想を融合させたインテリア製品の最終の試作品が完成し、17日から東京ビックサイトで開かれるインテリア・ライフスタイル・リビングに出展される。9日には市役所で試作品が公表された。
 開発したのは、彦根仏壇事業協同組合青年部に所属する井上(芹中)、大橋木工所(高宮)、つぼ忠(里根)、吉田松蔵商店(新)、井尻彫刻所(米原市)の5店舗によるグループ「柒+(ナナプラス)」。仏壇離れが顕著な子育て世代を中心にした家庭向けの商品作りを企画し、昨年9月には試作品12点を大阪での国際見本市に出展。その後、滋賀県立大学と成安造形大学の学生9人に各商品にあった仏具のデザインを依頼し、今年3月に彦根仏壇と長浜の黒壁ガラスの職人が作った仏具の試作品を発表していた。
 完成した試作品は各店2、3点の計12点。そのうち井上の「HAND BOOK」はひのきの板を手形に彫った折りたたみ式で閉じると祈る形に。吉田松蔵商店の「kasanei」は無地のガラスの中に色つきのガラスを入れた位牌。大橋木工所の「YAYOI」は3層構造の外見の中に木製の仏様が。
 出展は17日から19日まで。同団体では来年度の商品化を目指している。代表の吉田彰浩さん(43)は「今後もデザイン性に優れた若い学生たちの発想を取り入れながら、商品作りをしていきたい」と話している。

2012年10月14日日曜日

「ゆるキャラまつりin彦根~キグるミさみっと2012~」ガイドブック販売

 彦根市の商店街で20、21日の両日ある「ゆるキャラまつりin彦根~キグるミさみっと2012~」のガイドブックの販売が始まった。
 参加する国内外のゆるキャラ244体を地域別に写真入りで紹介しているほか、代表的なキャラの店舗やグルメ、彦根の商店などを解説。各キャラの設置ブースや開催エリアのマップも載せている。全ページカラー。昨年より1000冊多い6000冊発行。彦根市内の店舗(ゆるキャラまつりのウェブで案内)で販売。1冊500円。まつり当日に本部でも販売。

2012年10月13日土曜日

石田三成肖像画と安国寺恵瓊の板絵 龍潭寺が限定公開


  彦根市の佐和山一帯で14日に開催されるイベント・三成の戦(いくさ)=本紙11日付け参照=に合わせて、古沢町の龍潭寺は「石田三成肖像画」と「安国寺恵瓊(えけい)の板絵」を限定公開する。
 三成肖像画は、関ヶ原合戦300年を記念し明治33年(1900)に古戦場で営まれた法要で祀られた東西総大将の肖像画の1枚。合戦後、敗走していた三成を古橋村(長浜市木之本町古橋)で捕縛した田中吉政の子孫・左門が、三成の菩提をとむらうために、ゆかりの龍潭寺に奉納したとされる。絵師・岸勝の作。
 安国寺恵瓊は安土桃山時代の禅僧で大名でもあった。豊臣秀吉に仕えて伊予(愛媛)を治めたが、関ヶ原合戦では西軍につき、三成や小西行長と共に処刑された。「板絵」は約40㌢四方の大きさで江戸時代に描かれたとされる。甲冑を身につけ、いすに堂々と座る姿がカラーで彩られているが、顔の表情は色落ちなどで確認できない。作者や龍潭寺に伝わる理由は不明。
 龍潭寺では、三成肖像画は1年に数日公開しているが、恵瓊の板絵は「公開していない」という。入山料は小学生150円、中学生以上400円。
佐和山一帯で「三成の戦」

 石田三成と佐和山をテーマにしたさまざまなイベント「三成の戦(いくさ)」が、14日に彦根市の佐和山周辺で行われる。
 東山運動公園では、午前10時~オンライン三成会の田附清子さんと長浜城博物館の太田浩司さんによるトークライブ、同11時~キッズダンスユニットらによる戦国ライブ、正午~三成や秀吉に扮した武者やひこにゃん、いしだみつにゃんらが登場するステージ、午後1時~歴史映画の音楽ライブ、同2時~「のぼうの城」脚本の和田竜さんらによる「のぼうの城にみる三成像」。
 清凉寺では映画「のぼうの城」と佐和山城跡のパネル展。龍潭寺では非公開の石田三成肖像画と安国寺恵瓊の板絵の特別公開。佐和山山頂の本丸跡では戦国無双・石田三成の等身大パネル展。ほかに公園内ではサムライをテーマにした食や戦国グッズのブースも。龍潭寺以外は入場無料。

