2018年12月28日金曜日

つづらファーム栽培の黒豆クロダマル収穫

 彦根市葛籠町の農業組合法人つづらファーム(茶木勝・代表理事)が栽培している黒豆「クロダマル」の収穫が今月13日に行われた。
 クロダマルは九州沖縄農業研究センターが開発した黒大豆。西日本の一般的な黒大豆と比べて表面に光沢があるのが特徴で、苦みが少なく、甘みが強い。抗酸化作用があるとされるアントシアニンの量が一般的な黒大豆より多い。暖地性の品種のため、つづらファームによると、滋賀県が国内で最北端の栽培地だという。
 つづらファームは平成26年度に、女性へ就労の場を提供しようと「黒豆で元気一発増進プロジェクト」を発足。翌年度から滋賀県の支援を得ながらクロダマルを栽培し、収穫から加工、販売までの六次産業化を目指している。毎年6月に約3000平方㍍の農地に種を植え、12月に収穫し、加工施設の工房まめつづらでクロダマルを使って茶や煮豆、コロッケ、弁当、プリンなどにして販売している。
 例年の収穫量は450㌔ほどだが、4年目の今年は台風や大雨の影響で約120㌔と少なかった。つづらファーム理事の茶木源重郎さん(73)は「自然相手のため今年は収穫量が少なかったが、数年後には栽培面積を広げ、5年後をめどに収穫量1㌧を目指したい」と意気込んでいた。
 クロダマルを使った商品は近隣市町のJA東びわこ直売所や四番町スクエア内のほか、第1第3土曜日の工房まめつづらでの朝市で販売されている。

2018年12月25日火曜日

切り絵作家の平松弘三さん県立盲学校の生徒たちの顔を切り絵で作りプレゼント

 切り絵作家の平松弘三さん(62)=高島市マキノ町=が、彦根市西今町の県立盲学校の生徒たちの顔を切り絵で制作。18日に同校を訪れてプレゼントした。
 平松さんは長浜市立朝日小学校で校務員として勤務。昨年10月から切り絵を始め、児童たちや保護者の顔を切り絵にして贈ってきた。朝日小の図書室で点字の絵本を読んだ際、点字を切り絵にしたら視覚障害者でも形が理解できると考え、盲学校に児童生徒の顔を切り絵にした作品の贈呈を申し出た。
 盲学校の幼稚部から理療科までの18人分の顔写真を受け取った平松さんは、11月初旬から制作を開始。B5サイズの黒色の紙をカッターで切りながら一人3、4時間ずつかけて顔を作成し、表面がつるつるとしたA4サイズの白色の厚紙に貼って完成させた。
 平松さんが盲学校を訪れた18日は、高等部2年の田中芹奈さん(16)と理療科の田中秀幸さん(58)が出迎え、それぞれの作品を受け取ると早速、手で触れながらうれしそうな表情を見せていた。田中秀幸さんは「自分の顔よりも一枚も二枚も男前に仕上がっており、感謝しています。家宝にします」と礼を述べ、平松さんに指圧のサービスをしていた。
 平松さんは「切り絵を絵本に用いて、動物などの形を視覚障害者が理解できるようなユニバーサルデザインの絵本を作りたい」と意欲を示していた。

2018年12月21日金曜日

パーソンズ描いた明治25年の彦根2―天寧寺、十六羅漢像、ササユリ 滋賀大学総合研究棟で

 彦根市馬場の滋賀大学総合研究棟で4日から、企画展「英国人画家パーソンズが描いた明治中期の彦根・米原・長浜」の第2期が始まった。
 アルフレット・パーソンズ(18471920)はイギリス人の水彩画家。明治25年(1892)に来日し、日本各地を旅行しながら早春から晩秋にかけての植物や風景を組み合わせた水彩画を描いた。彦根には5月19日から約1カ月間滞在。5月末まで楽々園に宿泊した後、6月19日まで里根町の天寧寺の書院にホームステイして、境内や裏山のツツジ、ササユリ、寺からの琵琶湖の風景などを描いた。秋には米原を拠点に活動し長浜にも足を運んでいる。
 パーソンズは帰国後に日本紀行文「Notes in Japan」を発行。そこには彦根や米原、長浜で過ごした様子を水彩画やスケッチ、文章でまとめている。第1期の企画展では「明治25年の彦根1」と題して、紀行文に掲載されている楽々園や市街地、稲枝などの風景画を紹介した。
 第2期では「明治25年の彦根2―天寧寺、十六羅漢像、ササユリ」をテーマに設定。パーソンズは天寧寺で当時の住職の高木宗欽(そうきん)、妻のお茂、息子の喜三郎と過ごした。企画展では、書院で高木夫妻が縁側でくつろぐ様子とハナショウブ、庭の背後にある16の石像とモチツツジ、竹林とササユリの白黒作品のほか、寺の裏山から眺めた際の彦根城や佐和山、旧松原内湖、琵琶湖の風景などのカラーの絵画も展示している。
 絵画以外にも、パーソンズが天寧寺を去る前に喜三郎がスケッチブックに思いを日本語で揮ごうした文章、警官退職後に彦根町会議員を務めた喜三郎の写真なども掲示している。
 監修の金子孝吉教授のギャラリートークは今月18日、新年1月8日、22日の午後0時10分ある。第3期の「明治25年の米原と長浜曳山祭、青岸寺、紙芝居の座長」は来年2月4日3月29日。
 開館時間は平日午前9時午後5時。入場無料。問い合わせは滋賀大学経済経営研究所☎(27)1047。

2018年12月19日水曜日

新型カロム・スーパーカロム発売も同名のひこねスーパーカロムの名称継続

 東京都の玩具メーカーが新型カロム「スーパーカロム」を開発し先月発売したのを受け、同じ名称の「ひこねスーパーカロム」を運営している彦根市スポーツ推進委員協議会の事務局(彦根市教委)が、商標権などに関して弁護士に相談。名称の継続について「問題がない」と助言を受けていたことがわかった。
 新型カロムはカロムで言うパックをディフェンダー、ストライカーをアタッカー、ジャックをソウルと呼び、いずれもプラスチック製で45㌢四方と小型なのが特徴。黒と赤のアタッカーで異なる色のディフェンダーを四隅の穴に落とすというルールや、パック数が少ないなどの違いがあるが、形態はカロムそのもの。メーカーは今年3月31日に「スーパーカロム」で商標登録を出願しており、審査待ちの状況だ。
 一方で、ひこねスーパーカロムは市スポーツ推進委員協議会が平成14年度から翌年度にかけて開発した彦根
発のニュースポーツ。体育館などのフロアを利用し、1チーム4人で対戦するカロムの大型バージョーン。カロムと比べて一部ルールの違いがある。現在は岩手や福島、兵庫など全国各地に広がっている。
 しが彦根新聞が玩具のスーパーカロムについて発売前の11月17日付けで報道した後、市教委が弁護士に相談。弁護士からは「スーパーカロムはボードゲームの玩具、ひこねスーパーカロムはスポーツの名称で、例え商標登録されても問題はない」と返答があったという。そのため市教委では商標登録の手続きをしない考え。
 ひこねスーパーカロム協会の田附隆司理事長(64)は「大会も15回開催しており、名称を変えるわけにはいかない。そのまま利用できると聞いており、ほっとしている」と話している。

