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2022年5月25日水曜日

県レイカディア大学の米原校10月からアルプラザ彦根4階に移転

 60歳以上の県内在住者が園芸や歴史などを学ぶ県レイカディア大学の米原校(県立文化産業交流会館内)が、今年10月からアルプラザ彦根4階に移転することがわかった。事務局がある県社協は受講者を募集している。
 県レイカディア大学はシニア層の県民にさまざまな分野の学びの場を提供しようと県(現在は県社協)が1978年に創設。88年に米原校、93年に草津校(県立長寿社会福祉センター内)が設けられた。草津校では園芸・陶芸・地域文化・びわこ環境・健康づくりの各学科、米原校では園芸・北近江文化・健康づくりの各学科がある。受講者は2年間学び、これまでに計約6500人が卒業した。
 
アクセスと利便性で
今期は10月1日~
 米原校では県立文産会館のほか、近くの公民館も利用してきた。県社協はより駅に近く、1カ所で開講できるようにするため、米原から彦根への移転を決定。名称も草津校・米原校から草津キャンパス・彦根キャンパスに変更した。
 1年ごとに受講者を募集。第44期生の今期は今年10月入学、2024年9月卒業。対象が今年10月1日時点で60歳以上。年間の授業料は前後期各2万5000円。彦根キャンパスの定員は園芸学科30人、北近江文化学科と健康づくり学科各20人の計70人。募集要項と入学願書の配布先は草津校や米原校、県内市町の高齢者福祉の担当課、市町社協、公民館、図書館など。びわこシニアネットからダウンロードも可。入学願書の受付期間は6月1日から7月29日まで。問い合わせは米原校☎0749(52)5110。

天守前でラジオ体操禁止に一考

 天守前でのラジオ体操に参加していた市民2人と市長との面談は、その日に中止が決まるという予想外の展開だった。
 背景にはこの問題が全国ニュースとなったことで、性悪説の観点から早急に防犯面を強化せざるを得なかったことがある。文化財保護や防犯・防災の面からすれば、市側の即断は評価できるのかもしれぬ。
 ただし、あまりにも早急過ぎたという感はぬぐえない。小生は、市民との面談後にも市長に質したが、折衷案は本当になかったのか、継続の道はなかったのか―、何とも煮え切らぬ思いである。
 この問題が全国ニュースになった際、ネット上では市側の姿勢を支持する意見が大半を占めた。市長も小生に「このネット上の意見がサイレントマジョリティーだ」と主張していた。だが一市民である小生はそうは思わない。
 そもそも彦根市民は子ども、市内大学に通う学生、高齢者、障害者が身分証の提示で無料となり、ほかの世代も広報誌に折り込まれている無料チケットを使うか、マイナンバーカードを提示するかで無料になる。そのためネット上であった「観覧料を払わずに入場するな」の指摘は市民には事実上あたらない。また長年、彦根城を庭または公園のように身近な存在として接してきた市民性もある。
 ほかの時間外での入場の是非や防犯面への対処を含め、何らかの良きアイデアでの天守前でのラジオ体操を継続させる策はあったはずだ。頻繁に「経営者としての視点で」と唱える市長なら、何らかの良き策を提示すると期待していた市民も少なくないだろう。
 今回の市の措置で、身近だった彦根城の存在は遠くなってしまった。世界遺産を目指すうえで重要な市民の機運醸成に影響が出なければ良いのだが。(山田貴之)

2022年5月23日月曜日

庄堺公園のバラ見頃 初めてバラカフェも

 彦根市開出今町の庄堺公園内のバラが見頃を迎え、来園者が写真撮影をしたり、香りをかいたりして楽しむ光景が見られる。今回は初めて29日までキッチンカーで飲食販売する「バラカフェ」もオープンしている。
 約2000平方㍍のバラ園には、ピンクのクイーンエリザベス、赤のクリスチャンディオール、白のパスカリ、朱のローラ、黄の天津乙女など計約1250本のほか、初めてイングリッシュローズのコーナーを整備した。5年前までは24種類と公表されていたが、2018年4月から管理している指定管理者の高木・技研特別共同体が細かく品種を確認したところ66種類だとわかり、今年は昨年に続いて更に増えて111種類になっている。
 同公園管理事務所の作業員とボランティアの市民34人が育ててきた。ほとんどが咲き始めており、一部は満開になっている。愛荘町から2歳の娘と訪れた女性(29)は「とてもきれいで、子どもも喜んでいる。いろんな色が見られるのがいい」と話していた。見ごろは6月中旬までだという。10月上旬にも咲く予定。入園無料。
 キッチンカーは1~3台が配置され、からあげ、たこ焼き、クレープ、ソフトクリーム、フルーツサンド、タピオカドリンクなどが販売される。午前10時~午後4時。

2022年5月21日土曜日

天守前でラジオ体操禁止で3カ所の入り口に施錠と職員警備、市民たちは二の丸駐車場に集う

 天守前でのラジオ体操が禁止となった17日早朝、3カ所の入り口は施錠され、市文化財課の職員が警備にあたった。登城できなかった市民たちは二の丸駐車場に集い、ラジオ体操をしていた。
 天守前でのラジオ体操に参加していた市民2人と和田裕行市長との16日の面談で、市長は天守前でのラジオ体操の禁止と場所を変更しての実施を求め、市民2人も合意した。市は同日の閉場後、入り口3カ所を施錠。警備員の配置が間に合わないため、当面の間の早朝から開場時間の午前8時半までは市職員が警備にあたる。
 17日は市民32人が参加。二の丸駐車場で円になって午前6時半からラジオ体操を実施。市内の女性(73)は「残念だけれど、彦根城は市民の宝物なので仕方がない。これまで参加でき、感謝している」と話していた。
 市長と面談した一人の西村洋治さん(77)によると、ラジオ体操に参加せず帰宅した市民が5人ほどいたといい「市と争っても仕方がないが、ICカードや専用のユニホームの配布などで対応できたのでは」と語っていた。
 一方で、ラジオ体操終了後の午前7時頃に表門の入り口を訪れた市内の男性(64)は登城できないことを初めて知り「一日に1回、登城すると決めている。マイナンバーカードがあるため、無料で開場時間内に登ればいいだけ。むしろもっとセキュリティーを強化するべきだ」と述べていた。

2022年5月18日水曜日

内堀で白鳥のヒナ誕生

 彦根城の内堀で白鳥のヒナが誕生し、12日午後1時時点で3羽が親鳥近くを元気に泳いでいる。
 彦根城管理事務所の作業員が今月5日午前にかえっているのを確認した。脇孝子副所長によると、ハクチョウたちの巣で9個あった卵のうち、5日に7羽がかえったという。しかしカラスに襲われるなどして少なくなり、現在は3羽が体長20㌢ほどまで成長している。
 内堀では昨年6月にも3羽のヒナがかえり、そのうち1羽が成長していたが、年末年始の大雪とみられる影響で今年1月初めに死んだ。
 脇副所長は「カラス除けなど対策はしていきたい。自然のことだからできることは限られているが、これからも温かく見守っていきたい」と話している。なお、城内には内堀の2羽と生まれたヒナ3羽のほか、埋木舎前の中堀にオス1羽が生息している。

2022年5月17日火曜日

洋食店スイス今月29日で閉店

 彦根市中藪町の洋食店「スイス」が今月29日で閉店することがわかった。料理のおいしさと草木で覆われた建物の雰囲気から、休日には行列ができる人気の店だった。
 同店は1972年にオープン。ハンバーグやオムライスが有名で、近年ではメニューや建物の外観がSNSでアップされたり、テレビで報じられるたりして、県外ナンバーのバイクや自動車が多く見られた。
 店主の伊藤共栄さん(79)とその家族らで経営してきたが、後継者不足と建物の老朽化のため閉店を決めた。建物は解体される予定。伊藤さんは「50年という長い間経営し、地域の皆さんにもひいきにしてもらった」と話していた。

 

2022年5月16日月曜日

聖泉大学看護学部の学生たち乳がん患者用タオル帽子を手作りし彦根市立病院に寄付

 彦根市肥田町の聖泉大学看護学部の学生たちが、乳がん患者用の「タオル帽子」を手作りし、彦根市立病院に寄付した。
 聖泉大も加盟するびわ湖東北部地域連携協議会の事業「SDGsでつながる学生の地域連携プロジェクト」の一環で、乳がん予防の啓発活動をしている団体のピンクリボンひこねと一緒に昨年9月から製作に取りかかった。
 看護学部の3、4年生7人がミシンと手縫いで加工して製作。裁縫に不慣れな学生でもできるよう、市内の子ども用品店で購入した90㌢から110㌢までの服をリメイクする形で帽子12着を作った。
 3年の南里沙さん(22)=東近江市=は「肌に優しく、気軽に使ってもらうことを心がけて作った。これからもどんどん作っていきたい」と話していた。寄付を受けた彦根市立病院の金子隆昭院長は「治療で髪の毛が抜けると、女性の場合は生活の質が落ちてしまう。タオル帽子は患者にとっても大きな喜びになる」と礼を述べた。

2022年5月6日金曜日

敏満寺石仏谷墓跡の一部の復元工事を完了

 多賀町教委は、現存する中世の墓地遺跡のうち国内最大規模で最古の(※)敏満寺石仏谷墓跡(びんまんじいしぼとけはかあと)=国指定史跡=の一部の復元工事を完了したと発表した。
 
大量の石仏と五輪塔
 1995年に地元から敏満寺遺跡内にある石仏谷(通称)の整備の要望を受けた多賀町教委は翌年度から測量調査を実施。2002年7月に多賀町指定史跡とし、翌年度から2年間かけて発掘調査を行い、数え切れない石仏や五輪塔を確認。1万0475平方㍍におよぶ中世墓地群だったことが判明し、05年7月14日付で国史跡となった。
 
地元の有力者埋葬か
 発掘調査では12世紀から17世紀まで(平安時代終わり~江戸時代初め)の土器や陶磁器が発見。そのうち14世紀代が56%、13世紀代が27%で、土器や陶磁器のほとんどが火葬した骨を入れる蔵骨器だった。12世紀後半から13世紀の各地で確認されている墓地は土葬が主体で、天皇や貴族、一部の武士の上位階層のみが堂や塔の中に遺体または火葬骨を埋葬する方法を採用。その後、石塔を建てる墓地に変化し、有力な武士や高僧らが石塔群として墓を形成した。
 敏満寺があった地域は中世時代、奈良の東大寺と深い関係にあったことが知られており、極楽浄土の世界があるという認識と共に西方を意識し、西側を正面に地元の有力者や高僧向けの墓を構築したとされる。一方で15世紀以降、敏満寺は多賀大社との連携が深くなり、北側に中心が移り発展していった。町教委では「中世の前期から後期にかけて、社会の変化に合わせて宗教都市から戦国時代の寺院型の城塞都市に変化した歴史を、石仏谷墓跡で出土した土器や陶磁器の移り変わりが物語っている」としている。
 
