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2010年3月17日水曜日

「人間とは何かを考えよ」 滋賀大学名誉博士授与の丹羽宇一郎氏

 滋賀大学から名誉博士の称号を授与された伊藤忠商事取締役会長の丹羽宇一郎氏(71)は記念式典の中で「商売道の精神と倫理」をテーマに講演し、「経営者は人間とは何かを考える事が重要だ」と述べた。
 丹羽氏は、生物学者アレキシス・カレル(1873―1944)の著書「人間、この未知なるもの」を紹介しながら、「人間はすべて自己中心的に考える動物で、寒ければ暖房をし、水がなければ奪い合う」と解説したうえで「自己の欲を抑え、利己への利益を考えるのが倫理だ」と展開。「人間とはいかなるものか、経済においてもそれを前提に考えなければならない」と述べた。
 「商売」という概念に関しては、「商売は卑しいものだが、ただ単に儲ければ良いのではなく、倫理に注目しなければならない」とし、ドイツの経済学者マックス・ウェーバー(1886―1920)の思想を説明しながら「実に近江の商売道の精神と倫理に似通っている」と、三方よしで商売をした近江商人の精神を称えた。

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