2015年12月8日火曜日

寺村邦子さん著書 ギネス挑戦の「奮闘記」

 ギネス記録の挑戦イベントの主宰者として知られる彦根市尾末町の寺村邦子さん(60)が、これまでのイベントを振り返った著書「この指、とまって~!!ギネスのくんちゃん奮闘記」を発刊した。
 寺村さんは平成19年3月23日から31日まで鳥居本駅で行った182時間コンサートを皮切りに、毎年のように市内でギネス記録の挑戦イベントを開催。これまでに市内でギネス記録を9回成功させている。
 本では序章で、寺村さんの祖父で彦根城の桜を植えたことで知られる吉田繁次郎さんについて、第1章では最初のギネス挑戦イベントのきっかけになった音楽会について掲載。
 以降、第6章まではギネス記録を達成したイベントでのエピソードや、東日本大震災発生後に行った181種類の楽器での大合奏、認定団体のギネス社への不満などを記しており、文の中では本紙記者も登場する。
 寺村さんは13回目の挑戦として今年5月29、30日に彦根市立病院で市民持参の物を未来に残すタイムカプセルのイベントをしたものの、失敗に終わった。当時は本紙の取材に「もう、これが最後かな」と話していたが、本では「今まで参加してくださった皆さんからの励ましがいっぱいくるんですよ。(中略)そんなに年をとっても、テンションを上げて張り切る私がいるんでしょうね。ふふ、たのしみだな」と書いており、ギネス記録の挑戦に再び意欲を示している。
 最後のページでは家族の写真やこれまでの年賀状、彦根城の桜の写真も掲載している。本はB6判のカバー付き、181ページ。希望者には「カンパ」で提供し、集まった金は「復興ピアノ」の整備費に寄付する。
 問い合わせは寺村さん☎090(5152)3918。

2015年12月6日日曜日

彦根市議会11月定例会一般質問12月7日〜

 彦根市議会の一般質問が7日から行われ、20人の議員が登壇し、教育長の方針や副市長2人制などについて質す。9日までの予定で、インターネット中継もされる。議員と質問内容は次の通り。
 ▽安藤博議員=教育行政(教育長の方針、ホッケー場整備など)、インバウンド戦略。
 ▽奥野嘉己議員=彦根駅の観光客向け掲示、財政の長期見通し、小中学校の読書活動支援員、学校給食の残量調査。
 ▽北川元気議員=乳がん検診、認知症問題、新教育長の政策、行政の情報発信。
 ▽安澤勝議員=新教育長の方針、外国人の避難誘導、有害鳥獣対策。
 ▽夏川嘉一郎議員=農村の活性化、市民参加型のまちづくり、世界遺産登録。
 ▽小菅雅至議員=IT戦略、野良猫対策。
 ▽上杉正敏議員=福祉施設の充実を、公共下水道事業、地方創生戦略の推進。
 ▽山田多津子議員=マイナンバー制度の危険性、介護保険制度の充実、農業振興地域整備計画。
 ▽長﨑任男議員=河川改修、市南部開発。
 ▽赤井康彦議員=魅力ある図書館に、市制80周年事業、コミュニティスクールの推進。
 ▽谷口典隆議員=国体の取り組み(主会場など整備、副市長の役割)、全国一の福祉モデル都市の課題、彦根ブランドの戦略的発信。
 ▽辻真理子議員=産科再開に向けて、神宮踏切の改良工事、中学校の部活動指導。
 ▽山内善男議員=改正地方教育行政法の運用(教科書採択、歴史問題など)、TPPの撤退、放課後児童クラブの延長と指導員の待遇向上。
 ▽杉原祥浩議員=国体を迎えるに(種目選定など)、公共下水道、彦根市経済活性化対策住宅改修等促進事業。
 ▽八木嘉之議員=彦根市公共施設等総合管理計画の素案について、プレミアム商品券の発売を終えて、防災。
 ▽中野正剛議員=廃棄物処理、車いすに優しい公共施設、交通安全対策。
 ▽獅山向洋議員=市長の選挙公約、稲枝駅周辺の石炭の燃え殻処分、副市長2人制(新聞報道は正しいか、増員時の費用対効果、山根副市長への不信任ではなど)、庁舎耐震の増築、彦根駅東地区の官庁街構想、新体育センター。
 ▽小川喜三郎議員=障害児(者)の対応、神宮踏切の改良、子ども・若者プラン。
 ▽和田一繁議員=観光誘客の戦略(200年祭の検証)、世界遺産登録。
 ▽野村博雄議員=河瀬公園の整備。

2015年12月4日金曜日

西寺雅也教授「これからの地方自治と議会」をテーマに講演

 彦愛犬の市町議らを対象にした研修会が25日、愛荘町の愛知川庁舎で行われ、名古屋学院大学の西寺雅也教授が「これからの地方自治と議会」をテーマに講演=写真。彦愛犬の議長会が主催し、市町議と議会事務局職員の計約80人が聴講した。
 西寺教授は、27歳で岐阜県の多治見市議に当選して以降、市議を5期、平成7年から市長を3期務めた。市長在任中の自治体経営改革は「多治見モデル」と呼ばれている。
 講演の中でこれからの地方自治について西寺教授は、国や県に依存せずに市町単位で政策形成をしていく「自立」と、財政規律を確立して市町政の基本的な原則をつくる「自律」が必要だとした上で「人口減や少子高齢化、財政縮小などの地域課題が深刻化する中で、それらにチャレンジするための(市民)参加の仕組み作りが不可欠だ」と述べた。
 これからの議会の役割については「現在の議会は行政にすり寄る『口利き』を通して利益の配分を求めている」と批判した上で「本来、議会は市民と組んで、行政の長と拮抗する機関のはずだ」と指摘。さまざまな地域課題が深刻化していくため「時代は拡大から縮小へと転換している。行政改革や事業仕分けなど『選択と集中』が不可避であり、政策過程の全般に関して積極的に議会が関与する必要がある」と解説した。
 講演後の質疑応答で、彦根市議の一人からの「議会報告会に来場する市民の数を増やすには」との質問に、西寺教授は「無作為に選んだ市民に呼びかける方が多くの来場につながる。議会主催で『人口減』などテーマごとにタウンミーティングをするのも一つではないか」とアドバイスした。

甲良町は襟を正せ

 甲良町が今夏に販売したプレミアム商品券(以下、商品券)の問題がマスコミを賑わせている。
 事の発端は「町長や町議が商品券を大量に購入した」との情報が町議に寄せられたため。町議会では調査特別委員会を設置し、協議を進めてきたが、その過程で町長と議長の「大量購入」が判明。テレビのワイドショーまでが取り上げる事態に発展している。
 問題となっているのは、購入の際のルールとして定められた「1人2冊まで」を、町長と議長が「1人1回2冊まで」と思ったと主張し、町長が「5冊」、議長が「5、6回に分けて」購入したと表明していることだ。特別委では2人とも「余っていたため、残るといけないと思い買った」と弁明している。
 ルール違反を犯したため、町長や議長が責められるのは当然だが、販売を認めた町職員にも問題がある。甲良町ではこれまでにも談合や水道取水などでマスコミを賑わせてきたが、今回の商品券問題で、まだまだ町全体のネジが緩みっぱなしであるのを露呈させた。町長や町議、町職員は真剣に襟を正す必要がある。
 皮肉にも特別委が行われた25日には彦愛犬の市町議を対象にした研修会が開かれ、西寺教授が地方自治のあるべき姿などを話していた。詳しくは今日付の紙面で紹介しているが、「自律」と「自立」の地方自治に近づけないようでは、甲良町が他市町から置いていかれるのは火を見るよりも明らかである。
 ちなみに彦根市の場合、プレミアム商品券の購入は「1人1回2冊まで」のため、行列がなければ、大量購入も可能だという。    (山田貴之)

