2012年2月28日火曜日

芹町の江戸〜明治期の旧石橋家 初公開へ 千歳共済会が市に寄付

 彦根市芹町に残る江戸時代後期から明治時代の建物が、来月11日に初めて一般公開される。
 この建物は、彦根出身の近江商人で、出稼ぎに出ていた北海道小樽市でしょう油の製造業を営んでいた石橋氏が、帰郷後に彦根で販売していた店舗兼住居。石橋氏は昭和26年に千歳共済会を設立し、建物も同会が管理してきたが、さきごろ市に寄付された。
 敷地面積約1200平方㍍に、西=写真左上、中央=左下、東=右=の各棟が計約800平方㍍で建っており、土蔵4棟と倉庫1棟もある。西棟は厨子(ずし)形式の2階建てで、虫かごに似た虫籠窓(むしこまど)もみられ、江戸時代後期の建物とされる。中央棟は1階に窓から外に張り出した出格子を備え、玄関には子扉が付いた大戸(おおど)が残る。
 東棟は旧店舗で、2階建ての建物に平屋の玄関と住居がつながる表屋(おもや)造と呼ばれる京都の町屋で多くみられる形式。市教委文化財課が平成21年度から翌年度にかけて河原1~3丁目、芹町、花しょうぶ通りの計104棟で行った実測調査でも、表屋造はこの東棟のみ。西棟以外は明治期の建物。
まち歩きイベント
芹町、花しょうぶで
 市教委文化財課は3月11日に、旧石橋家など芹町や花しょうぶ通りを巡ってもらうまち歩きイベントを行う。当日のみ配布のマップを街の駅「力石」、「戦国丸」、「逓信舎」、旧石橋家で受け取り、自由散策。午前10時~午後4時。旧石橋家のほか、界隈の明治から大正期に建てられた建物約50軒に説明パネルが設置される。
 午後1時~は滋賀県立大学・濱崎一志研究室のガイドによるツアーもある。滋賀中央信用金庫銀座支店前に集合を。参加無料。申し込みは文化財課☎(26)5833か市教委ホームページから。当日参加も可。

2012年2月25日土曜日

3・11つながろう東北へ ひこね 復興祈願祭やキャンドルナイト、日経記者の写真展も

 「3・11つながろう東北へ ひこね」実行委員会は22日、市役所で記者発表を行い、イベント内容を公表した。プレイベントとしては、市民会館で報道写真展をしているほか、被災地へのコメントを記した用紙を手に撮影した写真「スマイルメッセージ」も募っている。
 当日のメインイベントは、護国神社で震災復興祈願祭と、古式で火を起こす火鑚(ひき)り神事を行い、その火を使って護国神社境内やいろは松駐車場、観光協会前の空堀に並べられた約2万個のキャンドルに火が灯される。午後5時~の点灯式にはひこにゃんらゆるキャラ5体も登場する。
 ほかのイベントは、被災地で復興支援活動をした市内大学の学生たちによる報告会と県内避難者の会の井上宗純代表による語り(午後3時~市民会館)、淡湖(おうみ)焼の小堀博政さんによるあかり展(午後5時~境内)、ラーメン1杯(350円、うち50円募金)につき投票券を渡してグランプリを決める「ひこね ご当地ラーメングランプリ」(午前11時半~護国神社境内)、多賀町で常設販売している被災地の名産品販売など。
震災直後の写真など
市民会館で3月11日まで
 市民会館では、日本経済新聞社の写真部記者が震災直後などに撮影した写真が展示されている。3月11日まで。
 「記憶」をテーマに、横たわる母親の横で泣く娘と見られる女性や、津波で被災したビルの前にたたずむ男性など震災直後を写した67点と、がれきをバックに笑顔を見せる子どもたちや笑顔の親子など震災後しばらく経った様子を撮影した77点を展示。写真の間には、日経記者による写真を撮影した時の思いを記した文章も貼られている。
 会場では展示写真をまとめた本3種類をそれぞれ1000円で販売している。ほかに、彦根市から派遣された救援隊が撮影した30点と、ひこにゃんが福島を訪れた時の14点も展示している。
 開館は午前9時~午後5時。入館無料。募金箱も設置されている。火曜休館。