5日現地説明会
遊歩道整備 公開へ
 町教委は墓跡を整備するため2013年度に活用に向けた管理計画を作り、16年度から史跡整備に着手し、中央部で復元作業をしてきた。整備事業は2028年度完了予定で、遊歩道を整備して一般公開する予定。
 復元作業が完了した中央部の墓は南北約17㍍×東西8㍍。西側に大きな石を並べ、一部で2、3段ほど積み重ねている。中心部は南北約8㍍×東西約3㍍の低い墳丘を築き、川原石を敷き並べ、墳丘の頂上部分に蔵骨器7基を設置した。
 中世石造物研究が専門で大阪大谷大学の狭川真一教授は「敏満寺石仏谷遺跡は当初の位置をおおむね保ちながら現存しており、石仏などの数もおびただしい。分布範囲も広大で、現存遺跡では最大規模で最上級の保存度合い。復元した墓跡は地域有力者の墓地として評価できる」とコメントしている。問い合わせは多賀町立文化財センター☎(48)0348。
 ※【敏満寺】湖東三山と並ぶ寺院だったとされ、その開基は平安時代の後期ごろと言われている。最初に登場する記録は天治2年(1125年)の敏満寺が京都の平等院を介して園城寺の支配下に入ったとされる内容。延慶2年(1309年)の記録によると、堂舎40軒余り、宝塔数カ所があったとされ、ピーク時には50余りの堂舎が立つ大規模な寺院だったと伝えられている。元亀3年(1572年)に織田信長に攻められた後、廃寺となった。現在は寺自体が無くなり、遺跡上には名神高速道路が走っている。

2022年5月1日日曜日

ウクライナから彦根へ避難イリーナ・ヤボルスカさんと家族が市長と面談、ウクライナの料理提供のキッチンカーを見学

 ロシアの侵攻を受けているウクライナから彦根へ避難しているイリーナ・ヤボルスカさん(50)と家族が20日、市役所を訪問し和田裕行市長と面談した。来月末からウクライナの料理を市内で提供する予定のため、面談後にはキッチンカーを見学した。
 来庁したのはイリーナさん、娘で彦根在住のヤボルスカ・カテリーナさん(31)と夫の菊地崇さん(28)。ロシアの侵攻後、イリーナさんは母親のギャリーナ・イヴァノヴァさん(80)と一緒に3月上旬から約2週間、ハリコフからポーランドへ避難。3月22日に来日し、翌日から彦根に入り、現在は松原町の県施設の宿舎で過ごしている。
 面談はヤボルスカさんの通訳や、専用の通訳機のポケトークを使って行われた。冒頭、和田市長は「ウクライナの侵攻をしたロシアに強い憤りをおぼえ、残念でならない。皆さんに何ができるのか日々考えている」と話した。
 
キッチンカーで来月~経営
「避難者の再出発の一例に」
 イリーナさんは「母親と一緒に働けることとして料理を提供したい。支援をいただいた皆さまに恩返しもしたい」と要望。これに対し、彦根市側は近江ツーリズムボードが所有するキッチンカーを貸して、いろは松や四番町スクエアで提供してもらう案を示した。
 市長からの彦根での暮らしを問われたイリーナさんは「街がとてもきれい。美しい自然で母と一緒に喜んでいます」と笑顔を見せた。菊地さんによると、ポーランドに避難していた際、イリーナさんは精神的に落ち込んでいたが、彦根では楽しそうに生活しているという。
 イリーナさんが作る料理は「ブリンチキ」というクレープのような生地にさまざまな具材を巻く食べ物で、ウクライナでは定番の人気料理。来週以降にクラウドファンディングで支援を求め、5月下旬にプレオープンし、6月下旬には自分たちのキッチンカーで販売する計画だ。
 イリーナさんは「働いて生計を立てることが日本国内にいる避難者の再出発の元気づけになる」と語り、菊地さんは「日本に避難しても生活できることを示すことで、まだ避難できていない子どもや女性の命を救うことにつながるかもしれない」と話した。

西川貴教さんHOT LIMIT・平和堂イメージソングの演奏の背景は?

 センバツでは近江高吹奏楽部の演奏もツイッターなどSNSやマスコミ各社で話題になった。特に準決勝以降に披露した滋賀出身の歌手・西川貴教さんの曲「HOT LIMIT」や、決勝での平和堂のイメージソング「かけっことびっこ」の演奏は西川さんのファンや県民の話題にもなった。2曲が披露されることになった背景を取材した。
 
卒部式中「繰り上げ出場」発表
部員たち驚くも「試合重ね成長」
 近江高吹奏楽部の甲子園での演奏曲は、ピットブルの「Fireball」やファレル・ウィリアムスの「Happy」など洋曲7曲が定番となっている。
 センバツ出場校を決める選考の前段階で近江高は近畿地区から選ばれることが有力視されていた。吹奏楽部でも昨年12月末から甲子園で応援するための準備をしてきた。しかしその後、まさかのセンバツ落選の知らせがあった。吹奏楽部は新型コロナのため2月から3月16日に延期になっていた文化プラザでの卒業演奏会で野球応援メドレーなどを披露した。
 そしてその翌日、繰り上げ出場の発表があった17日の午後6時から3年生を交えて校内で開いた卒部式の時だった。部長の福永千秋さん(17)=東近江市=と指揮の工藤優莉さん(17)=野洲市=によると、卒部式が始まってしばらくして、顧問の樋口心さん(46)が急に生徒たちの前に近江の帽子をかぶって立ち「甲子園へ応援に行くぞ」と繰り上げでの甲子園出場を発表。しかし繰り上げ出場の事実を知らず、落選だと思っていた部員たちは「どういうこと?」と顔を見合わせていたという。
 部員の間では初戦の応援前の時点でも「本当に甲子園へ行けるの?」との声があがるほど疑心暗鬼の状態だった。しかし試合が進むたびに演奏の熱も帯び、福永さんは「試合を重ねるたびにクオリティーがあがり、球場の観客からも手拍子が起こったり、SNSで話題になったりした」と満足そうに振り返った。
 
「滋賀の特色」急きょ練習
準決後「かけっことびっこ」も
 今春のセンバツで注目された近江高吹奏楽部の曲は、準決勝と決勝で披露された西川さんの曲「HOT LIMIT」と、決勝でのみ演奏された平和堂のイメージソング「かけっことびっこ」。
 近江の繰り上げ出場からの快進撃を受け、西川さんはツイッターで「目指せ、決勝!頑張れ、近江高校!」と発信。これに吹奏楽部がツイッターで「応援を吹奏楽部も全力で頑張ります!」とツイートしたことから、つながりが生まれた。
 そして「滋賀の特色」を出そうと、準決勝を前に急きょ「HOT LIMIT」を応援歌に追加。これまで練習したこともなかったが、楽譜がたまたまあったこともあり、2、3年生の部員53人で練習。準決勝では主戦の山田陽翔投手の打撃の際にサビの部分を披露し、山田投手が途中降板した決勝では西川さんにちなんで、西川朔太郎選手の時に演奏した。
 平和堂の「かけっことびっこ」はこれまでの定期演奏会などで披露した実績があった。準決勝終了後の帰りのバスで、「HOT LIMIT」の大きな反響を知った樋口さんら顧問は「さらに盛り上げて、決勝でもう一押ししよう。滋賀で一番有名な曲を全国に届けよう」と考え、「かけっことびっこ」も追加することを決定。帰路途中のサービスエリアで部長の福永さんらに伝え、学校に戻ってすぐに全員で演奏の練習をし、振り付け用として録音して応援団の野球部員やダンス部員たちに渡した。
 決勝では5回の一回のみ「かけっことびっこ」を演奏する予定だったが、「想像以上に盛り上げり、反響がすごかった」(樋口さん)ため、その後も何度か演奏した。
 
「夏出場時も応援したい」
福永部長と指揮の工藤さん
 新しい2曲を中心に吹奏楽部の応援曲に対してはSNSを中心に反響を呼び、マスコミ各社も相次いで取り上げた。樋口さんは「知人からは演奏を聞いたとたん、涙が出てきたとも聞いた。夏の大会でも甲子園出場時はどういう構成にするか、県民の皆さんに喜んでもらえるよう考えたい」と話した。
 福永さんは「甲子園で5試合も応援の演奏ができ、私たちも成長できたと思う。夏の大会でも甲子園に行けたら選手のために一生懸命応援したい」と語り、工藤さんは「センバツではアルプス席を近江一色に染めることができた。私たちの演奏もリアルタイムで反応があり、盛り上げることができて良かった」と話していた。

 

主戦・山田陽翔投手に夏の全国高校野球選手権大会に向けた課題や将来の目標聞く

 春の選抜高校野球大会(センバツ)で近江高校は県勢初の準優勝を果たした。野球部のエースで4番バッターの主戦・山田陽翔投手に、夏の全国高校野球選手権大会に向けた課題や将来の目標について聞いた。
 センバツで山田投手は準決勝までの4試合を
一人で投げぬき、前日の準決勝で足に死球を受けながら、決勝の大阪桐蔭戦にも先発。3回途中で降板し、チームも1対18で大敗したが、山田投手はすでに次(夏)に向けて動き出している。
 決勝での力負けについて、山田投手は「元気な状態だったら、きん差の試合になったかもしれない。投げられなかったため、体力のなさを痛感した。夏に向けて体力と技術の向上に努めたい」と自身の課題をあげた。
 
投手力育成へ「日々努力」
140㌔台普通に打てる打力も
夏の選手権大会で優勝するためについては「近江の野球は守備でリズムをつかんで、打撃につなげていくスタイル。それを実現できれば優勝につながる」と説明。「大阪桐蔭だけでなく、全国クラスの高校の投手は常に140㌔台を投げてくる。その球を普通に打てるようにならないと、優勝はできない」と力説した。
 課題の一つにあがっている山田投手以外の投手育成については「ピッチャーは全国クラスの3枚が必要だと思う。僕を含めて、日々の努力を重ねて成長していく必要がある」と述べた。
 自身の投手での課題については「選抜前は投げ込みが不足していた。けがをしない体を作ったうえで、技術面を磨き、これまでのストレートの最速148㌔から150㌔のスピードボールを投げたい」と意気込みを語った。
 