2012年10月11日木曜日

長曽根浜で流木20㌧回収 14日は松原で

 彦根市の琵琶湖岸に押し寄せた流木などの清掃作業が7日、カインズモール前の長曽根浜で行われた。
 先月18日の大雨の影響で大量の木が芹川や犬上川などから琵琶湖に流れ込み、浜に乗り上げた。清掃ボランティア団体・サラン彦根の十河勇一さん(49)=長浜市=らは県内外の団体らに協力を呼びかけ、回収と処分を行うことにした。
 作業には彦根市や犬上郡の住民のほか、大阪や京都、金沢などの災害ボランティア団体からを含む約50人が参加。午前9時に集合し、約100㍍の浜で約7時間かけて約20㌧の流木を回収した。
 作業には彦犬の中高生も参加。豊郷町の豊日中学校2年生の槇孝太郎君(13)は「予想以上の多さで作業は難しかったけど、きれいにしようという思いでがんばった」、彦根工業高校3年生の森亮太郎君(18)は「多くの人と一緒にきれいにすることにやりがいを感じる。今後も続けていきたい」と話していた。
 回収した流木は統一の大きさ(太さ5㌢以内×長さ60㌢以内)に切って分別した上で、9日に市清掃センターと中山投棄場に持ち込んで処分した。
 作業は14日も松原水泳場一帯で行われる。問い合わせは十河さん☎090(1675)7839。

県立高校再編計画案 河原教育長が説明 彦根・長浜訪れ

 滋賀県立高校再編計画案を説明するため、県教委の河原恵(さとし)教育長が9日、彦根市役所を訪れ、獅山市長らと会談した。
 今月1日に発表された計画案では、昨年の計画案と比べて彦根西高と彦根翔陽高の統合時期が2年先の平成28年度になったこと、学級数が9クラスに維持されたことなどに配慮がみられた。しかし両校のOBやPTA関係者からは、新校が設置予定の彦根翔陽高の施設が狭いことや教員数の増加が必要なことなどを問題視していた。
 会談は非公開で行われ、終了後の会見で、河原教育長は学級数9を維持したことを強調した上で、施設の整備や教員増の問題については「地域の方の意見を頂きながら、しっかりと踏まえて検討すべきことは検討し最終案を示したい」と述べた。市長は会談で、グラウンドや体育館、生徒全員が集まる教室が狭いことや教員増による施設の増築が必要なことをあげ、「設備投資も無しに学級数だけ増やすことには反対との立場を明かした」と語った。

2012年10月10日水曜日

井上仏壇店など京滋5社が関西伝統技法倶楽部設立 英国で商品化へ

 伝統工芸の技術を生かした商品をヨーロッパを中心に世界で販売していこうと、滋賀と京都の5社が「関西伝統技法倶楽部」を結成。県内からは彦根市芹中町の井上仏壇店(彦根仏壇)と甲賀市の丸滋製陶(信楽焼)が参加しており、今月14日から22日にはイギリスを訪れ、現地のデザイナーとのワークショップや店舗の見学を行った。
 日本の伝統工芸の技術を採用した商品をイギリスのプロダクトデザイナーらがデザイン・開発し、イギリスなどヨーロッパと日本を中心に世界各国へ販売していこうとする試み。
 中小企業庁のジャパンブランド戦略策定支援事業の採択を受けての4年間の計画で、今年度は調査と研究がメイン。来年、商品開発を行い、9月にロンドンで開かれる展示会へ出展し、再来年以降に商品展開をする計画。
 今月イギリスに訪問したのは同俱楽部代表で井上仏壇店店主の井上昌一さん(45)のほか、信楽焼、寝具(以下京都)、和傘、竹材の代表者ら6人。現地ではデザインを担当するイギリス在住の日本人デザイナー・石川俊祐さん(35)らから各分野の技術を生かした商品についての提案を受けた。彦根仏壇としては七職のうち、宮殿と金具の技術に関心が示され、立体物やナイフ・スプーンなどの商品化が提案されたという。
 井上さんは「イギリス在住のデザイナーが商品開発するということで、ヨーロッパで受け入れ易いすばらしい物ができると期待している」と話している。