2015年12月1日火曜日

子どもに起業から精算まで商売学ばせるジュニアエコノミーカレッジ、ゑびす講で販売

 彦根商工会議所青年部が子どもたちに商売を体験させる「ジュニアエコノミーカレッジ」の最後の講習が22日、ゑびす講が行われていた中央町商店街であり、子どもたちが飲食品などを販売した。
 商売の面白さや厳しさを学んでもらおうと企画し、3回目の今年は市内の小学4年生から6年生までの29人が参加。一人2000円を出資し、4~6人ずつで6つの会社を設立して、商品企画、仕入れ、販売、精算を体験した。9月5、6日に一泊二日でセミナーを受講した後、今月8日の直前セミナーを経て、22日に実際に販売した。
 この日はグループごとにブースを設け、午前9時~タコせんべいやフランクフルト、ジャガバター、アクセサリーなどを販売。午後3時ごろには全ブースの商品がほぼ完売した。
 4人で「スマイルバード」という会社を設立しホットケーキやミサンガなどを販売した「社長」の小笹叶愛さん(11)=城西小6年=は「仕入れの仕方など難しかったけれど、販売は楽しかった。将来、社会に出た時に生かしていければいいと思う」と話していた。

2015年11月26日木曜日

地産地消給食等メニューコンテスト 彦根市立病院のメニューが農林水産大臣賞

 地産地消の食材を使った給食のコンテストで、彦根市立病院が応募したメニューが最優秀の農林水産大臣賞を受賞した。26日に東京都内で表彰式が開かれる。
 地域の生産者と消費者を結びつけて食糧自給率を向上させることを目的に、一般社団法人 都市農村漁村交流活性化機構などは「地産地消給食等メニューコンテスト」と「地産地消優良活動表彰」を実施。
 今年度で8回目となるコンテストには、学校給食・社員食堂と外食・弁当の2部門に全国から計129件の応募があり、学校給食・社員食堂部門の農林水産大臣賞に彦根市立病院の「初夏のメニュー」=写真=が選ばれた。
 市立病院は平成24年度から地産地消の推進を目的に、入院患者向けの給食に多賀の米や滋賀県産の野菜、果物を積極的に採用しているほか、季節ごとに年4回、地産地消イベントとしてすべての料理に滋賀県産の食材を使っている。
 初夏のメニューは、多賀の米、ビワマスの香草パン粉焼き、近江牛ミンチのそぼろ煮、彦根産キュウリの酢しょう油和え、愛東メロンソース付きのブラマンジェ。
 なお、地産地消優良活動表彰の地域振興部門の農林水産大臣賞には、東近江市のあいとう直売館が選ばれた。県内団体の大臣賞ダブル受賞は滋賀県初。

2015年11月23日月曜日

彦根城の外堀跡の一部 国の特別史跡に追加指定

 文化庁の文化審議会は20日、彦根市中央町から錦町にかけての彦根城の外堀跡を、国の特別史跡に追加指定すると答申した。すでに特別史跡に指定されている彦根城跡に外堀跡が加わることで、今後の世界遺産登録に向けた弾みになる。
 彦根城の外堀は城の防御施設として、築城後の元和(げんな)元年(1615)以降に芹川(当時は善利川)の支流を使って彦根藩単独で整備が始まり、中堀の整備を終えた同8年以降に完成。旧松原内湖から彦根城を囲み同内湖に戻る総延長約3・4㌔の長さで、堀の城内側には土塁が築かれた。
 外堀はマラリア対策として昭和20年代後半までに埋められ、土塁が現存するのは中央町のみ。中央町の土塁の大きさは、高さが城内側で5・5㍍、城外側で6㍍以上、南北の幅が23㍍、東西の幅が底辺18㍍・上部4㍍の台形型。
 特別史跡に追加指定されたエリアは民有地の土塁部分と、一部が市道になっている堀のあった部分の計約1305平方㍍。土塁部分が中央町で、市道部分が錦町に位置する。
 また特別史跡の追加指定に先立ち、外堀跡全体が土地の発掘調査の実施対象になる市の埋蔵文化財包蔵地になった。
 外堀跡としては中央町の土塁のほか、土塁の基底部分が長曽根口や蓮華寺(中央町)裏手、圓常寺(城町)の竹薮にも残っている。市教委は来月19日午後1時~文化財課の職員のガイドで探索する「外堀探検隊」を開催する。問い合わせは文化財課☎(26)5833。

大久保市長 2人目の副市長提案へ

 大久保市長が新たな副市長の人事案件を30日開会の定例会に提案する意向を示している。以前から人選を進めており、すでに現職の部長級の男性職員(60)に絞ったとの情報もある。
 平成23年3月23日施行の彦根市の副市長定数条例では副市長の定数が1になっており、現在は元ユネスコ職員の山根裕子氏(69)が副市長に就き、彦根城の世界遺産などを担当している。
 今月初めの本紙の取材に市長は「まだ決まっていない」としていたが、すでに副市長を2人にする人事案件を市議会に報告した模様で、条例の改正案を提案する予定。
 副市長の候補にあがっている男性職員は環境や福祉などの分野で活躍してきたベテランで、現在は市立病院に勤務。市内部の調整役にあたるとみられる。

2015年11月20日金曜日

彦根市立病院に憩いのスペース・こもれびのガーデンがオープン

 彦根市立病院の正面入り口近くに、樹木や花が植えられた憩いのスペース「こもれびのガーデン」が7日オープンした。
 市民有志団体「彦根市民健康サポーターズ倶楽部」と病院職員らによる「ラ・フルールの会」が、雑草が生えるなど整備されていなかったエリア約330平方㍍を小鳥の集まる場所にしようと計画。元々あったネムの木の周りに花を植えるなど、数年前から手作りで整備を進めてきた。
 ガーデン内にはアジサイ、バーベナ、シャガなど計約20種類の樹木や花が植えられているほか、テーブルやベンチが置かれ、歩道も整備されている。日中にはネムの木のすき間から太陽の光が差し込むこともあるため、ガーデンの名称に「こもれび」を取り入れた。初日には団体のメンバーらが集い、テープカットなどをした。世話人の一人で循環器科の医師・綿貫正人さんは「患者さんや市民、職員の憩いの場となり、皆さんの心が和む場所になればいい」と話していた。

昔の職人作った価値ある仏壇の情報募集、永楽屋が法人設立50周年で

 彦根市芹中町の永楽屋は「近江仏壇百選」と題して、昔の職人が作った仏壇を募集している。
 来年4月11月の同社の法人設立50周年に合わせて、価値ある仏壇が処分されることへの懸念と、昔の職人の技を改めて学びたいとの思いから企画。「先代や住職が良い仏壇と言っていた」「近所にすばらしい仏壇がある」などの情報を募り、同社職員が訪問して無料で診断する。
 価値があると判断すれば、写真撮影などを行い、冊子などの形で記録として残していく予定。同社では「価値がある仏壇を判断するのは難しいと思うので、気軽に連絡してください」としている。問い合わせは同社☎0120(23)1466。
 なお同社は彦根工場(甲良町)で9日まで彦根仏壇の製造工程が見学できる宝華展を開いている。

