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2009年2月6日金曜日

肥田城遺跡で屋敷群跡や懸仏が見つかる

 県文化財保護協会は4日、彦根市肥田町内の肥田城遺跡で、16世紀前半の肥田城下に広がっていた屋敷群跡が初めて見つかったと発表した。
 平成18年度から3年かけて発掘調査しており、これまでに奈良~平安時代の集落跡、古墳時代後半の埴輪(はにわ)と鳥型の木製品を発見した。平成20年度は昨年4月から9月に約6680平方㍍で調査が行われ、縄文~室町時代の遺物と遺構を見つけた。
 発見された遺物は、▽鏡の表面に仏や菩薩、明王、神像などが彫られた「懸仏(かけぼとけ)」、高さ4・4㌢、重さ14・9㌔▽供養する際に飲食物を盛る「飲食器(おんじきき)」、高さ10・3㌢、口径6・8㌢、重さ98・8㌘▽追善供養の際に埋葬地に立てられる板材「卒塔婆(そとば)」で、長さ10・3㌢、幅2・1㌢の小型のものと、長さ14・6㌢、幅4・3㌢の大型製―など。
 遺構としては、幅1~3㍍の溝、柱穴や柱を支える板石など住居跡のほか、香炉や花瓶など信仰に関する品や、中国製の青磁碗、朝鮮製の碗なども見つかった。これらの遺構や遺物から県文化財協会では、▽文献や地理的に推定されてきた城館(城と城下の家来が住む館)は16世紀代を中心に機能していた▽城館には複数の溝で区画された屋敷群が広がっていた▽屋敷群の中に仏教関連施設があった―ことが新たに明らかになったとしている。

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