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2021年5月11日火曜日

和田裕行新市長インタビュー、 新図書館の整備計画 見直しへ、 ごみ施設と体育センターは「精査」

 滋賀彦根新聞は新しい彦根市長として10日に初登庁した和田裕行氏(50)に単独インタビューを行った。新型コロナのワクチン接種のほか、彦根市スポーツ・文化交流センター、市立図書館中央館、広域ごみ処理施設の大型事業の扱いを中心に、現市政の課題全般についての考えを聞いた。(聞き手=山田貴之)
 
燦ぱれすの解体是非 焦点
弓道場も「eスポーツを導入」
南彦根駅前に建設中の市スポーツ・文化交流センターは約3万5314平方㍍の敷地に、3階建ての延べ約9732平方㍍のスポーツ棟、2階建て延べ約2544平方㍍のまちなか交流棟、共有部分約809平方㍍、403台分の駐車場などが整備。来年6月22日に完成し、12月に供用開始する予定。現段階では、スポーツ棟で1階のスラブ(床板)工事、まちなか交流棟で基礎工事が始まっている。計画ではひこね燦ぱれすを来年4月以降に解体し、その跡地を駐車場にする予定。
市スポーツ・文化交流センターに対し、和田氏は「すでに着工しているが、eスポーツの導入など、市民負担を最小限にし、しかも収益が図れるベストな方法を考える」と説明。ひこね燦ぱれすや整備内容については「まずは駐車場のキャパシティーを考えるが、燦ぱれすはまだまだ使える施設だ。(遠的の)弓道場が必要かなどビジネスマンの視点で精査する」と述べた。
現市政が清崎町を候補地に2025年の開設を目指していた市立図書館の中央館については「このコロナ禍でニーズがあるのか。整備計画をゼロベース(白紙)にし、電子図書館の方向で考える。ハコモノを作るという時代ではない」と、図書館の整備計画を見直す考えを示した。
 
彦根城運営「市直営」へ
荒神山トンネル案「不要」
広域ごみ処理施設については「お金がかかり過ぎており、もう一度精査する必要がある」と述べ、またアクセス道路の一環として整備予定の荒神山トンネル案に対しては「不要と考えている」と、同案の実施を否定した。
彦根城の世界遺産登録については「メリットばかりでデメリットが出ていないため、そこを調べる。市民にメリットがあると判断すれば進めるが、登録までにできることは多くある」と解説。琵琶湖、男鬼、佐和山、高宮・鳥居本、曽根沼、荒神山をあげ「これらの観光資源を活用し、魅力をアピールすれば、滞在型観光につながっていく」と語った。また彦根城を民間委託している運営方式については「しかるべき時期に市直営に戻す」との意向を示した。
新型コロナウイルスのワクチン接種については「国の補助金に加え、市としてできる支援を模索する」とし「市立病院と市医師会との緊密な情報交換を進める」との考えを示した。
 
人口30万人都市へ
「まず1期全力で」
情報公開としては、定期的なユーチューブでの動画配信や、市民とオンラインで意見交換ができるサイトの開設を明言。行政改革としては「ICTで行革を進めている自治体を参考に、縦割り行政を無くすシステムを立ち上げたい」「職員については年齢や勤務時間に関係なく、結果で評価する」と語った。
 副市長人事については「事務方のトップという認識で、現役の市職員やOBを含めて選任したい。特別顧問や庁内の新チームも適材適所の人選をしたい」と説明。選挙中に支持した市議が令和会の2人のみだった市議会との関係については「市民にとってプラスだったら、(最大会派の)公政会の意見も取り入れる。議会との関係よりも、やはり市民にとってプラスかマイナスかが最終判断になる」と話した。
 最後に和田氏は「私が目指す彦根の将来ビジョンは人口30万人の中核都市で、県庁の移転まで視野に入れている。その足掛かりとして、まずは1期4年を全力で務めたい」とし「新しいまち彦根に向けて、市民の皆さん、一緒に作っていきましょう」と呼びかけた。

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