2010年2月27日土曜日

ヴォーリズ建築「旧日夏村役場」 地元住民が買い取り「憩いの場」に

 米国の建築家・ヴォーリズ(1880~1964)建築の「日夏町民会館」(旧日夏村役場)を有効活用しようと、地元住民が2階のスペースを憩いの広場「日夏木曜ハウス」として今月オープン。25日には約30人のお年寄りが訪れ、交流を楽しんでいた。
 日夏町民会館は、日夏村役場と産業組合の合同の建物として、昭和10年(1935)4月に建設。木造2階建て、延べ約250平方㍍。南側は役場、北側は組合が利用。2階の約310平方㍍の大広間は議場として使われた歴史があり、当時使われていた投票箱や議事録なども残っている。昭和25年に日夏村が市に編入合併された後は、地域の会合や文化活動の場として使用されてきた。
 また平成13年までは建物の一角にJA東びわこ日夏支店が入っていて、閉鎖以降は取り壊される方向で進んでいた。しかし、日夏地域の歴史を後世に伝える活動をしている「日夏歴史研究会」(成宮恵津子代表)の会員らが保存活動を展開。地元住民で銅鐸博物館(野洲市)館長を務める古川与志継さん(58)が金策に走り、昨年9月に建物を購入し日夏町自治会に貸与した。
 「日夏木曜ハウス」は主にお年寄りの交流の場として活用。毎週木曜日午前10時から午後3時までオープンしており、おしゃべりや映画の上映などのほか、日夏町の歴史講座も開く予定で、お年寄り以外の参加も呼びかけている。日夏町民以外の参加も歓迎。駐車場あり。料金はコーヒー・菓子付き300円、昼食込みは500円。見学も可。4月には1階にカフェスペースもオープンする。
 成宮さんは「おしゃべりは人を元気にさせると思う。気軽に来て頂きたい」と話している。問い合わせは成宮さん℡0749(28)0625へ。

2010年2月26日金曜日

ペット飼うと児童虐待に? 教育講演で小田豊さん 「正解主義から脱却を」

 「学校教育の動向と課題」をテーマにした講演会が23日、ひこね市文化プラザで開かれ、国立特別支援教育総合研究所理事長の小田豊さんが、学校教育が抱える問題や子育て環境の課題への対応策を解説した。
 小田さんは子どもについて、1960年代が非行、70年代が不登校、80年代が校内暴力、90年代が集団逸脱・破壊行動・学習障害、2000年代が発達障害・児童虐待・失感情言語化症候群(表現力不足)・不定愁訴症候群(無気力)―と変遷していることを紹介。「現代の子は、大人が向き合わなければならなくなった」と述べた。
 教育方法については、「正解を増やすことよりも、正解に向けて考えるプロセスを経験させることが大事だ」と、正解主義からの脱却を求め、「考える力を養うことが生きる力の向上につながる」と述べた。
 また年々、核家族化が進むグラフを紹介しながら「これでは子育ての伝統がつながらない」とし、「幼小中の時期が親も子も育つ場になっておらず、非常に気になる現象だ」と解説した。
 児童虐待が急増している問題にもふれ、「虐待が増えているのと比例して、ペットを飼う家庭も増えている」と指摘。「子どもより犬の方が言うことをきくため、子どもの教育をあきらめているのか」「犬や猫をどれだけ教育しても犬や猫にしかならないが、人間は何にでもなる可能性がある」と、子育て中にペットを飼うことに懸念を示した。
 講演会は彦根市立教育研究所が開かれ、市内の教職員や市民ら約250人が参加した。