 ひこねスーパーカロム大会が9日、市立城陽小学校であり、県内外の20チームが出場した。
 市スポーツ推進委員協議会が開催し、15回目の今年は市内16チーム、市外4チームの92人が出場。彦根市民体育センターで開かれていた昨年までは予選後、決勝トーナメントを開いていたが、会場変更のため今年は4チームごと5つのゾーンに分けて実施した。
 各ゾーンの優勝チームは、中仙道高宮宿、佐和山スーパーズ、高砂市スポーツ推進委員会(兵庫県高砂市)、稲枝西、スマイル932(草津市)。

 総合型地域スポーツクラブの彦クラブは、来年1月13日午前8時半~市立城陽小学校で新春スーパーカロム大会を開く。定員は中学生以上の1チーム4、5人の24チーム。参加費2000円。申し込みは申込書にチーム名や学区・学校名、メンバー名、代表者名と連絡先を記入し、来年1月8日までに彦根市立病院前の彦根ハート薬局内のボックスへ。問い合わせは午後7時~同9時に彦クラブの田中さん☎090(5124)9006。

2018年12月14日金曜日

M1グランプリ優勝の霜降り明星、昨年の王者とろサーモンらと吉本新喜劇 冬のよしもとお笑いライブ22日

 今年の漫才コンクールのM1グランプリで優勝した霜降り明星、昨年の王者・とろサーモンら人気漫才師と吉本新喜劇を迎える「冬のよしもとお笑いライブ」が、22日午前11時~と午後2時半~文化プラザグランドボールである。
 ほかの漫才師はものまねで人気のチョコレートプラネット、MI決勝に進出した見取り図、もりやすバンバンビガロ。吉本新喜劇では池乃めだかさんや酒井藍さんらが出演する。
 入場料は前売り4500円、当日5000円。4歳以下はひざ上のみ無料。チケットはチケットよしもと、チケットぴあ、ローソンチケットのほか、文化プラザ、ビバシティ、アルプラザ彦根・長浜、パリヤ、県立文化産業交流会館、ルッチプラザで販売。

2018年12月13日木曜日

伊藤善規さん・妻の紀美代さん共著・有情鼠が発刊

 彦根市佐和町の伊藤善規さん(70)と、一昨年に亡くなった妻の紀美代さん(享年63歳)の共著「有情鼠(うじょうねずみ)」が11月28日、発刊された。
 本は3匹の兄弟妹ネズミと2匹のイタチ母娘が、田圃(たんぼ)大黒様とお家大黒様の命を受けて人助けに奔走する冒険ファンタジー。ストーリーは、お家大黒様の暮らす屋敷の一人娘が育児放棄をする原因に妖怪が取りついていることが判明。5匹の動物たちは神様と一緒に9つの戦術を実行する中、最後の「御先祖崇敬作戦」で妖怪退治に成功し、一人娘の母性が回復するという内容。
 伊藤さんは病床だった紀美代さんのかたわらで、平成27年6月から原稿を書き始め、紀美代さんの助言を得ながら二人三脚で翌年11月に完成させた。11月28日に亡くなった紀美代さんの三回忌に合わせて発刊した。
 伊藤さんは大阪府警、彦根市議などを歴任し、紀美代さんは小学校の教員を務めてきた。本の中では警察官や教員として、親や祖父母としての視点も取り入れたという。
 伊藤さんは「この本では先祖をはじめ、目には見えない世界を敬うことが、子々孫々の繁栄につながるという儒教的な人生観を伝えたいとの思いで書きました。家族愛の大切さもテーマにしており、中学・高校生にも読んでほしい」と話している。
 本は166ページ。1500円。表紙にはイラストレーターの森邦生さんの絵が描かれている。発行はサンライズ出版。希望者は芳有華伊藤☎(24)6348かファクス(27)5109、メール(nqk20359@nifty.com)。

歳末特別警戒パトロールの出動式 彦根出身のJリーガー岩崎悠人選手が一日警察署長

 歳末特別警戒パトロールの出動式が5日、金亀公園のエントランス広場であり、彦根出身のJリーガーでU21日本代表の岩崎悠人選手(20)=京都サンガFC=が一日警察署長として参加した。
 県警は年末年始に金融機関やコンビニなどを狙った強盗事件、飲酒による暴力や交通事故が多発することを懸念し、毎年12月1日から警察活動を強化している。
 彦根署での出動式には署員や防犯団体の関係者ら65人が参加。山崎勉署長が「地域の皆さんが事件や事故に巻き込まれないよう、一丸となって警戒にあたるよう心からお願いしたい」と訓示。来賓を代表し大久保貴市長があいさつした。
 「一日警察署長」と書かれたタスキをかけた岩崎選手は「住民の皆さんが安心して生活できるよう、パトロールしてください」と激励。山崎署長や大久保市長らと一緒に署員の服装や車両の点検をした。その後、登場したひこにゃんからサッカーボールを受け取ると、サッカー経験がある彦根署地域課の小西拓己巡査(23)を相手にリフティングとパスを披露した。最後に全員で整列し、出動する車両を見送っていた。