2012年10月9日火曜日

劇場版「タイムスクープハンター」彦根城でロケ、要潤さんら会見

 来年公開の映画「タイムスクープハンター」のロケが2日、彦根城内で行われ、俳優の要潤さんや女優の夏帆さんらが彦根を訪れた=写真上=©2013 TSH Film Partners 提供
 タイムスクープハンターはNHKが平成20年から放送しているドキュメンタリードラマ風の歴史教養番組。初の劇場版では、テレビシリーズと同じ沢嶋雄一役に要さん、古橋ミナミ役に杏さんが登場。安土城焼失の謎に挑む。監督・脚本は中尾浩之氏。ほかの出演者は時任三郎さん、上島竜平さんら。
 滋賀県内では先月30日から安土城跡、西の湖、信長の館で、2日に彦根城の太鼓門櫓や西の丸広場で撮影が行われた。彦根を映画で盛り上げる会のメンバーら市民9人も野武士役などで参加した。
 撮影後、彦根キャッスルホテルで記者会見が行われ、要さん、夏帆さん、中尾監督が出席。滋賀の印象について、要さんは自身が香川県出身でうどん県副知事を務めることから、「滋賀もふなずし県にして、アピールすれば」と提案。夏帆さんは「琵琶湖の大きさにびっくり。地元の人も協力的で温かい」と話していた。

2012年10月6日土曜日

松原〜長曽根の浜 流木などごみ清掃 7日と14日

 先月18日の大雨の影響で、彦根市の長曽根から松原にかけた琵琶湖岸に流木など大量のごみが押し寄せているため、市民有志らは7日に長曽根地区の清掃、9日に回収物の運搬を行う。ボランティアも募集している=写真は4日午後1時
 彦根市によると、一帯に押し寄せた直後の浜のごみの量は約400㌧。環境ボランティア団体・サラン彦根の十河勇一さん(49)=長浜市=らは先月30日と1日に清掃する予定だったが、台風の影響で延期していた。7日に長曽根浜で収集と分別、9日に回収したごみを彦根市清掃センターと中山投棄場に持ち込む。
 7日の作業時間は午前9時~午後4時。集合場所はカインズ駐車場内のスターバックス付近。持ち物はゴム手袋、長靴、タオル、着替え、飲み物など。9日は午前8時ごろ~。松原水泳場での清掃作業は14日に。十河さんは「例え1時間でもよいので多くの人の手を借りたい」と話している。問い合わせは十河さん☎090(1675)7839。

いじめ撲滅へ「課題把握を」市教委が全校長に

 彦根市立の中学校で同級生の全裸姿の写真をネット上のサイトにあげるなどの行為で、男子生徒2人が逮捕されたことを受け、市教委は3日の校園長会議で、いじめに対する課題の把握に努めることなどを求めた。
 滋賀県警少年課と市教委によると、事件翌日に被害を受けた生徒が落ち込んでいることに担任が気づいて事実を把握し、その日に市教委に報告。市教委は写真がサイトにアップされたことなどを重く見て、「いじめが疑われる事案」と判断。中学校側に加害生徒が被害を受けた生徒を含めてほかにも同じような行為をしていなかったか確認するよう求めると共に、警察と連絡を取り合った。
 また中学校では今月1日に1~3年生の全校生徒を対象にアンケートを実施。いじめ行為はなかったとの結果だったという。
 一方で被害を受けた生徒は「いじめではない」と話していたが、保護者からの被害届けを受けて、県警は「(継続的な)いじめにつながる可能性がある」として、加害生徒2人を逮捕した。
中学校長「対応念入りに」
 加害生徒2人の校内での生活ぶりやほかのいじめの有無について、中学校の校長は滋賀彦根新聞の取材に「個人が特定されるため答えられない」とした上で「今後もいじめへの対応を念入りにしていきたい。加害生徒についても復帰し易い環境を整えたい」と述べた。
 市教委は校園長会議で、いじめの撲滅に向けて「更に児童生徒を観察し、課題の把握に努め、子どもたち自身でいじめを無くす取り組みを進めるなど工夫してほしい」と要請。今月中旬までに早期に把握できる対策を報告するよう指示した