「地元愛」で近江へ
彦根の高校「誇り」
 山田投手の3つ上の兄は大阪桐蔭出身で、自身も中学校時代に大阪桐蔭から誘いを受けたという。それでも近江を選んだ理由については「強い高校に進むよりも、強い高校を倒したかった。そして何よりも地元滋賀で一番強い近江に進みたかった。地元愛という気持ち」と笑顔を見せた。
 センバツ終了後、彦根駅などでは市民から「感動したよ」と声をかけられるようになったといい、山田投手は「彦根にある高校で戦うことができ、誇りに思う」と話し、将来については「プロ野球選手を目指したい」と力強く話した。

2022年4月18日月曜日

少子化の一方でなぜ不登校の子どもは増え続けるのかーてだのふあ春の学習会、写真展・太陽の子展も

 少子化の一方で、なぜ不登校の子どもは増え続けるのかー。彦根市銀座町のNPO法人フリースクール「てだのふあ」は29日午後2時~ビバシティ彦根2階の研修室で春の学習会を開催。また同日から5月8日まで、通所する子どもたちの活動の様子を撮影した「太陽の子」展も開く。
 てだのふあによると、義務教育段階の不登校の児童生徒は全国で約19万人おり、年々増加傾向にある。一方でフリースクールは全国で約500団体あるが、通所しているのは3%ほどだという。
 てだのふあは2020年4月に芹橋2丁目に開所し、小学1年から高校3年までの20人以上が通っている。2周年を記念し学習会と写真展を企画した。学習会はテーマが「子どもの可能性は無限大」。子どもたちが通学を拒否する理由や背景を明らかにしながら、スタッフや保護者がメッセージを伝える。参加無料。定員50人。
 写真展はビバシティ2階のゲームセンター前で開催。自然活動や登山、座禅、茶道、遊び、勉強の様子を撮影した35点が展示される。5月8日までの午前10時~午後9時。
 代表の山下吉和さんは「不登校で悩む保護者に学習会に参加してもらうことで、子育ての孤立を防ぎ、こういう場所があると知るきっかけにもなればいい」と来場を呼びかけている。問い合わせは山下さん☎090(9099)4822。

ひこにゃん16回目の誕生日

 ひこにゃんは13日、16回目の誕生日を迎え、彦根城博物館で行われた記念セレモニーには約350人が来場し祝福した。
 ひこにゃんは愛称が決まった2006年4月13日が誕生日で、特別住民票の生年月日にも記載されている。
 今年は花束や手紙、写真パネル、クッションなどが全国各地から計72点届いた。コロナ禍前はひこにゃんが登場すると、来場者から「おめでとう」などの声援があがっていたが、今年は昨年に続いて飛まつ防止のため沈黙の中でひこにゃんが登場。
 ひこにゃんファンクラブの井伊直岳会長(52)はひこにゃんに花束を渡し「ひこにゃんは彦根城と並ぶ有名で大切な存在になりました。彦根を代表するキャラとして活躍してほしい。これからも温かい声援をお願いしたい」とあいさつ。
 和田裕行市長は「昨年は東京五輪で金メダル2個を獲得した彦根出身の大橋悠依選手がひこにゃんファンということで全国にもアピールできました。今年もますます活躍していただく予定なので、引き続き応援をお願いします」と述べた。
 今期(5月末まで)のひこねお城大使の岡本真弥(ちかね)さん(20)はバースデーケーキをプレゼントし「みんなから愛されるアイドルとして全国、世界に彦根の魅力を伝えてほしい」と激励した。その後、キャッフィーとチャッフィーと一緒に滋賀国体をPRした。
 セレモニー終了後、千葉県流山市から訪れた小学6年生の中谷祐実さん(11)と駿祐君(11)は「すごくかわいかった」と感想を述べ、昨年からひこにゃんファンクラブに入った祐実さんはクッキーやうさぎのぬいぐるみをプレゼントしたほか、「将来は彦根に住みたい」と書いた手紙も渡したと話していた。

2022年4月16日土曜日

米原市上丹生チューリップ畑が見ごろ17日に上丹生チューリップ祭り

 米原市上丹生のチューリップ畑が見ごろを迎えている。17日には「上丹生チューリップ祭り」が開かれる。
 地元住民らが約1500平方㍍の休耕田を2004年にチューリップ畑にして以降、毎年この時期に一般公開している。オーナー制で、今期は市内外から特別枠の69組と一般の募金者25組から計約35万円集まり、昨年11月に球根計1万4755個を植え付けた。
赤、白、ピンク、黄など10種類のチューリップが花を咲かせており、家族連れやカップルらが写真撮影する光景が見られる。近江八幡市から友人と訪れた会社員の田中瑞希さん(24)は「とてもきれいで、近くにある桜と一緒に楽しめるのもいい。日ごろのストレスも発散できる」と笑顔を見せていた。
 17日は午前10時から午後3時まで、和太鼓や大道芸、エレキ演奏、ライブ、ダンスなどのグループが登場する。雨天中止。チューリップ畑の入園無料。販売もしている。駐車場あり。場所は上丹生のいぼとり公園近く。

2022年4月15日金曜日

ウクライナ国旗色も、戸賀川こいのぼり330匹

 彦根市小泉町の戸賀川に10日、地元住民たちがこいのぼり330匹をかけた。今年はロシアの侵攻を受けるウクライナの一日も早い平和を願い、同国の国旗色の黄と青のこいのぼりも設置した。
 地元団体「蛍の棲(す)める川づくり ホタルの会」が戸賀川にホタルを増やすため、市民に川への関心をもってもらおうと2009年から毎年、子どもの日を前に実施。
今年は30本のロープに長さ約50㌢から約80㌢までの大小のこいのぼりを10匹前後ずつ設置。中には子どもたちの手作り品や、ウクライナ国旗色のこいのぼりもあった。
 住民たち9人は小泉町公民館でこいのぼりをロープに付ける作業をした後、川幅約6㍍の戸賀川の約100㍍にわたってこいのぼりを設置した。設置期間は5月5日ごろまで。また今年は川の壁沿いの花壇にチューリップ約200本も植えた。
 同会の赤井康彦会長(49)は「ロシアの侵略や新型コロナのニュースの中、少しでも明るい話題を届けたい。道行く人が少しでもほがらかな気持ちになってもらえれば」と話していた。

2022年4月7日木曜日

全国小中学生障がい福祉ふれあい作文コンクールで彦根市立鳥居本中学校1年の岩崎来羽さん日本知的障害者福祉協会会長賞

 全国小中学生障がい福祉ふれあい作文コンクールで、彦根市立鳥居本中学校1年の岩崎来羽(くれは)さん(13)=鳥居本町=が、日本知的障害者福祉協会会長賞を受賞。17日に校内で表彰式があった。
 子どもたちに障害者の暮らしに関心を持ってもらおうと、同協会が全国の小中学生に作文を募集。8回目の今年度は小学生の部と中学生の部に計1803点の応募があり、文部科学大臣賞と厚生労働大臣賞が1人ずつ、会長賞が2人ずつ選ばれた。
 岩崎さんの作品名は「成長がゆっくりでも」。おばと、発達障害のあるいとこの3歳の男児と共同生活をした際の様子をまとめた内容。
鳥居本中で行われた表彰式で表彰状や記念品を受け取った岩崎さんは「いとこに対して、ゆっくりでも心配しなくてもいいよ、ありのままに生きてほしい、という思いを込めた」と話していた。岩崎さんの作品は同協会のホームページにアップされている。

2022年3月29日火曜日

天守前でラジオ体操 市が中止要請

 彦根城天守前で毎朝、市民たちが行っているラジオ体操に対し、彦根市文化財課が文化財保護の観点から中止を要請したことが21日わかった。市民たちは継続を求めて署名活動を始めた。
 市民たちは毎朝、ラジオ体操が放送される午前6時半までに天守前広場に集い、円になって体操を行っている。約30年ほぼ毎日続けている市内の男性(80)は「朝からラジオ体操をすると気持ちがいい。天守前広場から眺める琵琶湖の景色は毎日違い、沖の白石が見える時もある」と話していた。
 約10年前から続けている大薮町の西村洋治さん(77)は参加人数を集計しており、昨年は一日の最多人数が37人で、延べ約1万3000人が参加。今年の最多人数は27人だという。
 
40年間続く伝統
世界遺産前に厳格化
 天守前でのラジオ体操は約40年前から行われており、市民たちの交流と健康増進に役立ってきた。
一方で昨年3月の市議会の市民産業建設常任委員会では、森野克彦議員が「一定の団体に限って入場を認めることはどうなのか。ラジオ体操をしている方々が入れるのだったら、ペットを連れての散歩も入れるのでは。問題が発生した時に特定しづらい」と指摘。
 市文化財課は市民が天守前でラジオ体操をしていることを以前から把握し、「黙認」状態だったが、先週末、ラジオ体操をしている市民の一人に「時間外での天守前でのラジオ体操を控えるよう」要請。本紙の取材に、同課の鈴木康浩主幹は「防犯と防火の文化財保護の観点から、散歩を含め時間外の城内への入場はやめてほしいと求めた。世界遺産登録を目指す上で改めて大切な文化財を守っていきたいという思いもある」と述べた。24日には和田裕行市長にも報告した。
 
署名活動を開始
 市からの中止要請を受けた市民たちは継続を願って署名活動を開始。西村さんは「ラジオ体操のために登城する人のみの証明書を作ったり、たすきをかけたりの対処はできるはず。市との話し合いを求めたい」と話している。署名を継続して募っている。問い合わせは西村さん☎090(8210)4200。

2022年3月27日日曜日

近江鉄道が彦根城世界遺産登録応援号の運行開始

 近江鉄道は13日から「彦根城世界遺産登録応援号」の運行を開始。初日には彦根駅のホームで出発式を開き、応募で参加した家族連れたちが乗車した。
 世界遺産登録を応援するため、車両の前後に特製のヘッドマークを付け、側面に彦根城世界遺産登録のロゴを貼り、車内の棚上のスペースに34種類のポスターをラッピング。つり革にも装飾をほどこした。
 出発式には飯田則昭社長、三日月大造知事、和田裕行市長、彦根商工会議所の小出英樹会頭、彦根観光協会の一圓泰成会長らが出席。飯田社長は「車両が走るエリアの皆さんに彦根城が世界遺産登録を目指していることを広めるためラッピングなどをした。登録されることを願っている」とあいさつ。知事は「2024年の登録を目指し、前に進んでいることをうれしく思う。ポストコロナの時代に向けて一緒に盛り上げていきましょう」と述べた。
 最後にはひこにゃんや近江鉄道のキャラクターのがちゃこんと一緒にテープカットが行われた。出発式後には応募のあった54組178人から選ばれた8組27人が応援号に乗車し、彦根駅から米原駅まで乗って行った。父母と参加した城南小2年の龍琥太郎君(8)は「近江鉄道は車両が短くてかわいいので好き。彦根城が世界遺産になってほしい」と話していた。