2010年2月24日水曜日

地場産業の再興策を助言 染織デザイナー・北川陽子さん、彦根ブラジャーの歴史も

 ひこね繊維協同組合は20日、「彦根ブラジャー」をテーマにシンポジウムを開き、元組合員の馬場秀男さんらが最盛期の様子を話した。また北川織物工場(東近江市)代表で染織デザイナーの北川陽子さんが地場産業の再興策をアドバイスした。
 馬場さんは戦後、彦根市内のブラジャー製造業者・金城産業で勤務。昭和30年~40年代の業界について「年々オーダーが増え、がむしゃらに働いた。彦根駅に降りる女性のほとんどがブラジャーの製造に携わっていた。当時は作れば売れる時代だった」と、盛況ぶりを振り返った。
 しかし、40年代後半のオイルショックの影響でオーダーが止まり、50年代に入ると倒産する会社が相次ぎ、以降衰退した歴史を説明した。
 北川さんは、昨年10月に織物工場を改装しギャラリーやカフェなども併設した麻織物の店舗「ファブリカ村」を紹介し、「出来たモノを単に売るということではなく、モノに関する物語も合わせた売り方が必要だ」と解説。
 麻織物についてのワークショップやギャラリーをしていることをあげ「商品の歴史を教え、技術が裏づけさせていることを知ってもらうことで、購入につながり、満足感を持ってもらえる」と述べた。
 再興を目指す彦根ブラジャーに対しては、「これを着けるとこんなすてきな自分になれる、というように、女性の心理を探り、その果たす役割とは何かを研究しては」とアドバイスした。

2010年2月20日土曜日

七曲り通りの手打ちそば「文久蔵」 江戸時代の蔵改装

 彦根市の七曲り通りに、江戸時代の建物とされる蔵を改装した本格手打ちそば屋「文久蔵(ぶんきゅうぐら)」(沼波町)がある。
 店主の伊藤昇さん(56)は山形県山形市出身。趣味でそば作りをしていたが、店舗を構えることを決意。札幌市などで修行した後、夫人の昌代さん(56)の実家を改装して平成20年4月に店をオープンした。
 建物は母屋と蔵で、母屋の瓦に文久2年(1862)と書かれていたため、その時期に建てられたとみられる。母屋がそば作りの場所、蔵が店舗。蔵は3階建てだったが、3階部分の床の一部を無くし、2階建ての店舗にした。大人数の場合に使用される2階は、江戸時代のものとみられる柱や屋根がそのまま残っている。1階16席、2階8席。
 そばは、北海道産の「キタワセ」と茨城産の「常陸秋そば」を使用。そば粉10に対しつなぎ粉1を加えた「十一(といち)」と呼ばれる配合で、そば本来の風味を出している。伊藤店主が毎朝5時に起き、電動石臼での製粉から、こね、緬棒での伸ばし、切る―までをすべて行っている。こね方で堅さや形が変わってくるといい、歯ごたえに腰がある。添加物も一切使っていないという。
 伊藤店主は「飽きがこないそばを提供したい、という思いで作っている。是非、味わってほしい」と話している。そばは1000円~1700円。ほかにも、そば豆腐、えび天重、天ぷら盛り合わせなどもある。
 営業時間は午前11時~午後3時。定休日は火曜日(祝日時は翌日)、第3水曜日と翌日の木曜日。問い合わせは℡0749(22)7077か、(http://www.bunkyugura.com/)。
 ※ 滋賀彦根新聞は、新コーナー「まちの隠れ処」を始めました。「行きたいけど高級そうで入れない」、「店の前はよく通るけれど、どんな店?」など、隠れ処的な存在の店を紹介します。情報提供も随時、受け付けています。

彦根仏壇職人とプロダクトデザイナー・島村卓実さんで新ブランド作りへ

 彦根市芹中町の井上仏壇店(井上昌一代表)は、プロダクト(製品)デザイナーと、彦根仏壇職人の技を融合させたインテリアなどの製品開発に乗り出す。
 同店は仏壇業界と異なる分野の製品作りを手がけている。昨年5月に米国ニューヨークで開かれた見本市に壁掛けやテーブルなどを出展した際、木製バッグでグッドデザイン賞を受賞しているプロダクトデザイナー・島村卓実さんと出会い、共同での製品作りを提案していた。
 今年度のしが事業応援ファンド助成金の採択を受けたことから、島村さんをデザイナーとして招いての製品作りを決定。今後は、来週22日に島村さんを迎えて会議を開いた後、3月中にブランド名を決め、9月に試作品を発表。3年後の量産化を目指す。
 井上代表は「(彦根仏壇という)伝統産業を守っていくため、彦根仏壇の技を生かした商品作りをしていきたい」と話している。