笑顔の写真を被災地へ届けよう スマイルメッセージ募集

 「3・11つながろう東北へ ひこね」実行委員会では、被災地へ元気を届けるための「スマイルメッセージ」を募っている。
 募集しているのは、被災地への言葉を記したA4以上の用紙を手に、1人または家族・友人・恋人などと一緒に撮影した写真。
 送られてきた写真は、実行委が縦約4・2㌢×横約7㌢のシール型に加工し、被災地へ送る支援物資のパッケージなどに貼る。
 写真は原則、横向きで、見えやすい色と大きな文字でメッセージを書き、笑顔も忘れずに。すでに滋賀県立大学の学生グループが、同実行委のメンバーが高宮町内で収穫した米や赤カブにスマイルメッセージを貼って、宮城県南三陸町の田の浦地区に持参し、被災者に喜ばれている=写真・実行委提供
 写真の送り先はメール(311@ii-ii.jp)へ。4月30日まで。

2012年2月23日木曜日

旧・弘道館=現・金亀会館=元の場に移築へ

 彦根市の平成24年度当初予算では、前年度に続き「次世代育成支援対策」と「定住自立圏構想推進」に力点を置いた。主な事業の中には、旧彦根藩の藩校だった・金亀会館を元々あった場所(現在の彦根西中学校グラウンド)への移築が盛り込まれている。
 旧彦根藩では、寛政11年(1799)に十一代藩主・井伊直中が藩校「稽古館」を開講し、天保元年(1830)には、十二代・直亮が「弘道館」に改名。敷地面積約6000平方㍍に、講堂のほか、剣術、槍術、弓術、馬術を学ぶ施設が建っていた。明治4年(1871)の廃藩置県により廃止されるまで藩校として存続し、十三代・直弼の開国論に影響を与えた中川禄郎や直弼の腹心・長野義言(主善)、明治の三筆と呼ばれた書家・日下部鳴鶴なども輩出している。
 大正12年に講堂が現在ある彦根市中央町へ築され、以降、「金亀教堂」(一般的には金亀会館)と呼ばれ、宗教法人・本願寺金亀会館が所有してきた。木造瓦葺きの平屋建てで床面積は約261平方㍍。平成19年1月に市指定文化財になり、平成21年1月に歴史まちづくり法による保存修理される予定だった。
 市教委文化財課では、西中グラウンドの約1000平方㍍にここ5年をめどに移築するため、来年度は発掘調査を初めて行う。来年度予算は700万円。
 湖東定住自立圏関連は25億4392万円で、主な事業は以下に。
子ども医療費助成拡大(2234万)=今年10月診療分から、入院費を無料とする対象をこれまでの就学前(園児)から小学校修了前(6年生)まで拡大
 ▽地域医療支援センター整備(4億0730万(うち県の基金3億))=現在の彦根休日急病診療所をより充実させた機能と、歯科・薬剤・介護を含めた在宅医療を強化するための施設を、彦根市立病院内に来年度と25年度の2年間で建設
 ▽楽々園御書院棟障壁画複製など(6510万)=同棟にあったふすまの障壁画の複製を製作し同棟の復元を完成
 ▽長曽根口御門跡調査設計と辻番所保存修理(3847万)=長曽根口御門の復元に向けた調査設計
 ▽大手門と佐和口の整備計画検討委員会(3万7000)=2つの玄関口の各エリアの整備に向けて計画を策定するための委員会開催
 ▽誘客リレーイベント開催(778万)=戦国をテーマに、彦根城と佐和山城を核に湖東・湖北の古戦場や歴史資源をつなげるイベントを展開
 ▽ひこにゃんボトルウォーター(309万)=ひこにゃんボトルウォーターを2万本製造し、市のPR促進と誘客を図る
 ▽赤ちゃんの駅(7万9000)=赤ちゃん連れの保護者が外出時におむつ替えや授乳などができる施設をまとめた地図などを発行
 ▽JR稲枝駅周辺整備(4544万)=稲枝駅前広場の用地確保

2012年2月22日水曜日

次期衆院選 滋賀2区の自民候補・上野賢一郎氏に

 次期衆院選の候補となる自民党滋賀県第2選挙区の支部長を決める選考委員会が17日、彦根ビューホテル(松原町)であり、元衆院議員の上野賢一郎氏(46)が選ばれた。
 選考委員会後、同支部長代理の辻村克県議=米原選出=は「国政の経験があるということで上野氏に決めた。しっかりとスクラムを組んで一丸となって支えていきたい」と話した。
 上野氏は今後、県連の総務会や党本部の承認を得て、3月中に正式に支部長に就任する予定。選考委員会後、同ホテルで報告を受けた上野氏は「身の引き締まる思いでいる。次の衆院選に向けて、死にものぐるいでがんばっていきたい」と抱負を述べた。