2022年3月22日火曜日

彦根城天守を立命館大学レゴ部が作成

 立命館大学のレゴ部の学生たちが彦根城天守をレゴブロックで作成。13日に彦根市駅東町の近江鉄道本社で完成披露式が開かれ、三日月大造知事と和田裕行市長が見学した。
 レゴ部は文学部4年の渡辺篤司さん(22)が4年前に創部。彦根城の世界遺産登録の機運醸成を目的に滋賀県から彦根天守作りの依頼を受け、部員20人のうち渡辺さんら5人が昨年11月末から制作に取りかかった。12月には彦根城を実際に見学した。
 パソコンで設計したデータを基に、瓦をグレー、窓を黒、壁を白、石垣を黄土色など6色のレゴブロックをドイツなど海外から仕入れて制作。渡辺さんを中心に計約1万ピースを使い、実物の50分の1の高さ46㌢×幅53㌢×奥行き40㌢の大きさで、今年1月末に完成させた。総経費は約10万円。
 完成披露式には渡辺さんと部長の田中海さん(20)=国際関係学部2年=が出席。三日月知事と和田市長が除幕した後、歓談と記念撮影が行われた。渡辺さんは「この作品を見て彦根城の良さやレゴの魅力を知ってもらうきっかけになればうれしい」、田中さんは「一丸となって世界遺産を目指していると聞き、私たちができることがあれば、これからもお手伝いしたい」と語った。
 レゴ部が作った彦根城天守は14日から31日まで滋賀県庁本館1階の県民サロンで展示され、以降は県内の関連イベントなどで登場する予定。

2022年3月17日木曜日

護国神社でウクライナ色の花手水

 ウクライナの一日も早い平和を願い、彦根市尾末町の滋賀県護国神社の花手水(はなちょうず)が同国の国旗色で生けられた(写真)。
 広島出身の市内在住の女性が、ロシアのウクライナに対する侵略行為の報道を見るたびに「何かできることはないか」との思いがあった。県護国神社が定期的に花手水をしていたことを知っていたため、ウクライナ国旗に合わせて黄色と青色の花を奉納した。
 青がデルフィニウム、黄がスイートピー、チューリップと合わせて計3種類の花を手水舎に生けた。女性は「花を見た人が少しでも何かを感じてもらえたら。戦争が一日も早く終わり、ウクライナに平和が来てほしい」と話している。

 

2022年3月16日水曜日

オリジナルフレーム切手ひこにゃん 彦根ゆる~り旅を販売

 日本郵便近畿支社は14日から、オリジナルフレーム切手「ひこにゃん 彦根ゆる~り旅」を販売する。10日には彦根市役所で贈呈式が開かれた。
 ひこにゃん関連の切手は第3弾。昨年度までの4種類と、今年度の新しい6種類のひこにゃんが登場する84円切手10枚組。新庁舎、井伊直政銅像、芹川桜並木、庄堺公園バラ園、彦根駅前のゴールドポスト、夢京橋キャッスルロード、鳥人間コンテスト、石寺町のあのベンチ、多賀大社の一の鳥居(高宮町)、近江鉄道鳥居本駅のイラストが描かれている。ゴールドポストの切手は、東京五輪の水泳競技で金メダル2個を獲得した彦根出身の大橋悠依選手を記念した限定のひこにゃんのイラストが使われている。
 贈呈式では近畿支社郵便・物流営業部の首藤俊幸部長が和田裕行市長に、切手と拡大パネルを贈った。首藤部長は「この切手を見た方が彦根の各所に足を運んでいただき、地域の活性化につながればいい」とあいさつ。和田市長は「夢にまで見た切手シート。彦根のいい所を紹介して頂いている。誠にありがとうございます」と礼を述べた。最後にはひこにゃんと、日本郵便のキャラのぽすくまと一緒に記念撮影が行われた。
 切手は7000シート用意。1シート1490円。県内230カ所の郵便局と大阪・京都の各中央郵便局で販売。日本郵便のネットショップでの販売は15日からで要送料。

2022年3月13日日曜日

国道8号線の彦根・近江八幡間の渋滞解消へバイパス整備の調査結果渡す手交式

 国道8号線の彦根・近江八幡間の慢性的な渋滞の解消に向け、国土交通省は新たなバイパスを整備するための調査結果をまとめた。2月26日には県庁で、調査結果を三日月大造知事に渡す手交式が開かれた。
 彦根・近江八幡(安土)間について、国は▽慢性的な渋滞で事業所から高速道路のインターチェンジまでのアクセスが悪く、産業活動の妨げになっている▽物流と生活の交通が混在し、利便性が低下している▽追突事故が発生している上、う回の車が生活道路に進入して歩行者との接触事故の危険性がある▽観光地間の連携を強化して県内外からの誘客を促進することから、彦根市佐和山町から安土までの総延長約24㌔に片道2車線の道路を整備する計画を立てている。
 ルート案として国は当初、都市計画道路を活用する約22山側ルートの約24拡幅する約19㌔を設定。騒音や大気汚染、市街地からのアクセス、影響する家屋に対して配慮ができるとして、東海道新幹線東側の山側ルートの案に絞って調査を進めてきた。
 手交式では国土交通省近畿地方整備局の東川(とがわ)直正局長、三日月知事、彦根・近江八幡・東近江・愛荘・犬上3町の首長(選挙のため愛荘のみ副町長)が出席。国がこれまで調査してきた結果を東川局長が知事に渡した。
正式ルートや立ち退きの建物軒数、完成時期などは未定。県は調査結果を参考に都市計画の手続きに着手するほか、沿線市町で3月中旬から住民説明会を開く予定。

 

2022年3月11日金曜日

創業65周年の平和堂イメージソング「かけっことびっこ」を西川貴教さんに歌ってもらい全店で放送

 3月1日に創業65周年を迎えた平和堂は、イメージソング「かけっことびっこ」を滋賀県出身の歌手・西川貴教さんに歌ってもらい、同日から全店で店内放送している。
 「かけっことびっこ」は創業20周年の1977年に誕生し、親しみやすい歌詞と軽快なメロディーが特徴で、「滋賀県人のアンセム(応援歌)」(西川さん談)とまで言われる曲になっている。
平和堂は昨年から、西川さんがコンサート会場などで売っている滋賀の食材を使った菓子を販売。平和堂の公式ツイッターで配信したところ、西川さんがリプライしたことで交流が始まり、今回の特別企画の実現に至った
 平和堂によると、西川さんは子どもの頃に母親と一緒に平和堂に出かけた際、フードコートでソフトクリームを食べながら「かけっことびっこ」を口ずさんでいたという。2月中旬に行われたレコーディングでは平和堂のロゴ入りのオリジナルパーカーを着用しながら歌唱。西川さんは「本当に小さな頃から聞いて、たぶん滋賀県民やったら誰でも歌える、なじみのある曲を歌わせていただいて光栄です。これからは平和堂さんと一緒に滋賀県がもっと楽しく愉快な場所になるようがんばります」とコメントした。
 「西川貴教バージョン」は1分26秒。平和堂、アル・プラザ、フレンドマートの全157店で今年1231日まで放送。「西」にちなんで毎時24分と、「ゴーゴー」をもじって55分の1時間に2回ずつ流される。

 

2022年3月2日水曜日

ひこねお城大使やシティマラソンの予算カット、事業見直し一覧

 彦根市は2月24日、2022年度当初予算案に盛り込まなかったまたは経費を削減した事業見直し一覧を公表した。
 ひこねお城大使の補助を廃止したほか、芹橋彦富線(彦富工区)などの道路整備や防犯灯設置の事業を次年度以降に延期した。部局別では都市建設部の1億1764万円分を筆頭に、各部局の計74事業3億7135万円を廃止、削減、延期、中止にする。主な事業は以下の通り。カッコは前年度からの削減額。
 
銀座商店街補助削減
シティマラソンも
 ▽ひこねお城大使関連(83万円)=彦根市のPRはひこにゃんが担っており、同大使運営委員会補助金と同大使の出務経費をカット。
 ▽花火フェス関連(600万円)=コロナ禍のため今後の花火大会の実施方法について再検討が必要としてカット。
 ▽彦根城ライトアップ(604万円)=事業効果と経費の点から実施内容を精査し補助金カット。
 ▽彦根シティマラソン(117万円)=開催には他部局からの動員が必要で、コロナ対策としてさらに多くの人員がいるため、開催場所やコース、運営方法について再検討が必要として中止。
 ▽彦根城能関連(766万円)=コロナ禍のため開催を中止。
 ▽銀座商店街の振興策(278万円)=銀座街まちづくり協議会への補助とハード事業などの補助をカット。
 ▽住宅リフォーム(3000万円)=助成対象件数を500件から200件に削減。
▽国際交流員の廃止(748万円)=4月任期のブラジルと8月任期のスペインの各国際交流員の新たな任用を行わない。

2022年2月28日月曜日

2022年度の新規および主要事業一覧

 彦根市が24日に発表した新年度当初予算案には、彦根市スポーツ・文化交流センターや市清掃センターの可燃ごみの搬出委託、ひこね燦ぱれすの図書館化、彦根城世界遺産登録、近江鉄道の再生支援、彦根中学校校舎増築の整備、フリースクールを利用する保護者への補助などが盛り込まれている。
 
