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2022年6月27日月曜日

直木賞作家・今村翔吾さん金城小学校で「まつり旅」

 第166回直木賞を受賞した大津市の作家・今村翔吾さんが13日、彦根市立金城小学校で講演し、4年生から6年生までの児童324人に向けて、夢をかなえる方法を話した。
 
彦根に一時在住
ダンス講師時代
 今村さんは二十代の頃、家族がダンススクールの会社を経営していたことからダンスの講師をしていたが、その頃に南彦根で半年ほど、大薮町で3年ほど生活していたことを公表。「金城小の卒業生を教えていたし、10年ほど前には金城小で踊ったこともある」と明かした。
 子ども時代の思い出としては、小学5年生の夏休みに16冊セットの時代小説を読んだのを機に読書にはまったといい「その後、小中高校から20歳ぐらいまでに毎年、年間で100冊くらいは読んだ。そして中学生の頃には『自分で書きたい』、高校生の頃には『小説家になろう』と思うようになった」と述べた。
 今村さんはダンス講師だった時に、教え子だった高校2年生の女子生徒に言われた「(今村さんも)夢をあきらめているやん」との言葉で奮起し、作家を目指したエピソードを紹介。「2、3時間の睡眠で書き続け、2カ月で1冊のペースで発刊し、デビューから4年半で直木賞をとった」と語った。
 
努力・才能・運
小説の書き方伝授
 夢をかなえる方法としては①努力②才能③運をあげ「例えば才能がないなら、努力でカバーする。運は人との縁に関係があり、人とのつながりを大切にした方がいい。誰とでも仲良く誠実に付き合ってほしい」とアドバイスした。
 後半ではホワイトボードを使って「小説の書き方」を講義。童話の桃太郎を取り上げ、児童たちに意見を聞いて登場する動物などを異なる物に変えながら、新たな物語を創作した上で「小説などをつくる際に大切なのは話として破綻しないこと。そして読者におもしろいと思われないとだめ」と伝えた。
 講演会後、児童を代表して6年生の角田果巴(かのは)さん(11)は「私にも夢があるので、今村さんから聞いた夢をかなえるための3つのことを大切にしたい」と話した。
 今回の講演会は、今村さんが5月30日に守山市を出発して118泊119日かけて全国47都道府県を訪れ、読者や子どもたちに話す「今村翔吾のまつり旅」の58カ所目として開催。金城小で読み聞かせのボランティアをしている「びわこビブリオ道場」の北村惠美子代表の依頼で実現した。また講演会の開催を記念し、平和堂財団が直木賞受賞作品「塞王の楯」を含め今村さんの著書10冊を金城小に寄贈した。

 

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