2012年2月20日月曜日

彦根仏壇事業協同組合青年部の柒+試作品に合う仏具 県立大生らデザイン、来月試作品完成

 彦根仏壇事業協同組合青年部の有志団体・柒+(ななぷらす)が開発した新型仏壇に合う仏具のデザインを県内の学生が考案することになり、13日から仏壇七職の見学や体験をしている。学生のデザインをもとに仏壇職人と黒壁(長浜市)のガラス細工職人が試作品を作り、来月22日にも披露する。
 柒+のメンバー6人は昨年9月に、仏壇職人の技を生かした子育て世代向けのインテリア商品(試作品)を製作。その商品に合った仏具を開発しようと、県の伝統産業弟子入り体験推進事業を活用し、滋賀県立大学と成安造形大学に協力を依頼した。
 デザインの作成に参加した学生は県大5人、成安造形大4人。13、14日に市内の仏壇店などで七職の見学と木工・彫刻の体験をし、15日は黒壁を視察した。学生たちは今後、デザインを作成し、27日に試作候補2点が決定。披露までに仏壇と黒壁の職人2人が製作する。
 県立大4年の村上愛佳さん(21)は「温故知新をテーマに、伝統的な物に合うモダンなデザインの仏具にしていきたい」と話していた。

2012年2月18日土曜日

3・11つながろう東北へ ひこね 実行委員会が最終調整

 東日本大震災から1年が経過する来月11日に滋賀県護国神社(彦根市尾末町)などで開かれるイベント「3・11つながろう東北へ ひこね」の実行委員会は14日、3回目の会議を開き、分科会ごとにイベント内容の最終調整を行った。
 当日は護国神社や観光協会前駐車場、市民会館などで、キャンドルナイト、復興祈願祭、物故者慰霊祭のほか、日本経済新聞社協力による報道写真展、ご当地ラーメングランプリ、淡湖焼の灯り展などがある。3回目の会議を踏まえてイベントの内容を整理し、近く記者発表を行う。

被災地・水戸市へ励ましのメッセージ記した幕 戦国丸で受付

 彦根市の親善都市で、東日本大震災で被災した茨城県水戸市に励ましの言葉を届けようと、彦根を映画で盛り上げる会はメッセージ入りの幕(縦90㌢×横120㌢)を送ることにし、花しょうぶ通り商店街の街の駅・戦国丸でメッセージの記入を受け付けている。
 震災では東北のほか、水戸市内でも日本三大庭園の一つ、偕楽(かいらく)園で地割れや地盤沈下、園内にある徳川斉昭の別邸・好文亭の壁がはがれ落ちるなどの被害が出、今月7日まで復旧工事が行われていた。
 来月3日に偕楽園と近くの常磐神社で「夜梅祭(よるうめまつり)」が行われることと、その日が桜田門外の変でもあることから、盛り上げる会では友好団体の「桜田門外ノ変・映画化支援の会」(水戸市)に幕を送ることにした。幕は常磐神社内に掲げられる予定。
 盛り上げる会の和田一繁さん(44)=河原3=は「復興に向けて取り組んでいる水戸市民の方々へ、是非応援メッセージをお願いしたい」と話している。メッセージの受付は今月24日ごろまで。午前11時~午後5時、木曜休み。問い合わせは戦國丸☎(27)5058。

福島・富岡町の三春学校へカロム贈る、彦根市子ども会指導連合会

 彦根市子ども会指導連合会(彦子連)は、昨年5月に開かれた荒神山はるまつりの収益金を活用し、福島原発から半径20㌔圏内の福島県双葉郡富岡町の子どもたちにカロム5台を寄贈。馬場和子会長が今月10日に避難先となっている郡山市内の三春学校(仮設)を訪れ、児童代表にカロムを手渡した。
 馬場会長によると、同校には富岡町の幼稚園児、小中学生96人が通学。当日は小学生約50人が出席し贈呈式が開かれ、馬場会長が彦根やカロムについて説明した後、子どもたちと一緒にカロムをして交流した。児童たちはとても楽しそうだったらしく、「うれしい」「ありがとう」という言葉を何度も聞き、明るい表情を見せていたという。
 馬場会長は「今後も彦根市内で開催されるカロム選手権大会へ招待したりして、継続して支援をしたい」と話している。