 ▽市スポーツ・文化交流センター整備(22億4080万円)=今年12月オープンに向け今年度分の工事請負費や外構工事費、まちなか交流棟へのコワーキングスペース整備、用地拡張分の土地購入費など。
 ▽市スポーツ・文化交流センター管理運営(6736万円)=運営を民間委託するための指定管理料、雑誌・図書の購入費、オープニングイベントの開催など。
 ▽ひこね燦ぱれす図書館化(1893万円)=ひこね燦ぱれすを図書館として整備するため、劣化状態の調査と事業化の検討を実施。個別施設管理計画も策定。
 ▽ごみ焼却場整備(11億9311万円)=可燃ごみの外部搬出処理委託料(2億3092万円)、焼却場長寿命化改修工事など。
 ▽大藪金田線の道路改良関連(3000万円)=新しい広域ごみ処理施設整備の建設予定地へのアクセス道路の予備設計と測量。
 ▽彦根中学校校舎増築(3億6401万円)=2023年度に教室が不足するため校舎を増築し一部を改修。増築棟用の机やいすの購入費、ICT整備費や埋蔵文化財調査費も。
 ▽除雪対策(5013万円)=市道135路線の158㌔の除雪委託、除雪機械固定経費など。
 ▽除雪作業への補助(263万円)=自治会など団体が自主的に実施する除雪作業と機械購入に助成。
 ▽グリーンスローモビリティの社会実験支援業務委託(842万円)=彦根城の世界遺産登録を見据え、城周辺の渋滞緩和のために時速20㌔未満で走行する電動車を活用したサービスのグリーンスローモビリティの実験を行う。
 ▽近江鉄道沿線地域公共交通再生(6541万円)=同再生協議会の運営費として近江鉄道の修繕や設備投資などの彦根市負担分と、鳥居本駅に設置しているトイレの水道修繕費負担。
 ▽彦根城の保存整備・維持管理(5467万円)=天守の耐震補強工事と防災設備整備の実施設計。
 ▽旧井伊神社の保存整備(919万円)=修復に向けた専門家の委員会を3回開催し、各種保存整備と維持管理をする。
 ▽彦根城世界遺産登録準備(2532万円)=新年度に提出する予定の推薦書の原案の英語版作成委託など。
 ▽彦根城周辺にポケットパーク整備(2800万円)=歩行空間の改善と回遊性の向上を目的に滋賀大学正門前の中堀沿い側の歩道にベンチや案内板を備えたポケットパークを設ける。
 ▽ひこにゃん動画のコンテンツ制作費(200万円)=ひこにゃんが登場するアニメ動画の作成に向け、キャラクターとそのストーリーを考える。
 ▽産科医確保支援事業補助金(29万円)=産科医療を支える産科医確保の取り組みを進める長浜日赤病院に、長浜市と米原市と連携しながら分べん手当として補助金を支給。
▽女性つながりサポート事業委託(300万円)=コロナ禍により不安や困難を抱える女性への支援として、ウィズを拠点に相談会やサロンの開催、生理用品配布などを行う。
 ▽ユーチューブ備品購入費(30万円)=市のコロナや防災、イベントなどの情報や会見の模様をユーチューブで配信するためのカメラやパソコン、編集ソフト。
 ▽彦根市茶の湯条例(仮称)策定経費(19万円)=井伊直弼の茶の湯の精神を市民らに広めるため同条例の制定を目指し、条例策定委員会を発足。
 ▽多言語パンフレット作成委託(700万円)=英語圏の外国人観光客向けに新たにデザインする観光パンフレットと、英語・中国語・韓国語の彦根のマップを作成し、インバウンド誘致を推進。
 ▽プレミアム食事体験の実施(120万円)=彦根城博物館で観光客向けに行う「殿様の生活体験」のうち殿様の食事代。
 ▽不登校支援(254万円)=不登校の児童生徒の支援体制を充実させるため、不登校支援連絡協議会を設置し、関係機関と連携する。またフリースクールを利用する児童生徒の保護者の負担額を助成。

2022年2月26日土曜日

びわ湖のひな人形めぐりPRで近江鉄道の電車内に装飾19日から運行開始

 雛(ひな)祭りに合わせて県内で開かれているイベント「びわ湖のひな人形めぐり」をPRするため、近江鉄道の電車内に装飾がほどこされ、19日から運行を開始した。前日には飾り付けの様子が公開された。
 近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会が電車の利用促進を目的に昨年に続いて企画。18日には彦根市や県の職員、近江鉄道の社員の計9人が古沢町の本社裏の電車区で、2両編成の900形あかね号内に桜の造花40本やぼんぼり10個、びわ湖のひな人形めぐりのPRポスターなどを設置した。
 県東部地域公共交通支援室の谷佑一郎さん(34)は「乗車した多くの方に春を感じてもらえたらうれしい」と話していた。PR電車は19日午後5時33分の彦根駅発米原行きを皮切りに3月末まで運行される予定。

豊郷町の名所で雛人形を展示とよさとひなめぐり

雛(ひな)祭りに合わせて豊郷町の名所で5日から、雛人形を展示する「とよさとひなめぐり」が開かれている。15日~は豊郷小学校旧校舎群の講堂で県内のゆるキャラたちを撮影した360度パノラマ動画がユーチューブで配信される。
 県内の長浜・東近江など8市と豊郷・愛荘など4町によるイベント「びわ湖のひな人形めぐり滋賀」の一環として開催。豊郷町では豊郷小学校旧校舎群、伊藤忠兵衛記念館、豊会館、称名寺、岡村本家を会場に3月13日まで開かれている。
 
琵琶湖八景とアニメ
東之湖さん初回作
 旧校舎群の酬徳記念館では雛人形の職人として知られる雛匠の東之湖(とうこ)さん(50)=東近江市=が、琵琶湖八景と旧校舎群を舞台にしたアニメに登場する女の子をイメージした雛人形を展示。
 琵琶湖八景の作品は今年から8年かけて計8作を仕上げる予定で、初回はマキノ町の湖中に突き出した「『暁霧』(ぎょうむ)海津大崎の岩礁」をイメージして、稲枝の職人が織った新之助上布を衣装に使用した男雛と女雛。アニメの女の子の作品は女子高生5人のバンドを5年かけて平安時代風に作る最初の作品で、ドラムを太鼓に代えて演奏する女雛に仕上げている。
 
酒蔵で「宴びな」
ゆるキャラ動画も
 岡村本家2階では滋賀県立大学のグループ「とよさと快蔵プロジェクト」のメンバー6人が創作展示「宴(うたげ)びな」を実施。酒蔵にちなんで、豊郷町観光協会から借りた雛人形と、岡村本家など旧家の古着や小道具を使い、宴席を楽しむ雛人形たちを表現した。学生たちは昨年11月末から構想を練り、今月初めまでに仕上げた。代表で環境科学部3年の今西希月さん(21)は「作品にはふきだしも入れており、楽しそうに話している姿を想像しながら見てもらえたらうれしい」と語っていた。 県内12市町のゆるキャラが一堂にそろった動画は東近江観光協会のユーチューブで観覧できる。

近江鉄道3月13日から彦根城世界遺産登録応援号の運行開始

 近江鉄道は3月13日から「彦根城世界遺産登録応援号」の運行を開始。初日の午後0時27分発で彦根駅から米原駅まで運行する臨時便の乗車希望者を募っている。
 彦根城の世界遺産登録に向けた活動を応援するため企画。特製のヘッドマークの取り付けや、応援メッセージのラッピング、つり革の装飾などをほどこした「応援号」を全線で運行する。
 臨時便の車内では彦根城に関するガイドを聞くほか、乗車の記念品や子ども向けの切符が進呈される。募集定員は小学生以下含む最大4人の10組。応募多数時は抽選。申し込みは近江鉄道のホームページの応募フォームから今月14日まで。問い合わせは同社鉄道部☎(22)3303。

びわ湖畔 味覚の宿 双葉荘プライベートサウナと露店の水風呂、露天風呂付きの客室「比良」オープン県内初

 彦根市松原町の「びわ湖畔 味覚の宿 双葉荘」は、プライベートサウナと露店の水風呂、露天風呂付きの客室「比良」をオープンした。3つが客室にそろうのは県内初だという。
 双葉荘によると、コロナ禍の影響で旅行客のニーズは「早く着いて部屋で長く過ごす」「海外や観光先でお金を使うよりも国内の少しリッチな部屋を予約する」傾向にあるという。
 県の補助事業を活用し、二部屋分を一つにし、和室、洋室、キッチンが付いた約95平方㍍の部屋に改装。屋外にはいずれも信楽焼の大きな浴槽の露天風呂と小さな浴槽の水風呂、2人まで入れるヒノキ製のサウナを設けた。露天風呂やサウナからは彦根城と琵琶湖も眺望でき、室内の巨大なガラス窓からも同様の眺めが見られる。アロマオイルや伊吹の薬草の香りも選べる。
 2食2人利用で一人4万4000円、5人まで可。料理長の片岡純一郎さん(45)は「喧騒から離れ、上質な時間を夫婦や家族、友人と過ごしていただきたい」と話している。問い合わせは双葉荘☎(22)2667。

2022年2月12日土曜日

プロサッカー選手で元日本代表の本田圭佑さん彦根市役所で市長らと面談

 プロサッカー選手で元日本代表の本田圭佑さんが1月28日、地域のスポーツ振興を目的に彦根市役所を訪問し、和田裕行市長らと面談した。
 本田さんはJリーグがない全国の自治体を訪れ、サッカーをはじめとした地域のスポーツ振興を求めるプロジェクトを展開。すでに18日に島根、20日に高知、26日に和歌山を訪れた。
彦根市への訪
問は本田さん側が今月6日に打診して実現。市長との面談は本田さん側の意向で、マスコミには冒頭の5分だけ公開された。本田さんは海外で選手として活躍しながら、地域のスポーツ格差の解消を目指す会社「Nоw Dо」(東京都)の社長を兼務しているため「日本はスポーツ格差が広がっており、特に地方は深刻なため各地を回っている」「指導者不足や親の送迎、費用の問題があり、それらを解決するには行政の努力が必要不可欠。人材流出も深刻な問題だ」と指摘した。
 
「彦根めちゃくちゃいい」
キャッスルロードや滋賀大も
 本田さんは大阪府摂津市の出身。子どものころに祖父母と彦根市内の山を登ったことを明かしながら「彦根はめちゃくちゃいい所。これだけ城下町がきれいな場所は全国でもなかなかないのでは」と場を和ませた。
 市長や市スポーツ協会の小田柿幸男会長との面談後には、市の担当課との話し合いも行われた。面談後、市長は「子どもたちに対するサッカーを中心としたスポーツ全般の取り組みについて意見交換をした。私からはJリーグに対する熱い思いを伝えた。本田選手のスポーツの普及に対する情熱を感じることができ、大変有意義な時間となった。本田△(さんカッケー)!」とコメントした。
 なお本田さんはこの日、夢京橋キャッスルロードや滋賀大学彦根キャンパスなども訪れた。

2022年2月2日水曜日

男鬼町の歴史と再興

 彦根市の鳥居本エリアの山間部には、仏生寺、笹尾、男鬼、武奈、荘厳寺、善谷、中山の7つの山村集落がある。そのうち男鬼町は標高約420㍍地点にあり、昭和40年代後半に「廃村」となって以降、これまでに滋賀県立大学などが再興に向けた活動を展開。彦根市の和田裕行市長もその活用を模索している。本紙の山田貴之記者はかつて男鬼町で過ごしていた大久保則雄さん(67)=原町=や滋賀県立大学の学生たちの活動に同行。男鬼町の歴史や再興に向けた活動内容などを紹介する。
 