2018年12月5日水曜日

一緒にどの場所でも撮影できるアプリひこにゃんWITH開発、夢京橋

 彦根市本町の夢京橋あかり館を運営する第3セクター「夢京橋」は、ひこにゃんと一緒にどの場所でも撮影できるアプリ「ひこにゃんWITH」を開発したと発表。先月22日からスマホでのダウンロードが可能になった。
 滋賀大学の彦根市内でのアンケート調査によると、昨年の観光客の訪問地は彦根城が44%、夢京橋キャッスルロードが21%、四番町スクエアが11%で、訪問地点数の平均は2・14だった。
 観光客の回遊性の向上が長年の課題になっているが、夢京橋では観光客に旧城下町にも足を運んでもらい、観光消費をより上げていこうとアプリを開発。「彦根城天守・西の丸」「鐘の丸」「玄宮園・楽々園」「滋賀県護国神社」「スミス記念堂」「あかり館」「宗安寺」「四番町スクエア」「河原町・芹町」「佐和山」の計10カ所で、異なる10パターンのポーズのひこにゃんと記念撮影できる設定にした。
 あかり館では2階に展示している関ヶ原合戦図屏風の井伊直政、石田三成、大谷吉継の旗印に、アプリをダウンロードしたスマートフォンをかざすと、ひこにゃんの3種類のイラストが現れる設定もある。
 利用者は240円でアプリをダウンロードした後、各場所でひこにゃんの写真などを入手できる。収益の一部は文化財保護のために彦根市へ寄付される。
 一度、手に入れたひこにゃんの写真や画像は国内外で撮影した写真と組み合わせるなど、SNS上でも自由に使える。
 夢京橋専務の杉原正樹さんは「ひこにゃんの力を借りて、彦根の城下町を歩いていただく観光客が増え、そして彦根を世界にPRできれば」と語っている。問い合わせはあかり館☎(27)5501。

2018年12月3日月曜日

彦根市の川嶋主導説 疑問

 庁舎耐震化の裏合意問題における責任の所在について、大久保市長の認識が市民の感覚とずれがあるため、これまでの経緯を再度整理しながら、責任の所在を明らかにしたい◆この問題の最大の焦点はどの市職員が主導し、地方自治法施行令の違反にあたる裏合意を施工業者と結んだかである◆市長の見解は、川嶋前副市長の指示を受けて前都市建設部長の山本氏が裏合意を結んだというものだ。先の臨時議会でも市長は「一部工事の取り止めなど仕様の変更を川嶋氏が指示した」と主張した◆しかし市議会が設置した百条委員会で、山本氏は地方自治法施行令違反にあたるとの認識を示した。一方で、川嶋氏は「契約内容そのものは変わらないと報告を受けていたため、最終的に了承したのは事実。今から思えば矛盾する話だった」と釈明。そのうえで、市が作成した報告書に対しては「作為的に作られている印象で腑に落ちない。あらかじめストーリーが描かれて、その流れから外れないよう作られたと疑念を抱いている」と、違法行為や裏合意への関与をきっぱり否定した◆百条委が作成した報告書でも、その責任の所在は曖昧だったものの「契約を進める時点で地方自治法施行令違反を理解していたのは山本前都市建設部長だけだった」などと記し、市の川嶋主導説にはふれなかった◆それにも関わらず、市は川嶋主導説に基づいた懲戒審査委員会の結果を尊重し、山本氏に対して最も軽い処分で幕引きを図った。また公表した処分理由の中では「川嶋氏の違法な命令に(山本氏が)従い、部下に違法な命令をした」とまで言い切った◆先の臨時議会でも獅山向洋市議や山内善男市議らが疑問を投げかけていたが、市長はあくまでも川嶋主導説に基づく持論を展開していた◆確かに真相はあいまいであるのは否定できないが、川嶋主導説を断定する形で幕引きを図ろうとする市の姿勢には、首を傾げざるを得ない。来週からの12月議会での議論を市民と共に継続して注目したい。【山田貴之】

庁舎耐震工事の裏合意で前都市建設部長を戒告処分に

 本庁舎耐震工事の裏合意の問題を受け、市は11月21日、裏合意に関わった前都市建設部長の山本茂春氏を戒告の処分にすると発表した。
 山本氏ら市職員と岐建滋賀支店は、契約内容から空調設備や既存庁舎の改修など一部工事を取りやめる裏合意をした上で契約を締結。入札時の条件を変更した行為が地方自治法施行令違反にあたるとの認識について、山本氏は市議会が設置した百条委員会の中で「その可能性はあると認識していた」と述べていた。
 一方で、市は前副市長の川嶋氏が山本氏らに指示をし、裏合意を主導させたとの主張を展開したが、これに対し川嶋氏は百条委で裏合意への直接的な関与を否定した。しかし山本氏の処分内容を決めた懲戒審査委員会は市の川嶋主導説に基づいて協議し、その結果、山本氏の処分を4段階で最も軽い戒告にした。
 軽い処分について、市長は会見で「懲戒審査委員会が適切に判断していただいた。委員会と異なる処分はできない」と答えた。市は裏合意に関与したほかの職員2人に市長から訓告と厳重注意、6人に注意の処分をしたとも発表した。

2018年11月30日金曜日

辻番所の見張り窓が損壊、当て逃げか

 彦根市指定文化財の辻番所(旧磯嶋家住宅)=芹橋2丁目=の通り沿いにある見張り窓部分の出格子が、自動車の接触事故とみられる影響で壊されているのが21日わかった。市教委文化財課は20日に被害を確認し、彦根署へ被害届を提出。同署は当て逃げ(道路交通法違反)の疑いで調べている。
 辻番所は江戸時代に武家屋敷の周辺に置かれた監視用の建物。旧彦根藩足軽屋敷の善利組(芹橋2)の旧磯島家住宅の一角に残っており、約7・3平方㍍のスペースの角には東と南の2方向に分かれた見張り窓が備えられている。全国でも唯一だとされる。市は平成21年3月に市の指定文化財にし、国の補助を得て翌年10月から半解体による修理を始め、同25年12月に完成。現在は市民団体・彦根辻番所の会が勉強会などで活用している。
 20日朝に地元住民が路上に落ちている見張り窓を発見。午前10時ごろに報告を受けた同会会長の渡邊弘俊さん(81)が文化財課に知らせた。同課の調査で、高さ1・4㍍にある東側の見張り窓(縦40㌢×横60㌢)が壊れているのを確認。自動車がぶつかった痕跡と見られる白い塗料がついていたため、彦根署に被害届を提出した。同課は「早急に修理する」としている。
 損壊が確認された見張り窓は辻番所を象徴するカ所のため、渡邊さんは「当て逃げならばとんでもないこと。憤りをおぼえている」と話している。