2010年2月17日水曜日

自民党は「老朽住宅」、民主党は「仮設住宅」

 先日の報道番組で元衆院議員の田中秀征さんが、自民党を「老朽住宅」、民主党を「仮設住宅」に例え、それぞれの党に再生と自立を求めていた。この例えに、おもわず膝を叩いてうなずいていたのは小生だけではあるまい。
 田中さんは、1983年の衆院選で初当選を果たした後、自民党に入党し宏池会(宮沢派)に所属。93年には、武村正義さんと離党し新党さきがけを結成。同年8月から翌年1月までの細川政権で首相特別補佐官を務めた。
 番組で田中さんは、細川政権にいた時に、元首相の宮沢喜一さん(故人)と首相就任前の小泉純一郎さんから「自民党は再生が必要だ」「できる限り細川政権を長く続けて欲しい」とする助言を受けたエピソードを紹介。自民党の破壊と再生をこの頃から主張していた2人の先見の明を持ち上げた。
 今の自民党と民主党にもふれ、国会で登壇するのは重鎮ばかりで下野後も支持率が上がらない自民党を「老朽住宅」、さきの衆院選で老朽住宅(自民党)を崩壊させたものの、いつまで経っても独り立ちしない民主党を「仮設住宅」―と断じた。
 つまり田中さんが言わんとすることは、自民党は、党再生への戦略が未だに見えず、重鎮が権力を握る旧態依然の体制のままで、政権奪還を目指す意気も感じられないということだ。民主党の代表と幹事長の「政治とカネ」で同党の支持率が急落しているにもかかわらず、自民党の支持率が伸びないのは「民主党はまだまだ頼りないが、自民党を再び信用するには足りない」という思いが国民にあるからであろう。
 一方の民主党についても国民は、ツートップの政治とカネの疑惑が晴らせていないことへの不信と、マニフェストの実現性に疑義の念を増大させている。
 国民の中には、「第三極」に期待する声もあり、共同通信の調査では、渡辺喜美代表の「みんなの党」が、共産や公明の支持率を超えた。
 今夏の参院選を控え、民主、自民両党がいかに自立または再生するのか見守りたい。(山田貴之)

雪絵さんの願い届け「一人一人が大切な存在~を世界中に」全国キャラバン第1弾

 難病で亡くなった笹田雪絵さんの願いをかなえるための全国キャラバンが、20日の彦根市内での開催を最初にスタートする。
 雪絵さんは14歳のころに、脳や脊髄などの異変で運動麻痺や視力障害などを起こす多発性硬化症(MS)という難病を発症。19年の闘病後、平成15年12月に33歳で亡くなった。
 石川県小松市内の養護学校で雪絵さんを指導していた山元加津子さんが、雪絵さんの残した「病気も障害も大切。一人一人が大切な存在なんだということを、世界中の人が当たり前に知っている世の中にして」という言葉に動かされ、全国で講演会などを開催。
 山元さんの生活を追いかけたドキュメンタリー映画「1/4の奇跡~本当のことだから~」(入江富美子監督)などを配給しているNPO法人「ハートオブミラクル」が、雪絵さんの思いを広げようと全国キャラバンを企画。全国各地の賛同団体と連携し、上映会や山元さんの講演会を全国10カ所で開くことにした。
彦根市内で20日
山元加津子さん講演など
 最初となる彦根市内では、山元さんの活動を広げるため県内で上映会を開いている団体「ハートフルプロジェクトinびわこ」が主催。ひこね市文化プラザグランドホールで、第1部が午前9時20分~「1/4の奇跡~本当のことだから~」と、視覚障害者をえがいた「光彩(ひかり)の奇跡」の上映。第2部が午後1時半~「ハートオブミラクル」代表の岩崎康子さんが監督の映画「宇宙(そら)の約束~いのちが紡ぐ愛の詩~」の上映と山元さんの講演・歌など。
 岩崎代表は「一人一人が役割を持っていて大切な存在だと思う。互いに手を取り合っていこうというメッセージを伝えたい」と話している。
 前売り入場料は高校生以上1500円、中学生~18歳以下1000円、小学生以下・障害者・療育手帳持参者は無料。申し込みは村川さん℡0749(26)0386へ。