2012年2月17日金曜日

立命館大・小谷優介選手 陸上100㍍日本代表候補 ロンドン五輪出場目指す

 昨年の日本陸上競技選手権大会の100㍍で準優勝した彦根市甲崎町の小谷優介選手(22)=立命館大4年生=が、今夏のロンドンオリンピック出場に向けて練習に励んでいる。
 小谷選手は稲枝北小、稲枝中、八日市高を経て立命館大へ進学。陸上は中学から始めたが、頭角を現したのは高校2年生の時で、県大会1位となり、3年生の時には10秒59の記録を出した。
 大学時代は、関西学生陸上競技対校選手権大会(関西インカレ)が2~4年生で3連覇、西日本インカレが3・4年生で連覇。昨年は、4月の織田幹雄記念国際陸上競技大会で優勝、6月の日本陸上競技選手権大会で2位、9月の全日本インカレで優勝するなど、着実に実力を伸ばしている。自己ベストは昨年4月の10秒28。
 昨年11月に韓国テグで開かれた世界陸上の日本代表には選ばれなかったが、小谷選手は「自分が計画をしてきたことはできており、実力も上がっていると感じている」と自信をみせている。7月からのロンドンオリンピックの日本代表の候補にも入っており、同代表は6月ごろに決まる予定だが、「次のオリンピック出場は1回目の挑戦だが、あくまで4年後のオリンピックを目指し、一歩ずつ実力を伸ばしていきたい」と話している。
 4月からは住友電気工業への入社も決まっており、午前中は仕事をし、午後は練習という日々が始まる。小学校のころからの夢だったというオリンピック出場へ、「誰よりも速くなりたい」と力強く語った。

びわ湖きものの女王選出大会 今年は彦根で

 びわ湖きものの女王選出大会が3月20日午後1時半~ビバシティ彦根の特設会場で開かれる。
 県呉服小売商連合会が若い世代に着物を親しんでもらおうと、彦根、長浜、大津で毎年、持ち回りで開催。対象は18歳以上で組合行事に出演できる県内在住・在勤者。参加者から着物の調和、会話、動作などで審査。女王2人には賞金5万円と旅行券5万円分が進呈。申し込みは彦根商店街連盟内の事務局☎(22)7303。

2012年2月16日木曜日

ひこにゃんへバレンタイン チョコ167個、交通安全ふるさと大使のAKB48メンバー・田名部生来さんからも

 バレンタインデーに合わせて、ひこにゃんへのチョコレートなどが14日までに167個届いた。ひこにゃんはプレゼントを前に喜びの表情を見せていた。
 ひこにゃんへのプレゼントは、被災地の福島県の1個を含め19都道府県から市役所や彦根城に届いた。海外からはドイツ・フランクフルトからもあった。
 「温かい心をありがとう。ひこにゃんに会うと、とても元気になります」と書かれたラブレター付きや、人気アイドルグループ・AKB48のメンバーで滋賀の交通安全ふるさと大使の田名部生来(たなべ・みく)さん(19)=近江八幡出身=から交通安全イベントで直接受け取った手作り菓子もあった。
 14日時点のひこにゃんへのプレゼントは、最初の平成20年が43個、21年が196個、22年が224個、23年が201個で、公表された21年以降で今年は最少だが、市観光振興課では「例年はキャンペーンに出かけた場所でもらっていたため、郵送で届いた数は変わらない」としている。

2012年2月15日水曜日

彦根ユネスコ協会 発足、会員募集

 彦根城などの世界遺産登録を目指し、彦根ユネスコ協会が11日発足し、彦根ビューホテルで設立総会が開かれた。
 ユネスコは国際平和と人類の福祉向上を目的に昭和21年に創設された国際機関。県内でのユネスコ協会の設置は長浜に続いて2例目で、全国では274番目。彦根ユネスコ協会は、文化財や自然環境を守り、国際理解と世界平和につなげていくというユネスコの精神に基づき、彦根城や旧城下町などの文化財や自然環境を守る活動を進める。
 昨年11月に市や彦根商工会議所、市内大学などの21人が発起人会を立ち上げ、準備を進めてきた。会員は個人135人・33団体で組織され、名誉会長に井伊直岳・彦根城博物館館長、会長に前川恒廣教育長が就任した。今後、シンポジウムや小中学生の絵画展など地域の遺産を守る活動のほか、書き損じはがきの回収で得た資金で発展途上国を支援する取り組みなどを展開する。
 設立総会には会員143人が出席。前川会長が「各々の方が持っておられる専門能力、スキルを協会の活動に生かしてほしい」とあいさつ。日本ユネスコ協会の広瀬忠子・連盟理事から会長に彦根ユネスコ協会旗が授与され、役員代表とゲストで登場したひこにゃんを交えて記念撮影が行われた。総会後は、日本ユネスコ協会の米田伸次・連盟理事による講演会もあった。
 彦根ユネスコ協会は、個人・学生・団体会員を募集している。
 年会費は個人3000円、大学生1000円、団体一口1万円。問い合わせは市教委生涯学習課内の事務局☎(24)7974。