2015年11月18日水曜日

ものづくりの魅力 児童がマイスターから学ぶ、滋賀県職業能力開発協会

 彦根市立高宮小学校で6日、児童が大工や和菓子作りなどの仕事を体験する「ものづくりの魅力」講座が開かれた。
 滋賀県職業能力開発協会(大津市)が、古くから伝えられてきたものづくりの技とその魅力を子どもたちに知ってもらおうと企画。彦根で初めてとなった講座では、高宮小の6年生78人が和菓子、建築板金、畳、大工の4分野に分かれて、厚労省が認定した職人「ものづくりマイスター」の指導を受けて体験した。
 大工には児童17人が木製の高さ2㍍×幅2㍍×3㍍の家とウサギ作りに2グループに分かれて交互に挑戦。家作りを体験した児童たちはヘルメットをかぶり、ものづくりマイスターらの指示を受けながら木材を連携して運び、組み合わせて家の骨組みを製作。完成後はマイスターから工具の使い方を学んでいた。
 児童の岡田涼人君(11)は「実際に体験すると、実感がわいてきた。もっと色んなものづくりをしてみたい」と話していた。

彦根駅西口に新しい駅前交番が完成

 彦根駅西口に新しい駅前交番が完成し、6日に竣工式が行われた。
 旧の交番は昭和54年3月に建設されたが、耐震性に問題があったため新設されることになり、南側約100㍍の彦根市観光案内所(いらっしゃいませ館)隣の場所で、今年4月8日から新設工事が行われてきた。
 建物は鉄骨2階建て延べ約145平方㍍で、多目的室や女性警官用の部屋などが整備。外見は正面の屋根が彦根城の天守に似せた唐破風の形状になっている。1台分の駐車場や非常用発電システムなども設置されている。設計は水原建築設計事務所、施工は大輝建設。旧交番の用途は未定。
 女性の警官2人を含む6人が交代で勤務するほか、日中は警官OB1人が相談員として配置。竣工式で彦根駅前交番所長の御書一生警部補は「犯罪の無い安心・安全なまちづくりのために精一杯まい進していきたい」と決意表明していた。

旧広田家住宅・納屋七で大阪在住の画家・なかもとりえこさん作品展「すずめとかき」

 彦根市城町1の旧広田家住宅・納屋七(なやしち)で11日から、大阪在住の画家・なかもとりえこさん(40)が制作した作品展「すずめとかき」が始まった。市内のノゾミ保育園や彦根幼稚園、城西小学校の子どもたち約130人が描いた柿の絵も展示されている。
 今年7月に高宮町の「座・ギャラリー」でなかもとさんの作品を見た納屋七の番頭・水野攻(おさむ)さん(67)が納屋七での作品展を依頼したことから実現。なかもとさんは彦根入りした9日に、スチロール製の高さ約2㍍の柿の木と女の子、柿40個を作り、8畳の和室に柿の木を設置し、子どもたちが柿をイメージして描いた絵を付けて、なかもとさんが作った柿を天井からつり下げた。
 10日にはアクリル絵の具を使って縦5㍍・横2㍍の画用紙に、女の子が山の上に座って柿の皮をむいている様子を約4時間かけて描き、土間の上から設置した。なかもとさんは「彦根など地域の多くの人に見て頂ければうれしい」と話していた。
 展示は30日までの午後1時半~午後5時。21、22日休館。問い合わせは納屋七☎(29)5077。

2015年11月14日土曜日

彦根市の地域医療を守る会代表の川村啓子さん 著書「母の恋人松木先生、私の恋人村上先生」自費出版

 彦根市の地域医療を守る会代表の川村啓子さん(61)=佐和町=が、著書「母の恋人松木先生、私の恋人村上先生」を自費出版した。
 介護が必要になった母親・静江さん(享年89歳)が看取りで亡くなるまでの22カ月間におよぶ在宅介護の記録をまとめている。静江さんを診察した平田町の松木診療所の松木明院長と、「守る会」の設立の助言を受けた北海道岩見沢市で地域医療に取り組む「ささえるクリニック」の村上智彦院長を中心に、介護中に支援した個人や団体も紹介している。
 川村さん自身が寝食の暇もなく介護に励む様子や、松木院長ら医療・福祉関係者との関わりなど在宅介護の現実を時系列で掲載。電子書籍には無かった写真も追記している。
 川村さんは「多くの親は病院や施設で亡くなるよりも、自宅での看取りを希望しているということを著書で示したかった。将来、親の介護の必要性が出てくるかもしれない若い方にも読んでほしい」と話していた。
 本はA5判・160ページ。発行「ポンコツカフェ」。希望者には実費で販売。問い合わせは川村さん☎(24)6300。

稲部遺跡・稲部西遺跡から弥生〜古墳期の大規模集落跡、住居・祭祀・工房は県内初

 彦根市教委文化財課は11日、発掘調査中の稲部町と彦富町にまたがる稲部遺跡と稲部西遺跡から、弥生時代後期後半から古墳時代前期(2世紀~4世紀)の集落跡が発見されたと発表。15日午後1時半~現地説明会を行う。
 宅地造成工事に伴い昭和56年に稲部遺跡の約500平方㍍で第1次調査が始まって以降、市道芹橋彦富線・稲部本庄線の道路改良工事に伴って、平成25年7月から現在まで、稲部遺跡で第6次まで、稲部西遺跡で第2次まで調査が実施。これまでの調査面積は稲部遺跡が約4230平方㍍、稲部西遺跡が約2215平方㍍。今月末~年度内には稲部遺跡の約430平方㍍で第7次調査が行われる。
 稲部遺跡の第2次では弥生時代末~古墳時代前期における、地中に掘った穴に柱を立てて建設した掘立(ほったて)柱建物7棟(うち祭祀や政治に使われたとみられる独立棟持柱付建物が2棟)、青銅器鋳造の工房跡とみられる竪穴建物1棟、桃の種が入った井戸などが、第3次では弥生時代末から古墳時代前期の掘立柱建物5棟以上、周溝付建物3棟以上などが確認。また稲部の第2次~第6次と稲部西の第1次では弥生時代後期後半から末にかけての竪穴建物が延べ105棟見つかった。
 今年6月23日から行われている稲部遺跡の第6次では、古墳時代初頭から前期にかけて数回建て替えられた掘立柱建物跡が見つかっており、柱を立てた跡の穴が数カ所空いた直径1・5㍍の巨大な穴もある。柱の穴の上層部や付近のくぼ地からは計12個の桃の種が出土。桃は弥生時代に中国大陸からもたらされ、古代中国では不老長寿や魔除けなどの力を持つ神聖な果実だったとされるため、何らかの祭祀が行われていたと考えられる。
 居住空間、祭祀スペース、工房跡の「3点セット」が出土したのは県内初で、近畿でも珍しいという。また第3次で確認された溝の東側には祭祀に対応する首長の居住域が存在する可能性もあり、「4点セット」となれば全国初になるといい、第7次でその場所の発掘調査を行う。文化財課では「居住域の展開、祭祀域と工房域の様子がわかり、集落内の階層、社会構造の変化の様子を知ることができる集落遺跡だといえる」としている。
 奈良県立橿原考古学研究所共同研究員の森岡秀人さんは「弥生時代後期から古墳時代前期にかけて、近畿北部、近江湖南・湖東エリアが要の場所と考えていたが、稲部遺跡・稲部西遺跡はまさにその鍵を握る物証が重層的に見つかった遺跡群と考えられ、大変驚いている」とコメントしている。
 現地説明会の集合はみづほ保育園の駐車場に午後1時半までに。駐車はみづほ保育園と稲枝東小学校に。小雨決行。