2018年11月25日日曜日

築100年の蔵を改装した日本料理の店 武相草オープン

 彦根市河原1丁目に、築約100年の蔵を改装した日本料理の店「武相草(ぶあいそう)」が今月6日オープンした。
 建物は、花しょうぶ通り商店街沿いにある目加田家内の敷地面積約50平方㍍の2階建ての蔵。建築年は不明だが、目加田家や改装した施工業者によると、明治時代から大正時代にかけた時期だという。基礎の部分をそのままにし、1階にカウンターと座敷で計13席、2階にテーブルで計16席を設けた。
 同店のオーナーが、元勤務先の先輩だった料理人の横田武典さん(60)を招き、寿司や天ぷらなどを提供している。器は玄宮園内で昨年11月まで営業されてきた料亭「八景亭」で使われてきた大正時代から昭和時代のを利用。その一部を2階に展示もしている。
 店名は、武相荘という名の家に住んでいた随筆家の白洲正子さんと花を横田さんが好きとのことから命名。横田さんは「店の名前は『ぶあいそう』だが、決して無愛想ではない」と笑顔を見せながら「多くの市民の皆さんが気軽に来て頂ける店にしたい。昔ながらの寿司屋の雰囲気があると思います」と来店を呼びかけている。
 営業時間は午前11時~午後2時と午後5時~同9時。水曜定休。駐車場あり。問い合わせは同店☎(27)5666。

2018年11月23日金曜日

新しい形式のカロム スーパーカロム23日デビュー

 新しい形式のカロム「スーパーカロム」が23日にデビューする。誕生を記念し、来月15日には彦根市の四番町スクエアで体験会などが催される。
 開発したのは玩具メーカー「T-entertainment」(東京都千代田区)。彦根のカロムは盤やパックが木製だが、スーパーカロムはいずれもプラスチック製で、大きさが45㌢四方と小型化されている。彦根のカロムで用いるパックをディフェンダー、自分のパックのストライカーをアタッカー、ジャックをソウルと呼び、黒と赤の大きめのアタッカーで異なる相手の色の小さめのディフェンダーを四隅の穴に落とすというルールの違いもある。
 アタッカー1個、ディフェンダー8個と、彦根のカロムの計13個と比べて少なく、2人で対戦するのが基本だが、黄色や青色、緑色のセットがあり、3人以上で遊ぶこともできる。
 企画協力をした玩具メーカー「トレンドマスター」(神奈川県川崎市)の中田敦社長(59)は「スーパーカロムは1回あたりのプレー時間が短く、小さな子どもでも気軽に遊べます。彦根を中心に楽しまれているカロムを日本中、世界にはやらせたい」と語っている。価格4980円(税抜き)。アタッカー&ディフェンダーセットや専用のバッグ、巾着袋などオプションもある。四番町ダイニング2階のほか、全国の主な玩具店で販売。問い合わせは事務局☎0120(913)362。
 来月15日正午からは四番町スクエアでスーパーカロムの体験会とミニ大会のイベントがある。

2018年11月22日木曜日

宗安寺の秘仏・庚申尊の胎内から大日如来像と享保年間の法華経版本、23日に一般公開

 彦根市本町2丁目の宗安寺は、安置している秘仏「庚申(こうしん)尊」(別名・青面金剛童子)の胎内から、大日如来の像と享保年間(1716~36)に書かれた法華経の版本が見つかったと発表。23日に一般公開する。
 庚申尊は仏教の守護神で延命の神様され、同寺の像は高さ約1㍍。彦根藩井伊家の四代当主・直治(直興)の援助で旧安清村に建立された金剛寺宝珠院に、元文5年(1740)にまつられたとされる。明治2年の神仏分離令で宝珠院が賢木(さかき)神社となった際、庚申尊は宗安寺に移され、現在まで同寺に安置。秘仏として不定期で開帳してきた。
 庚申尊には背中の部分に縦20㌢×横12㌢の切り口跡があり、大日如来の像などが入っていることを表した文章も記されていた。足元が破損していたこともあり、今年3月から10月まで修復をした際、胎内から台座に乗った高さ10・5㌢×横6㌢の大日如来の像と法華経が確認され、取り出された。仏像の中に仏像や経典を入れる行為は鎌倉時代以降に見られるが、宗安寺の竹内真道住職は「神は仏の化身という当時の本地垂迹(ほんじすいじゃく)説の考えを表している。庚申信仰に関する資料は少なく、貴重な発見」と話している。
 23日は午後1時~浄土宗の御十夜法要、同2時10分~庚申尊ご開帳法要、同3時15分~「秘仏庚申尊について」の住職講話などがある。「魔よけ猿」に願い事を書いて奉納する庚申尊祈願も受け付ける。当日午後1時までで、1回1000円・限定60個。竹内住職は「かつては民衆の間で信仰されてきた仏様。広く市民の皆様にも手を合わせに来て欲しい」と語っている。問い合わせは宗安寺☎(22)0801。

ノート6475冊、1668・9㍍並べてギネス記録を更新

 ノートを並べる長さでギネス記録を目指すイベントが18日、彦根市松原町の近江高校であり、ノート6475冊で1668・9㍍を並べて見事、ギネス記録を更新した。
 尾末町の寺村邦子さん(63)が彦根で企画した16回目となる挑戦。ノートを並べる長さのギネス記録は今年夏にインドで行われた1325・1㍍。寺村さんはノートの提供を募集し、当日の市民からの持ち込みや文具メーカー・コクヨの寄付、近江高生からの貸し出しなどで大小のノートが集まった。
 寺村さんや近江高生、市民ら45人が、午後1時15分に校舎4階から並べ始め、ゴール地点の2階のエントランス広場まで、各階の廊下に6列ほどずつ、階段には板を敷いた上に並べた。同4時15分に並べ終えた後、ギネス社認定員の古屋洋子さんが「ノートとの間にすき間がないか」「ノート以外が使われていないか」などを調査。測量士と一緒に長さを測った後の午後7時ごろギネス記録の更新が発表されると、参加者からは「やったー」などの歓喜の声があがった。
 68冊を持参した彦根市立東中の井田萌心さん(14)は「小学生から使っていたノートを提供しました。ギネス記録が達成できてうれしい」と笑顔を見せた。彦根で12回目のギネス記録を達成した寺村さんは「皆さんの協力で達成することができました。多くのつながりを感じた挑戦でした」と話していた。
 集まったノートのうち新品の寄贈品は、市と県の社会福祉協議会を通じて東日本大震災の被災地の子どもに贈られる。