2010年2月16日火曜日

嘉田知事が出馬表明 今夏の滋賀県知事選、再選狙い

 滋賀県の嘉田由紀子知事(59)は16日の県議会で、今夏の知事選への立候補を正式に表明した。
 嘉田知事は「必要のない公共事業を『もったいない』と提案し、県政運営にあたってきた」と、この4年間を振り返ったうえで、「社会情勢の変化で未来への不安も明らかになっており、県が持っている潜在的な力、失っては『もったいない』新たな力も見えてきた」と述べた。
 また「任期満了を迎えるにあたり、県民の不安を安心に変えるため、滋賀の潜在力を引き出す必要がある。『もったいない』を生かした社会づくりを県民と実現するため、引き続き、県政を担わせてほしい。来るべき知事選で県民の審判を仰ぐ決意を固めた」と、出馬を表明した。
 嘉田知事は京大大学院農学研究科博士課程を修了し農学博士の学位を取得した後、琵琶湖博物館研究顧問、京都精華大学教授などを経て、平成18年7月の県知事選に無所属(社民支持)で出馬。「もったいない」をキャッチフレーズに戦い、現職に3万票以上の差をつけ初当選を果たした。新幹線栗東新駅の建設を中止させたほか、国の大戸川ダム事業を凍結に持ち込んでいる。
共産は3月にも
自民は参院選優先
 知事選へは共産党が3月にも独自の候補を擁立する動きを見せている。

 民主党など国政与党は、嘉田県政に理解を示していることから、支援に回るとみられる。
 自民党は、知事選と同時期に行われる参院選の候補者擁立を優先させており、嘉田人気と、同党への逆風から、独自候補の擁立を見送る可能性もある。

新長浜市の市長に藤井勇治氏  「参加型市政に」

 合併後の新長浜市の市長選は14日投開票され、前衆院議員の藤井勇治氏(59)が3万3703票を獲得し、現職の川島信也氏(73)を大差で破った。投票率は58・40%で旧長浜時代の前回より2・67ポイント下回った。

 14日午後10時20分、藤井氏の選挙事務所に当選確実の一報が入ると、支持者は何度もバンザイして喜びを分かち合った。藤井氏は「皆さんの一致団結の力で見事な勝利をできた。いよいよ新長浜市に春が来ました」とあいさつ。
 勝因について「今までの市政に閉塞感があったのではないか。皆が参加する市政を市民が求めていた」と述べた。

2010年2月15日月曜日

ひこにゃんへバレンタインチョコ過去最多224個 歯ブラシ付きも

 バレンタインに合わせて、ひこにゃんへのチョコレートが14日までに計224個届いた。14日はチョコを前にひこにゃんが記念撮影に応じた。昨年は196個だった。
 ひこにゃんへのチョコは今月初めから彦根城などに届き始め、先週11日までに100個を超えた。
 14日の彦根城内は、直接渡しに来た女性たちで賑わい、ひこにゃんが登場すると大きな歓声が起こっていた。224個のチョコのうち、大阪が33個で最多、次いで兵庫(14)、神奈川(12)、滋賀・東京(11)―と続いた。
 手作りのものが1割あり、中には「私はあなたに支えられて生きています」などのメッセージや、「虫歯にならないように歯磨きをしてくださいね」と記して歯ブラシを備えたプレゼントもあった。
 お返しは、ホワイトデーの3月14日に、井伊直弼と開国150年祭のホームページで、ひこにゃんの感謝のメッセージを載せる。