2015年11月11日水曜日

滋賀レイクスターズ チアスクール彦根・南彦根校の子どもたち本番に向け練習

 プロバスケットボール・bjリーグの滋賀レイクスターズの試合が11月14、15日に彦根市民体育センター(松原町)で開催される。ハーフタイムには、市内のチアスクールに通う子どもたちも登場する予定で、本番に向けて練習に励んでいる。
 滋賀レイクスのチアスクールは、未就学児のキッズ1、小学1・2年のキッズ2、3年以上のジュニアの3クラスあり、ベルロードのコパンの彦根校に38人、ビバシティ内のコパンの南彦根校に13人(2クラス)が所属。チアリーダーのメンバーを講師に、毎週1回1時間ずつ練習している。
 彦根校のメンバーが14日、南彦根校のメンバーが15日に出場する予定。彦根校の北川穂乃佳さん(10)=城陽小5年=は「みんなと一緒にできるのが楽しみ。将来はレイクスのチアリーダーになりたい」、南彦根校の霜越優日さん(8)=城北小3年=は「当日はセンターで踊るので、がんばりたい」と話していた。

滋賀レイクスターズのチアリーダー彦根のカナコさんとレイナさんが抱負

 プロバスケットボール・滋賀レイクスターズのチアリーダーには彦根在住のカナコさんとレイナさんが所属している。今月14、15日の彦根開催を前に2人に抱負などを聞いた。
 滋賀レイクスのチアリーダーは今年で結成8年目を迎えるが、これまでで最多の13人が所属している。
 4年目のカナコさんはバレエを4歳から取り組んでおり、その技をチアリーダーにも発揮。昨年10月からはキャプテンを務めている。2年目のレイナさんは高校・大学とチアリーディング部に所属し、滋賀レイクスではバイス(副)キャプテンとして活躍している。
 チアリーダーの魅力について、カナコさんは「プロ意識の高いメンバーの中にいると、常に成長できる。女性としてはもちろん、人間的にも人の手本になれる精神面を鍛えられる」、レイナさんは「チアリーダーは一人では決してできない。仲間がいてできる。会場と一体感になれるのも魅力」と話していた。
 カナコさんは「生まれ育った彦根の皆さんの前で披露できることはうれしく思う」、レイナさんは「彦根では1年に1回しかない試合なので、是非見に来てほしい」と来場を呼びかけていた。
 チアリーダーは両日とも、オープニングや、ハーフタイム、タイムアウトなどの時間に随時登場する。

近江鉄道ワイン電車運行開始

  近江鉄道で2日から「ワイン電車」の運行が始まり、会社の同僚や女性仲間、カップルなどが乗車している。
 平成23年以来2回目の企画。白と赤の6種類のワインやワインベースのカクテル、ソフトドリンクが飲み放題。スペイン産の白のスパークリングワインで乾杯した後、米国・ドイツ・フランスの白ワインと米国・フランス・オーストリアの赤ワインの3種類ずつを飲み比べ、気に入ったワインのおかわりができる。ボジョレーヌーボーの解禁日の19日からは新酒ワイン5種類がメニューに加えられる。
 運行日は21日までの金・土曜と19日、22日。彦根発着便と近江八幡発着便があり、平日が夜、土日が昼と夕方の運行に。往復約2時間。料金は千成亭のオードブル付きで3500円、19日以降4000円。カツサンドやチーズの車内販売も。定員72人。申し込みは5日前までの平日に近江鉄道鉄道部☎(22)3303。

井伊直弼役・俳優の原田龍二さん務める小江戸彦根の城まつりパレード

 小江戸彦根の城まつりパレードが3日に開かれ、甲冑など時代衣装を着た約1000人が彦根城内などを練り歩き、観光客や市民ら計約6万5000人(主催者発表)が見学していた。
 今年は例年の子ども大名行列、子ども時代風俗行列、彦根町火消し隊、一文字笠列、市女笠列の例年の隊列に、井伊直弼公生誕200年祭に合わせて、花の生涯井伊直弼公列をグレードアップさせた「井伊直弼公行列」と「井伊家歴代当主行列」を加えた。直弼役は俳優の原田龍二さん(44)が務め、原田さんは沿道の声援に笑顔で応えていた。

2015年11月10日火曜日

井伊直弼懐石研究会の中尾英力さん 茶席での懐石料理を再現 埋木舎で

 井伊直弼が茶席で接待する際に提供していた懐石料理を再現したイベントがこのほど、埋木舎で開かれ、全国の茶道愛好家たちが作法を学んだ。
 富山県富山市で茶料理の仕出しをしている懐石「万惣」の中尾英力(ひでさと)さん(43)が直弼の人物像にひかれ、直弼が提供していた懐石料理を研究。昨年春には全国の茶道愛好家約30人と井伊直弼懐石研究会を設立し、各地で再現イベントを開いている。
 彦根では初めて先月28、29日に「井伊直弼の心を味わう会」と題して埋木舎で開催し、2日間で県外の茶道愛好家計31人が参加。中尾さんは、直弼が茶の接待時に曹洞宗の食事作法を取り入れた「真式懐石」について説明した後、実際に懐石料理を出し、懐石、点心、抹茶の順番で頂き方など作法を教えていた。
 直弼について、中尾さんは「安政の大獄などでのイメージとはまったくの真逆で、直弼の食事作法は食材の命が尊く、等しいことを教えており、世界平和を願っていることがよくわかる」と話していた。

井伊直弼流派の一会流樹聖会 子どもたちが埋木舎でお点前体験

 埋木舎で井伊直弼の流れをくむ茶道の教室が10月31日にあり、市内外の子どもたちが体験した。
 NPO法人ひこね文化デザインフォーラムが企画し、一会流樹聖会の代表・神野豊子さんが講師を務め、2回の教室に親子計32人が参加し、直弼が生活の大半を過ごした居間で体験した。教室では埋木舎当主の大久保治男さんが埋木舎での直弼の生活を説明した後、神野さんが茶道具や菓子の食べ方、茶の頂き方などを説明。直弼が描かれた掛け軸の前に正座で座った子どもたちは、それぞれの説明を熱心に聞いた後、実際に茶せんを使って茶を点て、ほかの子どもたちに差し出していた。
 体験した大久保さんの孫で小学3年生の忠眞君(9)は「茶道は難しかったけれど、最初、思っていた以上に興味を持つことができた」と笑顔で話していた。

井伊直弼茶道一会流神野社中と石州流井伊大老派 西郷社中がお点前披露

 井伊直弼公生誕200年祭の事業として、「大名茶会と花展」が24、25日の両日、彦根城博物館の木造棟で開かれ、両日で580人が参加した。
 24日には御客座敷で「井伊直弼茶道『一会流』神野社中」と御座之御間で「表千家流 外海社中」、25日には御座之御間で「石州流井伊大老派 西郷社中」と御客座敷で「表千家流 辻社中」のメンバーが出席。各流派の設立までの経緯や作法の仕方などを参加者に教えながら、お点前を披露した。茶が出される前の菓子には、9月に市内で開かれたひこね菓子選手権で選ばれた「かえりみち」「ひこすい」「ちゃかぽん」が出され、参加者がおいしそうに食べていた。
 また彦根城博物館前、旧西郷屋敷長屋門前、旧木俣屋敷前には花道8流派の作品も展示され、観光客らが写真撮影をするなど見学していた。