2012年2月13日月曜日

滋賀2区・次期衆院選候補 上野賢一郎氏で最終調整 選考委「政策に差」

 次期衆院選の候補となる自民党滋賀県第2選挙区(彦根・長浜など)支部長の選考委員会がこのほど、彦根市内のホテルで開かれ、応募している元衆院議員・上野賢一郎氏(46)と、長浜選出の県議・川島隆二氏(40)が出席。選考委員からの質問に答える形だったが、出席した複数の党員によると、具体的な政策を述べた国政経験豊かな上野氏に軍配が上がったようだ。
 選考委員会は彦根、犬上、長浜、米原など2区内の県議や市議、党役員らで組織され、当日は財政再建や農業、TPP(環太平洋戦略的経済連携)、教育などの分野で両氏の政策を聞いた。
 選考委員会の県議や党員からは、「難しい問題についても、わかりやすく説明をしていた」「国政を経験していることから政策に大きな差がある」など、上野氏を推す意見が多勢を占めた。
 当初、川島氏を支持していた党員からも、上野氏に立場を変える声が出ていることからも、上野氏選出がほぼ確定したとみられる。17日に再度、選考委員が市内のホテルに集まり、正式に決定する。

2012年2月11日土曜日

彦根伊呂波会がパリ・ベルギー公演終え帰国報告 6会場で観客1000人、原発問題の質問も

 東日本大震災後に激励を受けた返礼として公演のため渡欧していた、狂言のアマチュア集団「彦根伊呂波(いろは)会」のメンバーが8日、市役所で報告した=公演模様の写真は同会提供
 震災後、岩手県奥州市(旧水沢市)出身で同会代表の小澤祥子さん(66)=愛荘町=あてには、フランス・パリやベルギー在住の友人や、その友人を通して日本語を学ぶ現地の若者たち計約60人から、見舞いや励ましのメールが届いた。
 小澤さんは海外の若者たちも心配をしていることに感動し、海外公演を企画。訪れたのは、同会の講師役で大蔵流狂言師・木村正雄さん(82)を団長に、小澤さん、元市議・辻橋正一さん(64)、元朝日新聞記者・中村憲一さん(64)=いずれも彦根市=ら同会メンバーと、京都伊呂波会の4人の計14人。先月22日から今月1日までパリとベルギーに滞在し、5つの演目を6カ所で2種類ずつ披露。各会場ともほぼ満員となる約50人~260人ずつの計約960人が詰めかけたという。
 公演前には、現地のコメディアンらがフランス語で題目の内容を身振り手振りを交えて15分間説明した後、メンバーが日本語で25分間演舞。終演後、来場者からは「日本の文化は信じられないほどすごいことを確認した」など、日本の伝統芸能を賞賛する意見があったという。
嘉田知事の「卒原発」紹介
「公演は大成功に」
 パリの4会場では、メンバーが撮影した福島原発近くの南相馬市の動画を公演前に上映。来場者からは「(原発事故に対して)国や電力会社の責任が問われているが、日本ではなぜ暴動が起きないのか」の問いがあり、「日本人は助け合おうとする気持ちが強い」と答え、「今後、日本では原子力発電はどうなるのか」との質問には、嘉田知事の「卒原発」のメッセージをフランス語で紹介したという。
 木村さんは、最近の狂言が大衆に迎合していることを嘆きつつ「外国の人の方が純粋に見てくれると感じたし、狂言の精神を理解してくれたと思う。公演は大成功だった」と語った。
 小澤さんは「現地の皆さんは本当に満足して喜んでくれたと思う」と話していた。

2012年2月10日金曜日

芹川けやきの愛称 大老・赤鬼・開国の樹に 彦根市制75周年記念で

 彦根市は6日、市制75周年記念で募集していた芹川のけやきの愛称と、けやき道の四季のフレーズを発表した。
 芹川左岸の芹橋から後三条橋間にある3本のけやきで募集し、県内外から愛称に158人、フレーズに145人の応募があった。
 そのうち愛称は応募作から選考委員会が補足した「大老の樹」=写真上=と「赤鬼の樹」=写真下、平田町の田中雪男さんの「開国の樹」=写真右=に決定。フレーズは小泉町の北村邦彦さんの「さくら咲く 春らんまんの けやきみち」など季節ごとの4作に。来月にも看板が設置される予定。
 応募者のうち、愛称で大老、赤鬼の文言を入れた15人と、「もくもくモンスター」や「雷神丸」などユニークな名を付けた小学生2人に特別賞が授賞された。フレーズも4人に特別賞。表彰式は3月15日に市役所で。