2018年11月19日月曜日

高宮町の旧小堀卯之助商店の町家が解体の危機

 彦根市高宮町の中山道沿いで明治時代中期から麻布商を営んでいた旧小堀卯之助(うのすけ)商店の町家が解体の危機にあり、持ち主の家族らが建物の売却と有効活用を求めている。
 江戸時代、高宮宿は近江商人が商品を全国へ流通させる拠点地として賑わい、周囲で作られていた麻布は高宮布として全国的にも有名だった。明治時代になると、産業構造の変化で麻織物が衰退し、看板を下ろす店が増える中、小堀卯之助(明治9年~昭和20年)が麻織物の店を開店した。卯之助の孫にあたる小堀善一さん(83)=大阪府寝屋川市=や愛荘町立歴史文化博物館の職員によると、昭和に入って商売が縮小したものの、卯之助の死後も長男の卯三郎(明治33年~昭和52年)が昭和35年ごろまで商売を続け、大阪の心斎橋にも卯三郎の弟が小堀卯之助商店を営んでいたという。
 高宮の建物は約290平方㍍の敷地に建てられた中二階の町家で、建物内には五右衛門風呂やかまどなどが残っており、庭園や蔵もある。視察した滋賀県立大学の濱崎一志教授によると、構造の特徴から江戸時代後期から明治時代初期の建物だという。このことから、元々あった町家を卯之助が明治中期に購入する形で入り、商売をしていたとみられる。
 6年前までは善一さんの姉の良子さん(87)が住んでいたが、現在は空き家になっており、その管理が難しくなってきた。そのため、善一さんの長女の清水文栄さん(55)=神戸市=が中心になって、古民家を有効活用する団体などに相談したが、良い返事はもらえていないという。
 麻織物の商売時代に使われていた天秤や風呂敷などの道具、帳簿や文書は愛荘町立歴史文化博物館に寄贈。今月6日には専門業者に依頼し、建物内にあったほとんどの日用品を撤去した。清水さんは「このまま解体するのは寂しく、高宮の街並み保存からしてももったいないと思う。建物を購入してもらって、食事処や憩いの場など何らかの形で残してほしい」と話している。近く彦根市空き家バンクに登録する予定。問い合わせは小堀善一さん☎072(822)7280。

2018年11月16日金曜日

台風21号で倒壊の屋形船船着場の建物を再建し安全祈願祭

 彦根城の内堀で運航している屋形船の船着場が、9月4日の台風21号の影響で倒壊。運営するNPO法人小江戸ひこねは船着場の建物を再建し、11日に安全祈願祭を行った。
 屋形船は彦根城築城400年祭が開幕した翌日の平成19年3月22日に運航を開始。同時期に建てられた玄宮園前の船着場は約50平方㍍の広さに、屋根付きの券売所や待合スペースを備えた木製の建物がある。
 台風21号により屋根が堀まで吹き飛ぶなど建物が倒壊した。3日間ほど営業を中止し、以降はテントを張っていたが、10月8日から30日にかけて建物を再建した。崩壊前の部材を再利用したほか、柱を太くするなど頑丈にした。
 安全祈願祭には同団体のメンバーら10人が出席。利用客の安全を願って、千代神社の布施博章宮司が清めの祓いを行った。同団体の棚橋勝道理事長(58)は「柱も太くなり再建できて良かった。これからも安心、安全の運航を心がけていきたい」と話していた。

彦根駅構内の近江鉄道ミュージアム来月8日に閉館

 近江鉄道は、彦根駅構内の近江鉄道ミュージアムを来月8日に閉館すると発表した。
 同館は彦根城築城400年祭に合わせて平成19年3月21日にオープン。線路上では近江鉄道の貨物輸送を支えた大正時代の電気機関車、資料館では閉塞器や開業免許書などを展示してきた。またガチャコンまつりや小学校の社会科見学などの時にも開放した。
 資料館は大正9年(1920)に変電所として設立された建物で、その後、電気関連の事務所となり、ミュージアムのオープンに合わせて改装された。しかし、建物の老朽化が目立ってきたため閉館することにした。展示物は八日市駅に移す予定で、閉館以降の跡地利用は未定。
 最終日になる12月8日には「近江鉄道ミュージアム感謝祭」を開催。来場者300人に記念のポストカードのプレゼントや館内の部品を販売する(正午~)ほか、近江鉄道グッズの1500円以上の購入者先着100人に「豊郷あかね」とミュージアムをデザインした限定のB3判ポスターを進呈する。午前10時~午後2時。入場無料。

2018年11月12日月曜日

銀座町の昭和時代のジャズ喫茶店チャップリンがカフェテリア・アズーロとしてオープン

 彦根市銀座町で昭和時代にジャズ喫茶の店として人気だった「チャップリン」が、「カフェテリア・アズーロ」として今月1日にオープン。今後はジャズなどのコンサート会場としての開放や夜間にバーの店を経営する予定だ。
 チャップリンは3階建てビルの2階にあり、当時を知る市民によると、昭和30年代は「クローバー」という店名だったが、その後改名。昭和58年にはチャップリンを拠点に彦根ジャズファンクラブが結成され、音楽家を招いてジャズライブを開いていたという。昭和63年ごろに閉店して以降は空き店舗になっていた。
 隣接する空き店舗に今年4月13日、青池貴司さん(42)=日夏町=が昭和時代に賑わっていた銀座街の再興を目指して、ジェラートの専門店「ジェラテリア・アズーロ」を開店。今月からイタリアの著名な料理人のマルコ・パオロ・モリナーリさんが作ったアップルパイなどの販売を開始するのに合わせて、旧チャップリンの店内を先月10日からカフェスペースに改装。レンガ造りの壁やステージ、ステンドガラス、カウンターなど昭和時代の雰囲気はそのまま活用している。
 カフェテリア・アズーロではコーヒーやオレンジジュース、カップ入りジェラートなどを提供。ジェラテリア・アズーロで購入したジェラートやアップルパイなども持ち込みできる。開店時間は午前11時~午後7時。水曜定休。
 青池さんは「地域の人が気軽に集えるコミュニティースペースになればと思います。コンサートスペースとしても活用してほしい」と話している。年内をめどに夜間にバーとしてもオープンする予定。問い合わせは同店☎(23)7665。