明治時代初期140
領地争い直訴で処刑
男鬼という名は奈良時代の神護景雲3年(769年)、雲仙山の山下に建立された7カ所の精舎のうちの1カ所が男鬼寺と呼ばれ、男鬼町内にあったことが由来とされるほか、「かつて鬼のような男がいた」との言い伝えも残る。
江戸時代の村高が32石余りで、明治時代初期には27戸に140人が住んでいたとされ、ほかに50戸ほどの家があったとする記録が残る。
 元禄16年(1703年)には、荘厳寺との領地争いが起こり、男鬼の男衆5人が「理不尽な扱いを受けた」として直訴。当時の直訴は打ち首が原則だったため、城下町の久座の辻に5人の首がさらされたという。男鬼の村民たちは恐れてとむらいに行けなかったが、あわれんだ明照寺(平田町)が引き取り、お祀りした。現在も同寺で法要が行われている。
 
特産「男鬼ゴボウ」
木炭や養蚕も盛ん
 男鬼町では米を作っていなかったため、主産業の林業による木炭を彦根市内で売り、米や日用品を買って帰る生活だったが、昭和30年代のいわゆる燃料革命によってガスや石油が普及し、それに伴って木炭の需要が減った。昭和初期には養蚕業が盛んになり、ほぼ全戸が営んでいたとされるが、これも労働力不足と需要減で廃業した。農作物では昭和30年代前半までゴボウが栽培され、特産品の「男鬼ゴボウ」として彦根市民に親しまれていた。
 
片道2時間で通学
「少年山の家」も
 学校としては明治19年(1886年)11月1日に、男鬼と隣の武奈、明幸(みょうこう)の各村を通学区域とする武奈簡易科小学校が設立。明治24年に男鬼に分教場が開設されたが、その年の4月1日に廃止され、全村を通学区とする鳥居本尋常小学校と改称された。しかし男鬼など3地区の児童生徒向けに明治33年に明幸に武奈分教場が設置。平成2年(1990年)3月末に廃校となり、跡地に石碑が立っている。
大久保さんによると、現在は完全に廃村となった明幸の分教場まで、片道約2㌔を毎日、峠を越えて通学。降雪日は村人が踏みしめて通学路を確保したといい、通学が難しい際は寺で授業を受けたという。中学校時代には男鬼から片道約2時間かけて歩いて山を下り、現在の鳥居本中学校に通っていた。
 昭和27年に鳥居本村が彦根市と合併し、昭和30年代の燃料革命などによって、山下の鳥居本などへの移住者が続出。昭和40年代後半には居住者がいなくなり、廃村となった。解体する家もあり、現在の戸数は7軒のみとなっている。
 昭和48年から平成14年まで、旧宅が彦根市教委に期間契約で提供されて「男鬼少年山の家」が開校。市内小学生の自然体験学習の場となっていた。
 
 
イザナミノミコトの比婆神社
旧男鬼町民の氏子や信者ら世話
 男鬼町の集落には日枝神社があり、5月第2日曜日と9月第2日曜日にそれぞれ春祭りと秋祭りを営んでいた。
 そして山上には伊邪那美大神(イザナミノミコト)を祭神とする比婆神社がある。集落近くの山下の案内板によると、境内規模は4530坪(約1万5000平方㍍)。江戸時代中期の宝暦年間以前に神殿が建立され、大正時代末期に崇敬者の寄進によって「荘厳なる」社殿が再現された。現在も巨大な岩山の前に社殿が建っている。
 
かつて女人禁制
 比婆神社は長く女人禁制の地だった。武奈分教場に教員として勤務していた木下利三郎さんは長浜市石田町に昭和14年ごろから居住。比婆神社の荘厳さとご利益の多いことを地元で紹介していたとされる。御岳教金屋布教所(長浜市石田町)初代の山室(下村)うたのさんが昭和初期ごろに比婆神社を訪れて以降、女人禁制では無くなり、以降も県内外の信者たちや現在の三代・下村八重子さん(70)が世話をしてきた。
男鬼町の集落近くにある最初の大鳥居から山上の社殿までには参道があるが、徒歩だと片道40分前後かかるという。そのため信者たちの資金で約35年前に車道が約1㌔にわたって整備された。また10年ほど前の台風で社殿が倒壊したが、信者の寄進によって再建された。
 
年数回の祭り
集落内に誓玄寺
比婆神社の宮司は高宮神社の宮司が務めている。氏子総代の大久保さんら男鬼出身者(氏子)らが参加し、毎年5月第2日曜日に春祭り、9月第2日曜日に秋祭り、11月最終日曜日にしめ縄法要を実施している。
 集落内には報徳2年(1450年)建立とされる浄土真宗本願寺派の誓玄寺があるが、昭和50年代に廃寺となった。
 【参考文献=「ふるさと鳥居本」「新修彦根市史第十一巻民俗編」】
 
(別枠で)
(写真=畑の草刈りをする県立大学の学生たち)
県立大が再興プロジェクト
民家整備や畑作「里山体験施設に」
 滋賀県立大学環境科学部の芦澤竜一教授と川井操准教授の合同チームが「男鬼プロジェクト」と題し、今年5月から男鬼町の再興に向けた取り組みを進めている。
 代表で環境科学研究科3年の川畑大輝さん(23)ら学生17人が所属。昨年だけで30回、現地を訪問。拠点にしている大久保さんの旧宅の清掃と整備のほか、ジャガイモ、春菊、ゴボウ、サツマイモ、ダイコンの栽培をしてきた。
 本紙記者が訪れた際は川畑さんと、環境科学研究科1年の岡田大志(ひろし)さん(24)、環境科学部3年の澤木花音さん(22)が活動し、畑の草刈りなどをしていた。今年は建物の改修に向けた設計や部分的な改修などを行い、「カーボンゼロ」をコンセプトにしたインフラ整備についても検討する。
 将来的には5年後をめどに里山体験型の「宿泊施設」としての整備を計画している。川畑さんは「初めて男鬼町を訪れた時、良い状態で集落が残っていて、厳密には『廃村化』していないと思った。信仰なども残っており、先人たちが築いてきた集落を次世代に継承したいと思った。課題が山積みで先行きも見えませんが、一つずつ手をかけたい」と話していた。
 男鬼の活用策について、和田裕行市長は交通アクセスや家屋の老朽化、インフラの問題から「すぐに市民レジャーの活用や観光客誘致は難しいが、短期的には映画のロケ地としての活用が現実的。自治会の皆さんの意向を踏まえながら、進めたい」と説明。
 大久保さんは旧宅の維持が難しいため、解体することも考えたという。「集落には比婆神社や原風景が残っており、歴史ある村。学生や行政の皆さんには、ずっと使えるような計画の立案を期待している」と語っていた。

彦根城の世界遺産登録 7月に国内推薦か

2024年の彦根城の世界遺産登録に向けて、今年7月に国内推薦が決定する可能性があり、1992年の国の暫定一覧表に登録されて以降、ようやく現実味を帯びてきた。 
 暫定リストの掲載以降、しばらくは「放置」状態が続き、彦根市民の間でも世界遺産に対して反対の声が少なからずあり、盛り上がりも皆無に等しかった。十数年前から彦根市が登録に向けての模索を開始し、数年前から市職員を県に派遣するなど本腰を入れ始めた。並行する形で彦根商工会議所をはじめとした市内団体も機運醸成の取り組みを進め、昨年1117日には近江八幡市や東近江市、長浜市など湖東湖北5市5町の商工・観光団体で「世界遺産でつながるまちづくりコンソーシアム」を設立した。
 
幕藩体制の資産強調
 
 世界遺産に登録されるには、すでに登録済みの姫路城や、国内のほかの城郭、1000以上の世界遺産の文化財にはない「顕著な普遍的価値」を明確に示す必要がある。顕著な普遍的価値とは、どの国や地域の人でも、いつの時代のどの世代でも、性別や宗教、思想に関係なく、同じように素晴らしいと感じる価値のこと。
 彦根城は中堀から内側に外堀土塁を加えた場所が特別史跡に指定されている。そのうち中堀より内側には天守、城主の御殿、重臣屋敷、大名庭園、藩校の建物や遺構が残されている。
彦根市はこの5つの保存状態が国内のほかの城と比べて最も良いと判断。江戸幕府を主に各藩が城を政治拠点にして、近くに御殿や重臣屋敷、大名庭園、藩校などを配し、領民が安心して暮らせる仕組みの幕藩体制に着目。彦根城がこの仕組みを最もよく示す資産だと訴えている。
 登録を目指す範囲は中堀より内側の彦根城の天守、各櫓、藩主が住んでいた表御殿跡、旧藩校の弘道館跡、槻御殿、玄宮園、西郷家や木俣家など重臣屋敷、埋木舎。登録外だが、各遺産を守る範囲の緩衝地帯として、芹川、JR琵琶湖線、矢倉川、琵琶湖沖合500㍍内のエリアをあげている。
 
市民の機運醸成カギ
 
 登録のための重点事項はこれまで、「価値の証明」と「文化財の保存管理体制」だったが、近年は世界遺産を持続可能な社会を実現するための取り組みと考えるようになった。つまり文化財の保護だけでなく、「地域の発展」も重視する考え方に変わりつつあり、地域住民が世界遺産登録に向けてどれほど主体的に活動しているかも審査の対象になる。
 彦根市の街全体は保守的、排他的な市民性の「殿様文化」から脱却し始めつつあるが、彦根城の世界遺産登録に向けて、どれほどの市民が動き出すか、登録へのカギは表舞台に出ていない市民が握っていると言える。【山田貴之】

          【登録へのスケジュール】
 2022年3月 文化審議会の評価をもとに修正推薦書原案を提出
   22年7月 文化審議会が世界文化遺産候補に推薦決定
      7月 世界遺産条約関係省庁連絡会議で推薦決定
       秋 世界文化遺産への推薦を閣議決定
   23年1月 政府が推薦書をユネスコ世界遺産センターへ提出
   23年9月 ユネスコ諮問機関ICОMOS(イコモス)が現地調査
   24年5月 イコモスが世界文化遺産登録を勧告
   24年7月 世界遺産委員会で世界遺産リストへ登録決定