2010年2月13日土曜日

彦根市立病院の医師ら「花いっぱい運動」 敷地に植える、園児もお手伝い

 彦根市立病院の敷地内を花でいっぱいにしよう―。同病院の医師ら職員有志が敷地内に花を植え始めており、10日には院内保育所の「やよい園」の園児たちがパンジーを植えた。
 職員有志10人が、来院者に和んでもらおうと「花いっぱい運動」と題して花植えを計画。今年1月に病院の入り口前に花壇4つを設置し、その第2弾として市立病院医療情報センター前の敷地約49平方㍍に、パンジー約500株を植えることにした。
 9割以上は職員らが植えたが、残りをやよい園の2歳児7人が担当。園児たちはスコップで穴を掘り、パンジーの苗を植えていた。
 今後も、同センター前の約100平方㍍の敷地にバラ、病院入り口前にハナミズキを植える予定。
 代表の循環器科医師・綿貫正人さん(51)は「敷地内を花でいっぱいにして、美しい病院にしたい」と話している。

太陽光発電 昨年の補助金交付件数、滋賀が近畿トップ 3月まで補助申請受付

 昨年の一般住宅用太陽光発電の補助金交付決定件数が、滋賀県が全国で11位、近畿ではトップだったことが、しがぎん経済文化センターが示したデータで明らかになった。彦根市が昨年設けた補助制度も早期に定員件数に達していたこともわかり、市は来年度も継続する方針。
 一般住宅の太陽光発電の国からの補助金受付を管轄する「太陽光発電普及拡大センター(J―PEC)」によると、昨年1月13日~12月31日の滋賀県内の申請受付件数は1956件で、そのうち856件に交付決定。しがぎん経済文化センターの調べでは、住宅1000戸あたりの交付決定数は1・74件に上り全国上位だった。
 県内では、国や県の補助に加え、大津や彦根、長浜、草津、野洲、愛荘などの各市町が独自に追加補助を導入。彦根市では昨年8月3日に補助受け付けを開始し、予定の翌年3月末を待たず11月末には先着定員の80件に達したという。
 J―PECでは、一般住宅に太陽光発電を設置する予定の個人に、今年3月31日まで補助申請を継続して受け付けている。補助金額は最大出力1㌔㍗あたり7万円。問い合わせは℡043(239)6200かホームページ(http://www.j-pec.or.jp/)へ。
 なお滋賀県や彦根市も来年度以降、独自の補助制度を設ける方針。

2010年2月12日金曜日

ひこにゃんへのバレンタインチョコ早くも100個超 当日は彦根城内に3回登場

 バレンタインを14日に控え、ひこにゃんへのバレンタインチョコレートが12日時点で、早くも100個を突破した。14日当日は、ひこにゃんに直接渡しに来る女性たちで彦根城内はごった返すとみられ、市も準備を整えている。
 ひこにゃんへのチョコは、今月初めから届き始め、11日時点でちょうど100個に到達。12日にも50個ほど彦根城などに届いたという。
 14日当日、ひこにゃんは午前10時半~と午後1時半~に彦根城天守前広場、午後3時~彦根城博物館玄関前に登場する。