長曽祢虎徹―新刀随一の匠展 彦根城博物館で

 彦根の長曽根で甲冑や鐔(つば)などを作っていた鍛冶集団・長曽祢鍛冶の流れをくみ、江戸時代前期に活躍した刀工・長曽祢虎徹(1605?~78)の特別展「長曽祢虎徹―新刀随一の匠―」が10月26日から彦根城博物館で開かれている。27日にはギャラリートークが行われた。
 長曽祢鍛冶は彦根の長曽根村で活躍していたとされ、13人の職人がいたとする当時の記録を収めた史料もある。その一部が江戸時代初期に越前へ移住したとされる。現在、虎徹が刀を作る際に使ったと伝わる井戸跡が長曽根町に残っているが、彦根城博物館によると、虎徹は越前で生まれて、江戸で作刀していたとの説が有力で、長曽根村を訪れたかは不明だ。虎徹は当初、長曽祢鍛冶と同様に甲冑などを作っていて、その時には本名の興里(おきさと)の銘を入れていた。刀工へ転向して以降は虎徹という号を名乗るようになったが、銘を10回以上変えている。
 虎徹は、試刀家の山野永久・久英親子から助言を受けて刀作りに励み、万治元年(1658)~寛文6年(1666)にかけて山野親子が虎徹の刀で試し斬りをしている様子がわかる史料が残っている。虎徹の刀は焼きを入れる前の鉄材の地鉄(じがね)が強いのが特徴で、寛文末期(1671年~72年)にかけて完成期を迎え、以降の作品は名作と称される。虎徹の死後40年後に発刊された刀剣書「新刃銘尽(あらみめいづくし)」には「新刀第一の上作」と書かれている。
 特別展では虎徹の制作品や、江戸や越前で活躍した長曽祢鍛冶の作品など計45点を展示。中には、越前にいた長曽祢鍛冶が寛永20年(1643)に作ったかぶと、虎徹が甲冑師時代に江戸で作った籠手(こて)の馬手(右手用)と射向(左手用)、寛文元年8月に山野永久が罪人の2つの胴を使って斬れ味を測ったという銘入りの虎徹の初期作、罪人を試し斬りした際の様子を示した江戸時代後期の絵図、「長曽祢虎入道」という銘が刻まれた虎徹の寛文11年作の刀、虎徹作の刀を「地鉄強く」「水気十分」などと称賛した寛政11年(1799)の刀剣書などがある。
 開館は11月25日までの午前8時半~午後5時。11月8日までが前期、翌日からが後期で展示替えがある。

2018年11月10日土曜日

いいのすけ認知度向上へインターネット上で11日PR

 彦根市は11日に、市のキャラクター・いいのすけ=写真=の認知度向上を目指し、インターネット上でいいのすけをPRする取り組みを行う。
 市は、昨年8月9日に史跡散策アプリ「彦根ほんもの歴史なぞとき」を公開した際、彦根藩に仕えた忍者にちなんだキャラクター・いいのすけを発表。今年10月3日には専用のホームページも設けた。しかしまだまだ知名度が低いため、ひこにゃんと共に今後の観光振興に貢献させようとネット上でのPRを企画した。
 「いいのすけ、いいねの日」と銘打ち11月11日を「いいのすけの日」に設定。ツイッター上でいいのすけへのメッセージや、いいのすけに関する写真、イラストにハッシュタグ(#いいのすけ)を付けた投稿を募集し、その投稿に対していいのすけがコメントなどをする。
 また11日のみ限定で、市や彦根観光協会のホームページ、観光ガイドのフェイスブック、インスタグラムのアカウントなどに、いいのすけの画像を掲載する「メディアジャック」をする。いいのすけは「拙者、11日は大忍ばし(大忙し)でござる」とコメントしている。

2018年11月7日水曜日

井伊直滋の甲冑 永源寺で初公開

 彦根藩井伊家二代当主の井伊直孝の長男・直滋(なおしげ)の甲冑が、保管されてきた東近江市の永源寺で1日から初公開されている。かぶとは当主のみに許された両脇から突き出る天衝き型で、彦根城博物館では「直滋の天衝き型のかぶとはほかになく貴重だ」としている。
 直滋は慶長17年(1612)生まれ。井伊家の世継ぎとして、江戸城にも何度か出入りしており、三代将軍・徳川家光に取り立てられた。直孝との不仲など何らかの理由で当主にはなれず、晩年は近江へ戻り、万治元年(1658)以降は百済寺で過ごし、3年後に亡くなった。彦根藩の依頼で葬儀が永源寺で行われ、百済寺に墓がある。
 元禄5年(1692)に井伊家の世話役が永源寺宛てに書いた文書には「江戸の屋敷の土蔵から(直滋の甲冑が)出てきた。焼くことも考えたが、相談し預ける」と記されている。また永源寺によると、元禄5年に行われた直滋公三十三回忌の法要に合わせて奉納されたという。同寺では蔵で保管してきたが、今年4月に整理をしていたところ、かぶとや天衝き、こてなどが見つかった。
 彦根城博物館には幼少期の甲冑を含めて2領あるが、かぶとが天衝き型ではないため、同館では「当主と同じスタイルのかぶとであり、非常に珍しい」としている。永源寺は直滋の甲冑のほか、同時に見つかった鎖かたびらや腰に付ける弁当箱などを30日まで展示している。入山料がいる。問い合わせは永源寺☎0748(27)0016。

2018年11月5日月曜日

城西小学校にオーストラリアのローズパークプライマリースクールの児童たち来校

 ユネスコスクールに登録されている彦根市立城西小学校に10月25日から29日まで、姉妹校でオーストラリアのローズパークプライマリースクールの児童たちが来校。日本の子どもたちと交流しながら、さまざまな日本文化に触れ合った。
 ユネスコスクールはユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の理念を実現するため、平和や国際理解などの学習に取り組む学校。1953年に発足し、世界182カ国で1万1500校以上が加盟。日本国内では1149校園が参加している。城西小は平成24年12月に県内の小学校として最初に承認された。
 ローズパークの来校は3回目で、今年は児童24人と引率の教員4人が訪れた。城西小では25日に歓迎会や和太鼓の体験、26日に両校の児童たちがグループになって彦根城ウォークラリーなどをした。
 29日はお別れ会後、ローズパークの児童たちが彦根城博物館で着付けと茶道を体験。彦根市大東町などに教室がある和文館の講師らに教えてもらいながら着物を着た後、木造棟に移動し、彦根一会流の作法で茶道にふれた。ローズパークの児童たちは慣れない正座をしながら、和菓子や茶をいただいていた。6年生のエミリー・ルドルフさん(12)は「茶道や着付けなど色んな日本文化を体験でき、とても楽しかったです。城西小の子どもたちもとても親切でした」と話していた。