2015年11月5日木曜日

滋賀レイクスターズの選手とマグニーら彦根での試合に合わせ市長を表敬訪問

 プロバスケットボール・滋賀レイクスターズの選手たちが10月30日、11月の彦根市民体育センターでの試合に合わせて、市長を表敬訪問した。
 試合は11月14日午後6時~と15日午後2時~浜松・東三河フェニックスと行われる。市役所を訪れたのは、代表の坂井信介さん、ヘッドコーチの遠山向人さん、キャプテンの横江豊選手、ジュリアン・マブンガ選手、マスコットのマグニー、広報の倉田伸也さん。
 遠山さんは「今年は昨シーズンよりもおもしろい試合ができているので期待してほしい」と来場を呼びかけていた。最後の記念撮影時にはひこにゃんも参加した。

埋木舎の当主・大久保治男さん宅で、小膳(章男)が明治時代に催した直弼公の誕辰祭に関する史料見つかる

 彦根市尾末町の埋木舎の当主・大久保治男さん(81)=東京都文京区=は井伊直弼の誕生日の29日、直弼の側近で大久保さんの曽祖父にあたる小膳(章男)が明治時代に直弼の誕生日に催していた誕辰(たんしん)祭に関する史料の一部を滋賀彦根新聞に公開した。これまでに誕辰祭が行われていたのはわかっていたが、それに関する史料が確認されたのは初めて。
 埋木舎は直弼が17歳から32歳まで過ごした場所で、直弼死後は側役の小膳が拝領し、以降、大久保家が管理してきた。小膳は明治19年(1886)から亡くなる前年の同35年まで、直弼の誕生日にあたる毎年10月29日に、松原にある井伊家の下屋敷・お浜御殿で神式の誕辰祭を自費で行った。
 誕辰祭では、献茶、献花の儀、能楽の奉納があり、余興や福引きもあった。また松原村立小学校の全児童も誕辰祭に参列し、自作の歌を合唱したという。その歌詞は直弼自身が亡くなる前に詠んだ歌が使われている。
 大久保さんが今年9月初めに都内の自宅の書庫を整理していたところ、表紙に「故井伊直弼公誕辰祭祝賀會ニ関スル書類入」と書かれた箱を見つけ、中を確認したところ、誕辰祭の出席簿や寄付者の名簿、松原小の児童が歌った際の楽譜など約100点が入っていた。
 彦根城内では井伊直弼公生誕200年祭が開かれているため、大久保さんは「200年祭に合わせて見つかったのも何かの縁ではないか」と話していた。史料が入った箱は彦根城博物館に預けられており、同館は各史料を確認した上で目録を作成する。

2015年11月2日月曜日

ギャラリーコジマで絹衣デザイナー・野崎文子さん作品展

 彦根市銀座町のギャラリーコジマで11月3日まで、絹衣デザイナー・野崎文子さん(72)=長浜市三ツ矢町=の作品展が開かれている。
 野崎さんは熊本県天草市生まれ。東京で洋画家として活動していた平成5年に長浜市内で浜ちりめんで出会い、その後、長浜へ移住。以降、全国各地から新品の着物地を仕入れ、それを組み合わせて衣服などを制作。絹衣として、国内外でファッションショーや講演会を開催している。
 彦根では初めてとなる作品展では、男性も着ることができる衣服をはじめ、ポーチ、バッグ、ネクタイなど計200点以上を展示・販売している。開館は午前10時半~午後6時、最終3日のみ午後5時まで。

彦根市立病院の産婦人科に産科医2人着任へ8年ぶり医師の分べん再開へ

 彦根市は28日、産科医不足で医師による分べんを中止していた彦根市立病院の産婦人科に、産科医2人が12月1日付けで着任すると発表した。分べん中止から8年ぶりの再開に、市民からは安どの声があがっている。
 市立病院は平成19年4月に産科医が4人から一人になり、分べんを中止。翌年2月に院内助産所を開設し、制限を設けて分べんを扱ってきた。また平成20年度からは毎週水曜に県成人病センターの産科医の派遣を受け、金曜日には京都大学からも派遣を受けてきた。しかし現在まで、35歳以上の初産、帝王切開や逆子などリスクの高い出産、救急時は対応できない状況が続いていた。
 市立病院での分べんの取り扱い件数は産科医が4人いた平成18年度が525件だったが、一人体制になった翌年が0件となり、以降も14件~40件と続き、昨年度が34件だった。分べんを行った施設は、最近のデータで平成25年度に誕生した市内の子1056人のうち、市内の民間診療所と市外の医療施設が約半数ずつとなっており、市立病院では1割にも満たない。
 市や市立病院は平成19年度以降、県内外の大学病院を中心に産科医の派遣を依頼。平成22年1月に策定された県の地域医療再生計画でも市立病院での分べんの再開が明記された。また市議会や市内の女性で組織の「安心なお産を願う会」なども市や県に要望活動を展開してきた。
 市立病院に着任する医師は土岐利彦さん(60)=現・奈良県生駒市立病院産婦人科部長=と、高原得栄さん(53)=現・社会医療法人誠光会草津総合病院。いずれも主任部長(次長級)として就く。
 着任後は徐々に医師による分べんを増やしていき、平成28年度から当面は年間150件の取り扱いを目指す。院内助産所も当面は継続させる。また継続して若手の産科医の派遣も大学などに求めていく。
 市立病院の産科医が再開されることに、安心なお産を願う会の代表を務めた高居涼佳さんは「産科が再開されるのはとてもうれしく、ありがたく思います」と話していた。

2015年10月30日金曜日

認知症カフェ・HOTカフェんde銀座町の飲食店・小さな銀座にオープン

 認知症の人・家族や関心のある市民が集う認知症カフェ「HOTカフェんde」が29日、彦根市銀座町の飲食店「小さな銀座」=写真=内にオープン。認知症カフェが民間経営の店舗を借りる形で開店するのは県内初めてだという。
 福祉施設内にサロン的に集う認知症カフェはあるが、医療・福祉の関係者や認知症に関心のある市民らにも集まってもらおうと、NPO法人喜房会(後三条町)が市の補助を受けて新設することにした。
 店舗名のHOTカフェんdeは、認知症の人を「ほっとかへんで」から命名。認知症サポーター養成講座で講師を務めるキャラバン・メイトら計5、6人がスタッフとして入り、相談やイベントなどで交流を図る。今年8月23日に竹ケ鼻町のすみよしクリニックデイサービスセンター内にオープンした彦根市認知症HOTサポートセンターも認知症カフェの運営に関する助言を行う。
 認知症カフェのオープン時間は毎月第4水曜日の午前10時~午後2時半。問い合わせは喜房会☎(20)2312。

ドイツ留学中の田中瑶子さん 古楽器の演奏学ぶ

 彦根市船町の田中瑶子さん(27)=写真=は、古楽器で演奏するヨーロッパのバロック音楽にひかれ、ドイツのフランクフルトで腕を磨いている。
 田中さんは城東小、東中、河瀬高、同志社女子大学音楽学科を卒業後、ドイツに渡った。その約1年後の2010年10月に古楽器に出会い、奏者が楽しそうに弾く「自由なスタイル」にひかれ、古楽器の修練を決意。フランクフルト芸術音楽大学古楽科に入り、ヴィオラやバロックオーボエ、チェンバロを練習している。
 現在は同大学で学びながら、ヴィオラやバイオリンの教室、ヨーロッパ各地での演奏会に参加。大学が休みの期間は帰国し、彦根ゆかりの音楽家で組織の団体「エコーメモリアル・チェンバー・オーケストラ」などで活動している。今月19日には本町のスミス記念堂で演奏を披露した。
 田中さんは「これからもドイツで学びながら、音楽を通して地元で育てていただいたことの恩返しをしていきたい」と話していた。