2010年2月10日水曜日

長浜市長選 藤井勇治候補・川島信也候補に新庁舎計画など聞く

 14日投票の長浜市長選は早くも中盤戦に入った。滋賀彦根新聞社は、立候補している前衆院議員の藤井勇治氏(59)と、現職の川島信也氏(73)にアンケートを実施した。以下、質問事項と各候補者の回答の抜粋を紹介する。
 ①争点となっている市役所本庁舎の建て替え計画と旧町の支所の活用
 ▽藤井=新庁舎の場所は、人口集積度の高い旧長浜市内に置く。事業費130億円については、見直す必要がある。旧6町の庁舎は歳入確保や地域の方々が有効利用できるよう、市民との対話を通じて検討する。
 ▽川島=新庁舎は中心市街地活性化計画において現東別館敷地を計画地とし、できる限り財政負担を軽減しながら早期実現に努力する。旧6町庁舎は地域住民の皆さんのご意見等を反映させながら活用策を描く。
 ②高時川上流に計画されている丹生ダムはどうする?
 ▽藤井=ダムが多額の経費を要すること、建設に長い期間を要すること、水没地区住民に対する社会的配慮、環境を破壊すること等を考慮すると、やはり新たな治水対策として検討すべきである。
 ▽川島=姉川・高時川の浸水被害の軽減を図るためには洪水調整施設によって対策を講じることが有効。今後とも地元の意向を反映しながら、国に対し「丹生ダムの早期完成」を強く要望する。
 ③真っ先に取り組む政策
 ▽藤井=財政再建に取り組みたい。現在の長浜市の財政規模は550億円に膨らんでいる。また、1400億円の借金がある。ムダな事業を廃止したり、民間にできる事業は民間に移譲したりして歳出カットを行う。企業誘致や産業・観光振興、旧庁舎や図書館などの市有財産の有効活用促進などによって、歳入確保にも努める。
 ▽川島=グローバルな時代のなかで地域の発展を導く国内外の企業誘致や、若い優秀な人材を集める外国の教育機関の誘致、教育の充実、子育て支援や出生率を高める施策の展開などを積極に取り組むことにより、定住人口を増やし、世界に開かれた日本のトップランナーの長浜市づくりに取り組みたい。

高齢者の移動に自転車タクシー、1学区1台へ城西学区で実験運行 「五環生活」

 彦根城内などで自転車タクシー(輪タク)を運行しているNPO法人五環生活(近藤隆二郎代表)は、市内の学区内で高齢者や体の不自由な人向けの自転車タクシーの実験運行を始めた。
 同団体は昨年7月~12月に、市内の福祉施設を対象に輪タクを運行。施設利用者ら90人から好評を得ていた。今回は福祉向けの輪タク第2弾で、高齢化率が目立つ城西学区の高齢者らに「買い物はどこに行っていますか」「移動はどうしていますか」などのアンケート調査を実施。返答者に会員カードを渡し、1回100円(3月15日まで)で学区内や彦根駅間を乗車できるようにした。
 また、学区内の団塊世代にドライバーを任せる予定で、将来的にはNPO法人と自治会、市が協力して、1学区に1台の輪タクの運行を目指す。なお城西学区での運行は午前10時~日没。火曜日休み。問い合わせは同団体℡090(6552)2215へ。

片山善博・元知事 地域振興の方策解説「ミッション考えよ」

 元鳥取県知事で慶大教授の片山善博さんが6日、「地域社会をどう活性化するべきか」をテーマに講演。斬新な政策を進めた改革派知事としての経験を交えながら地域振興の方策を解説した。
 片山さんは、三位一体改革と構造改革を例にあげながら「多くの国民が中身を定義づけされていないで言葉に踊らされてきた。キーワードの定義を明らかにして共有させる必要がある」と述べた。
 地域振興策の一つとして国が進めた市町合併に関しては、「狙いと結果に違うところがあり、(合併した市の)住民の多くが否定的評価を持っているのではないか」と分析。「物事にはミッション(任務・使命)がある。自治体は市民のためにあり、(合併について)国から尻を叩かれて住民抜きで進めた。副作用の検証が必要だったのではないか」と持論を展開した。
 公共事業についてはダム問題を例にあげ、「建設費より河川改修の方が安いのならダム建設はミッションに反している」「政治家や建設業者にとっては良いが、市民のために必要かを考えなければならない」と語った。
 講演後、来場者が「住民はどうあるべきなのか。情報をどこで知れば良いのか」と質問。これに対し片山さんは「住民一人一人が自治体の為政者をつくっている。国政に関してはヒートアップするが、市議会には関心がない」とし、「市議選の際は近所の付き合いよりも、人物や政策で選ぶことが必要だ」とアドバイスした。
 講演会は彦根青年会議所(藤田武史理事長)主催で開かれ、約250人が来場。講演後は片山さんをアドバイザーに、藤井比早之副市長や藤田副理事長らとの意見交換会も行われた。