ノート並べる長さでギネス挑戦イベント11月18日に近江高校で、提供者募集

 ノートを並べる長さでギネス記録に挑戦するイベントが11月18日に彦根市松原町の近江高校で行われる。実行委員会代表の寺村邦子さん(63)=尾末町=はノートの提供と並べる協力者を求めている。
 提供を受け付けるノートは未使用か、名前が記入された使用中または使用済みので、サイズは問わないが、メモ帳は不可。未使用のノートは社会福祉協議会を通じて被災地の子どもなどに渡される予定。使用中などのノートは返却される。
 ノートを並べる長さのこれまでのギネス記録は今年夏にインドの学校で行われた約1325㍍。記録を更新するためにはB5サイズで5000冊以上が必要になる。当日は近江高の1階中庭で正午~受付を行い、校舎の廊下や階段にすき間なくノートを並べる。
 寺村さんは平成19年3月に連続コンサートでギネス記録を達成して以降、毎年のようにさまざま分野で挑戦。最近では2年前の4月に城西小学校で、忍者姿で集合した人数とカロム玉を並べた数で同時にギネス記録を達成した。彦根でこれまでに11回成功し、4回失敗している。
 寺村さんは「思い出が詰まったノートなどをみんなで楽しく並べることができたらうれしいです」と協力を呼びかけている。
 問い合わせは寺村さん☎090(5152)3918。

寺子屋力石の保存修理が完了し竣工式

 7年前の火災で一部が焼失した彦根市河原2丁目の「寺子屋力石」の保存修理が完了し、21日に竣工式が開かれた。
 寺子屋力石は平成9年以降、地域の交流の場となっていたが、同23年1月2日に1階部分から出火し、母屋が全焼、通り沿いの旧寺子屋部分も半焼した。地元住民らによる寺子屋力石再生委員会が「再興プロジェクト」運動を展開し、募金活動などで1期目の工事を行って4月16日に仮オープン。翌年4月にギャラリー兼カフェとなった。
 平成28年7月25日には寺子屋力石を含む河原町芹町地区が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定。地区内の町家を修復する最初の工事が力石で今年6月から行われてきた。総工費約1500万円の補助対象(約1100万円)のうち国と市の補助は400万円ずつ。
 竣工式で大久保貴市長は「彦根城の世界遺産登録のためには市民の熱い思いが必要で、花しょうぶ通りはそのモデル。世界遺産に似合うまちを作りたい」とあいさつ。所有者の力石寛治さんは「修復が完成し涙が出てくる。この寺子屋を中心にしてまちづくりを更に進めてほしい」と述べた。
 式後には建物内の見学会があり、設計業者らが耐震補強をした格子壁や、火災のあとが残る2階部分などを案内した。同地区では今後も修復工事を随時、進めていく。

2018年10月29日月曜日

城塞・軍事遺産国際学術会議委員会ICOFORT年次総会と学術会議 彦根で

 城塞・軍事遺産国際学術会議委員会(ICOFORT)の年次総会と学術会議が23日から26日まで彦根市内などで開かれ、19の国・地域から研究者約100人が訪れた。
 ICOFORTはユネスコの世界遺産の答申を行う「イコモス」の国際学術委員会の一つ。世界各地に残されている城郭や要塞、軍港、古戦場などの軍事施設や戦場跡について、その歴史的評価や保存活用などに関する活動をしている。
 23日に「城郭の世界史―アジア・ヨーロッパ世界と彦根」をテーマに文化プラザエコーホールで行われたシンポジウムには市民を含む約160人が参加。イコモスの河野俊行会長とICOFORTのミラグロス・フローレス・ロマン委員長があいさつした後、滋賀県立大学の中井均教授らが基調講演。中井教授は彦根城の石垣や堀切を取り上げながら「石垣などだけ見ても軍事性は高く、このような土木施設が残っていることは極めて重要だ」と紹介。城下町を含めたエリアを堀や土塁、石垣で囲い込んだ日本の城郭構造の特徴の「惣構え」を説明したうえで「天守などの建造物だけでは日本の城郭の本質はわからない。堀や石垣などを入れることでその本質的価値に迫ることができる」と述べた。
 その後、エクス・マルセイユ大学のニコラ・フォシェール教授による「ヨーロッパの城郭と都市」の講演、彦根市特別顧問の山根裕子氏らの講話後にはパネルディスカッションもあった。
 メッセ棟1階では彦根仏壇の技で作られた甲冑や、琵琶湖のヨシ約500本を使って滋賀県立大学の学生たちが作った作品、世界の城郭のパネルと模型などが展示された。24日、一行は狂言を鑑賞した後、彦根城に移動。彦根鉄砲隊の演武を見た後、彦根城博物館や彦根城を見学した。25日には学術セッションと年次総会、26日には安土城考古博物館や伊賀上野忍者博物館などの見学会があった。

2018年10月25日木曜日

井伊裕子さん彦根と井伊家について思うことテーマに彦根城博物館で講演

 井伊家の直系にあたる井伊裕子さんが14日、「彦根と井伊家について思うこと」をテーマに彦根城博物館で講演。彦根藩の歴代藩主や文化財保護の大切さを話した。
 裕子さんは彦根藩初代の直政について「とにかく戦いが強い人で、休みもなく大いに働いていたという印象。直政が最初に入った佐和山城からの眺めは、現代と比べて内湖がなく、芹川の場所も違っており、400年の歳月を感じる」と述べた。
 二代の直孝については「すきが無く、強面の武将」というイメージだとしたうえで、ひこにゃん誕生の伝説にも登場するため、「怖い上司が猫の手招きでついて行ったのだから、家臣はびっくりしたのでは。人間味のある方だったと思う」と語った。
 十三代の直弼については、政治家としては意見が分かれる一方で、茶人としては高く評価されている点にふれながら「家臣のほか、家族や奥女中を相手に茶の湯をしており、男女平等の最先端を歩んだ方だ」と解説。「気を休めることができたのが茶会で、趣味にも手を抜かなかった。今風に言えば、ワークライフバランスをうまくしていたのだろう」と説明した。
 彦根藩に関する貴重な史料や美術品が、明治政府の処理や戦争、関東大震災、大洪水などで無くなったが、被害を逃れたり、直弼の側近だった大久保小膳や家来らが残したりしたことで、約4万5000点が彦根城博物館などに残っていると紹介。また裕子さんの祖父で元彦根市長の直愛さんと祖母の文子さんが井伊家の文化財を市へ寄付したことについて「彦根の財産として研究してもらおうという思いがあったのでは」「明治時代以降の近代の文書もあり、お浜御殿などの整備を含めて、彦根の宝物を大切にしていただきたい。研究が進むことも願っています」と締めくくった。
 裕子さんの講演会は彦根城博物館友の会(川嶌順次郎会長)が主催し、87人が来場した。