同級生の全裸撮影しサイトに 彦根の中学生2人逮捕

 滋賀県警少年課と彦根署は2日、彦根市立の中学校で同級生の下着を脱がせるなどした暴行と強要の疑いで、男子生徒2人=いずれも14歳=を逮捕した。男子生徒2人ともおおむね容疑を認めているという。
 発表によると、男子生徒2人はほかの生徒2、3人と共謀し、9月19日午後1時20分~40分の昼休み時間、校内の空き教室に同級生を連れ込み、カッターシャツを引っ張るなど暴行をした上、ズボンやパンツを脱ぐよう強要。同級生がひざまでずらしたズボンやパンツを引っ張って脱がせたという。
 男子生徒の一人は全裸になった同級生を写真で撮り、アプリを使って女子生徒を含む約20人が閲覧できるサイトに載せたという。撮影された写真のサイト外部への流出はないという。

2012年10月5日金曜日

学校敷地確保と教員増「対応できる?」 彦根翔陽・彦根西の関係者指摘

 県教委が1日に示した県立高校再編計画案について、彦根西と彦根翔陽の同窓会長やPTA会長、獅山市長が同日、市役所で記者会見を開いた。
 市長は、新しい計画案が学級数の減少や3校の定時制廃止を無くしていることから「県と県教委がようやく常識的な感覚を取り戻した。統廃合は県と県教委の専権事項であり、甘受せざるを得ない」と一定の理解を示した上で、新校が9学級になることから「それに合う教育施設にするべきであり、両校の関係者、市、市教委の意見を聞いて、円滑に統合できるように検討すべきだ」と述べた。
 翔陽側からは同窓会会長の杉本定幸さん(51)が「子どもの数が今の倍に増えると考えると、周囲は交通量が多いためますます危険になるし、体育館も古く今の生徒の数だけでいっぱいいっぱい」、PTA会長の八谷啓子さん(47)は「総合学科というのは少人数が相手になる。そうなると教員数も必要になり、お金がかかる。敷地の狭さと合わせて、このような事情を県教委は知っているのか」と疑問を投げかけた。
 彦根西側からは同窓会長の藤田隆行さん(49)が「統合後の西高校舎・跡地の活用方法も示されていない。翔陽への増築や教員増で、本当に財政的に削減になるのか。そのようなずさんな計画に納得するには無理がある」、PTA会長の神谷紀子さん(48)は「なぜ西高なのか理由が見つからない。もう一度、白紙に戻し一から原案をつくってくれるよう求めたい」と述べた。
 会見の最後で市長は、今回の計画案に対する何らかの委員会を両校の関係者と設立する方針を示した。

彦根西・彦根翔陽 統合平成28年度に 学級数維持 彦根東定時制は廃止、県立高校再編計画案

 県教委は1日、臨時の教育委員会を開き、新しい県立高校再編計画案を発表。彦根西高と彦根翔陽高の統合時期を平成28年度にすることなどを示した。
 昨年7月の計画案では、彦根西の普通科・家庭学科と翔陽の総合学科を平成26年度に統合し、普通・商業・家庭の系列で編成した総合学科を彦根翔陽に設置。学級数については、現在の彦根西の4・翔陽の5から、6学級に削減する方針を示した。
 また彦根東、彦根工業、長浜北星の定時制を廃止し、新たに能登川高の全日制普通科を単位制にして、定時制普通科を設置。彦根工業は、現在の機械・電気・情報技術・建設・環境化学の各科から、機械科・電気科・建設科に改編し、1学年6学級にするーとしていた。
 一方で、1日に発表された計画案では、彦根西と翔陽の統合時期を2年先延ばししているほか、1学年を9学級と維持し、家庭科系列の実習施設を含む校舎を彦根翔陽内に新しく増築。新校名については両校の関係者らによる検討委員会で決めるとしている。
 定時制の廃止については、彦根東のみ平成26年度の入学者選抜から募集を停止し、同25年度の入学生が卒業する同29年度3月まで存続するとしている。彦根工業の学科変更は昨年の計画案のまま。
説明会と意見募集
 県教委は今月と来月に県内12カ所で、保護者と県民を対象に県立高校再編計画案の説明会を開く。彦根地区の日程は以下の通り。
 【保護者対象】▽17日=文化プラザ・定員250人・申し込み締め切り12日▽25日=稲枝地区公民館・120人・22日▽11月2日=河瀬地区公民館・100人・30日。いずれも午後7時~。【県民対象】▽11月4日午後2時~=ひこね燦ぱれす・250人・31日。申し込みは県教委教育総務課077(528)4513。
 また県教委は2日から、県立高校再編計画案を県や県教委のホームページなどで公表。広く意見を募っている。意見の提出先は県教委教育総務課。問い合わせは同課へ。