ホリエモンこと堀江貴文さん「地方の時代がやってくる」で講演

 ホリエモンの愛称で知られる実業家の堀江貴文さんが16日、「地方の時代がやってくる」をテーマに文化プラザで講演し、「歴史と文化、近江牛とふなずしで国内外から人を招くことができる」とアドバイスした。
 
歴史と文化 豊富
 堀江さんは「東京のおもしろい人はテレビに出てくるが、地方のおもしろい人は発見されない。しかし地方の魅力にみんなが気づき始めていて、SNSで発信され始めている」と説明。「日本は他国と比べて歴史と文化が地方に豊富にある。そして自然環境にも恵まれ、特に水に困ることはない」と話した。
 
外部コーチ招け
 地方の発信方法として、堀江さんは米国のゴルフ選手のタイガーウッズでもコーチがいることを例にあげ「自分たちではなかなか魅力に気づかない。必ず外部のコーチを付けること。まったくその地のことを知らない人がどのように思うかの視点が大切だ」と助言。「(コロナ禍で)幸いにも時間はある。その時間を活用し、魅力をどのように伝えるのかを決めてほしい」と語った。
 
ふなずしとエンタメ
 後半では「可能性だらけの地方が熱い」をテーマに和田裕行市長と対談。市長の「観光客のリピーターを増やすには食しかない」との言葉に、堀江さんは「ビーフは世界共通の言葉。日本には和牛があり、牛は勝手に人を呼ぶ」と近江牛を用いた戦略を推奨。滋賀のふなずしも取り上げ「ブルーチーズみたいで、確実に人気商品になる。ほかの地方でまねしようにもできない」と述べた。
 地方のほかの魅力として、堀江さんは「地方にはエンタメ(娯楽)があり、滋賀なら琵琶湖でマリンスポーツや釣りが楽しめる。アイアンマンレースなら世界中から人を招くことができる」と提案した。
 堀江さんの講演会は「EGplan」(芹川町)が主催し、約750人が来場した。

 

2022年1月25日火曜日

大雪の苦情、約1400件

 昨年1226日からの大雪に関して彦根市民から市役所への苦情、要請が電話を中心に今月6日までに計約1400件も寄せられていたことが市への取材でわかった。
 26日から27日にかけての大雪で市内では交通渋滞が各所で発生。カーポートやビニールハウスの倒壊、住宅の損傷、彦根城内で倒木などさまざまな被害が出た。市によると、除雪作業後の体調不良や転倒によるけが人も30件あった。
 彦根市には27日以降、市道路河川課などに「道の雪をどけて」「除雪作業で積み上げられた雪が邪魔だ」などの苦情が寄せられた。本紙にも「バスを1時間半以上待っても来ないので、バス会社に連絡したら運休とのこと。市は運休の告知をしないのか」などの相談があった。同課によると、2728日の2日間で約1000件、今月6日までに電話だけで計約1300件、窓口やメール、手紙を含めて計約100件の苦情があった。7日以降も計20件ほどの連絡があった。
 
2017年も大混乱
市「できる限りした」
 2017年にも1月23日から25日にかけての積雪で彦根市内は大混乱し、市や県に多数の苦情があった。これを受けて市は1712月に「彦根市大雪時の対応指針」を策定。災害級の大雪時には市長を本部長に大雪対策連絡本部を設置し、市ホームページなどでの広報、道路除雪、被害状況の把握などを行うと定めた。今年度の「道路除雪実施計画書」では、市保有の専用車として粒状融雪剤散布用のトラック2台、作業用のトラック1台、液状融雪剤散布用のトラックと排雪トラック1台ずつを配備したとあるが、今回のような大雪時には対応できないため、実際には民間の44業者の除雪車計82台に委託する形をとっている。
 市道路河川課の担当者は「5年前と比べても積雪量が多かった。市としてはできる限りの対応をしたつもりだ。(市民からの苦情を受け)滋賀県や警察と協議して対策を強化したい」と説明。和田裕行市長は1227日の自身のフェイスブックで「持っている能力を最大限発揮して対応した。120%でのそんでいる」とコメントしていたが、年初の会合では「ご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思う。この反省を生かして今後、対応していく」と謝罪した。

2022年1月24日月曜日

和田裕行市長と彦根城世界遺産登録 意見交換・応援1000人委員会会長の宮川富子・永樂屋社長との新春対談

 彦根城の世界遺産登録に向けて、滋賀彦根新聞社は和田裕行市長と彦根城世界遺産登録 意見交換・応援1000人委員会会長の宮川富子・永樂屋社長との「新春対談」を開催。コーディネーターは本紙の山田貴之記者が務めた。
 
登録へ「いよいよという感じ」
彦根と県全体の機運醸成へ尽力
 ―世界遺産に向けて、現在の状況は?
 和田 昨年11月に湖東湖北5市4町の商工・観光団体が「世界遺産でつながるまちづくりコンソーシアム」を設立した。文化庁からは世界遺産に向けて、地元の機運醸成を図るよう助言を受けている。彦根だけでなく広域で取り組む必要があり、また民間だけではなく、県内各市町の首長にも協力を呼びかけていく。
 ―市民組織の1000人委員会は世界遺産を巡る状況についてどのように見ているでしょう
 宮川 行政も市職員が滋賀県に出向するなど真剣に取り組んで頂いている。市民としては1000人委員会が立ち上がったことで、関心がなかった方、(登録に)否定的だった方からも応援して頂いている。彦根商工会議所や彦根観光協会をはじめ、それぞれの団体が広範囲で活動して頂いており、市民としてはうれしく、いよいよという感じがしている。
 
市内の意識格差の是正を
市長「ギア一つ上げる必要」
 ―市民レベルと滋賀県全体の両側面で更に機運を高めることが必要だが
 和田 2022年度までにギアを一つ上げる必要がある。僕自身、お城から離れた周辺地域(高宮町)の市民。河瀬・稲枝地域も同じだと思うが、離れた地域の空気感も理解している。まだまだ無関心の方が非常に多いが、無関心層の一人だった僕がギアを上げるということはまた違う意味がある。周辺の市民から見て、いかに世界遺産が彦根のために必要かということを、誰よりも説得力を持って話をしていきたい。
 ―この10年以上の推移を見ると、ここ数年でようやくギアが上がってきた印象があるが、まだまだ無関心層は多い。
 宮川 旧城下町と、合併して彦根に入った旧町村との意識格差はあるが、市民という立場に立てば、彦根城があるということだけでも、その恩恵を受けてきていると思う。彦根の街の品格は彦根城のお陰で、すごく高いと思う。県外に出た方も「ふるさとは彦根」と誇りを持って言ってもらえるような街になってほしい。1000人委員会でも市内の旧城下町以外の周辺の皆さんが彦根の街全体に誇りを持ってもらえるよう、その意図を活動の中に盛り込んでいる。
 
江戸時代の統治体制の象徴
「姫路城との違い胸を張って」
 ―登録のための普遍的な価値に「彦根城を見れば江戸時代の政治体制がわかる」があるが、それを市民に浸透させるには?
 和田 統治機構などの話は(登録機関の)ユネスコ向けで、市民の皆さんにはもっと親しんでもらうというか、歴史的に井伊直弼公をもっと見直してほしい。教科書では安政の大獄などあまり良いイメージがない。本来はチャカポン(茶道・和歌・能)の分野でも功績がある。そして愛国者的な功績も理解してほしい。誇りを持てる城主だったことを広め、誇りを持てる街にしたい。
 宮川 直弼公に限らず、(二代当主の)直孝公の時代から統治の形を作り、井伊家のみお国替えがなく彦根藩を統治し続けてきた歴史をひもとく必要がある。歴代当主で5人が大老を務めた藩はほかにない。歴代の当主に対して市民の皆さんがもっとリスペクトできるような取り組みができたら良い。
 ―彦根城が世界遺産の価値があるということを市民レベルでもっと深める必要があるが
 和田 彦根城天守を見る方向を見直してもらいたい。僕は勇壮な姿が見られる南側が大好きで、姫路城とそん色のない雰囲気があるため、もっとアピールしていきたい。中堀より内側や旧城下町を含めたたたずまいも他市にはなく、非常に格式高い。統治機構を表す姿がそのまま残っているのだから、胸を張って姫路城とは違う価値があると言える。
 
宮川会長「生活密着のお城」
「タイムスリップできるエリア」
 宮川 統治スタイルや旧城下町が残っていることが重要で、1000人委員会のメンバーでウォーキングをしながら、さまざま場所から彦根城を眺めるビューポイントを確認した。彦根の街を改めて歩くと、辻々の場所で違った彦根城の姿が見える。観光だけでなく、市民生活の中にあるお城、生活密着のお城だということを皆さんに改めて知ってもらいたい。そういう隠れた魅力はまだまだあるため、皆さんに知ってもらえる活動をしたい。
 和田 インスタグラムのコンテストをしたら面白い。季節ごとの良さもあるし、映えまくるだろう。
 宮川 世界遺産に登録または候補地の宗像大社と佐渡の金山に行って来たが、市民の息づかいは彦根の方がすばらしいと感じた。彦根城は市民の生活に溶け込んだまちづくりの中にあり、是非ともその良さをアピールしながら、すばらしい街に住んでいるということを市民の皆さんと一緒に広めていきたい。
 和田 彦根はまだまだ宝を持ち腐れている。芹橋の足軽組屋敷を訪れた際、十分に誘客できると思った。まさにタイムスリップできるエリアだ。
 宮川 世界遺産登録に向けてもう少し早く動いていたら、芹橋エリアを含めて取り壊されていなかった建物もあった。もったいないと思うことがあるが、ここに来て盛り上がってきたため、皆さんと一緒に盛り上げていければ良い。
 和田 彦根市の教育大綱を作り直しているが、子どもたちが学生や大人になって県外に出てからも帰って来てもらえるような格式高い街にしたい。そのためにもまずは国内推薦に向けて尽力したい。
 宮川 私も及ばずながら、できるだけのことはしたい。
 