立憲民主党へ田島一成氏入党

 立憲民主党滋賀県連合(笠原吉孝代表)は17日、彦根勤労福祉会館で前衆院議員の田島一成氏と語る市民対話集会を開き、田島氏は同党へ入党する考えを示した=写真。
 昨年10月の衆院選で民進党が事実上解党し、同党の党員たちは小池百合子都知事らが立ち上げた希望の党、リベラル派の立憲民主党、無所属に分かれて選挙戦にのぞみ、田島氏は希望の党として戦ったが敗北した。
 対話集会で田島氏は、「衆院選前の小池氏の『排除』発言に対して疑った一人だが、解散からの期間が短く、滋賀のほかの選挙区の2人を置いて無所属で出ることはできなかった」と釈明。
 立憲民主党への入党を決意した理由については「原発ゼロ基本法の成立が盛り込まれていることなど、政策に違和感がないと判断した。安倍政権は憲法改悪にまっしぐらで、森友加計問題の真実をごまかしている。戦うべき相手は明確であり、政治家としての歩みを進めたい」と述べた。
 対話集会では来場者からの質問があり、安倍政権が進める憲法改正への考えを問う質問に田島氏は「憲法改正の議論は積極的にやろうという考えだが、現憲法下で不都合があるのかの議論が必要だ。地方分権や環境に関する項目を加えることも一つだ。平和を築いてきた9条を変えるための憲法改正は本末転倒だ」と語った。
 集会後、笠原代表は田島氏から9月2日付で入党申請があったことを明かし「一緒にやっていこうという思いが強くなった」と話し、田島氏の入党を決めたと発表した。今月22日に守山市内である幹事会に報告する。
(メモ帳)
 田島氏は彦根市議から滋賀県議、そして国会議員へとのぼりつめた、まさに「彦根の星」とも言うべき政治家であり、市内の小中学生でも知る有名な彦根市民である◆しかし、対話集会で豊郷町に店を構えるAさんは多くの有権者が抱いている思いを代弁した。Aさんは田島氏が彦根青年会議所の理事長を務めた際や、県議選の選挙応援をした時の印象について「演説が心に響き、この人はすごいと思った」と賞賛した後、「でも今の田島さんは現政権の批判ばかりで、心に響かない。もっと大きな夢を語ってほしい」と指摘していた◆民進党から希望の党へ事実上の入党、そして立憲民主党への入党、この1年の動きだけを見ても、事大主義的な政治姿勢は決して評価されるものではない◆対話集会で田島氏は「私の理念である現場主義を初心にかえって、もう一度やり直す」と話し、また「支援者からは違うステージで戦ってはとの意見もあった」と明かしていたが、それならばもっとも現場である彦根市長選も選択肢の一つであろう◆衆院選は早ければ来年夏の参院選との同時期にあるかもしれず、彦根市長選は任期満了でいけば、まだ2年半以上先になる。しかし現市政は不安定さが目立ち、早まる可能性も否定できない。「彦根の星」である田島氏が市長選に出れば、自民系も対抗馬は探しにくく、当選はほぼ間違いないだろう◆田島氏が今後、どのような政治家を目指すのか、いかなる政治的決断をするのか、注目している彦根市民は少なくない。【山田貴之】

2018年10月23日火曜日

久木由香さん洋服展 高橋美術で、ルームシューズ作りも


 彦根市太堂町の服飾家・久木由香さん(42)の作品展が28日まで高橋美術(平田町)で開かれている。2425日午前10時半〜はルームシューズを作るワークショップもある(3500円)。
 久木さんは高校卒業後、服飾関係の専門学校へ進学し、洋服作りを学んだ。卒業後はオーダーメイドで女性を中心にした大人向けの洋服を作ってきた。4年前に長男が誕生したのを機に、子ども向けの洋服作りも開始。綿や麻、ウールなどさまざまな素材を使い、「母親とコーディネートできる洋服」を手がけている。
 今回の展示に合わせて、「KURUM(くるむ)」というブランド名を付けた。高橋美術では久木さんの作品のほか、母親で大藪町の堀田静江さんが毛糸を使って手編みで仕上げたニット帽や靴下など計90点を展示している。
 久木さんは「秋冬の装いが楽しくなるような洋服を作りました。ぜひ、見に来てください」と来場を呼びかけている。開館は午前11時〜午後6時。購入もできる。問い合わせは高橋美術℡(20)4963。

2018年10月20日土曜日

ご当地キャラ博2018が彦根市内で開幕


 「ご当地キャラ博2018」が20日、彦根市内で開幕した。21日まで全国各地から計160体が参加する予定。
 メイン会場の京橋口駐車場で行われた20日朝の開幕式では大久保貴市長が「2日間、一緒に楽しみましょう」とあいさつし、実行委員会実施副本部長の和田一繁さんの宣言で開幕。ひこにゃんやくまモンらキャラたちがステージに上がり、記念撮影に応じていた。
 京橋口駐車場以外の会場は夢京橋キャッスルロード、四番町スクエアで、京橋口駐車場と四番町スクエアにはステージが設けられ、キャラたちが順番に登壇し、自己紹介をする。午前11時半~ひこにゃんが曳き山に乗って巡行する時間もある。
 今年は来場客の回遊性を高めるため、キャラたちのカードが無料でゲットできる「名刺コレクションラリー」を初めて開催。約130体のキャラが各ブースなどで配布し、ひこにゃんは天守前と会場内で2種類のカードを配る。市内7カ所の商店街、観光協会、お城大使、いいのすけ、パーク&バスライド、赤い羽根共同募金、ゴミらレンジャーなどのカードもある。商店街と観光協会のカードは計8種類あり、すべてを集めると一つの絵柄になる。
 カードが収納できるカードホルダー2種類を1500円で、市内の宗安寺前の本部と京橋交差点付近の案内所で販売している。参加するキャラを写真入りで載せたガイドブックも市内各所で売っている。開催時間は午前9時~午後3時。