2015年10月28日水曜日

井伊直孝の甲冑を再現し商品化へ 彦根商工会議所ひこねブランド開発委員会

 彦根のブランド作りを進めている彦根商工会議所内の「ひこねブランド開発委員会」が、彦根仏壇の技術を生かした甲冑(かっちゅう)を製作しており、年度内に試作品を発表する。
 同委員会は、地域資源を生かして都市間競争を勝ち抜くまちづくりを目指し、同会議所会員や大学教員、歴史研究家ら31人で昨年9月に設立。夜間イベント・祭りなど「集客」、地場産業を生かした「商品」開発、地域を学ぶ「生活」の3つのブランド作りを展開している。
 そのうち「商品」ブランドでは、彦根仏壇事業協同組合の協力を得て、江戸時代に甲冑作りが行われていた現在の仏壇街の職人の技を生かした本格的な甲冑の再現を2年計画で進めている。「井伊の赤備え」の中で最も美しいとされる二代・井伊直孝が着用していた甲冑を再現する予定で、かぶとや胴、こて、すね当てなどの基礎となる板金部分を滋賀県板金工業組合のおうみの名工らに依頼。かぶとを除く部分がほぼ完成しており、先日行われた七曲がりフェスタでも展示された。
 彦根仏壇の技術は七職のうち、塗師、箔押師、錺(かざり)金具師、木地師の技術を採用。かぶと部分の完成後、各職人が製作にかかり、来年2月末までに試作品が完成する予定。
 来年度は試作品の改良、展示会への出展などを経て、年度内には商品化を目指す。同委員会では「この甲冑プロジェクトは彦根を全世界にブランディングする足がかりになると期待している」としている。

福満遺跡から彦根初の5世紀の古墳

 彦根市教委文化財課は、小泉町で発掘調査中の福満遺跡の一部から市内で初めて5世紀代の古墳が確認されたと発表した。
 同遺跡は小泉町や西今町に及ぶ縄文時代から、弥生、古墳時代、古代・中世までの遺構で構成された複合遺跡。これまでに古墳の埋葬施設とみられる遺構や周濠(しゅうごう)とされる溝の跡などが確認。また近くの西今、須川、竹ケ鼻廃寺などの各遺跡からは埴輪片が見つかっている。
 今回は福満遺跡のうち、ひこね燦ぱれす北側の約1200平方㍍内の約400平方㍍で今年7月16日~11月6日の予定で発掘調査を実施。弥生時代末期~古墳時代初期(3世紀後半)の方形周溝墓1基や、古墳時代中期の終わり~末期(5世紀後半)の古墳(円墳)2基=1基の周濠内の長さ約25㍍=が東西に発見。そのうち東側の古墳は全周濠の4分の1を確認し、周濠の土からは円筒埴輪片、有蓋高坏(ゆうがいたかつき)・堤瓶(ていへい)など須恵器、土師器も見つかった。埴輪と須恵器は墳丘に置かれていた可能性が高いという。西側の古墳は長さ20㍍弱の大きさ。

 彦根市内ではこれまでに205カ所で遺跡が確認されているが、5世紀代の円墳が埴輪を伴う形で見つかったのは初めて。文化財課では「犬上川右岸地域における5世紀末の有力者層の古墳が明らかになり、市域の歴史を知る上で貴重な発見」としている。

2015年10月26日月曜日

城西小学校が博報賞と文部科学大臣奨励賞を受賞

 彦根市立城西小学校の地域学習が博報財団の最優秀賞・博報賞と文部科学大臣奨励賞を受賞。来月6日に東京都内で表彰式がある。彦根市立の小中学校では初受賞。
 城西小は学区内に彦根城があるため、平成24年度から総合的な学習の時間で歴史遺産を学習の中心に位置づけ、3年生が足軽屋敷やキャッスルロードの学習、4年生がちびっこガイドとして観光客を案内、5年生が彦根城を取り巻く環境の調査、6年生が茶道体験や狂言発表を行っている。
 博報財団は大手広告代理店の博報堂が昭和45年に設立した財団法人博報児童教育振興会。設立以降、全国で優秀な取り組みをしている学校に博報賞を贈っている。国語・日本語教育、特別支援教育、日本文化理解教育、国際文化理解教育、教育活性化の5部門を設置。
 46回目の今年は全国から81件の推薦があり、16件に授賞。城西小は日本文化理解教育部門で新潟県の柏崎市立高柳小学校と共に選ばれた。また文部科学大臣奨励賞は団体3・個人1が受賞し、そのうち1団体が城西小だった。表彰式には大澤厚美校長が出席する。

絢爛豪華な馬ぐるま 西川幸治・元滋賀県立大学学長宅に

 彦根市内の七曲り通りで10日から12日にかけて「七曲がりフェスタ」が開かれ、滋賀県立大学元学長で新町の西川幸治さん(84)宅と芹中町の神鳥雅次郎商店には馬ぐるまが展示された。
 馬ぐるまは彦根の商家の風習として、家督を継ぐ総領息子の宮参りの時に母方の親元が贈っていた台車の付いた木製の馬の人形。宮参りの後には主に節句飾りとして使われたが、大正時代になって別の節句飾りが普及したことで、次第に無くなっていたとされる。七曲り通りでも3軒でしか確認されていないという。
 作られた時期は、近江郷土玩具研究会の藤野滋さん(58)によると、神鳥雅次郎商店のが明治20年ごろで、西川さん宅のが昭和4年だという。そのうち西川さん宅のは当時のままの絢爛豪華な装飾品のほか、纏(まとい)も残っている。
 西川さん宅の会場では西川さんが自宅の庭で馬ぐるまに乗っている子どものころの写真も展示。西川さんは「馬ぐるまに乗って宮参りした記憶はないが、節句の時に自宅に飾っていたことは覚えている」と話していた。

滋賀大学陵水新聞会の学生に聞く新聞の役割・将来像

 滋賀彦根新聞は新聞週間に合わせて、滋賀大学陵水新聞会の中塚裕哉さん(22)、谷清隆さん(20)、田中遼さん(20)=いずれも3年生=に、これからの新聞像などを聞いた(以下、敬称略)。
 【新聞への印象】
 ◇ 中塚=最近では安全保障法案に関して、賛否両派の新聞はそれぞれの立場で一辺倒の報道に終始し、あおろうとしている姿勢が見え見えだった
 ◇ 谷=地方紙と全国紙3紙を読んでおり、一つのニュースについて比べるように心がけている。新聞はインターネットの情報と違い、自分に興味のない事も知ることができる
 ◇ 田中=大まかに見たい人はインターネットで十分だ
 【新聞の役割とは】
 ◇ 谷=日ごとに起こった出来事をまとめた総合的な情報紙。また問題を提起する最も良い媒体
 ◇ 田中=第一は情報を伝えるものだが、広告面も貢献している
 ◇ 中塚=読者が新聞を見た時に、各新聞がそれぞれのニュースをどのように伝えたいのかがポイントだと思う
 【これからの新聞像】
 ◇ 谷=割高感があるわりには興味の無い記事も載っている。社会面だけ、地域面だけ、というオーダーメイド型の新聞にしては
 ◇ 田中=範囲を狭くして、より掘り下げてはどうだろう
 ◇ 中塚=記事の切り売りは反対。総合的に情報提供をする姿勢はぶれて欲しくない。例えば、朝日新聞のように、(別刷りの)GLOBEやbeなど新しい着眼点の折り込みを一緒にするのも一つだ
 【新聞への思いなど最後に一言】
 ◇ 中塚=新聞作り一辺倒だけでは難しい。地域の課題の解決に向けた活動などに注目していくことからスタートしていく必要がある
 ◇ 谷=学生をはじめ、活字離れが進んでいる。もう一度、紙面を読む習慣になるようにしていければ
 ◇ 田中=現時点よりいかに上積みさせるかを考えないと。学生をはじめ、読みたい新聞作りを心がけるのが重要。(聞き手=山田貴之)