2012年2月9日木曜日

彦根仏壇の彫刻師・井尻一茂さん なんばグランド花月の玄関に設置の芸人看板制作へ「西川きよし」担当

 彦根仏壇の彫刻師・井尻一茂さん(40)=米原市下丹生=が、今春リニューアルオープンする吉本興業の劇場「なんばグランド花月」(大阪市)の玄関に設置される芸人の看板を作ることになった。2日には同劇場で記者会見が行われた=写真は吉本興業提供
 同社は、昨年4月から芸人と社員が各都道府県に住みながら地域貢献をしていく「47都道府県エリアプロジェクト」を進めており、各地で知り合った伝統工芸士の技を生かした看板作りを企画。伝統工芸士とデザイナーの9組に制作を依頼した。
 そのうち井尻彫刻所代表の井尻さんは、西川きよしさんの看板を作ることになり、草津市のデザイナー・堀池正樹さんのデザインをもとに、タイや桜と一緒にえがいた作品のサンプル版(高さ97・5㌢×幅30㌢)を制作。
 井尻さんや吉本興業によると、サンプル版を持参してのぞんだ会見では「(吉本興業が今年で創設)100周年ということと、(目が出た)西川さんということで、めでタイのタイを彫らせていただいた」との井尻さんの紹介に、西川さんは「これタイでしたか、金魚かと思っていました」などと答え、会場は笑いに包まれていた。
 同劇場がオープンする4月8日までに正式な看板を作る。

2012年2月8日水曜日

カロム・ゴニンカン・投扇興・旗源平・オニム・本家野球拳を体験、彦根でご当地ゲームサミット

 カロムなど地域で遊ばれているゲームが一堂に集った「ご当地ゲームサミット」が5日、ひこね燦ぱれすで開かれ、子どもたちがそれぞれのゲームを体験した。
 カロム以外では、トランプの絵札を取り合う青森県五所川原市の「ゴニンカン」、扇で的を落とす東京都大田区の「投扇興(とうせんきょう)」、旗やマトイを奪い合う石川県金沢市の「旗源平(はたげんぺい)」、カロムに似た京都市の「オニム」、歌と踊りを交えた愛媛県松山市の「本家・野球拳」。
 彦根青年会議所が主催し、園児から中学生までの子ども71人と保護者を含めた計約100人が参加。各地域の代表団も来場し、各ゲームを紹介した後、参加者たちはグループごとに順番に各ゲームを体験していた。
 投扇興をプレーした金城小3年生の中川健新君(9)は「思っていた以上に難しかったけれど、扇を的に当てられて面白かった」と話していた。

滋賀バルブ協同組合 平成23年は「横ばい」、今年は復興特需で伸長予想

 滋賀バルブ協同組合(彦根市岡町)は、昨年のバルブ生産高を発表。加盟34社のうち、製造業24社の合計は前年比3・9%減の212億3100万円と減少したが、前年より対象企業が2社減ったため、全体的には「ほぼ横ばい」だった。
 業種別には、産業用弁が国外需要の好調で前年比3・5%増の93億6400万円。水道用弁が公共工事の削減で同4・8%減の83億7600万円。船用弁が組合企業の減少のほか、原材料の高騰、中国・韓国メーカーとの価格競争の激化で同23・9%減の25億7300万円。鋳物素材が原材料の高騰で同4・8%増の9億1900万円だった。
 今年は、東日本大震災の大幅な復興事業や耐震化の促進などで、民間の設備投資が伸びると予想。「大震災の復旧・復興に向けて業界あげて貢献したい」としている。

逓信舎プレオープン 花しょうぶ通り商店街見学客で賑わう

 彦根市の花しょうぶ通り商店街に5日、街の駅「逓信舎(ていしんしゃ)」がプレオープン。記念式典も行われ、約100人が見学に駆けつけた。
 平成17年オープンの「寺子屋力石」、同20年の「戦国丸」に続く同商店街で3番目の街の駅となる逓信舎は、1階にカフェ「teishin 茶房」、インターネットラジオ局、昔の彦根のまちを撮影した写真展示コーナーが設置。正式にオープンする4月には2階に映画のロケ地を彦根に誘致するための事務局も設けられる予定。
 プレオープンの記念式典後は、いしだみつにゃんらによるもちや「戦國汁」の振る舞い、ネットラジオの番組発信などもあり、賑わいをみせていた。