「彦根のパワーをフル活用」
食もアピール、滞在型観光促進
 ―今年の事業としては
 宮川 昨年、新しくなった市役所の待合室にホワイトボードを置いて、市民の皆さんの世界遺産に向けた応援メッセージを書いてもらえたらうれしい。彦根城周辺を見て頂けるウォーキングも続けたい。 
 和田 行政としては機運醸成を図り、国や県とも調整したい。
 ―滋賀県全体での機運醸成は進んでいるのか
 和田 市長会で議題に上げていくし、例えば彦根城の建築には大津城のパーツが使われていることなどから、南部の市にも協力をお願いしたい。これから滞在型、体験型観光をアピールするには彦根だけでできない。全県を上げて取り組んでいく。
 宮川 彦根市内では宿泊施設の団体や一般企業の皆さんが独自で啓発グッズを作るなど応援の動きがある。そういった地道な活動が広がっていけば、それぞれの社内や市民の皆さんにも浸透していくでしょう。継続して積み重ねていけば、広がっていくと思う。
 和田 どこかの段階で1万人委員会にしてもらえるようになればいい。
 宮川 はい、1万人を目指したい。
 和田 「世界遺産でつながるまちづくりコンソーシアム」の設立を機にギアをアップしていく。ひこにゃんをはじめ、彦根が持つパワーをフル活用したい。近江牛やビワマスなど食もアピールし、彦根が話題になるように仕かけ作りをしていきたい。

奥出真由美さん つらい経験した女性たち支援する活動展開、愛荘町の古民家にカフェオープンへ

 不妊治療、離婚、乳がんなどさまざまな経験をしてきた奥出真由美さん(59)=彦根市高宮町=は、同じく乳がんなどでつらい経験をした女性たちを支援する活動を展開。今年春には、悩みを抱えている女性たちが気軽に集える憩いの場「古民家カフェコミュニティー『榲桲(まるめろ)』」を愛荘町にオープンする。開所を前に古民家の改築費の一部をクラウドファンディングで募っている。
 
「変身企画」も開催
 奥出さんは彦根市西沼波町出身。22歳で結婚し、不妊治療や異常妊娠による堕胎を経て、26歳の時に長女を出産。子育てをしてきたが、長女の中学校入学前に離婚し、41歳の時に乳がんを発症。右乳房を切除する手術を受けた。抗がん剤治療で髪の毛が抜けた際にはウィッグ(かつら)も使用した。4年前の両親の入院を機に、それまで勤めていた会社を退職。現在は母親(83)の介護をしながらパート勤務している。
 昨年5月1日には女性の心と体の健康を支援する団体「With Mamma」を設立。女性たちにプロのメイクを受けてもらい、日常とは異なる姿になって写真撮影にのぞむイベント「オトナ女子変身企画」を7月10日と1121日に市内で開催した。
 
「悩む女性多い」
講座の運営者募集
 さまざまなつらい経験をしてきた奥出さんは「私と同じように、不安や苦しい思いを抱いていても、弱音をはけず、泣きたくても泣けない女性が多くいるはず。私が生かされている意味はここにあるのでは」との思いから、気軽に来られる居場所作りを計画。明治時代初めに建築された愛荘町斧磨(よきとぎ)の古民家を拠点に、カフェや女性がチャレンジできる場として活用する。
 平日に奥出さんが体に優しい料理を提供する店を開き、土日祝日にほかの女性たちがカフェを営業。ヨガやハンドマッサージなど講座も開講する。奥出さんは料理や講座を実施できる女性を募集している。
 奥出さんは「女性たちが予約なしで、ぷらっと立ち寄れる第2の家のような温もりのある場所にしたい。相談やくつろぐスペースのほか、女性の皆さんのこれまでの経験を生かせる場所にもなれば」と話している。
 
ネットで支援募る
 クラウドファンディングはキャンプファイヤーで1月末まで。目標金額50万円。リターン品はオリジナルのしおりやポストカード、トートバッグ、内装作業の参加ワンデイパスポート、まるめろでの宿泊・講座・夜の体験ができるペア券など。
 2月から改修工事に入り、5月初旬オープン予定。問い合わせは奥出さん☎090(1890)2874。

2022年1月21日金曜日

聖泉大学の講座受講した高齢者6人考案シニア向けいずみ体操が完成

 彦根市肥田町の聖泉大学の講座を受講した高齢者6人が考案したシニア向けの「いずみ体操」が完成。動画配信やDVDの無料配布、出前講座などを受け付けている。
 
聖泉大の養成講座受講者で
「健やか塾」で1年以上かけ完成
 考案したのは、2016年度から2019年度まで聖泉大学で開かれた健康づくりリーダー養成講座の受講者のうち、初級・中級・上級すべて受講をした高齢者らが1812月に設立した「いずみ健やか塾」の塾生たち。
 メンバーは60代の西野達夫さん、瀬戸川まき子さん、70代の田井中源一郎さん、市原悦子さん、大窪澄子さん=以上いずれも彦根市内、94歳の最高齢で愛荘町の森野久章さん。教員は看護学部の安孫子尚子准教授と人間学部の多胡陽介准教授。
 いずみ健やか塾を立ち上げて以降、毎月第2木曜日の午前にテーマを決めて勉強会を実施。特に認知症予防に重点を置いて、予防のための体操やストレッチ、運動などを学び、2020年度には手軽にできる筋力トレーニングやスクワットを取り入れた。
 
畑仕事 歯磨き 窓ふき…
日常生活の動作取り入れる
 
 20年春以降の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高齢者たちの運動の機会が減り、筋力などが低下する「フレイル(虚弱)」の進行の懸念があったため、いずみ健やか塾では20年9月からオリジナル体操の制作を開始。「いつでも、どこでも、だれでも簡単にできる体操」をテーマに、感染予防に配慮しながら会議を重ねた。
 昨年11月6日に完成した「いずみ体操」は一日の生活をイメージし、日々の暮らしの動作を取り入れているのが特徴。猫背の姿勢が良くなるという「歯磨き」、筋肉をほぐし肩こりの解消に役立つ「窓ふき」、足腰の筋肉が鍛えられる「畑仕事」の動作のほか、「カーテンを開く」「あいさつをする」もある。立ったままや、座った状態でもできる。動画の演奏には県民に親しまれている「琵琶湖周航の歌」を採用し、安孫子准教授がナレーションを担当している。時間は6分30秒。
 
94歳森野さん「自然にできる」
ユーチューブ DVD 出前講座も
 
 代表の西野さんは「どこででも全身の筋肉を使うことができる体操に仕上がった。琵琶湖周航の歌のように、県内中に広まって県民の体操になったら最高」と笑顔を見せた。
 最高齢の森野さんは「人生100年時代だが、身体的な老化は誰でも起こる。でも、どんなに歳をとっても目標や夢を持つことが大事だ」と力説した上で「健康のためには何事も継続が大事だが、この体操は普段の生活を取り入れているため、自然に運動できるのがいい」と話した。
 ユーチューブにアップしているほか、DVDの無料配布、いずみ健やか塾のメンバーの出前講座もできる。問い合わせは聖泉大学地域連携交流センター☎(43)7523。

2022年1月17日月曜日

桐生祥秀選手のトークイベント

 彦根出身で陸上競技の桐生祥秀選手が昨年、文化プラザで開かれたトークイベントに登場。彦根での思い出や東京五輪の裏話、今後について語った。
「自分に合ったトレ
ーニングを」
南中陸上部の後輩らへアドバイス
 
 桐生選手は彦根市立南中学校出身で陸上部に所属した。司会者からの質問として、当時の思い出について桐生選手は「学校や部活動、友だちとの遊びは楽しかったし、今も当時の友だちと付き合いがある」と笑顔で話した。会場には南中陸上部の後輩もいたため「僕の時代は限られた練習だったが、今はSNS上に色んなトレーニング法がアップされている。選ぶのは難しいが、中学時代は色んなトレーニングをやって、自分に合っているのを見つけたら良い」とアドバイス。「そして自分なりに選んで重点的にやれば、成長すると思う」と語った。
 彦根での思い出として、「子どものころ、遊んだ場所は友だちの家か庄堺公園」をあげ、また行きつけの店に「ラーメンたかはし(戸賀町)とちゃんぽん亭。今も帰ってきた時は持ち帰って実家で食べている」と笑顔を見せた。
 
「失敗を次にどう生かすか」
東京五輪振り返り、コロナ影響も
 
 昨年8月の東京五輪の陸上4×100㍍決勝で、桐生選手に渡るまでにバトンミスがあったことについては「予選が終わった際、タイム的に良くなかったため、決勝ではタイムを意識した」と明かした上で「最善を尽くした結果、失敗したが、失敗は成功のためにある。色んな意見があることは知っているが、失敗を次にどう生かすかが大事だ。どこかの大会でメダルを勝ち取りたい」と力を込めた。また新型コロナウイルスの影響についても触れ「欧米の選手はコロナ禍でも各地で世界レベルの色んな勝負をする機会があったが、日本では国内でしか勝負できなかった。そこも敗因にあったかもしれない」と分析。「コロナが落ち着けば、海外で転戦したい」と語った。
 
メンタル面「緊張とは集中」
「落ち込んだ時は?」の質問も
 
 トークイベントの中では来場者からの質問に答える場面もあった。「南中時代の練習場所は」に対し、桐生選手は「荒神山の芝生とコンクリートの坂で走ることが多かった」と回答。
 「スタートラインに立つと緊張すると思うが、落ち着かせるためのメンタル面の鍛え方は?」の問いに、桐生選手は「緊張って、すごくいいふうに思っている。緊張とはその場を集中しているということだ」と解説。また「落ち込んだ時に気持ちを整理させる方法は?」の質問には、映画のロードオブザリングやハリーポッターなどをあげ「ストーリー性が何もない映画はつまらない。主役に何かあって、そして起き上がる。何かあるということは改善の余地があるということ。気持ちが上がる状態もあれば、下がることもある。無理に平行にしようと思わないことが良いと思う」と助言した。
 
監修の「座ったまま体操」披露
敏しょう性も競う 来場者と交流
 
 後半には桐生選手と来場者からの希望者がステージ上で敏しょう性を競うタイムアタックや、桐生選手が監修した「座ったままできるラクラク体操」を来場者全員と体験する時間もあった。
 最後に今後の目標について、桐生選手は今年7月の世界陸上や2024年のパリ五輪をあげ「自己ベスト、日本記録を再度更新して、メダルも目指していく」と抱負を述べた。彦根市民に向けては「自分の経験が少しでも市民の皆さんのプラスになれば。彦根には毎年、帰ってくる。彦根を盛り上げるには選手として活躍するしかない。皆さんとまたお会いできることを楽しみにしている」と述べた。
 イベント後、彦根市立南中学校の陸上部主将の北川陸駆さん(14)=2年生=は100㍍が専門。「桐生選手は人柄が良く、人間として尊敬している。荒神山公園の『桐生坂』で練習して、3年生では自己ベストを出したい」と意気込みを話した
 桐生選手のトークイベントは昨年1224日に閉館した施設「フィットウィル彦根」の「サンクスフェスタFINAL」と題して開催。同施設の利用者や一般公募を含め県内外から計約600人が来場した。