ご当地キャラ博の経済波及効果が約5億5000万円

 17、18日に彦根市内で開かれたご当地キャラ博の実行委員会は19日、経済波及効果が約5億5000万円(昨年同額)だったと発表した。
 滋賀大学社会連携研究センターが平成25年度まで調査・分析した観光客ら一人あたりの消費額を参考に、彦根商工会議所が推算し、公表した。
 それによると、同センターが平成19年度から同25年度の消費額から算出した平均額は、宿泊客が2万2160円、日帰り客が4645円。今年のキャラ博時の宿泊客数は前日の16日が1870人、17日が2156人、18日が1364人、来場者数は18日が3万7000人、19日が6万人だったとされていることから、宿泊・日帰りのそれぞれの人数と消費額の平均額から算出した。
 今年は2日間とも晴天だったため、経済波及効果も前年度に続いて5億円を超えた。

2015年10月22日木曜日

ご当地キャラ博in彦根2015 9万7000人来場、ふなっしーも急きょ登場

 ご当地キャラ博in彦根が17、18日に開かれ、両日とも晴天に恵まれ、17日に3万7000人、18日に6万人(いずれも実行委発表)が来場した。

 17日は夢京橋キャッスルロードと京橋口駐車場に42都道府県の156ブースが設置され、市内のゆるキャラ13体を含む192体が参加。京橋口駐車場と四番町スクエアの駐車場には特設ステージが設けられ、都道府県ごとにゆるキャラたちが登場し、ご当地PRをした。
 京橋口ステージのこの日の最後には井伊直弼公生誕200年祭を記念し、城や直弼ゆかりのゆるキャラたちが登壇し、200年祭をPRした。
 また文化プラザのグランドホールではふなっしーの特設ステージ発表もあり、全国からのふなっしーファンが1000人以上詰めかけた。
 18日は42都道府県の149ブースが設置され、185体が参加。全国各地から前日以上の多くの人が来場し、会場は大賑わいだった。
 ご当地キャラ博の会場では、東日本大震災で被害のあった福島県を支援する彦根東高校による募金活動などが行われた。
 風評被害の払しょくと震災の風化防止を目的に、福島県はゆるキャラを使って県外の市町村との交流を進める「ふくしまから はじめよう。キビタン交流促進支援事業」を展開。昨年度に続き、白河市からゆるキャラの「しらかわん」と「ふくしまからはじめよう大使」の高校1年生の2人が彦根を訪れ、2日間、彦根東高新聞部と一緒に募金活動=写真=やステージで発表、湖東焼体験などをした。
 東高新聞部は特集「福島をつなぐ」を5年間続けており、その中で募金活動も実施しており、福島の子どもたちの「保養プロジェクト」に寄付している。12月にも福島を訪れ、白河市の高校生と交流するという。

2015年10月17日土曜日

ご当地キャラ博in彦根2015開幕

 ご当地キャラ博in彦根が17日開幕。18日までに全国から計196体、ひこにゃんなど地元のキャラを入れると209体が参加する。
 市内商店街などによる実行委員会が主催し、8回目の今年は17日に179体、18日に172体が登場。「くまモン」「せんとくん」「いまばりバリィさん」など人気キャラも両日参加する。初参加のキャラは18体。
 夢京橋キャッスルロードと京橋口駐車場に各キャラのブースが設けられ、地元の特産品やキャラクターグッズが販売される。ステージが京橋口駐車場と四番町スクエアの駐車場に設置されて、都道府県ごとにご当地自慢をする。
 井伊直弼公生誕200年祭の開催期間中のため、ひこにゃんをはじめとする城や直弼にまつわるキャラの合同ステージも予定。17日午後1時~銀座商店街のサブ会場ではキャラによるもちつき大会がある。
 各日に参加するキャラやステージの登場時間などは、ご当地キャラ博in彦根のホームページで確認できる。開催時間は両日とも午前9時~午後3時。雨天決行。
ガイドブック「ご当地キャラ図鑑」
 ご当地キャラ博in彦根に登場するキャラなどを紹介した公式ガイドブック「ご当地キャラ図鑑」=写真=が発刊。市内の商店などで販売されている。
 北海道から九州・沖縄までのエリアごとに参加するキャラの特徴を写真入りで紹介しているほか、全51問のクイズ、彦根のグルメ情報、会場アクセスマップなども掲載している。
 A5判・全ページカラー。1冊600円。アルプラザ彦根、戦国丸、平和堂銀座店、沙斗羅、太田書店、トラヤ、四番町ダイニング、祥福たこ壱、夢京橋あかり館、清瀧などで販売している。
電車・バスで来てね
 ご当地キャラ博in彦根に登場するひこにゃんら地元のゆるキャラたちが、公共交通での来場を呼びかけるため電車に乗る練習を披露した。
 彦愛犬の企業・行政などによる団体・湖東圏域公共交通活性化協議会が企画し、ひこにゃん、たがゆいちゃん、よいとちゃん(豊郷)、あしょうさん(愛荘)、近江鉄道のがちゃこんが参加。
 ひこにゃんを除く4体が近江鉄道の高宮駅に集合し、駅長役のがちゃこんに3体がキャラ博当日に発売される「がちゃこんでおでかけフリーきっぷ」を見せて改札口を通って乗車。車内でキャラたちはいすに座ったり、つり革につかまったりし、彦根駅でひこにゃんの出迎えを受けた。
 近江鉄道はキャラ博のある17、18日にがちゃこんでおでかけフリーきっぷを限定発売する。近江鉄道の電車、バス(湖国バス含む)が1日乗り放題。彦根城や彦根城博物館、玄宮園の割引も。料金は中学生以上1000円、小学生500円。近江鉄道駅窓口、バス車内で販売。

2015年10月15日木曜日

滋大陵水新聞 創設80年目の滋賀大学陵水新聞会が制作

 彦根市馬場の滋賀大学経済学部には「滋大陵水新聞」という新聞があり、年8回ペースで発刊されており、市民も無料で手に入れることができる。
 同新聞は、昭和10年(1935年)4月創設で今年80年目を迎えた学生団体・滋賀大学陵水新聞会が制作・発行している2ページの媒体。主に学内でのイベントやセミナーなどの情報を載せており、最新号の9月15日付の338号では昨年度まで滋賀大准教授だった柴山佳太・京都大学大学院准教授と、同じく滋賀大准教授だった大川良文・京都産業大学教授が今年7月に彦根キャンパスで行ったセミナー内容などを掲載している。
 またこれまでの号では、日米など参加12カ国が今月5日に大筋合意したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について、賛成派と慎重派の教員へのインタビュー内容を掲載した4ページの特集号もある。
 現在、所属する部員は2年生2人と3年生3人。新聞の発行のほか、京都新聞の夕刊で地域情報を紹介する1ページも担当している。新聞は大学の長期休暇を除き、月末に1500部発行し、附属図書館や校舎棟1階の入り口に置いている。在庫があれば、過去の発刊号も無料で提供している。
 なお本紙次号では「新聞の役割」などについて部員3人に聞いたインタビュー内容を紹介する。