2012年2月6日月曜日

魚類捕獲禁止の彦根城中堀で若者が深夜に釣り、ごみや大声も

 魚類の捕獲が条例で禁止されている彦根城内の中堀などで、条例施行後も深夜に若者たちが釣りをしていることが、市民から滋賀彦根新聞への報告でわかった。
 中堀などには、コイやブラックバスなどが生息しているが、釣り行為が後を絶たなかったため、市は平成21年3月に城内の内堀、中堀、玄宮園の池で釣りなどの捕獲行為を禁止する条例を制定(7月1日施行)。釣り禁止指導員らによる見回りを強化してきた。
 しかし近隣住民によると、条例施行以降も20代から30代とみられる若者が土日・祝日の深夜を中心に訪れ、徹夜で釣りをしているという。翌朝には、電線や木などに釣り糸やワームが引っかかったままになっていたり=写真、ごみが散乱していることもある。
 グループで訪れる若者たちは、夜遅くまで大声ではしゃいでいるらしく、近隣住民たちも注意はしたいものの、「仕返しが怖くてできない」という。堀近くの駐車場に止められた車は東海地方のナンバーが多いという。
 管理する市教委文化財課では、毎朝5時から釣り禁止指導員(約10人)やパトロール員(4人)が交代で見回りをしているが、巡回時間以外の深夜が狙われているため、谷口徹部長は「今後、警察と相談しながら、何らかの対応策を考えたい」と話している。

2012年2月5日日曜日

ひこにゃんから年賀状の返事届く

 ひこにゃんへの年賀状の返事が、送り主に届いていたことがわかった=写真は読者提供
 彦根市観光振興課によると、彦根城などに届けられたひこにゃんへの年賀状は先月末時点で1万1000通を超えた。今月に入ってからもまだ届いているため、最終的な集計はまだできないという。
 先月4日時点での発表では、「返事は未定」だったが、7日に滋賀彦根新聞が報じた後に送り、返事を受け取ったという、本紙社員用ツイッター「ひこっつぁん」のフォロワーからは、「宛名が手書きで丁寧に書かれていた、愛の伝わる年賀状でした」との喜びの声があがっていた。

佐和山一夜城 佐和山ふもとに移動、田中家石材製作

 佐和山のふもとにある佐和山会館(古沢町)前に、石製の「佐和山一夜城」がお目見えした。5日午前10時~披露式が開かれる。
 平成19年に開かれた彦根城築城400年祭の時に、同祭実行委員長だった北村昌造・彦根商工会議所会頭の提案で、高宮町の田中家石材(田中寿信・代表取締役)が佐和山一夜城の製作に取りかかった。
 佐和山城の天守には三層説と五層説があるが、西明寺所蔵の絵馬「石田三成居城佐和山城之図」や龍潭寺(古沢町)所蔵の屏風絵にある五層天守をモデルに、京都の建築デザイン学校の生徒らが図面を作成。その後、田中家石材が仕事の合い間を縫って製作に入り、黒御影(みかげ)石や白御影石などを使って平成22年1月に完成させた。高さ約2・1㍍、土台の底が1・7㍍四方。天守の内部にライトを配し、日没後は窓から灯りが漏れるようになっている。
 同会議所青年部の創立30周年を記念し、同会議所が購入。佐和山会館前に設置した。披露式では獅山市長や北村会頭らによる除幕などがある。

2012年2月4日土曜日

芸人・たむらけんじさん講演 飲食店経営のコツ伝授

 彦根商工会議所は1月31日、彦根ビューホテルで新春トークショーを開き、お笑い芸人のたむらけんじさん(吉本興業)が「なぜド素人経営者の焼き肉店は繁盛したのか」をテーマに話した。
 滋賀に住みます芸人のファミリーレストランがナビゲーターを務め、たむらさんは質問に答える形で講演。自身について「細かいことが気になる性格で、おかんの心を持っている」とした上で「男らしい男は飲食店の経営はできないと思う」と解説した。
 大阪や名古屋に焼き肉店とカレー店の計4店舗を経営し、社員が14人、アルバイトが80人いることを紹介しながら、「社員は子どものように厳しく叱るけど、アルバイトは孫のようにかわいがる」「社員には(バイトに)口で説明するより、行動で示せと言っている」と述べた。
 経営をうまくいかせる方法としては、トイレをきれいにしていることを明かしながら「自分が行きたいと思える店にするだけ。お客さんに喜んでもらうことを常に考えている」とアドバイスした。
 トークショーは、吉本興業が今年で創設100周年を迎えることも兼ねて企画。彦根商工会議所の会員のほか、若い女性の姿もみられ、約360人が詰めかけた。トークショー後には会員による懇親会もあった。