2010年2月9日火曜日

嘉田由紀子知事、再選狙い出馬へ 16日に正式表明

 滋賀県知事の嘉田由紀子氏(59)は、今夏に行われる予定の知事選に再選を狙い出馬する意向を固めた。すでに県議や支援者らに伝えており、県議会開会日の16日に正式に表明する方針。
 嘉田氏は、京都大学卒業、京大大学院農学研究科博士課程を修了し農学博士の学位を取得。琵琶湖博物館研究顧問、京都精華大学教授などを経て、平成18年7月の県知事選に無所属(社民支持)で出馬。「もったいない」をキャッチフレーズに戦い、現職に3万票以上の差をつけ初当選を果たした。
 嘉田氏は公約だった、新幹線栗東新駅の中止やダム建設凍結などを実現。その手腕が評価され、全国的にも知られている。
 再選への出馬は当初から確実視されていたが、嘉田氏は先週までに支援者や県議らにあいさつ回りを終え、16日に出馬表明をする意向を示した。嘉田氏は、政党からの推薦を受けない「超政党」の立場で戦うとみられる。
 知事選へは共産党が独自の候補の擁立を模索している。民主党など国政与党と自民党の一部は嘉田氏支援にまわるとみられており、今後の各政党の動きが注目される。

長浜市長選告示 藤井勇治候補「税金の無駄使い無くす」 川島信也候補「新しい長浜で頑張りたい」

 合併に伴う長浜市長選が7日告示され、前衆院議員の藤井勇治氏(59)と、現職の川島信也氏(73)=いずれも無所属=が立候補した。
 争点は合併後のまちづくり、市庁舎建設計画など。投票は14日。有権者は9万7869人(6日現在)。出陣式での各候補の主な言葉は次の通り。
 藤井候補は「新市は1400億円を超える借金がある。子や孫にツケを残さないよう、税金の無駄遣いをチェックしたい」。
 川島候補は「今回は大変大事な選挙。皆さんの力を結集して新しい長浜の市長として、頑張らせてほしい」。

2010年2月6日土曜日

「猫を捨てないで」病死やカラス被害も 支援団体が協力呼びかけ 

 猫を捨てないで―。猫の支援活動をしている団体「ジャパン・キャット・ネットワーク」(本部・彦根市内)は、捨て猫が増え、死んだり、病気になる猫も多くなってきたため、飼い主に正しい飼い方を求めている。
 猫は毎年2、3回出産し、1回の出産で3~6匹生まれるとされる。そのため、多くの猫が捨てられ、捨て猫同士が過ごすことでその数がどんどん増えていく。同団体によると、捨てられた猫の中にはカラスなどに食べられたり、病気になったり、車にひかれたりしている例もあるという。
 彦根市内でも湖岸や旧港湾などで、捨て猫とみられる猫の集団が増えているといい、同団体では「いらなくなった猫たちを簡単に捨てないでほしい」と呼びかけている。捨てられた猫へは最低限の措置として避妊治療が必要だが、その費用は1匹で1~2万円かかる。
 春にかけて繁殖期に入るため、同団体では猫への避妊治療は今月中に必要だとしている。ボランティアや賛助会員、里親、寄付金も募集している。
 問い合わせは同団体のホームページ(http://japancatnet.sblog.jp/)へ。
 ※ 「ジャパン・キャット・ネットワーク」=米国人のデービッド・ワイベンガさんとスーザン・ロバートさんが、人と猫が共生できるまちづくりを目指し平成12年に設立。猫に関する相談、「捕獲」・「避妊=去勢」・「放す」(TNR=Trap,Neuter,return)活動、里親探しなどをしている。

プロバスケ・滋賀レイクスターズ、米原で13・14日 公式戦

 プロバスケット「bjリーグ」の滋賀レイクスターズは13、14日の両日、米原市の県立文化産業交流会館でホームゲームを行う。
 bjリーグ参戦2期目となるレイクスは15勝15敗で西地区リーグ7チーム中3位につけており、上位4チームが出場できるプレーオフ圏内。
 県立文産会館でのホームゲームは同リーグ5位の大分ヒートデビルズと2連戦を戦う。長浜出身の小川伸也選手の活躍にも期待が寄せられる。
 13日は午後2時開場、同5時試合開始、14日は午前11時開場、午後2時試合開始。
 前売りチケットは指定席が3300~6000円、2階自由席が高校生以上2500円、小中学生2000円。コンビニや滋賀レイクスターズのホームページ(http://www.lakestars.net/)で購入できる。
 6日付け本紙に掲載の当日割引券(自由席500円引き)も利用可能。