2015年10月12日月曜日

茶婚式 玄宮園鳳翔台で初開催

 茶道のお点前を受けながら挙式を行う「茶婚式」が6日から玄宮園の鳳翔台で始まった。玄宮園での挙式は不定期に行われているが、茶婚スタイルは初めて。
 市内のブライダル専門店や旅館、神社などの関係者らで今年2月に結成された彦根ウエディング協同組合が、井伊直弼公生誕200年祭に合わせて、直弼も茶会で活用した玄宮園での茶婚式を企画。応募の中から選ばれた県内外の5組が11月29日まで挙式を行う。
 初回の6日は愛知県安城市の西尾秀幸さん(36)と植村美文(みふみ)さん(37)の挙式があった。2人は植村さんの家族が茶道の指導者だったことをきっかけに茶婚式に関心を持ち応募。当日は親族ら19人と共に屋形船に乗った後、花嫁行列で鳳翔台に向かった。式では、石州流井伊大老御流西郷社中の西郷宗博(そうはく)さんからお点前を受け、一つの茶碗で茶を飲み合う夫婦固めの儀などにのぞんでいた。列席者も順番にお点前を受け、茶と菓子を頂いていた。
 西尾さんは「屋形船にも乗ることができ、お殿様・お姫様のような気持ちだった」、植村さんは「家族を含めて全員で体験できるのが楽しかった。景色も最高にきれい」と笑顔で話していた。

滋賀県立大学 不正経理の男性教員を停職3カ月に

 彦根市八坂町の県立大学は、不正経理を行った男性教員(49)を停職3カ月にする処分と、学内の不適正な会計処理に関する調査結果を発表した。
 県大によると、この男性教員は平成22年度から学生を雇用した名目で、大学から賃金を支出させた上で、その一部を学生から返金させていた。学生の勤務日時が事実と異なる記録を提出していたといい、不正に受け取っていた額は男性教員が平成25年度から関わった文科省補助の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」(大学COC)を含め同26年度までに計約265万円に上った。
 今年2月中旬に男性教員の指導を受けていた学生の保護者から県大側に報告があり判明。県大は3月2日に公表し、調査委員会を設置し調べてきた。男性教員は不正に受け取った金を地域振興のイベント予算に使用したと話しており、全額返金したという。
 また県包括外部監査が3月13日に公表した監査結果で、県立大については教員の会計処理に関して分割発注や事後申請など8点の指導と17点の意見が出された。県は4月1日に専門の調査チームを設置し、実態を調査。包括外部監査の調査以外で教員1人による33件の不適正な会計処理があったことが判明した。
 再発防止策として県立大学は、▽雇用における勤務表の勤務内容や時間などを具体的に記載させるよう様式を改正する▽物品の事後発注を確認した際は教員に発注手続きをやり直させる▽業者には発注におけるルールの文書で周知させる―などをあげた。

滋賀県遺族会青年部が滋賀県護国神社にヒトツバタゴ・ナンジャモンジャの苗木植樹

 滋賀県遺族会青年部は5日、彦根市尾末町の県護国神社の境内の一画に、ヒトツバタゴ(別称・ナンジャモンジャ)の苗木を植樹した。
 同青年部は戦没者の孫やひ孫らで今年4月に結成され、県内で190人が所属。組織の結成を記念し、近江八幡市の沙沙貴神社にある神木の苗木を植えることにした。
 ヒトツバタゴは落葉樹で、成長すると10㍍に達し、毎年4月末から5月初めに雪のような白い花を咲かせる。明治神宮にもこの木があるが、その名前がわからなかった江戸時代の人々がナンジャモンジャと呼んだことから、別称でそう言われるようになったという。また神事に関係し神聖化されたため、本当の名前を呼ぶのをはばかられたという説もある。
 植樹式には県遺族会の関係者ら約30人が参加し、辻正人部長(46)らが順番に土をかぶせた。辻部長は「正しい史実を認識してもらうための活動をしながら、この木と共に青年部も成長していきたい」と話していた。

高齢者・障害者の虐待・成年後見支援の権利擁護サポートセンター襷(たすき)がオープン

 高齢者や障害者への虐待や成年後見などを支援する権利擁護に関する専門機関「権利擁護サポートセンター襷(たすき)」が1日、彦根市平田町の市福祉センター別館に開所した。
 市によると、市内には認知症の高齢者が約4300人、知的障害者が約1000人、精神障害者が約600人いるとされ、その数は今後10年間で2倍近く増加すると予想。また虐待や成年後見に関する市などへの相談件数も増加傾向にあり、そのうち高齢者への虐待は昨年だけで11件(通報は29件)だった。
 権利擁護に関する相談はこれまで、市や地域包括支援センターが応じてきたが、民生委員らからはより専門機関を設ける声が高まっていたことから、市はNPO法人あさがお(大津市)に委託する形でサポートセンターを設置した。
 サポートセンターでは社会福祉士の職員3人が、虐待を受けた本人などからの相談、後見申し立ての支援、後見人への支援、地域の権利擁護の担い手養成、権利擁護に関する普及などを行う。施設名の「襷」には関係者が連携して解決を目指すという意味が込められている。
 問い合わせはサポートセンター☎(23)8642。

2015年10月8日木曜日

七曲がりフェスタ10日〜 馬ぐるま・彦根張り子展示 ライトアップなど

 彦根市の仏壇街で10日から12日まで七曲がりフェスタが開かれ、10日夕方から通りがライトアップされるほか、彦根張り子や馬ぐるまなど彦根の伝統品の展示もある。
 彦根仏壇事業協同組合が主催し、3回目の今年は初めて3日間かけて開催。10日は「夜宮」として、午後4時~滋賀大生の団体・滋賀エコプロジェクトがメイン会場の七曲がり広場や大橋町一帯の通りに約5000個のローソクを並べて点灯させるほか、軒先にはちょうちんがともる。芦田家では午後6時~「皿屋敷」などの落語(500円)や、Takumi Apatment駐車場で映像による「ようかいさんぽ」も。飲食あり。
 「本宮」の11日には神鳥雅次郎商店(芹中町)などで彦根張り子と馬ぐるまが展示。彦根張り子は江戸時代以降に彦根で作られ、さきごろ日夏町に張り子を作るための木型が残っているのが確認された。彦根張り子は全国で10数体が確認されており、11日は近江郷土玩具研究会代表の藤野滋さん(58)=東近江市=所有のトラとタイを展示。また馬ぐるまは彦根の商家の風習として、家督を継ぐ総領息子の宮参りの時に母方の親元が贈っていた台車の付いた木製の馬の人形。同商店には初代の卯平が明治20年ごろに孫のために漆塗りで仕上げた馬ぐるま(台車を入れて高さ約120㌢)が残っている。
 11日はほかに、蒔絵・金箔押し・彫刻・数珠ブレスレット作りの体験、七職や仏壇の洗濯など実演、信楽焼・近江上布・愛知川びん手まりの実演&体験、村岸家公開、バックパッカー写真展、西念寺で講話会など。500円以上の体験・飲食でスタンプ1個もらえるスタンプラリーや小学生以下対象の点在する地蔵さんを巡るスタンプラリーも。七曲がり広場では飲食・物販イベント。午前10時~午後4時。雨天決行。10日と11日のイベント中、通り沿いは歩行者天国に。
 10日~12日は、旧宮川箔押店で彦根商工会議所が2カ年計画で再現を目指して製造している甲冑のかぶと展や、七曲がりにちなんだ写真などの七曲がり博物館、若宮仏壇店で経済産業大臣賞を受賞した仏壇などを展示する仏壇展も。