日野ひなまつり紀行で近江鉄道にほい飾りと竹雛 近江日野しゃくなげ大使ら

 近江鉄道は1日から、ひな祭りに合わせて電車内に日野町で作られた竹ひなやほい飾りを装飾した「日野ひな電車」(2両編成)を運行。先月30日には、観光大使の近江日野しゃくなげ大使らが飾り付けをした。
 5日から3月4日まで日野町で開かれるイベント「日野ひなまつり紀行」に合わせ、同町内の女性グループ・合鎚の会が厄除けや良縁を願って作った土産品「ほい飾り」と、同まつり実行委員会による竹ひなを車内に設置。
 同大使の市川知佳さん(20)と近江鉄道のアテンダント3人があたり、2両編成の入り口付近の4カ所にほい飾りを、料金箱近くに竹ひなを備えた。
 なお日野駅では25・26日と3月3・4日の午前中に、女性がひな人形の衣装を着た「にんげんお雛さま」が登場する。

2012年2月2日木曜日

復興第1号ピアノをみんなで演奏・靴下1000足でモザイクアート、ギネス記録ダブルで挑戦へ

 さまざまなギネス記録に挑戦している彦根市尾末町の寺村邦子さん(56)が、今度は同日に2つの記録に挑む。開催日と場所は4月22日に滋賀大学講堂で、協力者も募集中だ。
 1つ目は、東日本大震災の被災地・宮城県石巻市で水没した後 復活し寺村さん宅に届けられた「復興第1号ピアノ」をみんなで一斉に弾く挑戦。曲目は第九の「歓喜の歌」。ギネス記録はフランスの15人だという。ピアノの演奏の経験や年齢など問わない。
 2つ目は、靴下でモザイクアートを描く。復興支援のために作られたTシャツのデザイン画を、1000足以上の靴下を床に置いて表現する。参加方法は、靴下を当日持参するか、寺村さん宅に送るか、当日会場で購入(1足100円)するかの3パターン。原則新品で、使用済みの物は自分で持って帰る。新品の物は石巻に送る。
 当日は午前9時~演奏の練習と靴下を並べる作業を行い、同11時までに演奏と靴下並べを完成させる。寺村さんは「みんなでギネスに挑戦して、被災地に元気を届けましょう」と参加を呼びかけている。
 問い合わせは寺村さん☎090(5152)3918。

2012年2月1日水曜日

花しょうぶ通り商店街に第3の街の駅・逓信舎 ネットラジオやカフェ、ロケ地誘致事務局

 彦根市の花しょうぶ通り商店街に5日、第3の街の駅「逓信舎(ていしんしゃ)」がプレオープンする。
 同商店街振興組合ではまちの活性化を目的に、市民や大学教員、学生らと連携し平成17年に「寺子屋力石」、同20年に「戦国丸」を開設してきた。
 逓信舎の建物は、江戸時代後期に建てられた建物面積約84平方㍍の木造2階建て。元々は表具店を経営していた旧高崎邸だったが、昭和9年に洋風に改装され、同11年まで郵便局だった。以降は保険の代理店などとして使われ、昨年 国指定の登録有形文化財になった。
 同組合では、1階にカフェ「teishin 茶房」、インターネットラジオ局などを設け、2階には映画のロケ地を彦根に誘致するための事務局を設置する予定。同組合の小杉共弘さん(57)は「力石を学びの場、戦国丸を戦国ファンの集う店、逓信舎を情報発信の拠点にしたい」と話している。
 建物の耐震性を高めた後の4月ごろに正式にオープンする。プレの5日は午後1時~オープニングセレモニー後、ネットラジオ中継、カフェのオリジナルメニュー発表、ゆるキャラによる彦根もちや戦国汁の振る舞い。

第84回春の選抜高校野球大会 近江高9年ぶり3回目出場「日本一を」

 第84回春の選抜高校野球大会に滋賀県から近江高校(彦根市松原町)の出場が決定した。秋季県大会優勝、近畿大会4強が評価されたもので、9年ぶり3回目の出場。
 今年のチームは大柄な選手が少なく、例年と比べ破壊力に欠けるが、投手層の厚さが強みで、試合を増すごとに実力をつけている。
 多賀章仁監督は「伸びしろがあり、頂点を目指す」と期待を膨らませ、福井真吾主将は「世話になった方々へ恩返しという意味で全国制覇を狙う。部員59人の全員野球で『挑戦者』という気持ちを忘れず、日本一を目指したい」と意気込んでいる。
 ちなみに、前回出場の第75回大会は8強入り。今年のチームは今のところ、ベンチ入りが予想される20人の中に彦根市内の中学出身の選手はいない模様。