2010年2月3日水曜日

多賀大社で節分祭 還暦の年男年女277人が参加、福求め境内賑わう

 多賀大社で3日、節分祭が営まれ、境内は福を求める人たちで賑わっていた。
 節分祭には、県内外から選ばれた還暦の年男と年女計277人が、裃(かみしも)と千早姿となり、赤ずきんをかぶって、午前と午後の部に分かれて参加した。
 境内には長さ約200㍍の特設の舞台が設けられ、島根県の因原(いんばら)神楽団による「鬼の舞」が奉納された後、年男と年女らが舞台に登場。
 多賀大社の木村光伸権宮司(ごんぐうじ)と犬上岳禰宜(ねぎ)が射る白羽の矢を合図に、年男と年女らによって福豆と福もちがまかれると、福を求める人たちが我先にと手を伸ばしていた。今年は福豆約110㌔、福もち約350㌔がまかれた。

電気ショッカーボートで外来魚駆除 滋賀県水産試験場が彦根で実験

 ブラックバスやブルーギルなど外来魚の一掃を目指し、滋賀県水産試験場(彦根市八坂町)は、水中に放電しながら外来魚の駆除ができる「電気ショッカーボート」を使っての実験を、彦根市内の旧港湾と曽根沼一帯で始めた。
 外来魚により琵琶湖固有の魚の生息に影響が出ていることから、県は外来魚の駆除に乗り出しているが、一掃するまでには至っていない。
 電気ショッカーボートは、水中に放電できる機器を備えており、北海道立水産ふ化場が平成16年7月に日本で初めて導入した。水深約50㌢に機器を入れ電気を流し、一時的に気絶した魚を乗船者がタモ網で救い上げて駆除する。
 彦根市内の駆除実験には県職員13人と北海道立水産ふ化場の職員1人が参加し、先月27日から1週間ほど曽根沼と旧港湾で行った。
旧港湾では1日1200匹
 電気ショッカーボートには4人が乗り込み、300~400ボルトの電気を流しながら進み、失神した外来魚を救い上げ、もう一隻のボートの乗船者が取り損ねた魚を拾い上げていた。1日に行われた旧港湾では8周回って、計1187匹(311㌔㌘)の外来魚を駆除した。
 ただ、電気ショッカーボートは一般的には禁止されている漁法で、導入までにはステップも多いという。
 県水産試験場生物資源グループ長の遠藤誠さんは「今回はどういった水域にどれほど外来魚がいるのかの調査。在来魚への影響や、導入する場合に誰が作業をするのかの問題もある」と話している。

戦国古式砲術・鉄砲サミットin彦根のキャラ「ひこどん」に決定

 3月20、21日の両日、彦根城内の大手前公園で開かれる「戦国古式砲術・鉄砲サミットin彦根」の実行委員会は、募集していたシンボルキャラクターの名前を「ひこどん」に決定した。
 サミットは、井伊直弼と開国150年祭のフィナーレを飾るイベントの一つとして催され、彦根商議所青年部古式砲術研究会(彦根鉄砲隊)や種子島火縄銃保存会(鹿児島)など全国から23団体が参加し、各隊の砲術を披露する。
 実行委では、サミットのシンボルキャラクター作りを企画。「しまさこにゃん」や「いしだみつにゃん」などを考案した、やまもとひまりさんにキャラの作成を依頼していた。誕生したキャラは、「井伊の赤備え」の鉄砲隊をイメージしており、赤色の具足を着、「井」の紋章が入った旗印を背に、鉄砲を構えている。
 滋賀県内108人を含む134人の応募から、神奈川県川崎市の赤羽和親さん(54)が考えた「ひこどん」に決定した。赤羽さんは「赤備えの鉄砲隊をイメージしました。多くの人に親しまれるよう願っています」と話している。