2012年10月4日木曜日

小野町太鼓踊り76年ぶり奉納に歓声

 彦根市指定無形文化財の小野町太鼓踊りが先月29日、小野町八幡神社で昭和11年以来76年ぶりに奉納。町外88人を含む146人が見学に訪れた。
 同踊りは豊作への感謝や神社の修繕の際に奉納された江戸時代から続く伝統の踊り。昭和11年以降は途絶えたが、同30年代に地元青年団が30分の短縮バージョンで復活。小野町太鼓踊保存会が平成19年に復元員会を設置し2時間の完成版の披露を目指してきた。
 76年ぶりに奉納した地元の小学生を含む23人は、昭和11年の写真を参考に新調された服装を着て、踊り子、鉦(かね)、音頭の3役に分かれ、行進の「道行き」で神社入り。「場ならし」を経て、「豊年踊り」「綾(あや)踊り」「こきりこ踊り」を休憩をはさんで披露した。鳥居本小4年の居川昂生君(10)と5年の林長琉君(10)は綾踊りに登場。終了後、二人とも「練習通り踊ることができた」と満足げだった。観客席からは踊りが終わるごとに大きな拍手が起こっていた。

とりいもと宿場まつり 雨の中も賑わう 冊子「鳥居本のさんあか」も


 彦根市の鳥居本町で30日、とりいもと宿場まつりが行われ、台風の影響で時折雨が降る中だったが、約600人(主催発表)が来場した。
 地元住民らによる鳥居本お宝発見隊主催で、今年で5回目のまつりには、中山道沿いの古民家などで、柿渋染め体験、シカ肉カレーの提供、切り絵や絵画展などが開催。特に地元で収穫された冬瓜(とうがん)やかぼちゃなどが入った三成汁は午前中に売り切れる盛況ぶりだった。
 当初予定されていた佐和山散策やよさこい演舞などは中止となった。
 鳥居本お宝発見隊はまつりに合わせて、かつての地元の名産品を紹介した冊子「鳥居本のさんあか」を発刊した。
 三赤は、有川製薬が江戸時代から製造する「赤玉神教丸」、江戸時代から昭和30年代まで作られた「鳥居本合羽(かっぱ)」、明治時代から昭和初期に生産された「鳥居本スイカ」のこと。
 冊子では、古図や、現在も残る建物・道しるべ、看板などの写真を載せながら、3つの赤を解説。ほかにも新しい名物を目指して、三成汁や仏生寺みそ、とりヰ餅なども紹介している。
 冊子は1000部作成。鳥居本交流センター「さんあか」に置いている。無料。

2012年10月3日水曜日

彦根西高の生徒と高齢者が交流

 滋賀県立彦根西高校(池州町)の生徒と地元の高齢者との交流会が26日、西高内で行われた。
 生徒の敬老意識とボランティア精神の向上を目的に毎年この時期に開催。17回目の今年は家庭科学科の3年生77人と地元の65歳以上の40人が参加。高齢者たちは、デザイン担当の生徒(36人)に教えてもらいながら、ウェディングドレスを着た女性の原画に色鉛筆で色を塗って額縁に入れて仕上げた後、食物担当の生徒41人が作ったふのすまし汁やかぼちゃのそぼろ煮などの弁当を一緒に食べて交流を深めた。
 生徒の藤崎百合子さん(17)=米原市=は「高齢者の方と接する機会がなく、最初は緊張したけれど、優しい方ばかりで、少しでも喜んでいただけたと思うとうれしい」。北村夭子さん(68)=城町1=は「孫にもこんな大きな子はおらず、普段は高校生とお話する事がないけれど、丁寧に親切に教えてもらって、とても楽しかった」と話していた。