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2012年7月12日木曜日

坂東三津五郎さん「彦根城が一番好き」世界遺産推進講演会で

 歌舞伎役者で城好きとしても知られる坂東三津五郎さんが7日、「粋な城めぐり『彦根城』」をテーマに滋賀県立大学で講演。「彦根城は全国の城の中で一番好きだ」と絶賛した。
 坂東さんは物心が付き始めたころから城好きで、舞台デビューした翌年の7歳の大阪公演終了後に初めて彦根城を訪れたことを公表。「うれしくて、うれしくてたまらなかった。天主前広場ではしゃぎ回っていたことを覚えている」と話した。
 彦根市民会館での巡業の際は毎回、館内に当時あった食堂でハヤシライスを食べていたことや、映画「武士の一分」やネスカフェのCMで彦根城内に訪れた際のエピソードを紹介。玄宮園でのCM撮影で故・井伊直愛さんと一緒だったことについて、「本当はうれしい事なのだけど、おそれ、おののいていた。しかし、井伊さんは優しく、目に見えないオーラで包んでくれた」「(井伊さんは)殿様顔で、その藩主と藩主の庭で一緒にコーヒーを飲むことができて、天にも昇る気持ちだった」と述べた。
 彦根城と彦根のまちについては、この日の午前中に城内を散策したことを明かしながら、「天守、櫓など全体の雰囲気が築城当時のまま残っていて、まさしく理想。城を取り巻く風情、城とまち(城下町)、人のあり方が残っているのは全国でも珍しい」と解説した。
 彦根城の世界遺産に向けては、「彦根と言えば『井伊』の殿様。一つの家が続いたのは国宝四城では彦根城だけで、当時の大名でも珍しい」「城と共に生きてきた皆さんを含めて世界遺産になるよう、これからも彦根を愛し、次の世代に伝えていけるよう努力してほしい」と語った。
 講演後には、中井均県立大准教授との対談もあり、「江戸時代は桜の木はなく、松だった。城と桜は似つかわしくない」「城に登る時には攻める側と守る側の視点に立って」などの持論が展開された。
 坂東さんの講演会は彦根ユネスコ協会と市が世界遺産に向けて彦根城の魅力を市民に再認識してもらおうと企画。約500人が聴講した。

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